東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

8月の初霜

2020-08-31 09:04:31 | ノルウェー山暮らし fjellgård
昨日の夜
散歩がてら少しブルーベリーを摘んでいたとき
ふと森の景色がすっかり秋めいていることに気づきました



なんか黄色い…

もちろん秋にはもっと紅葉は進んで
あたりは一面赤い絨毯になりますが
それにしてもちょっと早いのでは…

まだ8月末
ヒツジも放牧継続中
日本の学校は普通なら夏休み中

この日気温はどんどん下がって
12時頃にベッドに入る前に外気温計を見たら2.6℃

ウソー
明日は仕事で山を降りるのに
まさか道が凍っていたりしないよね?
まだ夏タイヤなんですけど

翌朝起きると気温は0.3℃
かろうじてプラスですが庭の芝生は霜で真っ白



お天気は良さそうだし
日中の気温は10℃を超える予報ですが
8月のうちに初霜だなんて初めてかも

霜が降りてしまったらブルーベリーももう終わりだなあ
でもたくさん食べたしジャムにもしたし冷凍もしたし十分かな
…と考えてハタと思い当たりました

もしやベリーはこのことを知っていて
今年はあんなに早くから実をつけていたの?

鳥の予知能力といい
ウサギのころもがえの絶妙なタイミングといい
野生のもつ第六感にはいつも感心するばかり



天高く羊肥ゆる秋
季節の変わり目、気を引き締めよう…

ヒツジの脱走

2020-08-29 12:14:47 | ノルウェーの動物 dyr
この夏は羊のドラマが多かった…

夏の初めの頃
この辺りにはあるまじき暑さで何頭かの子羊がバタバタと倒れ
おっぱいに炎症を起こすおかあさんヒツジに
病気になって毛の抜けるヒツジ…

オーナーの羊農家さんも幾度となく足を運んでくれて
調子の悪い子を連れて帰ったり病気を調べたり
とうとう重機を持ってきて大々的に状態の良くない草を刈ったり
それはもう大忙し

加えてヒツジが脱走する事件発生

彼らは柵などのない自然の中で放牧されていますが
川の向こう側へは行かないように
橋にはどこもゲートが設けてあります

でも
そのことを理解していない地方や外国からの観光客が
橋を渡る際にゲートをちゃんと閉めてくれなくて
ヒツジが出て行ってしまうということは過去にもありました

でも今年は同じヒツジが
うちの最寄りの橋から4回も脱走
これはおかしい…


(すきあらばと橋の近くでゲートが開くのを待ち構えるヒツジ)

最初にヒツジが脱走したことに気づいたのは
橋の上に残された大量のフン
あってはいけない場所にあるフン

ゲートの向こう側のずっと先を5kmほど行った場所には
これまた、いてはいけないはずの隣の県のヒツジの一群が
はるばる山を超えて遠征してきていることを知っていたので
初めはその群れがとうとううちの近くまでやってきたのかと思いました

でもある日
仕事へ行こうと車で橋まで来たら
ゲートの向こう側に見慣れたタグをつけたヒツジが3頭
やっぱりうちの預かりヒツジが脱走していたか…


(ゲートにへばりついて座っている)

あのね
そっちはダメなの
なんでそこにいるの?

呼びかけながらゲートを開けると
ススっと知らん顔をして逃げようとするおかあさんヒツジと
それについていく仔羊



ちがうでしょ
こっちに戻りたいんでしょう?
ホラ、こっちだよー

ヒツジは人や犬に目の前に立たれると向きを変えたがるので
おかあさんヒツジの行く手に回り込んで踵を返させます



ふう
やっと本来いる場所へと帰っていったよ…

ああ…もうみんなおなかこわしてお尻が真っ黒
橋の掃除が大変だわ
3年前に作り替えて以来初の洗礼



シャベルで大きな固まりをどかしたら
デッキブラシで地道にこすり洗い
川から水をいくらでも汲めるのがせめてもの救いです



しかしその後
この3頭はゲートを越えてあっちへ行ったり戻ったりするのを
趣味にしていることが判明
(義父が犯行現場を目撃)

