アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

「自民圧勝」の総選挙が終わって

2012年12月19日 22時37分27秒 | 戦争・改憲よりも平和・人権
 取り急ぎ見出し画像の資料を作ってみました。内容は今回の衆院選比例区・選挙区と前3回比例区の議席・得票動向の分析です。
 分析といっても大したものではありません。自公両党が圧勝したかのように言われる今回の選挙も、43%の得票で79%もの議席を掠め取れるインチキな選挙制度や、多党乱立・争点ぼかしによる一千万票以上もの棄権によって、自民党がたまたま漁夫の利を得ただけに過ぎない事を、単にウィキペディアの記事からまとめただけのものです。
 既に同種の記事がメディアやネットにも掲載され始めていますので、情報はそちらから得る事が出来るものの、やはり自分でも原資料に当たり数字で掴んでおかない事には、単なる受け売りにしかなりません。かといって、生活に追われている身では、学術論文みたいなものに取り組んでいる余裕はありませんので、とりあえずネットで最低限の知識だけは仕入れておこうと思って作りました。

 同種の記事の中でも東京新聞のものが分かりやすいので、「薔薇、または陽だまりの猫」さんのブログにアップされていた同紙の記事全文を下記に掲載しておきます。確かに全文転載は著作権に抵触する行為かも知れませんが、そのままにしていたら流れて読めなくなってしまいますし、憲法改悪・徴兵制で「生きるか死ぬか」「殺されるか逃げるか」の事態を前に、そんな事いちいち気にしていたら何も出来ません。
 「何とまあ大げさな」と思う人もいるかも知れませんが、仮に徴兵されるのが若者の一部だけだったとしても、「お国の為に死ね」と言われるような社会になれば、国や企業に何されても、例えば「嫌なら福島原発の収束作業に就け」と言われても拒否できなくなってしまいます。私はどちらも嫌ですね。
 これは福島差別でも何でもありません。福島の人だって、原発さえなければ危険で人権無視の事故処理なぞしなくても良かったのですから。故郷の自然や暮らしを破壊されずに済んだのです。その自然や暮らしを破壊し、社会保険も寮費もカットして、バイト並みの低賃金で労働者を使い捨てにする原発を容認したまま、嫌がる人間を「非国民」呼ばわりする方がよっぽど鬼畜の所業です。

 その前述の資料を踏まえた上で、来年の参院選やその後にいよいよ本格化する憲法改悪とどう闘うのか、それを自分なりに記事にまとめようと思っています。本当は、これから忙しくなる年末の前にそれをやるつもりでしたが、資料を作るだけで精一杯でした。出来るだけ早めに記事を仕上げようと思っていますが、書けなければせめてこの資料だけでもアップしようと思います。

(以下転載)
自民 比例219万票も減  乱立棚ぼた これでも勝てた
小選挙区制 多大な貢献
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2012121802000139.html
2012年12月18日 東京新聞[核心]

 衆院選の結果は、自民党の安倍晋三総裁でさえ「自民党に信任が戻ったのではなく、民主党政治の混乱に終止符を打つべきだという国民の判断だった」と“敵失”による勝利だと認めている。実際、過去のデータと比べると自民党は今回の衆院選で胸を張るような得票を得ているわけではないことが分かる。
小選挙区、比例代表の選挙結果を分析し、棚ぼた式での自民党勝利となった衆院選を斬った。 (金杉貴雄、関口克己)

◆5党対決区完勝
 小選挙区は、有力候補者が多いほど当選ラインは低くなる。今回の衆院選では、 自民党が最も恩恵を受けた。
一番象徴的なケースが民主党、日本維新の会、日本未来の党、みんなの党との「5党対決」となった12選挙区。自民はここで全勝した。
 個別の選挙区を分析すると、自民が強かったわけではない。東京1区の新人、山田美樹氏は民主党の海江田万里氏に競り勝ったが得票数は3割に満たなかった。小選挙区制では「投票者の5割以上の得票が必要」と言われることが多いが、12選挙区で「5割以上」を得た候補は1人もいなかった。
 維新、未来、みんなの3党を合わせた得票率が自民を上回ったのは12選挙区中7つ。3党のうち、いくつかが擁立を見送り「非自民票」が集約されれば、自民候補が敗れた可能性はあった。

