東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

冬に備えて

2021-07-26 09:54:03 | ノルウェーの動物 dyr
またいいお天気が戻ってきています
夏全開という感じで気持ちいい!



仕事へ行く時に通る幹線道路脇は
じゃがいもの花が満開

家の周りにいるヒツジたちも元気です



あいかわらず
お母さんヒツジと子ヒツジがはぐれては感動の再会を果たすという
定番のドラマを繰り広げながら
着実に大きくなっていく子ヒツジたち



きみたち大きくなったねー
お母さんは射程圏内にいるのかい?
はぐれないようにね

でもよく見ると子ヒツジたちは個体差が目立つようにもなってきていて
ひとりっ子はもう丸々と大人サイズに近づいてきているのに対して
3兄弟はうち1頭がかなり小さいままで
見ていて心もとないくらいです

家畜でも放牧中はきびしい生存競争の中に置かれる子ヒツジたち
がんばれ、小さいの!


(今年新しく設置した柵の周りにはもうヒツジ道が)

ウサギもテリトリーがあるので競争は熾烈で
かつて義父はここで
1羽が他のウサギを追い出す様子の一部始終を見たことがあるらしい…

いまうちの庭に毎日来ているウサギたちは
大きさが違う兄弟なのでエリアをシェアしていますが
ときどき大きい方が小さい方を追い払って
りんごの皮を独り占めしたりするのを見るにつけ
またもや「がんばれ、小さいの!」と心の中でつぶやいています


(日向に小さい子、日陰に大きい子)

最近になって
遅く生まれたゴム毬みたいな小さい子ウサギもチョロチョロしてはじめたので
柵の中にいてキツネの脅威からはある程度逃れられても
空からの襲撃(小型のタカなど)に気をつけるんだよーと
話しかけつつ見守る日々

ウサギを見ていると
食べる時間はまるでターボエンジン搭載のように
できるだけ多くの草を可能な限りのスピードで
休むことなく黙々と食べ続けているのがわかります



その間もピンと立てた耳は微妙に回転していて
頻繁に顔を上げて周囲を警戒
彼らにとって食事は仕事なんだなーと改めて思います



食べた後は消化のための休息タイム
耳を後ろに倒して丸くなり岩のようにじっとしています
それが済むとストレッチをして丁寧に手づくろい
うーん、正しいありかた
見習わなくては


(まれにお腹を見せてすっかりリラックスする姿も見せる1番大きい子)

短い夏の間にどれだけ大きくなれるかが冬を生き延びるカギ
わたしたちもそろそろ冬のための薪仕事が始まります

夏のカフェ

2021-07-20 22:27:53 | ノルウェー山暮らし fjellgård
相変わらず
水蒸気が多くて変わりやすいお天気が続いています


(朝から目の前の山にかかる霧)

いつも庭先から一望できるふもとのご近所さんの集落も
ぶ厚い霧にはばまれて全く見えなくなったり
見えても周囲を霧に包まれていたり


(霧に囲まれて浮いているようにも見えるご近所さん)

ここは一軒家ですけれど
北西と北東にそれぞれ別の谷を挟んで
2つの集落を見渡すことができるので
孤立した感じはあまりありません


(北西の集落へ行くと小さく見える自宅、写真中央)

北東側の集落には季節営業のカフェが2軒あって
そのどちらにも時々お手伝いに行きます


(国旗は祝日を祝うためではなくカフェ営業中のサイン)

地元の人には
rømmegrøt(サワークリームのポリッジ)やシナモンロールが人気



シナモンとお砂糖をかけて食べるrømmgrøtには
spekemat(サラミや干し肉など)とflatbrød(薄いパリパリしたシート状の乾パン)
それからsaft(ベリーなどの果汁シロップを水で割った飲み物)が付いていて
しっかりお腹にたまる軽食になります


(キッチンでの賄いもrømmegrøt)

ここに来たばかりのころ
初めて市販のrømmegrøtを何もかけずにそのまま食べて
変な食べもの…と思ったことがありました

強いて言えばもったりとした酸味のあるホワイトソース
これが単体で食事になるとは全く思えず
もう2度と買わないと思ったものですが
今では好きなノルウェーの食べ物のひとつ

都会や海外からのハイキング客には
缶ジュースやアイスキャンディーもよく売れます


(ハイキング客は外で食べるのが好き)