出て行っても必ず数日で帰ってくるので安心といえば安心だけど
繰り返される橋の掃除が
ただでさえ多い夏の外仕事に追加されて迷惑なんですけど



聞いてる?
アナタですよ
8番のおかあさん
(※おかあさんヒツジの首にはベルと番号札)

ヒナ祭り

2020-08-26 14:06:33 | ノルウェーの動物 dyr
いま家の周辺は小鳥のベビーラッシュ第二弾
たくさんのヒナを見かけます

いつものセキレイのほかに
今年はちょっと珍しい黄色のセキレイのヒナも


(屋根のてっぺんに仲良く並ぶセキレイのヒナ)

芝生でウロウロしているヒナを窓から双眼鏡で見ていると
巣立ったばかりなのに
空中を飛んでいる虫をパクリと獲ることに感心したり
コマ落としみたいな首の動きを見つめたり
いつまでも双眼鏡から離れられません


目の前の窓に衝突音
立ち上がって窓の外を見ると芝生の上に動きのないヒナが1羽
黄色のセキレイです

外に出てそうっと近づくと
目を回しているらしく
目をつむったままじっとしています

このまま気を失ってしまわないように
小さく話しかけます

トュルトュル、トュル
トュルリッ
(鳥語で)

しばらくするとそうっと目を開いて
でもまたすぐに閉じる、というのを繰り返すようになり
カパッと口を開けてみたりすこし首を動かしたり



やがて目がしっかりと開いたかと思うと
間もなくスッと羽ばたいて林の方へ

ああ、よかった〜

実は先週もツグミのひなが1羽
反対側の窓の下で冷たくなっていたので
鳥が窓に衝突するとドキッとします

そういえば少し前に森を散歩中に
これまた珍しいヒナ鳥を見かけました

遠目にも黒い鳥だとわかったので
カラスかな?巣から落ちたのかな?
それとも巣立って間もない子かな?
と思いつつ後ろからそっと近寄ってみたら…



あら
この白と黒のツートンはカササギ
民家のある場所では鳴き声がうるさいので割と迷惑がられる鳥です
成鳥が庭に来ると相方が冗談で「撃とうか」という鳥

カササギのヒナ、こんな近くで見るのは初めてかも
ツグミよりもさらに大きいけれど
それでもこんな場所でうずくまっていたら
キツネに見つかってしまうのでは…

そんなことは先刻承知とばかりに
鳴き声も出さずにただ静かにじっとしているのを見るにつけても
きみたちは本当にどう生きるかを知っているよね…と
感嘆のため息の出る思いがするのでした

人気のアジアンテイスト

2020-08-23 12:44:12 | ノルウェーの食べもの mat
週に2回ほど
山を下りて最寄りの町へ行きます

便宜上「町」といつも書いていますが
ノルウェー語でいうところの町(by)ではなく
かといって村(bygd)でもなく
多分1番近いのはただの tettsted(人口がある程度多い場所?)

人口は4000人ほどで
診療所はあるけれど病院はない
役場はあるけれど税務署はない
高校はひとつだけで大学はない

でも
大規模な水力発電所とアルミニウム精製所があって
サケの養殖に関連する研究所もあって
難民受け入れの居住地も充実

本当になんと呼べばいいかよくわからない地区ですが
ひとまず「町」で続けます

さて
町には数や種類は少ないもののカフェやレストランがあります
外食はとても高いのであまりしないんですけれど
ときどきふらふらと吸い込まれそうになるお店が2件

ひとつは中国人のご夫婦がやっている中華料理店



生姜の効いたとろみのあるあんが美味しいFuglerede(鳥の巣)は
他の普通のノルウェーのカフェやレストランでは見つけられない
ホッとする味わいです
お箸で食事ができるのもウレシイ