◆69議席
 政党乱立が自民党を利したのは、2003年の衆院選データと比較すると一目瞭然だ。
 今回、自民党が小選挙区で得た得票数は43.01%で獲得議席は237。1996年に現制度が導入されて以来、最高となった。
 一方、03年の得票率は43.85%で獲得議席は168。得票率はわずかながら下回ったのに、獲得議席は、今回が69議席も多かった。03年では、小選挙区に100人以上の候補を擁立したのは自民党の他は、民主、共産の両党だけだった。今回は未来、維新も100人以上の候補者を立てた。
 他の党が「非自民票」を奪い合うことで、自民党が漁夫の利を得る結果になった。今回、候補者が乱立せず、小選挙区が03年並みの獲得議席に終わっていたら、自民党は比例代表で得た57議席を合わせても、単独過半数(241)に届かなかった計算になる。

◆12.9%
 当選者が1人の小選挙区では、落選者に投じられた「死票」が多く出る。政党乱立の今回は、総得票の53%が死票。有権者が投じた貴重な一票の半分以上が選挙区では生かされなかった。
 自民は289人が出馬し、237人が大量当選。死票率も12.9%と、全体の割合よりも4分の1以下と低かった。自民党の得票が、効果的に議席に結びついていたことが分かる。自民と連立政権を組む公明党は小選挙区立候補者9人全員が当選。死票はゼロだった。
 一方、大惨敗を喫した民主党は死票率は82.5%。自民党の6倍以上に達した。未来に至っては、111人中2人しか当選できず、死票率は94.3%と極めて高かった。

◆2議席上乗せ
 自民党は比例代表での得票数は、衆院選で比例代表が導入された1996年以降、過去最低だった。この一点からも、自民党が積極的な支持を得ていなかったことが分かる。
 しかも長年続いた自民党政権に対する批判を受け、民主党に惨敗した09年(約1,881万票)より219万票も減らしている。小選挙区では「よりましな候補」として自民党候補を選んだものの、比例代表では「自民党」と書くのに抵抗感が残る有権者が多数いたことを示している。
 比例得票で伸び悩んだ自民党だが、ここでは低投票率に救われた。議席数は57。郵政選挙で圧勝した05年の77議席と比べるとかなり少ないが、09年より2議席上乗せした。

死票率56%に上昇=民主は惨敗で8割超―衆院選【12衆院選】
時事通信 12月17日(月)16時31分配信
 16日投開票された衆院選で、小選挙区で落選候補に投じられ、有権者の投票行動が議席獲得に結びつかなかった「死票」は、全300小選挙区の合計で約3730万票に上った。小選挙区候補の全得票に占める「死票率」は56.0%で、前回の46.3%と比べ9.7ポイント増となった。
 今回は「第三極」として新たに日本維新の会や日本未来の党が参戦して12党が乱立。共産党も前回までの方針を転換し、原則として全選挙区に候補者を立てた。当選者が1人の小選挙区制では、候補が多数で票が分散されれば当選ラインは下がり、落選候補の合計得票数が増える傾向があることから、前回より死票率が上がったとみられる。
 死票率を政党別にみると、小選挙区で237議席を獲得した自民党は12.9%で、大敗した前回の74.0%から大きく低下。一方、惨敗した民主党は前回の13.2%から82.5%に大幅上昇した。第三極同士で共倒れが目立った維新も81.9%。小選挙区全勝の公明党は0%だった。 

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衆院選:得票率と獲得議席に大きな乖離(毎日新聞17日)
http://mainichi.jp/select/news/20121217k0000e010344000c.html
【衆院選】「死に票」増加40%に 政党乱立影響も 民主は67%強
(産経新聞17日)
http://sankei.jp.msn.com/smp/politics/news/121217/elc12121709540248-s.htm
自公圧勝と言われるが… 比例は自219万減、公94万減 信任されたとはとても
いえない 09年比(しんぶん赤旗18日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-12-18/2012121801_02_0.html
投票率最低なのに…選挙区の無効票「過去最高」(朝日新聞17日)
http://www.asahi.com/politics/update/1218/TKY201212170931.html?tr=pc
乱立、政治不信…政党も痛感 投票率戦後最低 要因は?(東京新聞18日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012121802000127.html
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次の記事の下書き (プレカリアート)
2012-12-21 07:27:40
 まず標記の資料ですが、色使いをミスった部分について刷り直し、再度ブログにアップし直します。原版ではまだ辛うじて赤色(淡いピンク色)で表示されていた部分が、ウェブにアップしたら全然赤色になっていないので。数字部分についての修正はありません。
 その資料では、自公の圧勝は、(1)43%の得票で79%もの議席を掠め取る事が出来た小選挙区制の詐術と、(2)多党分立で反自民(脱原発・反TPP・護憲)票が分散され、展望を失った1200万もの有権者が棄権してしまった事によるものだと示しました。
 しかし、それでもまだ疑問が残ります。それは、