カフェから徒歩20分ほどのところに
川と滝が集まる地元の名所Åmotanがあり
観光で来ている人はほぼ全員そこへ向かいますが
距離のわりに標高差が大きいので結構タフなルート

特にお腹が空いていなくても
家路に着く前にカフェでひと息つきたくなる気持ち
よくわかります



写真は谷向かいの
滝のすぐそばを通る道路のカーブから見下ろしたÅmotan

滝は写っていませんが
写真の手前から垂直に落ちていて
その高さは150メートルちょっと

芝生のように見えている少し開けた場所まで降りて行くと
滝からの水飛沫を浴びたり虹を見たりできて
夏には本当に気持ちのいいオススメのスポットです

先日もドイツからのカップルがカフェで
シナモンロールを半分こしながら窓からの景色に感動していました

この夏はヨーロッパからの外国客が戻ってきているので
ここでコーヒーを飲みながら
夏のグリーティングを一筆したためてもらうのはどうかと
急ごしらえのハンドメイドのカードを置かせてもらうことに


(相方の商売道具の切手も便乗してレジに置かせてもらう)

すぐ外に投函できるポストもありますよとメモも添えましたが
今これを書きながら
外国人にはノルウェー語じゃダメじゃん…と気付きました

さっそく英語のメモも付け加えようと思います

脱兎のごとく

2021-07-13 09:15:42 | ノルウェーの動物 dyr
去年と同じように今年もこの春に生まれたちびウサギが
家のすぐそばをチョロチョロし始めました


(見えにくいですがゲートの手前で後脚で立っている))

最初のうち
去年の子ウサギがしていたのと全く同じように
納屋のドアの前に小さく丸まってじっとしていて
思わずデジャヴ…と思いました

去年も感心したんですけれど
生まれて間もないこんな小さなうちから
保護色になる場所をちゃんとわかっているのがすごい!

そのうちだんだんと
庭のあちらこちらで草を食べたり
走り回ったりする姿を見かけるようになり
芝生を刈るロボットにも慣れてきます



それから
これも去年と同じデジャヴな光景なのですが
1年前だか2年前だかに生まれたらしい
ひとまわり大きいお兄さんウサギの近くに寄りたがっては
「近すぎる!」と怒られて慌てて離れる、というひとコマも
可愛らしくて目が離せません


(奥のどっしり構えているのが大きいほう)

大きいウサギは滅多なことでは家の近くで走りませんけれど
(ここが安全なことをようく知っている)
ちびウサギは走る練習なのかまだ臆病なのか
しょっちゅう駆け回っていて
そのすばしっこさ、素早さときたら!

脱兎のごとくとは
まさしく当を得た言い回しです


(窓のすぐ外にいたかと思うと1秒後には消えている)

虹と霧の夏

2021-07-12 00:46:36 | ノルウェー山暮らし fjellgård
お天気がくるくると変わる夏
雷雨や虹もしょっちゅうです



雷は怖いけど虹はいつ見てもいいなー

雨も手伝ってか
春に一気に増水した川の水量はまだまだ多く
たとえば橋の上では携帯電話で会話をするのが難しいくらいの水音



橋を渡るたびに車から降りてゲートを開け閉めするのですが
橋の上が水飛沫で濡れていることもたびたびです


(湯気のように見える水飛沫)

家の近くのこの川は少し先で滝になっていて
その先のさらに少し下流には複数の川と滝が集まる谷底があります

気候のことはあまり詳しくないのですが
気温の上がり下りによってなのか
はたまた気圧や風向きが関係しているのか
ときどき大量の水蒸気がもくもくと谷から霧になって湧き上がるのを
自宅から見ることがあります



夜もかなり更けた頃だと
山の向こう側に隠れた太陽の光が雲に反射して
なんとも妖しい景色に

霧は風に吹かれて流れては
集まって雲になりかかったかと思うと
また散り散りになって消えていったり



たえまなく形を変える様子はオーロラや炎にも似ていて
まるで生き物のようです

森を散歩していて少し高い場所まで登っていくと
急に足元から霧がわーっと湧き上がってきて
しばし視界が晴れるのを待つなんていうことも



いまは携帯電話にコンパス機能も位置情報もあって
迷う心配はあまりありませんが
それでも山歩きでは濃霧は大敵なので
散歩へ出る前は天気予報チェックが欠かせません

引越してきたばかりの頃の夏は
視界いっぱいに広がる谷にかかる虹が珍しくて
雨に濡れるのもかまわず表へ出て写真を撮ったりしていましたが
最近は輝く雲によりよく目を奪われます



