東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

もみの木の薪

2018-03-31 18:49:03 | ノルウェー山暮らし fjellgård
暦の上では春のノルウェーですが
外は眩しいくらい一面の銀世界



でもいつの間にか驚くほど長くなった日照時間のおかげで
日中の気温が高くて過ごしやすく
薪ストーブの薪の消費量もやや減ってきました

寒い時期は
毎日納屋から大量の薪を運ばないといけなかったのが
ここのところ2日にいっぺんくらいで済んでいます

ここでは薪は必需品なので毎年白樺の木で薪を作るんですけど
今年は少し勝手が違う…

日付をさかのぼること約半年前
県庁から景観保護担当者が視察にやってきました

わたしの住んでいる場所は古い fjellgård( fjell は「山」 gård は「農場」)
つまり平野ではなく標高の高い場所にある農場

いまは家畜を飼っていないので
牧草地は手入れされていないし
家畜小屋も物置と化しています

昔は近くに何件か家があったらしいのですが
みんな取り壊されたりよそへ移されたりして
残っているのはうちだけ

辺鄙すぎてローカル紙の取材を受けたこともあるくらい



そんな世間から見捨てられたような山の一軒家の古民家にもかかわらず
景観保護地区のエリアに含まれているせいで
道路を作るとか橋を作るとかはもちろん
家のそばに物置小屋を建てるだけでも
役所に届け出て許可を得ないといけません

そしてこの度の視察では相方にいくつか要望が出されて
そのひとつが「モミの木の伐採」でした

そう
地元であまり歓迎されていないモミの木
もともとは外来種で
1950〜1960年代に計画的に植林されたものの
今になって「やっぱり要らないから元の景観に戻そう」と
伐採が推奨されているという
なんともかわいそうな境遇です

当時は植えることで収入を得られたモミの木
いまは切り倒すことに報酬が与えられています

そもそも公的機関が
昔の景観をそのまま残すことに心血を注いでいる(ように見える)のが
わたしにはちょっと馴染みがなくて不思議な感じさえするのですが
どうやら古いものをやたらと大事にするのは
国民性ではないかと思う今日この頃
(ノルウェー全体的にそうなのかは不明)

ともかくそんなわけで
いつも薪用に切る樺の木のほかに
何本ものモミの木を切ることになった今シーズン
樹齢50年以上の木が多いので作業はけっこう大変そう
(手伝えることがないので見てるだけ)



かくして家の前にはモミの木の丸太が山積み



雪がもう少し減ったら薪作りの地味な作業が始まります

料理の先生

2018-03-29 20:10:06 | ノルウェーの食べもの mat
毎日食べるパンを
ホームベーカリーを使わないで焼くようになって久しいです



2週間に3回くらいの頻度で休みなく焼いているので
最近では目分量でもちゃんと焼けるようになりました

おやつに菓子パンもちょいちょい作ります



おやつレシピはインターネットのお世話になることが多いんですけど
いちばん気に入っているのが TRINES MATBLOGG


(イースターらしく卵をデザインしたケーキがトップ画面に)

分量と手順だけでなく
上手に作るコツがていねいに書かれているし
写真も適切でわかりやすくてお役立ち度が高い!

パン生地はイーストの使用量が一般的なレシピより少なめにもかかわらず
しっかり発酵できるのもありがたいところ

ビデオで見る彼女(Trine)はナチュラルでごくふつうのおばさん
好感度高し!
まるでノルウェーの栗原はるみさん

ああ…栗原はるみさんを思い出したら
「ごちそうさまが聞きたくて」シリーズのメニューが食べたくなってきた…

日本はもうタケノコとかがスーパーに並んでるのかな?
レンコンとかこんにゃくとか絹ごし豆腐とか食べたいなあ

話がすっかりそれましたが
ノルウェーの食生活にももちろん良いところはあります

パンを焼く粉類や乳製品は種類が豊富なだけでなく値段もお手頃
例えば日本ではなかなか安くならないバターは500gで30kr(400円強)くらい
おかげでついつい気軽に焼き菓子を作ってしまいます