 では投票に行った有権者は、実際は色々あっても一応は脱原発・反TPP・護憲の筈の共産・社民や未来には流れず、原発容認・TPP推進(格差社会容認)で必ずしも反自民とは言えない維新や「みんなの党」なんかに流れてしまったのか?

 という事です。(未来にも多少は流れたがあくまでも限定的)

 私が思うに、次の四つの要因が絡み合ってそうなったのではないかと。

(1)選挙制度の問題。はっきり言って、今の小選挙区に立候補している人の名前をみなさんご存知でしたか?大政党の幹部クラス以外の候補者については、殆ど誰も知らなかったのでは。私自身がそうで、投票所で初めてその名を知った人が殆どでした。私なぞはそれでも政党名で投票しましたが、一般の人はまずそこで政治に対する関心を失ってしまう。中選挙区制時代と今の小選挙区比例並立制になってからの投票率を比較してみればよく分かります。昔は6~7割もの投票率がコンスタントにあったでしょう。

(2)政治・社会情勢によるもの。冷戦崩壊でかつてのような保革対決型の政治は影を潜め、どの党も余り変わり映えがしなくなった。民主党なぞその典型ですが、自民党と似たり寄ったりの政党が、お互いに足の引っ張り合いをしているだけじゃないですか。

(3)国民の奴隷根性。いくら保革対立が影を潜めるようになっても、現実に原発事故が起こり格差社会も酷くなる中では、国民は今の政治に不満を持つだろうと、普通は思いますよね。現に米国ではウォール街占拠の反格差デモが、中国やアラブ諸国でも労働者のデモや民主化運動が広がり、中南米なぞは日本とは逆に反米左派勢力が席巻しているではないかと。しかし、これらの国々はいずれも、経済が拡大(インフレ)基調の中にあって、格差が広がっているのが特徴です。それに対して、欧米や日本では、経済が縮小(デフレ)基調の中で格差が広がっている。その中ではどうしても、支配層や富裕層に対する怒りよりも、「下見て暮らせ傘の下」宜しく、自分と同じか少し上の層にばかり不満が行き、本当に自分たちを苦しめている支配層にはなかんか不満が行かない。寧ろ「勝ち組」と羨望の眼差しで見る向きすらある。生活保護バッシングなぞはその典型です。

(4)共産・社民や未来自身の問題。もう出勤前に慌しく書いているのではしょりますが、80年代以降の長い政治的敗北の中で、負け癖がついてしまった事。目先の自党の選挙結果のみに一喜一憂するのみで、後は支持者に頑張れと発破をかけるのみ。北朝鮮問題などで沈黙してしまっているのも、根っこにはこれがあるからでは。本当は北朝鮮問題でも、北朝鮮や中国の軍拡や人権弾圧に対抗するには、今こそ日本国憲法の平和主義や基本的人権尊重の原点に立ち返り、それを米国だけでなく北朝鮮や中国にも要求すべきなのに(脱北者の扱いなどで)、それをせずに、上っ面のアリバイ的な批判だけでお茶を濁し、「臭いモノに蓋」の対応に終始している。

 以上取り急ぎ書いてみました。後でもう少しまとめます。
返信する
「民衆はバカ」と言っているだけでは何も見えない (まこと@スマホ)
2012-12-21 09:27:08
プレカリアートさん、こんにちは。

プレカリアートさんの選挙総括は、要するに「小選挙区比例代表並立制はインチキ、自民や維新に票を入れた民衆はバカ」と言っているに過ぎないと思います。

まず、小選挙区比例代表並立制の制度的欠陥は言うまでもありませんが、一部左派ブログや東京新聞などはそのことを指摘して「だから自民党などはそれほど支持されていない」と言いたげですが、私にはその種の論調は「負け犬の遠吠え」にしか聞こえません、厳しい言い方ですが。

