東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

寒い日々

2020-02-29 21:00:46 | ノルウェー山暮らし fjellgård
ここのところマイナス10℃を下回る冬らしい天気です


(シカの足あと以外はまっさらの雪景色)

気温が低いと晴れの日が多くて星がきれいで
昼夜問わず外に出るのが楽しい!



散歩の途中で見かけた
シカのがフェンスを飛び越えたらしい足あと
この深い雪の中でなんて器用な



乾燥中の薪も雪をかぶっていますが
前面に見えている切り口が雪におおわれてさえいなければ
呼吸できているのでヨシ

家の周りでは60cmくらいの積雪でも
ふもとではシカも軽快に道路の近くをウロウロしています



それにしても
林の中にいると見事な保護色


(中央より少し右寄りにじっとこちらを見るシカ)

車の運転

2020-02-22 20:56:17 | ノルウェー Norge


ここでの車の運転については
自宅の車のサイズが大きいとか
(長年ホンダのフィットに乗っていたのでトヨタのハイラックスはとても大きい)
バックミラーがほとんど見えないとか
(後ろにいつも荷物が満載)
そんなことより何より
夜の幹線道路の運転がいちばん苦手です

とにかく真っ暗
信号も街灯も灯りらしいものは全くない場所がほとんどで
自分の車のヘッドライトが照らす道路脇の小さな反射板だけが道しるべ

それでいてカーブやアップダウンは多々
大きな河川を何度か渡るので橋の上では突風や凍った路面に要注意だし
林やフィールドを抜ける時には
道路のすぐ脇にシカが立っていないかハイビームにして目をこらします


(こういう場所も真っ暗だとかなり怖い)

ちなみに幹線道路の制限速度は時速80kmですが
地元の人は雪道でも平気で100kmくらい出しています
ホントにコワイ…

少し前に土砂崩れがあって
ずいぶん長いあいだ迂回路をしかも交互通行で遠回りしていたのが
先日ようやく片側通行ながら通れるようになりました



信号待ちの看板が雪で真っ白…

STOPP HER VED RØDT LYS
(赤信号の時はここで停止)
とかなんとか書いてあるはず

ところで
定期的に日本に一時帰国をしているせいか
いまだに時々ウィンカーとワイパーを出し間違えることがあって
あわててしまいます

おまけに交差点では
気を抜くとつい右側を先に確認してしまって
あ、ちがうちがう、車は左側から来るんだから!とドキッとします

いつか全てを
無意識に右側走行ルールでできる日が来るのかなあ…


木のかおり

2020-02-17 09:11:46 | ノルウェー山暮らし fjellgård
あっという間に日照時間が伸びて
晴れた日には3時間ほど太陽の光を浴びられるようになりました



でもまだまだ位置は低くて
正午頃でもこの影の長さ



相方が引き続き森で木を切る作業を続けていて
ここ数日ずっと大きなトウヒの木々と格闘中



まずは下の方の枝をはらいますが
これらは2つに割ると薪ストーブ着火用の細い薪になるので
手間ですが葉を全て切り落としてトラクターに積みます



木の上の方に行くにつれて薪にはできない細い枝が増えてくるので
はらっては投げ捨ての繰り返しなんですけれど
それにしても枝の多いこと!
みっしりしていてクリスマスツリーにはピッタリだけど
ログを作るのは手間のかかる木です



あたりいちめん枝の海
歩きにくいけれどすごーくいいかおりです

幹の切り口からもじわーっと樹液?が出てきたりするので
作業着がところどころべとついたりするんですが
あまりにいいかおりなので気になりません



一部丸太が雪まみれなのは
わたしが持ち上げるには重すぎて転がして運んだから

それにしても
この氷点下の真冬に青々とした葉をたっぷり保つってすごい!
トウヒやマツなどの針葉樹たちがいなければ
このあたりの冬の森の景色はすごくさみしくなっちゃいそうです


新しい高額紙幣

2020-02-16 15:29:01 | ノルウェー Norge
最近よく見かけるようになった新しい1000kr紙幣
他のお札と同様に人物以外のモチーフです


(上が古い紙幣で下が新しい紙幣)

ええと、波?かな?

なぜ波?