ここはいつ来ても割と人が入っていて
テイクアウトを受け取りに来る人もいます
中華メニューだけでなく洋風メニューも充実しているので
ノルウェー人にも移民にも人気があるのかも

もうひとつはフィリピン人女性経営のカフェ
こちらもアジアンテイストと現地の人向けの食事の二本立て



野菜と鶏肉とエビがたっぷりの焼きそばは
意外とノルウェー人にも人気があるのだとか

こんなの頼んじゃうとビールが飲みたくなりますが
車を運転しないと帰れない場所に住んでいるので
ノンアルコールでガマン



ところでここのカフェのオーナーは
以前日本に3年住んでいたことがあり日本食好き
そのうち日本食フェアやろうよ、と誘われていて
実現したら楽しそうだなーと思う反面
一体どんな日本食なら作れるか考えるとこれがそう簡単ではない…

今までも何度かこぢんまりと食べ物を売る機会がありましたが
1番大変なのは何を作るかを考えることでした

お寿司、お好み焼き、焼き鳥、天ぷら…
手軽に材料が手に入ってノルウェー人向けにアレンジできるものって
なかなかありそうでありません

わたしにとっては日本食といえば
何はさておききときと(注※富山弁で活きの良いの意)のお刺身とお寿司


(日本で普通に家で食べるお刺身のありがたみが身に染みる海外生活)

季節の素材の多さ、食材の選択肢の広さが
日本食の最大の魅力だとつくづく思います



ひるがえって
今ここ(田舎)で手に入る生で食べられるお魚といえばサーモンのみ
あとはスモークサーモンのたぐいと魚卵がすこし

これではお寿司でメニューを組もうとすると
どうしても洋風アレンジになってしまう…


(都会の寿司レストランSushi Barのサイトより)

具材にマンゴーとかイチゴとかハラペーニョソースとかね
使うくらいならいっそお寿司は諦めたい



この春巻きもフィリピン人女性のカフェの人気メニュー
ノルウェー人は春巻きが好き
でもすでにタイやベトナムあたりの料理として定着しているので
いまさら日本風で作るのもどうかな

いっそ松花堂弁当みたいにベントー・プレートにしてみようかな


(日本のお弁当はまあまあ認知度が高い)

ノルウェーのソーセージでタコさんウィンナーが作れるかどうか
試してみるのも面白そうです

山のトナカイ

2020-08-21 12:42:37 | ノルウェー山暮らし fjellgård
トナカイ猟が解禁になる前にと
少しまえに義父母と登った家の目の前の山に
運動がてら今度は1人で行ってみました

前回メンテナンスした道しるべをちゃんと辿れるか
まだ記憶が新しいうちに確認したかったのです

果たして
「うーん、こんなところ通ったっけ?」
と思ってもすぐに次の印を見つけることができて
つくづく義父母に感謝


(右上の木のオレンジ色が目印)

1時間ちょっとで
眼下に見慣れたご近所さんたちが見える場所に到着


(どんな高い場所にでもいるヒツジ)

終盤は急な上りが続き
あと少しで目的地の平らな場所へ出るというところで
目の前に溶け残った雪のかたまりが見えてきました
そしてその雪の上でなんとトナカイの小群がくつろいでいて
ほんの10mほどに近づいたわたしに気付いていません

斜面と平地の組み合わせがわたしとトナカイの間で目隠しになっていたのと
(わたしも初めはツノしか見えなかった)
わたしが風下にいたせいだと思いますけれど
ビックリしました