仮に純粋な比例代表制なら共産党や社民党や未来の党が過半数を占めていたのでしょうか。そうでは無いですよね。どれだけ数字をこねくり回しても、自民党や維新や公明党が多数を制し、共産党や社民党や未来の党などが民衆から「ノー」を突き付けられた事実は変わらないのです。

次に、そもそも今回の総選挙、投票行動の基準として原発問題やTPPや消費税問題はそれほど優先順位は高くなく、まずは民主党を政権に引きずり降ろすこと、そして尖閣問題や竹島問題で緊迫する日中や日韓との関係を、日本国内のナショナリズムを強化する方向で「解決」することの是非に重きをおいた選挙であり、民衆はナショナリズムを支持したのだと思います。

そして、三番目に、今回の総選挙は共産党や社民党といった既成の議会内左派政党に民衆が「用済み宣告」を突きつけた選挙と言えます。なぜ、総選挙のみならず、東京都知事選でも、猪瀬陣営に圧倒的大差をつけられて宇都宮陣営は敗北したのでしょうか?

そもそも、共産党などは維新の橋下氏が「今こそ維新を!」を絶叫する以上に真剣に「今こそ万国の民衆が連帯して危機を乗り越えよう!」と訴えていますか?

私には、共産党や社民党はある意味「保守」政党に映ります。

返信する
バカだからバカと言って何が悪いのでしょうか? (プレカリアート)
2012-12-22 08:34:07
まことさん、バカだからバカと言って何が悪いのですか。これは何も私等の様な左派だけでなく、市井の一般人も目端の利く人なら私と同じ指摘をしていますよ。(例えば私の行きつけの鍼灸医等)
私の言うバカとは、具体的には私自身も含めた庶民の中にある奴隷根性の事ですが、この虜になると何も見えなくなる、何も考えられなくなるという事を、職場で業務・待遇改善に取り組む中でも嫌と言う程感じましたから。だってそうでしょう。以前のドーリーや今のレーンでの商品の流し方の件での会社側の対応を見ても、暗愚経営の最たるものでしょうが。特に後者の件なぞ、別にお金が掛かる訳でもなければ、元請けにお伺いたてる必要もない、現場の裁量で如何様にも出来るのに、何一つ改善しようとしない。そうして自分で自分の首を絞めながら、愚痴をこぼすのみで。
この日本人の奴隷根性は、別に日本固有の文化・伝統でも何でもなく、明治以降に日本がアジア唯一の帝国主義国として、富国強兵・脱亜入欧政策を強行する中で、無理やり形成された国民性だと認識しています。それ以前の江戸時代も、確かに身分制社会ではありましたが、その一方で「宵越しの金は持たねえ」江戸っ子気質に見られる様な楽天性も庶民の中にはあり、百姓一揆や町人の打ち壊しも度々起こっていましたからね。必ずしも克服できない宿痾ではないと思います。その宿痾をどうやって克服していくかが問われているのだと思います。日刊ゲンダイの記事の様に「民衆はバカ」と嘆いていても仕方ないので、まずは情報を庶民に伝える所からやっていくしかないでしょう。職場で撒いた私のビラを読んで、今後の身の振り方を考え始めた仲間もいます。自民党を支持した連中にしても、安倍晋三の持論である親学や帝国憲法復活まで支持した訳ではないですから。
まことさんは「維新よりも社共の方が保守」だと仰いますが、維新も充分「保守」ですよ。地元で維新のビラ撒いていたのは元自民府議や町内会・商工会の動員組です。それで選挙後に買収で今でも既に4人が逮捕され。これの一体どこが「改革」政党なのでしょうか。私も今の社共には大いに問題ありだと思いますが、それだけでなく今の国民の方にも問題が多々あると思います。
返信する
バカが自らのバカを自覚しないのも問題だが (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2012-12-22 11:02:34
他人だけをバカ呼ばわりして、バカの原因分析してるだけでも自分たちがバカ左翼なんですねw

「バカ」を利口にするにはどうしたら良いのか?
自らの「バカ」はどこなのか?それをどう改めるのか?
そここそが問題!

