東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

山と谷の国の夏

2017-06-30 00:33:13 | ノルウェー山暮らし fjellgård
フィヨルドの近くの田舎に住んでいるので
このあたりの地名の多くには
「谷」を意味する接尾語 dal が見られます

Sunndal
Svisdal
Grøndal

などなど列挙にいとまがありません

山々はそれほど高くないんですけど(1000m級が多い)
谷が険しいというか平地があまりないというか
とにかくどちらを向いても山と谷が近くに目に映ります

地平線らしきものが見当たらず
アップダウンの激しい空と地の境界線

今の時期
夏至は過ぎたもののまだとても日の長い時期が続き
いったん山の向こうに沈んだ太陽が
谷間を渡る間ふたたび顔を見せるという不思議な現象が起こります

午後9時ごろ日没(でもまだ明るい)
と思いきや
10時くらいになるとまた外がぱあっと明るくなって



谷間にまばゆいサンシャイン



それにしても太陽の位置が低いので
影の長さがすごい



30分ほどで今度は完全に日が沈みます

それでも12時でまだこの明るさ



羊たちも絶賛活動中



空にiPhoneのカメラを向けると
すごく暗くしか写せないのですが
晴れた日は夕焼けが綺麗です(夜中の12時)



北緯62℃で白夜には一息たりませんが
一晩中明るいまま朝になるので
スウェーデンの田舎に住んでみたらどうなるの日記のヨハンセンさん考案の
「薄白夜」に当てはまるのではないかと思うんですけど
どうでしょう…



放牧

2017-06-28 10:14:02 | ノルウェーの動物 dyr
ノルウェー全土でなのかどうかはよくわかりませんが
わたしの住むあたりでは
羊や牛の放牧地には柵がありません

夏になるとうちの周りが羊だらけになるのは
近所の羊農家さんが羊たちを放牧しに連れてくるためですが
羊たちは例えば気がむくと歩いて4km離れたもとの場所まで戻ったりします

あまり遠くに行かないよう
川を渡る橋には木戸が設置されていますが
ハイキングコースを楽しむ旅行者がゲートを開けたすきにサササッと出て
数十キロ先の隣の県の羊農家仲間から
「おまえんとこの羊、うちの方まで来てるぞ」
と連絡が来ることもちょいちょいあるそうです


(柵は羊を囲うためではなく羊が家のそばまで来ないようにするため)

ちなみに川の反対側には牛の放牧地があります
そしてやっぱり柵はなし

たいていは決まった牧草地の周辺にいる牛たちですが
ときどき車の通る道まで遠出して
わたしたちの行く手を阻むことも



森の中でたたずむ牛は
置物のよう



あらーボク、お母さんそっくりねー
ちょっと通っていいかなー?
少しよけてくれるー?

と言っても
動かざること山の如し

羊はよけてくれるんだけどな…

緑の冬

2017-06-23 09:34:43 | ノルウェーの町で tettsted
6月も半ばを過ぎたというのに
日中もずっと気温が一桁で
冷たい雨風が続いた日

学校で先生が笑顔でのたまいました

「ノルウェーには白い冬と緑の冬があります
今日はホラ、緑の冬ね
山の高いところでは雪です」

…本当っすか

「あら、月兎耳さんち、雪じゃないかしら」

…マジっすか

先生は地元出身の農場育ちで
わたしの住む地域のこともとてもよくご存知です

わたしは毎週学校へ通う火曜と水曜は
山から下りてきて町に滞在しているので
自宅の様子がわかりません

それにしても寒い
ここ(海抜0mに近い暖かいことで有名な町)でこの寒さ
家(標高650m)はどれだけ寒いことか

それでも
翌日は少し陽が差して
朝から虹が出ていました
見たことがないくらい低い場所に低い角度で…


(写真中央、雲の下)

天気予報では数日で気温は15〜18℃くらいまで戻るとのこと
まだまだ薪ストーブが必要なので
煙突掃除もいつになることやら



きみたちは毛皮あるもんね
いいねー


算数に弱いというチャームポイント

2017-06-19 22:12:27 | ノルウェー Norge
facebookでしばしば投稿されるクイズのたぐいの中に
簡単な算数の問題があります

日本にいたときは見たことがありませんでしたが
こっちへ来てからはわりと頻繁にウォールに登場します
(たぶんfacebookのノルウェー人の友達がコメントするから)

たとえば

4一4×7+3=?

何年生で習いますかね、これ
かけ算を先にやるというルール
ここでは知らない人がたくさんいるらしく

「答えは3!」とコメントする人が続出

他にも何故これがクイズになりうるのか?と
首をかしげたくなるような問題が多々あって
これまた多くの人が間違った答えを堂々とコメントしています

先日もまたこんなものが



「90%が不正解、解けるかな!」
(行間は+でつなぐらしい)

なーんて書いてあって
実際にコメントしている人のほとんどが間違っているという

ちなみに1番人気の回答は1です
ほかにも2とか13とか30とか
もうわけわからない

みんな自信を持って答えているのか?
それとも間違っていても恥ずかしくないと思っているのか?

このフシギについて相方に尋ねたら

「算数できないって、ホラ、カッコイイから」

ええー
なにそれ

なんでも
算数が得意イコール「オタク」
算数不得意イコール都会的でクール
というイメージがあるそうな

本当か…?