やがてわたしに気付いたトナカイたちもビックリ
慌てて走り始めました

ドカドカドカ
ひづめの立てる音の大きいこと

少し距離を置いた場所で
しばし立ち止まり振り返ってわたしを品定めするトナカイ



小さくて見えにくいですが
左の方、雲を背景に4頭(右側の岩場にも何頭かいます)
遠目にもシカよりも耳が大きくて頭の形がシカとは違うことがわかります

「明日からトナカイ猟が解禁だからね
ハンターがくるから気をつけてね
あたしは銃を持ってないからだいじょうぶだよー」

と話しかけている間じっとたたずんでいましたが
相方によると彼らは猟の解禁日を正確に知っているとのこと
本当かな…

ともあれ
トナカイたちがわたしの最終目的地の湖のある方角へ立ち去ったので
しばらく待ってから少し迂回して進むことにしました

もうここまで来れば道しるべから離れても大丈夫
自宅が見下ろせて
ずっと続く谷を流れる川がはるか遠くまで見渡せて
山には他にもたくさん溶け残った雪が…

あれ?
あっちの雪のかたまりの上にも何か黒い点々が…


(動画を撮ったものの貼りかたがわからずスクリーンショット)

さっきのトナカイファミリーかな?
それとも別の親子?
トナカイって雪が好きなの?涼しいから?

それにしても
なるほどこれではハンターがこの山によく猟に来るはずです

あんまり気持ちが良いので予定より長居してしまいましたが
夕立と雷雨の予報が出ていたことを思い出し
空が明るいうちに下山することにしました

ほんの2週間前に登った時に比べて
やたらとキノコが目についたものの
キノコ狩りは知識がないとキケンなので素通りです


(こんなの印をスプレーした時には生えていなかった)

ときどき目を疑うような鮮やかな紅葉も



どうやら
秋が駆け足でやって来ているようです

手に取れるにほんご

2020-08-19 23:03:41 | ノルウェーの町で tettsted
わたしの住んでいる地域には
日本人はわたしの他に1人もいません
なので日本語でのおしゃべりには常に餓えています

「わたし、日本に住んでいたことがあるのよ!」
という年配の女性には3人ほどお目にかかりましたが
彼女たちと日本語で話すのはかえって気をつかうので
(ゆっくりハッキリ難しい単語や言い回しを使わずに話すので)
申し訳ないけれどそれほど楽しくはありません…

それよりもごくまれにですが
職場で目にする日本語が妙に嬉しい



建築業者さんが資材やツールの調達に来るお店なので
MakitaとRyobiはともに主力商品
身びいきかもしれませんが輸送の梱包ひとつとっても
ヨーロッパの他メーカーと比べてシッカリしています



こういう多言語の中に見かける日本の文字も
ひらがなってなんかカワイイよねーとしみじみ

それから最近
図書館が再開したので
久しぶりに本を何冊かと日本の小説の朗読CDを借りたのですが
CDにはなぜか村上春樹さんの名前が漢字併記



なんでしょう
漢字がクールだから?
世界の村上ファンは彼の名前を漢字でも認識できるのかな?

ちなみに写真の右2冊はノルウェー夢ネットのブログで紹介されていて
面白うそうだったので借りてみました

OGPイメージ

読みやすいノルウェー語の本は? | ノルウェー夢ネット

ノルウェー語の勉強やノルウェーを知るために本を読んでみませんか?面白い本、短編、YA、日本語のある本など読みやすいノルウェー語の本をリストア...

ノルウェー夢ネット

 


こちらのノルウェー情報満載のブログは
いつもとてもお世話になっています
ノルウェーに興味のある方でこちらのサイトを知らない方は
ぜひ一度ノルウェー夢ネットのホームページへ!

