東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

好奇心に満ちた瞳

2021-06-26 12:30:26 | ノルウェーの動物 dyr
仕事から家に帰る途中の山道で
橋を2か所渡ります



最初の橋の一部には
放牧中のウシが橋を渡れないよう細工がしてあって
人も歩くときには気をつけないとつまずきそうになります



この橋から先では
どこでウシにあってもおかしくないのですが
彼らが好む場所が何か所かあるので
それ以外はわりと気を抜いて走っていると…



えっ、ここ?
という場所で不意打ちにあうことも



見慣れない車両に興味津々のウシたちは
近寄ってくることはあっても
進んで道をあけてくれることはまずありません

待っていたらいつ帰れるか分からないので
ほんの少しずつ車を進めますが
まさに牛歩戦術



見習いたいほどのマイペース
まあ、もう家に帰るだけだからいいんですけどね…

ひまなのでウシたちを眺めつつ
どの仔牛とどの母牛が親子なのか体や顔の色柄を見比べていたら
中に一頭やたらとちっちゃい仔牛がいました
少し遅くに生まれたのかな


(お母さんのそばにピタッとついていて可愛い)

それにしてもきみたち
その小さい目にけっこうな目ヂカラあるね
ウサギと違って目が比較的正面を向いてついているのは
外敵の脅威が少ないからなのでしょうか



ウシが通せんぼに飽きてゾロゾロと森の中へ動き出したので
ようやく運転を再開



この先にもう1か所橋があり
それより向こう側はヒツジたちが放牧されています


(橋の手前は無数のウシの足あと)

こちらの橋では柵がヒツジとウシを隔てていますが
去年はヒツジの脱走が頻発したんだよなあ…
旅行者向けに貼り紙か何かしたほうがいいのかも

それというのも
この辺りにはハイキングコースがあって
放牧について何も知らない都会の人や海外からの観光客もよく通ります

橋の手前(ウシ側)には
ツーリスト向けの名前を記すノートの入った小さな郵便箱があるのですが
(※去年と今年は感染予防のためノートはなくネットで入力するコード表示のみ)



ああ…
倒されている…
ウシに…

そうだよね
押すとグラグラすると面白いもんね
倒したくなるよね

ウシは本当に好奇心が強いです

やっと家に着くと
うっすらと霧のかかるなかヒツジがゲート前でお出迎え



ただいまー
ハイ、ちょっとどいてね

柵の内側ではウサギが食事中
野生ですがまるで飼っているウサギのようにいつもいます



人里離れた一軒家でさみしくないかとときどき人に聞かれますが
わりと賑やかです

谷の花、山の花

2021-06-20 11:17:49 | ノルウェー山暮らし fjellgård
霧や雨が多い典型的な夏の天気が続いています
気温が5℃くらいまで下がり朝夕は薪ストーブが欠かせません

それでも冬と違って雲は薄いし空は明るいので
晴れ間を見つけては
運動不足解消のための散歩をします

滝つぼのある谷へ降りていくと
家の周りではあまり見かけない野のすみれや



木の枝にすずなりのhegg(日本語名わからず)の小さな花が
視界を明るく彩ります



この木の花はとても上品な良い香りがします


(花が終わりかかっていてもよく香る)

一方
谷へ降りずに山へ散歩に行くと
初めのうちは森の中でおなじみの白い花たちが多く
一見して控えめで地味な印象です


(skogstjerne(森の星)という名前の通り遠目に星形に見える)

どれもこれも
ポツンと一輪で咲いていたら見つけられないような小さな花なんですけれど
たいてい群生していて
もう少ししたらあちこちで一面カーペットのようになります



ときどきわたしの好きなわすれな草も見かけます
ノルウェー語でもおなじforglemmegei(わたしを忘れないで)ですが
日本で見るのとは少し種類が違うのかな…?



少し山奥へ行くと岩が多くなり
blålyngやkreklingのピンク色の花が目立つようになって
ライチョウにもよく会います
(毎回のことながら奇声にびっくりさせられる)



歩くのに避けて通れないので踏みつけていきますが
足元はふわふわしているのでたぶん大丈夫…と思う



kreklingは標高が高い場所でもよく実がなっていて
水気が多いので山歩き中の水分補給に便利

それにしても
野草はどれも個性的で思わずじーっと見てしまいます
こんなに小さいのにめしべとおしべが…とか
こんな岩しかないところによくもまあ…とか
感心しきり



去年はベリーが大豊作で
貴重なモルテもたくさん摘むことができたのですが
今年はどうかな?