まあ単に相方が言っていることなので
どこまで信じていいかわかりませんが

きっと
算数のクイズで間違えても恥ずかしくない、のね…



こちらは子どもの数だけ間違えなければ問題なしの羊のお母さん
うん、そうよねー
正しいわ

人気の青

2017-06-12 19:30:57 | ノルウェーで手芸 håndarbeid
去年から
つまみ細工でいろいろなものを作ってみて
どうやら剣つまみの花びらを三段重ねたサイズのブローチが
受けがいいらしいとわかりました

赤や薄紫が人気があると聞いて積極的に作っていたのですが
少し前に1人の年配の女性から青いのを作って欲しいと頼まれたので
青系の生地でいくつかまとめて作りました

ああ
青って目に優しい
赤と違って作業中目が疲れなくていいわあ〜



くだんの女性に5つ見せたところ
中央にゴールドのパールを使ったものに即決

そして残りもあっという間に
ひとつを残して全部お嫁に行きました

そう、こちらの人は選ぶのが早い
写真だけで決めちゃうことも珍しくありません
え?実物見なくていいの?ホントに?
と心配になるくらい

それにしても
青、人気あるのね

今は
もうすぐ始まる夏のバザーのような催しに参加するため
小物をたくさん作っています



金具をつけて子供用の髪留めや指輪に仕立てるのですが
これも最初のうち
「女の子はやっぱりピンクよね!」
といった固定観念があったんですけど
意外と寒色も人気があってあなどれません

「孫の1人がね、ピンクより青が好きなのよ。女の子なんだけど。
ブルーはイングリッド(名前)の色なの!って言ってね」

と言いつつブルーのブレスレットをリクエストしてくれた人もいました
(ビーズのアクセサリーも模索中)

はるか昔
宝石鑑定の資格をとるために勉強していた時
肌や髪や目の色とジュエリーのカラーの相性について
そういえばテキストに何か書いてあったなあとふと思い出しました

北欧の人は色素が薄いから
青系は特に似合うのかもしれません

羊とルバーブの季節

2017-06-10 19:15:49 | ノルウェーの食べもの mat
今年も羊たちがやってきました
たくさんいる…
ざっと100頭くらいかな

彼らはどこへでも自由に歩き回れる脚力を持っているので
森の中でも谷川の近くでも
いたるところに散らばっています

でも同時にフェンスが好きで
よく集まってきます



なので
フェンスの周りはとりわけフンが多い

そしてゲートも好き



中の草が美味しそうに見えるのか…



あ、それもうちょっと太ってからやると
首が抜けなくなるからね
気をつけて

そして羊とともに到来するルバーブの収穫時期
今年も豊作です

去年はジャムとクランブルケーキに終始しましたが
このたびは思いついてスコーンにチャレンジ

少し前に作った苺のスコーンのレシピで苺のかわりにルバーブ投入



なんだかぱっと見が枝豆のスコーンみたい…

ものの15分で良い香りがして焼き上がり



アツアツはルバーブの酸味がひときわ引き立っていたので
ジャムとサワークリームを盛ってハイカロリーおやつ

粗熱が取れるとそのままでも美味しくいただけました

ところで
わたしの住んでいるあたりでは
ルバーブのスープとパンケーキが初夏の定番だそうです

スープは砂糖たっぷりで
パンケーキにも砂糖をふりかけてベーコンをのせてという
これまたハイカロリーな軽食

この国でローカロリー、ローファットな食べ物って
いったいなんだろう?
思いつかない…

猫姉妹

2017-06-09 13:01:20 | ノルウェーの動物 dyr
去年の3月から間借りしていた
学校にほど近い知人宅の姉妹猫とも
もうすぐお別れです

(今年に入ってから週2日だけ続けていた語学学校を
いよいよやめることにしたので賃貸も終了)

去年の今頃は
まだ生後数ヶ月で見分けもつかなかった2匹
よく一緒に丸まって眠っていました

今ではすっかり別キャラを確立



ピーサと



パニーラ

それにしても大きくなったねえ…

春の川

2017-06-07 08:49:45 | ノルウェー山暮らし fjellgård
山道の雪があらかたなくなって
ようやく自宅まで車でたどり着けるようになりました
嬉しい!



でもまだ山の高い位置には雪が見えています

その雪が今はちょうどじゃんじゃん溶けているので
川はまるで台風の後のような濁流



春の川で怖いのは洪水です

なんでも80数年前の大洪水では
橋という橋が1ヶ所を残して全部流されたそうで
その時に橋を直しに来た業者の名前が刻まれた石碑があります



自宅から下界に出るには橋を2ヶ所渡るので
どちらか1ヶ所でも渡れなくなったら陸の孤島状態
考えただけでもおそろしい

ところで自宅には
普段使いの小型冷蔵庫(カウンターの下に納まるサイズ)ひとつと
同じサイズの冷凍庫2つのほかに
予備の冷蔵庫(日本のツードアサイズ)と予備の小型冷凍庫
加えて特大サイズの冷凍庫があります

予備たちは普段はコンセントを抜いてありますが
特大サイズは稼働中

むかし「刑事コロンボ」に出てきたような
犯人が死体を隠すのにうってつけの
横長サイズの上面オープンタイプ

中身は義理の両親のストック食材で
鹿肉やベリー類などの季節ものから
ハム、チーズ、ミックスベジタブル、パンなど日常食品まで
まあ、ありとあらゆるものが保存されていました

去年の初めにわたしがここに住むようになってから
義母が少しずつ片付けようと持ち出してくれていますが
1年半経ってようやく半分くらいに減っただけ

そう
ここは何かあったら陸の孤島になる一軒家
それくらいの備えがあってもいいのかもそれませんが
定期的な入れ替えが大変よね…


(陸の孤島で小鳥とたわむれる相方)

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