ちなみに他の紙幣のモチーフはというと

50kr 灯台
100kr バイキングシップ
200kr 魚(タラとニシン)
500kr 救護船



おお、なるほど海つながりでしたか

ふと思いついてノルウェー銀行のホームページを探してみると
ものすごーく詳しい説明がありました
たしかにこの国は海との関わりが深いですから
背景を知ると納得

それにしても新デザインへの切り替えが始まってから
ずいぶん経っています
最初の100krと200krの新デザイン発行からそろそろ2年ですよ…
もともとそういう予定だったのかマイペースなのか…

ちなみにノルウェー銀行のホームページには
新紙幣のテーマを一言で表現した文章があって
なかなかいいなーと思いました
(注※日本語訳はわたしの感覚なのであてにしないでください)

灯台
- Havet som binder oss sammen
 (わたしたちをつなぐ海)

バイキングシップ
- Havet som bringer oss ut i verden
 (わたしたちを世界へ導く海)


- Havet som gir oss mat
 (わたしたちに食べ物を与える海)

救護船
- Havet som gir oss velferd
 (わたしたちに福祉を与える海)

あれ?
最新の1000krのだけ書かれていない
発行は去年の11月だよね?
3ヶ月経ってるけど…

こういうところがやっぱりマイペースな仕事っぷりだなあと
改めて思ったりするのですが
でも残業や休日出勤をしてまで間に合わせないといけないことかというと
たしかにそんなことないものね…

そのかわり雪崩で幹線道路が塞がったりした時には
週末返上で作業しているのを見かけますし
どこへ行ってもファーストエイドキットが完備しているのを見るにつけても
大事な部分は押さえてあるのねと感心します


(村の集会所のキッチンカウンターに鎮座する大きなファーストエイドキット)

森の仲間たち

2020-02-14 10:44:46 | ノルウェーの動物 dyr
こうも景色が雪一面になると
写真に撮れるものといったら木々か空か
あとは雪上の動物の足跡くらい


(ゆっくり移動するウサギ)


(走っているウサギ)

それにしても目を見張るのは
走っている時のウサギの前足(ほとんど重なっている小さい点)と
後ろ足(横に並んだ2つの足跡)の着地点の間の広さ
しかも上り坂でそれが顕著です

相方によると
ウサギはゆるい上り坂で平地よりもスピードを増して走れるらしく
天敵はこれに追いつけないのだそう

シカの足跡も
どんなに見慣れてもいつも感心するのが
前足の通ったところを後ろ足がきれいになぞっている省エネ走行



雪がある程度積もっているときには
写真のようにひづめの後ろに小さな2つの丸いあとを見ることができます

ひづめよりうんと浅いこの丸ぽちに
はじめのうちは気づかなくて
進行方向を逆の向きに勘違いしていました

まあ
別にシカの行方を追っているわけじゃないからいいんですけどね…

ところで
うちの周囲には羊よけのために柵が張り巡らしてあります
南側と北側にゲートがあるんですが
冬の間は取り外してあるのでシカが入りたい放題



でも今年はなんと
開口部以外の場所から出たかったシカがいたようです



すごいチカラ…

直すのかと思いきや
ここも開閉できる簡易ゲートにして冬の間は開けておこうかと
相方は考えている様子

確かに直してもまた壊されるかもしれないから
それなら開けておいてあげるのもいい考えかも

そういうわけなので
これからも心おきなくうちの周りのいい草を食べて
(暖房のせいで雪の下に青い草が生えている)
春には元気な赤ちゃんを産んでください


(坂の上で振り返ってじっとこちらを見るシカ親子)

ノルウェー語強化合宿

2020-02-13 13:41:58 | ノルウェーの村で bygd
今年に入ってやたらと地元のアクティビティが増えて
ちょっと息切れしそうになっています

これまでは
下山するのは週に1日か多くても2日
残りの日は自宅でマイペースに仕事をしていればよかったのが
今は週に3〜4回山をおりて
村あるいはもう少し先の町まででかけています

ついでに言うと
相方とわたしの用事の時間帯がうまく組み合わせられない場合
ATVとトラクターの両方を使って別々に出かけたり
場合によっては片方が徒歩で山を降りることも



ふもとから先は車で走れるわけですが
うちには車が一台しかないので
別々に出かける時はどちらかがどこかで相手をピックアップするとか
義父や義母が町へ出かける車に便乗させてもらうとか
移動手段のアレンジもひと仕事

でも息切れの1番の原因はなんといっても
ノルウェー語、です

ああ、いままでのらりくらりと過ごしてきたツケが…

世間話や単純な用事ではさほど困っていなかったのですが
たとえば射撃を練習するにあたっては
これまで聞いたことのない単語がバンバン出てきますし
村のワーキンググループはもはやノルウェー語強化合宿