(吸い込まれそうな美しいモルテの白い花)

そういえば
家の周りにあるルバーブの花を
うっかり摘み取り損ねて咲かせてしまいました



5か所あるルバーブの株の群のうち2か所は
ラズベリーの茂みをかき分けていかないと見えない納屋の裏手にあるので
ちょっとチェックを怠っているうちに手遅れに…

といっても
わたしがひと夏で必要なルバーブの量は
ほかの株から十分採れるので全く問題ありません

でも念のために
まだ咲いていないつぼみは切っておきます


(すでに咲きかかっている…)

花が咲くとルバーブの茎(食べる部分)が固くなってしまうけれど
つぼみをとり続けていれば柔らかくて美味しいルバーブを長く楽しめます

それにしても葉っぱの巨大なこと!
子どもが持てば傘になりそうです


昔の窓の修理

2021-06-15 00:13:27 | ノルウェー山暮らし fjellgård
数年前の嵐の時に壊れたまま
板を打ち付けて放置していた食料庫の窓ガラスを
義父が修理してくれることになったので
手伝いがてらやり方を教わりました

知らない間に採寸してオーダーしてくれていたガラスは2枚
1枚は次にまたほかのガラスがだめになった時のための予備です
いつものことながらとても気が利く義父



窓は内側からは取り外せないので
梯子をかけて外からはずしにかかります



これが自分の父(81歳)なら
なんとしてでも止めてわたしが登るところですが
屈強な義父(83歳)が自分がやるという場合は止める理由がないので
下で工具を受け渡しする係に徹します

ガラスの固定に使うのは亜麻仁油のパテ



固めのクレイのようなもので
乾燥すると硬化します



木枠の四方ぐるっとこのパテを押しつけて伸ばして
その上にガラスを乗せてみると
ほんの少し枠に当たってキッチリ収まらない角が1か所



ガラスを切るより木枠を削る方が簡単だからと
玄関先に転がっていた錆びたナイフを拾ってきて
力で押し切る義父



ガラスが収まったら釘で補強をするのですが
普通の釘ではなく折り目のある細い棒状の金属を使います



これを最初の折り目で直角に折り曲げて
短い方を木枠に差し込み角を叩いてある程度押し込んだら
ポキッと折っておしまい



カナヅチが使えない細かな作業にとっても便利なこの棒状の釘
頭がないので最後に周囲をパテで押さえてしまえば
ほとんど目立ちません



ちなみにこの亜麻仁油のパテは美味しいのか
鳥が好んでつついて食べるそうです
軽く見張りながら少し乾かしたら
元の場所に取り付けて作業完了


(窓に映る空がキレイ)

これで次にまたどこかがこわれても
ひとりで修理ができそうです

夏の動物

2021-06-11 10:44:26 | ノルウェーの動物 dyr
羊農家さんがトレーラーでヒツジを連れてきました



放牧の季節です

ノルウェーのラム肉はかなり美味しいんですけれど
それもそのはず
ヒツジたちは夏を自然の中でのびのびと過ごし
栄養のある美味しい草がよりどりみどり

みんな狭いトレーラーから解放されて
興奮気味に猛然と草を食べ始めます



冬のあいだずっと納屋にいたせいで
特にお母さんヒツジの毛皮は薄汚れて見えますが
しばらく森で暮らすうちにきれいな白いヒツジに戻ります

お母さんたちは毎年ここにきているので慣れたもの
わたしと相方のことも
「ああ、またアンタたちね」と気にも留めない様子



羊がいる数ヶ月間は
庭に入ってこないようにゲートを閉めておかないといけなくて
出入りのたびに開け閉めする手間が増えるうえ
車のタイヤにくっついて入ってくる羊のフンが
庭に散らかるというオマケがつきますが

愛くるしい仔羊たちを見るたびについ頬がゆるんで
そんなことも気にならなくなります


(ゲート前に寝そべるのが好きなヒツジたち)

ハイ
ちょっと出かけるからね
お母さんたち、道開けてくれる?