日本にいた時は乳製品といえばバター、チーズ、ヨーグルトの他には
生クリームくらいしか馴染みがありませんでした

なので
こちらのスーパーの乳製品売り場にズラリと並ぶ商品は
商品名を見てもパッケージを見ても頑張って原材料名を読んでも
イマイチ違いも使い方もわからなくて
最初のうちは定番のサワークリームくらいしか買っていなかったんですよね

でも最近になって
これもレシピ検索でよくお世話になる
TINE(日本のメグミルクのような大手メーカー) のホームページで
製品からレシピ検索できることを知って以来
いろいろな種類の製品を使うようになりました


(食欲をそそるTINEのHP)

生クリームだけでも10種類
ミルク系は47種類 (ラクトースフリーとかチョコレート味とか発酵乳とか…)
チーズに至っては89種類!

でも製品紹介のページを読めば違いがよくわかります
レシピもたくさん



この Kesam はチーズの一歩手前みたいなものらしく
風味はクリームチーズみたいですが
低脂肪で塩分もほとんどないのでわりとじゃんじゃん使ってます
ちなみに300gで200円程度とお財布にやさしいのも嬉しいところ

良質な牛乳を生産してくれる酪農家のみなさん(と牛たち)に感謝です


(Påskekyllinger イースターのひよこパン?的な)

キツツキ

2018-03-27 11:26:03 | ノルウェーの動物 dyr
最近うちの近くに現れるニューフェイス
どうやらキツツキの仲間のようです

小さくて地味な姿なので目に留まりにくいものの
その音がけっこう派手


(電柱のてっぺん左側にいるキツツキ)

音が派手に聞こえるのは
キツツキがうちのすぐ近くの木の電柱をつついているから


(望遠鏡ごしにiPhoneで撮ったので見にくい…)

ひとところにじっとはしていなくて
1〜2秒つついては少し移動
またつついてはまた移動と
音の響き具合を確かめるように少し間を空けながら
電柱のてっぺんから地上2m程の所まで
まんべんなくつついてまわります

森の中から聞こえてくることもありますが
どうやら電柱の響き具合がなかなか良いらしく
ひとたび現れると30分くらい同じ電柱をつついることも

よく聞いていると
音の高さがまちまちでおもしろい
どの音がいちばんメスに人気なのか??

それにしても
春分の日も過ぎて時計もサマータイムに切り替わったというのに
朝晩はマイナス15℃という寒さ
鳥たちが巣作りを始められるのはまだしばらく先のようです


(鳥の声を聞きながらひとりソリ遊び)


コメディ番組 MATCH

2018-03-18 23:14:54 | ノルウェー Norge
大ヒットしたドラマ「SKAM」が終わって以来
ノルウェーのテレビ番組は積極的に見ていなかったのですが
最近また少しはまっている番組があります

タイトルは「MATCH」



まるでサッカーか何かの試合が始まりそうなスタート
テンションの高いコメンテーターが2人で
その日のストーリーのさわりを説明します

そう、この番組はドラマ仕立て
主人公はどこにでもいそうな20代の男性
毎回ちょっとした問題が生じて
それをなんとかしようと奮闘します

その一部始終を常に見守り応援しながら
熱くレポートするコメンテーターたち
彼らはいつも主人公のすぐそばにいるのですが
誰の目にも見えていません


(エピソード6 Sex i sorgen)

それにしても毎度のことながら
下ネタの多さについ笑ってしまいます


(エピソード8 Badetisse)

シーズン1のラストエピソードは "Ikke bry seg om eksen"
彼女とデート中に元カノとバッタリ
とっさに「昔の職場の同僚」と彼女に嘘をつくのですがそれがバレて
怒った彼女は行ってしまう…という残念なエンディング

シーズン2は早ければ今秋オンエアらしい
待ち遠しいわあー

貧血 その後

2018-03-10 14:48:02 | ノルウェーの町で tettsted
昨年の12月に「貧血」と太鼓判を押されてから
鉄剤を飲み食事にも気をつけていた甲斐あって
先月の血液検査では数値が基準値に収まったようです