新しく知り合いになる人たちの方言や話し方に慣れるだけでも大変なのに
ミッションが村のストア再建とあって話題のハードルの高いこと



貸借対照表だの損益計算書だの
大昔に営業職に就いていた頃以来お目にかかることのなかった書類
もうほとんど懐かしさすら感じます
(かといって決して得意分野ではない)
こんなもの日本語でもしちめんどくさいのにノルウェー語でって…

村の住民への説明会用に
パワーポイントでプレゼン資料ひとつ作るにしても
パワポのコマンドのノルウェー語がいちいちわからずイライラ

以前エクセルを使い始めた時も
海外のパソコンで困るのがまさかこんなこととは、と
ひとしきりイラついていた時期がありましたが
パワポよ、きみもか…

ああ
どうしてこんな会社員みたいな作業を家でえんえんとするハメに…
そして作業そのものよりコマンドのひねりにいちいち踊らされつつ…
しかも無償で…

と今更考えても仕方がないので
とりあえずもくもくとがんばっていますが

そんな折も折
以前小学校でおりがみ教室をしたときの担任の先生から
また別件で小学校へのお誘いが

なんでもTシャツにクールなロゴを入れるという作業をしていて
日本語にチャレンジするとのこと

え、それってこういうの?


(息子が中学生のころ学校の授業でペイントしたTシャツ)

そういえば漢字は
外国人にはクールらしいものね…
またアクティビティがひとつ増えるのか…

さらに追い討ちをかけるように
くだんのワーキンググループミーティングで
地元のおばちゃんたちが臨時のカフェを開設することが急に決まって
来週の学校の冬休みに間に合わせるべく即準備に入りました

もちろんグループ全力で手伝うよね
グループ内で女性はわたしを入れて2人
当然キッチン要員に数えられてるよね

ふだんお世話になっているおばちゃんたちだしカフェにはぜひ成功してほしいし
思いっきり手伝いたい気持ちはすごくあります
ああ、でもそうすると来週は家にいられる日なんていったいあるのだろうか…



つい何も考えず空を見上げたくなる…

どれもこれも単品でとらえれば
地元の人との交流を深められてノルウェー語の練習にもなる
すごーくありがたい機会で大歓迎なんですけれど
(小学校なんて可愛い子どもたち相手でホント楽しい)
こうも芋づる式に(?)次から次へとやってくるなんて



ここはひとつ瞑想、かな

冬らしい景色

2020-02-08 00:45:12 | ノルウェー山暮らし fjellgård
ひとつ前の記事のとき降り始めた雪



翌日にはあたり一面
真新しい30cmほどのフカフカの新雪
ついでにまぶしいサンシャイン!



太陽が戻ってきた日からしばらく曇りがちで
なかなか日光を浴びる機会がありませんでしたが
気がついたときにはもう1時間近くも太陽が家の周囲を照らすようになっていました



まだまだ低い位置からの日光ですが
顔や手がじわーっと温かくて気持ちがいい!

明るい時間も日ごとにどんどん長くなっていって
今日は夕方の5時頃でもヘッドライトなしで散歩できました



夕暮れの空がとてもきれい

わたしはこの木々の繊細なシルエットというものが特別に好きで
いつまで見ていても飽きません



でも予報によると明日からストーム
気温が上がって南風が吹き荒れるようです
停電になりませんように…

木を切る

2020-02-03 12:47:58 | ノルウェー山暮らし fjellgård
ときどき相方が森で木を切る手伝いをしますが
これがなかなかいい運動になります

チェーンソーを使う作業は
プロテクション付きの作業着や安全靴が必要なだけでなく
わたしの軟弱なひじや手首をすぐ痛めてしまうので
残念ながら手伝えませんけれど
でも他にできることがわりとあるのです



今シーズン木を切っている場所は
開墾してある土地と森との境目のエリア
放っておくとどんどん森が広がってきてしまうのを防ぐべく
若木が大きくなりすぎないうちに幅10メートルくらいにわたって切ります


(木々の向こう側が開墾地)

でも全て切り倒してしまわずに
細い木をところどころに残しておくのがコツで
そうすると残った小さな木たちが養分をたくさん吸うため
周りにうじゃうじゃと新芽が育つのを防げるのだそう