なお、選挙結果の総括については、まず、「基本的な事実を直視」しましよう。
小選挙区制と低投票率の下で現れた議席結果よりも、基本的事実たる「有権者の投票」結果こそが最重要です。「圧勝」とか「惨敗」とかいうのは、解釈、それも一面的な解釈に過ぎません。自公が選挙区でも比例でも得票をかなり減らしていることは連中の方が良く自覚しているのですからね。

今左翼にとって重要な基本事実とは、まず、社民が大幅減票させていることと、共産の比例票が、単に減票してるだけでなく、小選挙区票の前回比大幅増に反して大幅に減票しているような「ネジレ」の理由が説明出来ないことです。
下記参照のこと。

2005年総選挙 小選挙区493万  比例491万
2009年総選挙 小選挙区297万  比例494万
2012年総選挙 小選挙区470万  比例369万

従来、党の方針で「比例を軸」にしていた共産の比例票が、小選挙区票の大幅増(=前々回票回復)にもかかわらず、ナゼ小選挙区票対比でここまで落ち込んだのか? 
今回は、前回の「政権交代」選挙のように、例の「全小選挙区立候補」方針の弊害が顕著になっている選挙では無く、比例票が「泡沫」候補の選挙区票さえ下回ったことは「投票してもムダ」論や「セクト主義批判」「左翼退陣」論では説明がつかないのです。小選挙区票が多く出ている(最高水準級)のですからね。

何か、もっと深刻な原因、単に共産党一党の消長に解消出来ない不可解で重大な現象が起きています。
これは、各選挙区毎の各党候補得票と党派別比例得票の比較分析をしてみても、いわゆる「第三極」が原因になっている事態だとは思えません。
この「不可解な退潮」は、強いて上げれば、有権者の共産党「中央」への批判、そして、候補者選定方法を含む共産党の政策面・選挙戦術への不満の表明としか考えられないのです。「(地元選挙区の)下々は頑張っているけど上はダメだ!」というようなね。
この事実は、「右傾化」などでも説明出来ないのですよ!   

共産党中央は無視するでしょうが、こんな事は過去1度もなかったのですから、最重要の解明課題だと思います。
ここが解明されないと統一候補戦術なども多分困難でしょう。宇宮都知事選候補の得票が共・社・未の比例合計票より少なかったこととも併せて、これまでの経験則では解釈出来ない不可解な事態が生まれているのが今回の総選挙なのです!
返信する
共産票の比例・選挙区ねじれ現象の事など (プレカリアート)
2012-12-23 10:21:08
 バッジさんの標記指摘に目から鱗です。そんな事態が起こっていたなんて思いもよりませんでした。
 あれから私も過去の衆院選の党派別得票などを少し調べてみましたが、70~80年代なんて自民党は3千万票も取っていたのですね。今回も、議席だけで見たら、その自民党が単独過半数を制していた頃と同じ位取っていますが、得票は1600万前後と半減してしまっている。
 そして共産党も、議席の増減に関わらず、当時はコンスタントに5~600万票取っていたのが、今は3~400万票の間をうろうろ、しかも変動しまくり。
 私もその原因を自分なりに調べてみようとは思いますが、如何せん、もう職場も年末繁忙期に突入し、連日早出遅帰りとなりつつあります。選挙関連の記事はもう新年以降にお預けです。それでも一応の締めくくりとして、雑感的な内容で書こうとは思っていますが、これすら書く時間があるかどうか。
返信する
戦争には反対だが軍隊は必要なんだと (プレカリアート)
2012-12-23 20:16:42
 まず、記事タイトルを標記のものに変えました。当初はもっとまとまった形での選挙総括記事を別途書こうと思っていましたが、もうここで既に議論が始まっていますし、年内に新たに記事を書く余裕もどうやらなさそうなので。

 私自身は今回の選挙で、比例区は共産党に、選挙区は未来の元民主現職に入れました。比例は元来の支持政党なので最初から入れるつもりでしたが、選挙区の方は投票所でもギリギリまで迷いました。民主党への期待は完全に冷めていましたが、元民主の未来の人が、原発にもTPPにも反対で新自由主義にも批判的な、比較的良心的な候補だったので、現職という事もあって入れました。でも蓋を開けたら大幅に票を減らして落選してしまいました。これなら選挙区も共産党で筋を通した方が良かったと悔やむ事しきりです。