と頼んでも
車がギリギリまで近寄ってくるまで立ち上がろうとしない彼女たち
ようやく移動をし始めてからも
しばらくは車の前を歩きたがるので
朝は少し余裕を持って出発するようにします

家の周囲に数百頭のヒツジがウロウロし始めると
冬のあいだ毎日のように見かけていたシカの姿はどこかへ消え失せて
その代わりにたまに目にするのはキツネやリスなどの小動物


(道の右端にたたずんでこちらの様子を伺っているリス)

この日、山道で会ったリスは
車の前を少し走っては止まってを繰り返して
完全に遊んでいました



でもキツネは
人間に手ひどく狩られた歴史が遺伝子に刻まれているらしく
会うとすぐにそそくさと立ち去っていきます

そういえばふもとの集落には
昔キツネを毛皮のためにたくさん採ってブリーディングしていた頃の
ゲージがいまだにあります
良質な毛皮のキツネの品評会もあったのだとか

ウサギもそう遠くないむかし食用に狩られていたはずですが
義父がここで暮らしていた頃から冬に干し草をあげ始めて
すでに何世代目にもなる今のウサギたちは
ほとんど飼っているくらいに慣れていて
そこがキツネと違うところです



おっ
今朝も美人だね

6年目のルバーブ

2021-06-09 21:58:13 | ノルウェーの食べもの mat
ルバーブが採っても採ってもどんどん生えてきて
怖いくらいです



手入れなど何もしないのに
毎年猛々しいくらいに茂る強いルバーブ
花が咲く前につぼみをカットすれば
その株は引き続きやわらかい葉を茂らせます


(咲くとブワッとした穂のような花になる巨大なつぼみ)

ここに来た最初の夏に
知らずに花を咲かせてしまったときに写真を撮ったので
もし見てみたい!という方がいたらこちらをどうぞ
👉ミクロな花々

わたしはルバーブというものがどういうものか
実はノルウェーに来るまで全く知りませんでした
それがここへ来て初めて食べた時からすぐに気に入って
以来ずっと1年を通してジャムや焼き菓子を楽しんでいます

今年もさっそくこの夏最初のフレッシュなルバーブで
いちばん簡単なクランブルケーキを焼きました



酸味があるのでバニラソースと合いますが
そういえばここの人たちは
市販のバニラソースをよく使います

おととし相方の親類がハイキングの途中でうちに寄ったときも
リュックから冷凍のベリーとバニラソースが出てきてビックリ

でもたしかに
ここのフルーツは野生だったり酸味のあるものが多かったりするので
甘いソースが定番なのもうなづけます


(乳製品メーカーのTINEの製品案内のページより)

これ全て
ひとつのメーカーから出ているバニラソースまたはバニラクリームで
左上から順に

ラクトースフリー・バニラソース
パヴァロア・クリーム
焼き菓子用バニラクリーム
シュガーレス・バニラクリーム
オリジナル・バニラクリーム
バニラソース
ケーキ用クリーム・ラム酒風味

と、よりどりみどり

パヴァロアというのは
メレンゲ生地にクリームとフルーツを乗せたモダンなスイーツで
技術が要らないし見栄えがするので特に若い世代に人気のケーキ


(TINEより)

ただ
うちの場合は相方が食べるケーキの種類が限られているし
(パヴァロアは食べない)
近くにおすそ分けできるご近所さんもいないので
(いちばん近くて5km先)
量が多くわたしには少し甘さが強すぎる市販のソースを買うことはまずなくて
食べたい時はその都度小さいソースパンで作ります



ルバーブのクランブルケーキ は
ソースを作るのが面倒なら
あっさりとプレーンヨーグルトと一緒に食べても美味しいと
個人的には思っています

レーズンを入れたりナッツを混ぜたり
ほかの果物をミックスしたりと
その時々で家にあるものを適当に加えたりしていると
しょっちゅう作っていてもさほど飽きません


(ブルーベリーをミックスするときれい)

そんなカンタンで美味しくて
おまけにビタミンやミネラルも豊富なルバーブ
(そして庭で採れるのでタダ!)
冬の間もずっと食べたいので
収穫の時期を逃さずたくさん冷凍しておくことが肝心

でも調子に乗ってあまりたくさん採ってしまうと
皮をむいて切る作業で腕が疲れてしまうので
1度に少しづつ、を心がけている6年目の夏のルバーブ仕事です



終わりなき外仕事

2021-06-05 12:09:40 | ノルウェー山暮らし fjellgård
夏は屋外の作業が目白押しです

まずは
去年の秋に着手して完了できなかった
家の近くの開墾地の整備



写真の中央付近に写っている細い木々や
地面から出てきたばかりの木の赤ちゃんを
大きめの枝切りバサミでカット
根元の直径5〜6cmまでハサミでいけます


(わかりにくいかもしれませんがスッキリした作業後)

2メートルくらいに育ったそこそこの大きさの木は
根本の太いところを薪にできるので細長い丸太にして持ち帰り
ほかは森の中か谷に運びます
切るのは簡単ですが運ぶのがけっこうな重労働