かように今はインターネットの恩恵のおかげで
日本語のニュースを見たり調べものをしたり
いろんな人のブログを楽しんだりできるので
日本語を読まない日はありません

それでも
手に取れる日本語とのフィジカルコンタクトが恋しくなるのは
昭和生まれだからなのかも…

なかでも日本語を目にする場面で一番うれしいのは
全く予期していない日本からわたし宛の私信を
私書箱に見つけたときです
(自宅への郵便配達がないので町の私書箱に届く)



友人からの心のこもった贈り物と手紙にまさるサプライズって
ちょっと思いつきません

わたしが本を読むのが好きなことも
中学生の頃から大貫妙子さんの大ファンであることも
ちゃんと覚えていてくれるあたりがもう感涙もの

マスク、触発されて自分でもひとつ作ってみましたよ


(ゴムは編みかけのサマーセーター用のリネンの糸で代用)

これらのマスクを携えて
無事に秋の一時帰国が叶いますように…

古き良きもの

2020-08-16 10:50:48 | ノルウェー山暮らし fjellgård
わたしの住んでいる家には
古いものがたくさんあります

一生使わなさそう…と思っても
勝手に処分できないとか処分するのが大変なサイズだとか
処分していいか義父母に尋ねるのがおっくうだとかで
出番のないままホコリをかぶっているものが大半ですが
この夏に活躍したモノが3つ

ひとつはベリーピッカー

もうひとつはこの帽子



コレ、誰の?
という感じでずっと放置されていた麦わら帽子
センスが良くて常に最先端の買い物をする義母のものにしてはチョット…だし
かといって相方が使っているところも見たことがないし…

でもこのたび
モルテを摘みに何度も湿地へ行くことになって
飛び回る虫に往生していたときに思いついてかぶってみたら
あらスゴイ!
顔の周りにちっとも虫が寄ってこられません

これイイね〜と相方に言うと
なんと彼が小学生の時に作ったとのこと
ツバの縁にぶら下がっている赤いものは
おもちゃの大工さんセットのパーツ(六角ナット)だそうな

それじゃあお義母さんも捨てないよね
こっそり処分しなくて良かったわ…

それから更にもうひとつ最近見直した古いものがあります
それは納屋にある数ある道具の中で
わたしには扱えそうにないと手を出していなかったモノ



草刈り鎌とでもいいますか
ノルウェー語では ljå(ヨー)

芝刈りロボットが刈ることができない斜面部分に生えている草を
手で刈るのに便利


(こういうちょっとした段差部分とか)

今までは小さな剪定バサミでチョキチョキしていましたが
つい先日、家の前の丘を羊農家さんがトラクターで草刈りしに来たときに
昔はここに住んでいた人があれを馬を使ってやっていたのね…と
感慨深く眺めながら
そういえば納屋に鎌ならあったような、と思いつきました


(きれいに刈られた丘の斜面)

手にしてみると意外と軽い!
そして持ち手がなんだか握りやすそう



左手の手首から肘にかけて
とても良い具合にフィットします



コツをつかむとなかなか気持ちよく刈れて
これはイイ!

かねてより
「ああ、この辺り一面もいつか巨神兵になぎ払ってもらいたい」
と見るたびに思っていた広い場所(でもロボットが入れない)も
これなら使えるかも


(このイメージが幾度となく脳内にあった)

普通の家庭ではそういう場所は
電動草刈機で刈るのが一般的だと思うのですが
数年前に試してすぐに腕が痛くなって断念した苦い記憶が…

電動工具は重いし振動が強いので
軟弱なわたしの腕はすぐに悲鳴をあげてしまいます
その点 ljå はいい感じ

でも調子に乗ってしばらく草刈りをしていたら
相方から「あんまりやるとお腹をこわすよ」と声をかけられました

お腹?
なにも食べてないけど?

なんでも昔はこれで穀物や牧草を刈る仕事を一日中していると
お腹の調子が悪くなるというのはよくあることだったそうです
たしかに柄が長くて都度腰をひねるから
胃腸には負担がかかるのかも

でも少しの作業ならウエスト周りのシェイプアップにいいのでは?
これからも仲良くしようね、ljå


(刈った草を集める rive もね)