 それで今日が鍼灸治療の予約日で、いつものお医者の所に行き、そこで選挙の話も出たのですが、そのお医者さんが言うには、患者さんや選挙討論番組での視聴者の反応から、自民党に入れた人は大体次の二つに分かれるのではないかと。

 一つは高齢者に比較的多い、「軍隊で今のたるんだ若者を鍛えなければならない」と精神論を振り回すタイプ。戦争経験世代はこの様に、もう戦争はコリゴリだと反戦に転じる人と、この精神論者の様に脳内時計が戦前で止まったままの人の、二つに大きく分かれるのだとか。この精神論者は、TPPについてはアンチ「鬼畜米英」の観点から反対するのだそうですw。
 もう一つは若者で、こちらは中国・北朝鮮の軍拡や竹島・尖閣問題への対応を見て、「戦争には反対だが軍隊は必要だ」と思っている人たち。集団的自衛権を認めてしまった時点で、イラク戦争みたいな物にも自動的に参戦しなければならなくなり、そこで幾ら「戦争には反対だ」と言っても屁のツッパリにもならないのだが、そこまでは考えが及ばないらしい。

 今の自民党支持者というのは大体こんなレベルなので、憲法改悪で9条だけでなく主権在民も基本的人権も画餅に変質してしまう事も、尖閣・竹島問題で「日本を守れ」と言っている連中が、福島を不毛の地にしてしまった原発を今も容認していたり、派遣切りや消費税増税で現実の暮らしが破壊されようとしているのに、その事には一切矛盾を感じないのだとか。

 普通に考えればおかしな話ですが、今の職場の状況を考えると「それもさもありなん」と思います。
 だって、歳暮の商品をたった1ケース流す時にも取扱い注意の放送を流す癖に、15分小休止開始の放送もしないのですから。それを所長に指摘したら逆に怪訝な顔をされました。そんな扱いされるなら「こっちも好き勝手に休憩取るぞ」となりますよ。休憩開始の指示も出来なくて、どうやってバイトを管理・指導出来るのか。
 もう一つ例を上げます。いつも商品を軽い端数から先に、重たい成体を後で流されるので、その都度商品を積み替えなければならない。酷い時はシュークリームと鍋物をごちゃまぜに流して来られる。最初に端数を横にはねておいて、後で流してくれれば何の問題もないのに。こんな事、別に元請けにいちいちお伺いたてなければならない事でも、別途設備投資がいる訳でもない、その気さえあれば今すぐにでも改善できる事なのに、それすら横着かいてやろうともしない。

 そんな事なかれ主義で社畜の有権者が投票するのだから、そりゃあ自民圧勝や都知事選でも猪瀬圧勝に終わるのも当然でしょう。右傾化や保守化というのは、単に自民党や改憲派が勢力を伸ばすだけでなく、有権者がアホになるという事だと、最近つくづく感じるようになりました。
 米国でもそうでしょう。進化論も地動説も信じない様な、イラクが世界地図のどこにあるかも知らない様な奴らが、ネオコンやテレビ伝道師の言いなりにロムニーに投票しているのですから。

 でも、ぼやいているだけでは何も始まらないので、少しでも「バカを利口に変える」為に、諦めずに頑張ろうとは思っていますが。徴兵や福島原発に駆り出されるのは嫌なので。
 この私の意見は、確かに大衆蔑視かも知れません。ただ私から言わせると、これは蔑視というよりも寧ろ憎悪に近い。自分で言うのも何ですが。前述の例なぞ、「バイトの休憩や健康の確保よりも歳暮の1ケースの方が大事だ」と言う本音の現れではないですか。そんな扱いをされて平気でおれる神経の方が理解できない。
 総選挙直後よりは大分落ち着いて来ましたが、まだまだナーバスな気分が払拭できないので、敢えてボヤキを書いてみました。後ろ向きな意見なのは自分でも自覚していますので、もうこれでぼやくのは止めて、年明けからはバッジさんの宿題にも取りかかろうと思っています。
返信する
前言を翻すようですが (プレカリアート)
2012-12-23 23:22:35
 今ふと思ったんだけど、前のコメントで上げた「戦争には反対だが軍隊は必要だ」という若者は、別にアホでも何でもなく、寧ろある意味では私たち以上に世の中が見えていて、中には集団的自衛権発動で日本がイラク戦争のような米国主導の侵略戦争に巻き込まれるのも覚悟の上で、「それでも中国や北朝鮮の言いなりになるよりはマシだ」という判断で、自民党に入れたのではないか。
 その判断が正しいかどうかは、私から見て色々意見がある所だが、少なくとも彼らなりに総合的に考えて下した判断に対して、対話もろくにせずに切り捨ててきたからこそ、今の左翼衰退を招いたのではないか。