自然に囲まれたこの場所で暮らせる幸運に感謝しつつ
歳をとっても目に見えるものを楽しめるように
もっと眼を大事にしなくては!と改めて思う今日この頃です

ペンキ塗り

2021-07-07 10:05:58 | ノルウェー山暮らし fjellgård
いいお天気が続いているうちにと
窓枠のペンキ塗りに着手しました

ペンキ塗りは去年の夏に
hytte の手入れの手伝いをした時にけっこうやったおかげで
若干覚えがあります

余談ですが
ここではペンキを買うときは
基本的にはオーダーメード

サンプルを見て色を決めたら
お店の人がベースの入った缶のフタを開けて
機械から指定した色を注入してミキシング
内容と名前をプリントしたラベルが貼られて渡されます
ですので基本的に返品交換はできません

でも以前に買った同じお店でなくても
ラベルがあれば同じ色を買い足すことが可能でとても合理的

さて
今回は窓枠用にオフホワイトを3リットルと
ガレージの屋根の小口用に薄いグレー1リットルを購入



晴れた日は
日陰になっている箇所から始めて
太陽の動きに合わせて移動します



窓枠の傷みは遠目には目立ちませんが
よく見ると水が溜まる下部が集中的に剥げていて
このまま放っておく木枠が腐ってしまうので大変



クモの巣やムシの死骸をはらいつつ
もれなく飛び出している釘の頭をカナヅチでたたきながら
外壁に付いている外枠と窓のガラスがはまっている枠の両方を塗装


(金属部分に巣を張って卵を抱えて動かないクモはそっとそのままに…)

1ヶ所終わるたびに家に入って窓を閉めてロックし
次の窓のロックを外すことの繰り返しです

ここの窓は内開きでストッパーがなく
開けておいても風でバタンと閉まってしまうし
それよりも網戸がないためいろいろな生き物が入り放題になるのが困るので
はじめに全ての窓を開け放ってしまうという選択肢はありません

そんな手間をかけながら
順調に1階のいくつかの窓枠を仕上げていたのですが
セキレイの巣がある場所に少し近づいていくと
親鳥の鋭い声が継続的に聞こえ始めたので
続きは巣立ちが終わってからにすることに


(煙突掃除用の梯子の下に巣がある)

ちなみに窓は全部で18ヶ所
本来なら外から脱着式の飾り枠があるべきなんですけれど
南向きの大きなはめ殺し窓以外には面倒でつけていません

景観目的の飾り枠なので
まあいつか行政から指導が入ったら付ければいいかな…

こんな他に誰もいない田舎の一軒家なのに
(というか田舎すぎるからこそ?)
古い建物や景観の保全に関する規制に縛られることがときどきあって
相方がガレージを建てた時も申請にかなり苦労したのだとか

何気なく家の周りに放牧されているヒツジたちも
実は景観保持に重要な役割を果たしているということも
つい数年前に知りました



ね、きみたちここではVIP待遇なのよ
知ってた?

夏休み

2021-07-03 23:17:50 | ノルウェー山暮らし fjellgård
7月に入って
世間は夏休みモード全開です

…が

春と秋に日本へ一時帰国をしているわたしは
町での週2日勤務の職場では夏休みは取りません

そして町へ行かない日は
自宅でできる仕事および生活のための作業に明け暮れていて
「今日は完全にオフ!」という日はまるでナシ

でも今週は
隣県に住む日本人女性の知人が
夏休みを利用して遊びに来てくれていたおかげで
わたしも夏休みっぽい雰囲気を満喫しました

仕事帰りにフィヨルドを見渡せるビューポイントへドライブをしたり


(職場から車で10分も走ればこんな景色があるのに滅多に行かない)

家の近くの定番の散歩コースも
軽食を持って寄り道をしながらのんびりと歩いたり


(いつもは1人なのでわりとさっさと素通りする滝)

見慣れたヒツジのドラマでさえ
日本語であれこれと話をしながら眺めると楽しさが増します


(前足を器用に折りたたんでおっぱいを飲む仔羊)

お天気にも恵まれて最高の夏休みでした

さて
またやることリストてんこ盛りの日常に戻ります


注意書

※このブログの文章・写真・画像を無断で使用することを禁じます。