招かれざる客

2020-08-14 23:06:27 | ノルウェーの動物 dyr
週末の朝
キッチンの作業場でのんびりと手仕事をしていたら
窓の外に仔羊が



えっ
どこから入ったの?
いま敷地内でお預かりしているヒツジはいないから
そこにいたらダメなんだけど〜

急いで外に出てなんとかフェンスの外に出してから
フェンスを一周して侵入箇所を点検することに

実は前の日も
わたしが仕事でいちにち留守にしている間に
相方が3度にわたってどこからか入り込んだ仔羊を外に出しては
フェンスのチェックをするということを繰り返していたらしいのです

でもどうしても
ウサギが通れるサイズの隙間はあっても
ヒツジが無理やり入り込んだ形跡のあるところは見つからず
ミステリーだよねーと話し合っていたら
今度はリビング側の窓の外にまた仔羊が!

ウソでしょ?
もうー困るんだけど〜



あのね
ダメなの
きみたちの場所はあっち
ホラ、ゲート開けたからお母さんのいるところに戻ってちょうだい



開けたゲートからべつのヒツジが入り込まないよう目を配りつつ
仔羊をなんとかそちらへ向かわせようとしますが
なんといきなり真反対の方向へ走り出す仔羊

と、そちら側にはもう1箇所閉まったゲートがあるのですが
その脇の縦長の開口部からスルリとジャンプして外に!
そこー!?



ビックリ
まさかその幅を通れるとは…
すぐに板切れを持ってきてスクリューを電動ドリルで打ち込みます



本当は斜めにふさぐと良かったのですが
ウサギが通りにくくなるのは残念なので田の字にしました

全くもう…

今年はやたらと手のかかるヒツジたち
夏の初めにはバタバタと5頭ほど立て続けに具合の悪い子がでたり
最近では橋の向こう側へエスケープを繰り返す親子がいたり

でも早いもので
来月の初め頃にはもう羊農家さんがヒツジたちを集めにきます

ブルーベリーが紅葉し始めているところもあるし
夏もそろそろおわりかな
(日本はお盆、暑い盛りですね…)


夏の薪仕事

2020-08-13 23:42:48 | ノルウェー山暮らし fjellgård
去年の秋から冬にかけて作って屋外で乾燥させている薪が
良い具合になってきました


(大きさがわかるようにと差し出された相方の手)

十分に乾燥が進んだ薪は
時間のあるときに少しずつ納屋に運んで
雪が降る前に屋外の薪置き場を空にします



この薪を運ぶ作業は地味な単純肉体労働で
おまけに晴れた日にしかできないためけっこう長丁場になります

ともすれば面倒くさい大仕事で気が滅入りがちですが
田舎暮らしのこういった種類の作業のコツは
効率をあまり考えず急がずマイペースでのんびりやることに限ります

気持ちの良い爽やかな夏の空気を満喫しつつ
休憩も外のテーブルでピクニック風ランチ(?)
1日の終わりには
「わー、よく運んだねー、悪くないよねー」と
ポジティブな言霊で自分たちをねぎらうのも効果的です

のんびり作業をしていると
ふと手を止めて見入ってしまうものがあったりしますが
この飛び出た枝もそんなもののひとつ



割るときにスプリッターの圧力で飛び出すんですが
木の枝が幹からこんなふうに独立しているなんて知りませんでした

それから
木の種類によって重さがずいぶん違うことも
ひとつひとつ手にとってみればこそよくわかります

1番重いのはやっぱり松(ゆっくり育つから)
ついでトウヒ(もみの木の仲間)
1番軽くて白さも際立っているのは樺の木です

本当はぜんぶ樺の木で作りたいくらい
樺の薪の利点は多いのですが
開墾地をキープするために切らないといけない他の種類の木も
捨てるのはもったいないので全て薪にしています

ところで
春から夏にかけて家の周辺にはたくさんの鳥が来るので
芝生にヒナの小さくて柔らかい羽がよく転がっているのですが



薪置き場はウサギだけでなく鳥たちにも人気で
ときどき置き土産が…


(下の白いのが普通のフン、上の濃紫がブルーベリー色のフン)