 「今頃何を言うてんねや」と思われる向きもあるかも知れないが、意外とこれが落とし穴だったんじゃないか。
 昨今ともすれば、もう一つのタイプである「軍隊で今のたるんだ若者を鍛えなければならない」と精神論を振り回すような政治家が幅を利かせ、マスコミもそんな奴らばかり好んで取り上げ、実際そいつらも「ニート・失業者やフリーターはクズ」とか言ったりして、いちいち挑発してくるものだから、我々もついつい感情的になって、そちらばかり叩くようになってしまっていた。
 その結果、空中戦に陥ってしまい、説得次第では我々の支持者にもなり得る「戦争には反対だが軍隊は必要だ」という若者をも、敵側に押しやってしまってきたのではないか。

 例えば安倍晋三などがその典型だが、たとえ戦後生まれでも、戦犯政治家の岸信介などの親戚に囲まれて育ってきたという意味では、「軍隊で今のたるんだ若者を鍛えなければならない」流の高齢者と精神構造は同じなのだ。そんな政治家や「在特会」みたいな連中ばかりが大手を振ってまかり通るものだから、我々もついついそちらを叩く事にばかり目が行ってしまい、ともすれば、それなりに冷静な「戦争反対だが軍隊は必要」論者をも、十把一絡げに批判してしまう愚を犯してしまっていたのではないか。
 実際、後者の「戦争反対だが~」の論者は、前者の安倍・石原や「在特会」などの「お坊ちゃん・カルト右翼」などとは違い、旧ソ連・中国や北朝鮮の実態もそれなりに知っている(強制収容所の事とか)。その中には2ch的な情報の偏りもあるだろうが、基本的には間違ってはいない。

 そんな彼らも、今の自民党が志向するような「権利主張は義務を果たしてから=働かざる身障者や失業者は食うべからず」といった改憲論には決して同調できない筈だ。でなければ中国や北朝鮮の体制を嫌悪する筈がない。それに対して、派遣村の告発やブラック企業批判だけでは、彼らを説得する事は出来ないのではないか。
 これは別に改憲派と同じ土俵で尖閣・竹島問題を論じろと言う事ではない。寧ろ逆に、人権・平和・民主主義の観点から、イラク反戦やブラック企業搾取を批判するのと同じ立場で、中国・北朝鮮の軍拡や強制収容所や格差社会を批判すべきなのだ。それは改憲派では出来ず、寧ろ我々にしか出来ない、我々こそが率先してすべき事ではないか。
返信する
訂正 (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2012-12-26 10:24:16
>これは、各選挙区毎の各党候補得票と党派別比例得票の比較分析をしてみても、いわゆる「第三極」が原因になっている事態だとは思えません。


上記は舌足らずだったので訂正しておきます。

まず、「事実」の問題。
共産の比例票が大幅減票した事実は、第3極への流出です。つまり共産票が比例選挙では第3極に流れてしまったということ。
この理由は、原因はまだ判りませんが、共産党支持層の浮動層化「など」でしょう。共産は、近年「議員党体質」と共に「浮動票依存体質」も深まっていたので、何らかの理由で一部支持層、浮動票層が逃げてしまったということ。

しかし、それにしても選挙区票とのアンバランスは説明がつきません。
共産の選挙区選挙は、当選の見込みのない「泡沫」ばかりなのですから、その「泡沫」への票が、死票の少ない比例の票より少ない理由は依然謎です。