古くからの開墾地を森に戻してしまわないためのこの作業は
自治体からの依頼でざっくりした期限と支払いがあるため
ある意味やりがいがあります

このプロジェクトはいくつかのパートに分かれていて
ここはそのうちのひとつで比較的小規模なエリア
全体ではまだ9000平方メートルほどが残っているうえ
その大部分はすでに林になってしまっているので
一体何年かかるのか…
(あまり深く考えないようにする)

さて
気がかりだった仕事が片付いたら
自宅の周辺の作業に着手

草がけっこう伸びてきているので
そろそろ芝刈りロボットを出したいけれど
そのためにまずやることがふたつ

ひとつめは
ロボットの作業エリアを障害物のない状態にすること

あちこちに転がっている材木やパレット
それから冬のあいだ庭に出しっぱなしにしていた
荷運び用の大型のソリも車庫へしまいます



庭の一部が水浸しになったときに
水の流れを調整するために使った材木は
水が引いた後も片付けていなかったのでそのまま

冬に排水パイプを凍結から守るために設置した保温マットも
羊が来る前にと柵の内側に取り込んで
湿っていた裏面を乾燥させつつ放置していましたが
とうとう片付けないと



マット自体は軽いので楽に運べますが
押さえに使っていた材木やパレットが重い…

それから
薪割りをした時のウッドチップやおが屑も
かなり広範囲にわたって散らかっていて
掃き集めたら一輪車で山盛り3杯分



そして片付けが済んだらふたつめ
冬の間にダメージを受けたワイヤーの修復です

相方がトラクターで除雪をした際に
雪を深く掘りすぎて地面まで削ってしまい
ロボット用のワイヤーの一部を切断…



この黒いワイヤーは地中の浅いところに埋められていて
ロボットの作業範囲をぐるっと一周囲んで
充電ステーションにつながっています

写真の補修キットはワイヤーと接続パーツ
それからワイヤーを地中に押し込むフックがセットされている優れもの
素人でも手軽にワイヤーの修復ができるだけでなく
ロボットの作業範囲を変えたいときにも使えます

準備が整ったら
ようやくロボットの出番



このロボットはよくできていて
たとえプログラムされた時間内でももう十分に芝が刈れていると判断したら
勝手にステーションに戻って休みますし
雨を感知してもステーションに戻ります

おりこうおりこう

盗難防止も考えられていて
たとえば持ち上げられたりしたら自動的にロックがかかり
正しいピンコードを入力しないとうんともすんとも言わなくなります
まあ、山の一軒家のここでは盗難の心配はまずありません

さて
芝刈りをロボットに任せてホッとしたのも束の間
残る人力の仕事は窓の水洗い、壁のペンキ塗り…とまだまだ続き
ときどき頭の中で
「ネバーエンディングストーリー」のメロディーが流れる夏の日々です


何をしてもいい

2021-06-03 13:39:25 | ノルウェーの食べもの mat
ここのところやることが多くて
相方の疲労回復が追いついていきません

知人にスペルト小麦を勧められたというので
主食のパンを焼く小麦粉の半量をスペルト小麦にしてみました

ちなみにいつも買う小麦粉は
2kg入りでだいたい20krのごく普通の白い小麦粉と
1kg入りで10〜13krくらいの全粒粉の粗挽きです
それに比べてスペルト小麦は白いものでも全粒でも1kg入り40kr


(充実のスーパーのベーキングコーナー)

ついでに
以前から気になっていたライ麦粉も買って
自分用にライ麦パンも焼いてみることに

小麦粉の袋にはもれなくレシピが載っているので
本やインターネットで検索する手間も省けます



型に入れて焼くとレシピにはありますが
横着をして型を使わず棒状に丸めて発酵後オーブンへ



1時間後取り出すとずいぶんと平べったい形になっていて
なるほど、だから型がいるのか…と思うも後の祭り


(クリームチーズや果物とよく合う)

まあ自分で食べる用なので気にしません
ここで暮らしていると「気にしない」ことの範囲がどんどん広がっていきます

このあたりの人たちの大雑把さというか適当さも
良く言えばおおらかで合理的
こちらが合わせてしまえばむしろラクで便利

たとえば先日
前月の売り上げが良かったからということで
休憩室にドーンとケーキが登場

誰も切り分けたりせず
食べたい人は自分で好きな大きさを取って食べます
合理的


(近所のベーカリーでオーダーしたラム酒のケーキ)

もちろんみんな全体の量と人数を考えて取るので
必要以上にたくさん食べる人はいませんが
かといって誰かが配ってくれたりすることは決してないので
食べたければ無くならないうちに休憩を取るのが鉄則