特に害はないのでいいんですけどね
(納屋ではネズミのフンも避けられないし)

それにしても
まだまだ夜になっても明るくて
夏がいつまでも続きそうな錯覚をおこします


(午後9時半頃の夕焼け)

道しるべ

2020-08-08 16:38:50 | ノルウェー山暮らし fjellgård
よく晴れた金曜日の昨日
義父母と家の目の前の山に登りました

いつも窓から見ているまんまるいかわいい山



小山に見えますが後方に長く伸びていて
正面はかなりの急勾配
わたしはここでおととしの秋に怖い思いをして以来
ぜひ正しいルートをマスターしたいと常々思っていたので
義父母からの誘いにふたつ返事

そのルートというのはけもの道ですらない道なき道で
ところどころに義父が白いペンキでつけた道しるべがあるだけ
それも30年くらい前のものなので
今回はその印のリニューアルと枝払いが目的です



当時の印は木の枝をノコギリで切った跡にペンキを塗ったもので
なるほど年月が経ってもちゃんと残っています
賢人の知恵

それにしてもこの悪路を
ペンキとかハケとかノコギリとかかついで登ったわけね…

今回はペンキのかわりの専用スプレーと
剪定バサミと折りたたみ式のコンパクトなノコギリ持参
通るのに邪魔になったり印を覆ってしまいそうな枝を切りながら進みます



このスプレーはコンクリートやアスファルトにマーキングするものなので
岩にもしっかり印をつけられます

森の中では木に印をつけられますが
高度があがるにつれて周りに木々はほとんどなくなるので
こうなってくると道しるべの頼りは岩
登るときにも下りるときにも見つけやすいよう
場所や角度を考えながらスプレーしていきます

標高900mくらいまでくると
下界が見渡せて気持ちいい!
ふもとの集落や谷を流れる川や滝もよく見えます
眺めがいいのでここで小休憩


(雲の影もよく見える)

各自二ステ(簡単なオープンサンド)と水の入ったボトルを持参していますが
義父のリュックからは大きなポットに入った温かいコーヒー
義母のリュックからは人数分のカップとチョコレートまででてきてビックリ



お、おもかったのでは…
でもそんなことは意に介さないのが
ここの人たちのアウトドアの楽しみ方なんですよね

さて
この先はだんだん岩が増えてきます
そのうち低木も姿を消して
地面にへばりつくように生えている草や苔ばかりの岩場
岩石の中には水晶もあったりしてビックリ



きれいだからちょっと持って帰ろうっと



とうとうてっぺんのすっかり平らになっている岩だらけの場所に着くと
そこには小さな湖が



標高1200mの場所にひっそりとある雪解け水の湧き出る湖
なかなかファンタジック

そういえば途中で
まだ雪が残っている場所もありました

(冷たい雪解け水でのどを潤す義父母)

ちなみにこのあたりはトナカイの生息地なので
風下にいる場合はトナカイに会える確率も高いのですが
この日は一頭もいませんでした


(水辺に骨があったけど…)

ここは相方が小さい頃から家族で何度か来た場所だそうで
義父母にとってはお馴染みのハイキングコース
でもさすがに82歳と76歳ともなると身体への負担もあるようで

「もう来ることはないかも
でもルートのメンテナンスもできたし
次世代に引き継げてよかったわ」

と言われました

え…
次世代…
わたしもうアラフィフですが…
(注※彼らのひとり息子の相方は持病のため山登りには向かないコンディション)
ええと、わたしは誰に引き継げば…


(てっぺんから自宅が左下に小さく見えます)

日本で都会生活を満喫中の息子(24才)よ!
真冬にばかり遊びに来ないで
ここを一緒に登れる夏に一度来ておくれ
トナカイやライチョウに会える(かも)よ!

その日のためにかどうかはともかく
ときどきは1人で登って道しるべを確認しておこうと思います

注意書

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