つまり、深い説明が出来ていないということです。
返信する
不思議に思われるかもしれませんが (三浦小太郎)
2012-12-29 07:03:26
皆様には理解しにくいかもしれませんが、皆さんが徹底的に否定されているいわゆるネット右翼と言われる方々、意外と、社民党にはすごく敵対的ですけど、共産党には好意的なんですよ。私の言っていることなので信用しにくいのでしたら、安田浩一氏の「ネットと愛国」をお読みください。まあ、彼らが実際に共産党に投票しているとは思いません。しかし、そういう一面もあるんです。

私は今共産党に投票している人には、確かに思想を持った左派の方、理論を持った方もいるでしょうが、とにかく現状の生活に我慢がならないという人も多いように思います。この人たちは、現状を激しく批判してくれる政党にまず流れるのではないかと。それは今回ではむしろ共産党より維新の会や、一部自民党だったのでは。

そして、今右派の方が言っているのは『戦後体制打倒」でしょう。これって、皆さんからはとんでもない反動に見えるでしょうけど、少なくとも現状を変えようとしているわけですよ。そして9条の会とか社民党、共産党の方々の主張は、もちろん深く読めば違うんでしょうけど、生活を守ろう、平和を守ろう、戦後民主主義を守ろうという「保守」に見えている一面があると思います。多分まことさんの言いたいことはそういうことではないかな。左派って私の印象では、「革命」を目指すわけでしょう。それは暴力革命とかそういう意味ではなくて、現在の秩序への根本的な変革でしょ。そこがわかりやすく打ち出せていないのはやはり弱点ではと。
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希望は革命 (プレカリアート)
2012-12-30 10:16:21
 三浦さんが挙げられた「ネットと愛国」ですが、私もどこかで読んだ記憶があります。その著書の中に、ネット右翼の「在特会」が、自分たちの朝鮮学校への嫌がらせ行為について、これは「在日特権」の差別に対する我々の「階級闘争」だと、開き直るくだりがあります。それに対して、小林よしのりが、最新作「ニセモノ政治家の見分け方」の中で、「在特会」をケチョンケチョンにしていました。
 その最新作のコーナーを本屋で見た時には流石に唖然としましたが。何と「安倍政権による右傾化阻止」と銘打っているのですから。小林自身が「ネトウヨ生みの親」のくせに、そのお前が言うなよと。ただ、小林の安倍批判そのものについては、大筋では私も同意しますが。ただ、そこまで言うなら、それを煽ってきた自分自身への総括も同時にすべきでしょう。

 そのネトウヨが「階級闘争」を叫び、その中にはごく一部ながら、実際に共産党支持を公言する人も、ネットで実際にいるのも知っています。ネットをやる前は信じられませんでしたが。まあ、共産党も領土問題や自党の入党基準(外国人は不可)などでは、一見「右翼的」な主張もしていますから、中にはそういう人も居られるのでしょう。しかし、大多数のネトウヨは共産党にも敵対的だというのが、今までの私の感触です。

 その共産党ですが、以前よりも「国民政党」化してきたなというのは、私も何となく感じます。今でも公式には安保も天皇制も廃絶の立場ですが、以前よりも余り批判しなくなったように思うし。普天間移設やオスプレイ配備の件で批判する時も、日米安保条約そのものの是非には余り触れなくなった様に感じます。
 それが良いか悪いかについては、確かに一概には言えないでしょう。実際、沖縄では自民党までが普天間県外移設、オスプレイ配備反対を言っているのですから。どこまで本気か信用出来ない面はあるにしても。

 ただ、共産党も以前と比べたら「覇気(革命的気概)がなくなった」というのは感じます。今でも「赤旗」はネットで読みますが、以前ほど面白くなくなったもの。昔は通信員欄などに、愚痴も含めた労働者の生の声や、私がやっているような職場での活動なんかも一杯載っていたのに、最近はそういう記事を余り見かけない。

 私、昔読んだ伊藤テリーの「お笑い日本共産党」を今でも持っているのですが、そこで紹介されている共産党ポスターがいずれも「年代物」で、中国の文革ポスターに出てくるような菜っ葉服の労働者が、「ウオーッ!」とか叫んで暴れ回っている図柄で結構笑える。
 あそこまでアナクロだと逆に引いてしまいますが、今は寧ろそういう部分も大事なのでは。現代の派遣労働者が、「寮費引下げ、ピンハネやめろ」と叫んでいる図柄など、正に打ってつけではないかと思うのですが。
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