この日はランチにバーベキューも振る舞われ
店長がみんなを労うべく自らエプロンをつけて
店の外でお肉を焼いていました



ちなみにもちろんお店は営業時間内
屋外にも販売用の資材などが大量に置いてあるので
お客さんからも丸見えです

ついでに言うと
売り物のガーデンテーブルとガーデンチェアーを使って
従業員がアウトドアでの食事を楽しんでいるわけですが
これらの商品はシーズンの終わりに展示品として破格で販売されるので
これまた誰も気にしません

通りががかるお客さんもちっとも気にしていない様子
夏だもんね
バーベキューするよね
という笑顔

閉店後に少し残業したあとで帰宅すべくゲートを通ったら
フェンスの外にいくつかの材木とスクリューの箱が置いてあるのが目に留まりました



メモも何も貼られていないけど
きっと誰かが取りに来るのか
それとも返品に来たのかどちらかかな

まあこういうことも
雪に埋もれる冬だとできないから
夏だけの利便性と言えなくもないかも

なんとなく
何をしてもいいという空気が
ここの夏にはあるようです

夏の楽しみ

2021-06-01 15:26:38 | ノルウェーの動物 dyr
ついこの間まであちこちに雪が残っていたのがウソのように
一気に夏がきました

家の周りには
hvitveis(春いちばんに咲く花)以外の小さな野の花も



ベリーの茂みにも花が!



今年も豊作だといいなー

この夏は
いつもと少し違う生き物とちょくちょく遭遇します

庭のラズベリーの枝の根元でカエルを見つけたり


(冬眠から覚めたばかりなのか動きがすごく緩慢)

家からほんの15分ほど歩いただけの場所で
ライチョウのつがいが目の前の茂みから飛び立っていったり
(もう少し標高の高い場所では何度か見たことがある)


(茂みのあちこちにあるライチョウの冬毛)

いままで家の近くでは冬に足跡を見るだけだったヘラジカ
キッチンの窓から見える場所に姿を現したり


(背景と色が似ていてわかりにくいですが中央にヘラジカ)

そして
納屋に取り付けられた古い年代物の巣箱に
見慣れない小鳥が巣を作っている様子!

いままでガレージの屋根にセキレイが巣を作ることは
毎年のようにあっても
この巣箱が使われているのを見たことはありませんでした


(ドイツ占領下の第二次大戦中にロシア人捕虜が作ったと噂の巣箱)

ときどき巣箱の中から鳴き声が聞こえます
そして納屋の屋根のてっぺんにはいつもオスがいて
よく通る声で歌をうたっています

望遠のカメラがないのが残念ですが
双眼鏡で眺めて楽しむ毎日

鳥の名前はノルウェー語で svarthvit fluesnapper(白黒の蝿捕りの意)
巣箱の入り口のサイズはまさにこの鳥に合わせて作られています


(ノルウェーのサイトfuglevennen.noより)

それというのもこの鳥は
ほんのひとまわり大きい別の鳥に巣を乗っ取られることが多く
入り口が自分たちにピッタリの巣箱に巣を作るのが好きなのだそう

巣箱から離れ過ぎない距離で
オスが絶え間なくきれいな声で鳴いているのを聞いて

I'm happy, it's safe here
I'm happy, it's safe here

という意味だよと相方談

なに適当なことを…と思っていたら
玄関を開けて表に出るとすぐに鳴き方が変わり
少しばかり緊張気味な短いメロディーに

ナルホド
オスは巣箱のメスに外の状況を知らせているのね

無事に雛がかえって巣立つまでは
できるだけ巣箱を避けて用事をしよう
(でも納屋には用があるので行かないわけにはいかない…)

ちなみにこの鳥はオスとメスで色が違うので
遠目にも見分けがつきやすく
ときどき交替しているのがわかります



なんの装備もなしで望遠鏡越しにiPhoneでフワッと撮った写真では
色もよく見分けられませんがこれはメス

ところで
家の近くにいろんな生き物がいるのはただただ楽しいかというと
そうでもなくて
たとえばネズミ退治の苦労やトリノミの被害は
なかなか深刻だったりします



ここ1〜2年はちっとも刺されなかったのに
今年はやたらと痛い目にあっているトリノミ
おまけにそれがわたしだけというのがまた腹立たしい…

まあね
何事もいいことばかりというわけにはいきません

1日1日をがんばって生き延びているウサギたちを見習って
その日その日を楽しまないとね


注意書

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