さて
ここでわたしにできる仕事はというと主に運搬係

雪の積もった斜面はただ歩くだけでも気をつけないと転びそうになるのに
丸太を抱えて(または転がしつつ)だと
何度も雪に足を取られそうになります



さらに
はらった大量の枝は斜面に平らなATV用の道を作るのに使うので
道を作る予定の場所まで運んで積み上げます

雪がドカっと降って平らになれば
次に森の奥のほうの木を切るときに
ATVで森の中まで入って行って木を運び出せるという算段

それから
大きな木を倒すときには時々ロープを使うのですが
ここでもささやかな手伝いができます



これは
万一狙いが外れてトラクターを直撃しそうになった時のためで
本来は引っ張ることは期待されていないんですけれど
わたしが持っているときに限って

「あーマズイ!ひっぱってひっぱって!」

と叫ばれることもあるので気を抜けません



トラクターのフロントシャベルが丸太でいっぱいになったら
自宅まで運んで積み上げるのも手作業

ここのところ雪が降らなくてあらゆる作業が楽でしたが
おとといの昼から雪がどんどん降り始めて
木を切るそばから雪が積もるようになってしまいました



でも気温が低くて溶けないので
雨のようにびしょびしょになるわけでもなく払う必要もありません



むむ…
遠くの景色がけぶって見えない…
これは久しぶりに積もるかも

素敵な図書館

2020-02-01 13:08:50 | ノルウェーの町で tettsted
毎週木曜日に図書館へ行きます
strikkekafé と språkkafé という
地域アクティビティの二本立てに参加するためです

前者は編み物をしながらおしゃべり(編み物はしなくても良い)
後者はノルウェー語でのおしゃべりが目的

ネイティブと会話する機会を得られるだけでなく
他の移民とも仲良くなります
ノルウェー語学校の宿題や自動車学校のテキストを持参する人もいれば
小さな子連れの人も

もちろん
図書館本来の役割もよく利用します


(余った毛糸たちを使い切るべくただいま借りているくつ下の本)

この図書館は館長さん(デンマーク人)がとても親切でフレンドリー
デンマーク語が聞き取りにくくて
ノルウェー人でも聞き返しているのをたびたび見かけますが
そんなことには全く臆さずどんどん話しかけてきます

先日もいつもの strikkekafé で
ノルウェー人のおばちゃんと一緒にテーブルで編み物をしていたら
おもむろに1冊の本を持って近づいてきた館長さん

古いデンマークの本を開いて見せてくれながら
「2人で一緒に編んだら?ホラ、こんなふうに」



うわー
これはいつ頃なのか?
それにしてもよくこんな本を見つけてくれたよね



うーん
北欧の手編みの歴史もなかなか興味深い…

また別の日にわたしが射撃の本の場所を尋ねた時も
棚のある場所まで案内してくれたうえに
数冊みつくろってささっと取り出してくれました
(でもどれも狩猟がらみで探していたのとはちょっと違った…)

さらに数日後
図書館からの自動メールが携帯電話に

「他館からの取り寄せの本が届きました
1週間以内に受け取りに来てください」

と全く身に覚えのない内容…

数日後
図書館へ入っていくとすぐに館長さんが笑顔でわたしを呼び

「ハイ、この本届いたよ
メール行ったでしょ」

と手渡ししてくれたのが
なんと射撃の初心者向けの教本



ええー?
こんな本を探して取り寄せしてくれたわけ?(勝手に?笑)
確かに以前借りた中にはこういう初心者向けの教本はなかったけど
そして確かにこういう本が欲しかったけど
そんなサービスあり?

「古い本だけどね」
とちょっと照れ笑いの館長さん



おお、タイプライターで打ってコピーして綴じてある
なんと1984年発行

でもまさしく読みたかった本なので
とてもありがたかったです

前後して地元の新聞に
この館長さんの取材記事がありました

図書の貸し出しは順調に増加している一方で
音楽CDやDVDの貸出が減っていること
そのため音楽CDの貸し出しは廃止せざるを得ず
DVDもそれに続くかもしれないとのこと

ちょっと軽くショック…

DVDを取り揃えて売っているお店も
TSUTAYAみたいなレンタル店もない町で
図書館が唯一のDVD入手先なのに…

そんなわけで
貸出数に少しでも貢献しようと
これまでは気が向いた時にしか借りていなかったDVDを
積極的に借りている今日この頃です


注意書

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