ようです、というのは
結果はドクターからの

「とても改善されています。
ただ数値は基準内でしたが依然として低めなので
あと2ヶ月鉄剤の服用を続けることを勧めます。
半年後にまた検査に来てください。」

というSMSのみで
日本のように検査結果の用紙をもらうことがなく
数値がいくつなのかはわからずじまいだったから…
(電話して聞けば教えてもらえると思います)

ちなみにわたしの主治医はドイツ人です
奥さんもドイツ人でお医者さんです

わたしの住む地域では
移民すなわち外国人のドクターがけっこう多くて
最初はちょっとびっくりしました

去年だったか
評判の悪かった中央アジアからの移民ドクターが
実は医師免許を持っていなかった(あるいは偽物だった)とわかり
解雇されるという事件もあって
そもそもどうして移民がそうやすやすと医者の職につけるのか?と
相方に聞いたことがあります

曰く

「ノルウェー人で医者になる人は都会で仕事を探すから
お給料の低い田舎町ではなり手が少ないんだよ…」

とのこと

へえ…
じゃあ主治医は慎重に選ばないとね…
主治医変更の申請は年2回までだしね…

ともあれ
わたしのドイツ人の主治医はもう長くこの町で医者をしており
感じがよく親切でとても人気があります

その感じのいい先生が感じのいい笑顔で

「検便で少量の血液が見つかったから念のため大腸内視鏡をしましょう
あと、日本人は胃が弱いことで有名だからついでに胃カメラも是非」

と言うので
先週その2つを受けてきました

予約日時の連絡は郵便で届きます
開けてビックリ! 朝9時の予約
うちから病院(主治医のいる診療所ではなく検査のできる病院)まで車で3時間
ということは朝5時起きの6時出発か…

大腸内視鏡検査は初めてだったので
ブログの体験記などをちょっと検索して読んだんですけど
どうやら日本のやり方と若干勝手が違うようです

同封されていた検査要項に書かれている下剤を
自分で薬局で買って前日から食事制限しつつ胃腸を空っぽにするのですが



この Citrafleet という薬剤が
個人的にはとても良かったです

150mlの冷水に溶かして2〜3分しっかり混ぜて一気飲み
フレッシュなレモン味に近い爽やかな酸っぱさで飲みやすく
以後1時間毎に最低250ml摂る水分も

「水だけではなくジュースなど多少栄養のあるものも飲むこと」

と自由度が高いので難なくクリア

6時間後くらいから効き始めて
腹痛も吐き気も頭痛もなにもなく
ひたすら順調にトイレに通うのみ

もちろん個人差はあると思いますが
遠い昔便秘症だった頃
コーラックを飲んでひどい目にあったことを思えば
天と地ほどの差があります

さて検査当日
病院に入るやいなや即検査開始
胃カメラの喉の麻酔スプレー以外は下準備も投薬も何もナシ
大腸内視鏡検索室と胃カメラ検査室はドア1枚隔てた隣の部屋で
結果もその場でオペレーターの先生から聞いて終了(異常なし)
アレヨアレヨと言う間に全てが済みました

素早い!ビックリ!

予約時間の1時間後の10時には
支払いも済ませて病院を後にしていました

ちなみに検査の費用は無料です
ただし「病院での医者の予約」に対しては支払いがあって
これを無断ですっぽかすと倍額ほどの請求がきます

今回のわたしの場合
予約料金は345kr(約5000円弱)
無断キャンセルの罰金は690kr

罰金を科しておかないと
連絡なしで来ない人が多いんでしょうか…?

ところで
病院のある町はMolde(モルデ)というのですが
ここから見える景色がなかなかの見ものです



車窓からの遠景ではわかりにくいですが
延々と連なる山脈には合計222の山頂があり
相方いわく世界の絶景(奇景?)の第7位に選ばれたことがあるのだとか

Visit Norwayというノルウェー観光案内のウェブサイトにも載っています


(Visit NorwayのHPより拝借)

360度バーチャル映像でお届けできず残念…

寒い時期

2018-03-04 01:31:40 | ノルウェー山暮らし fjellgård
今日はしばらくぶりに
気温が一桁になりました(-7°C)



ここのところ寒さが厳しく-15°C〜20°Cという状態が続き
ATVのエンジンがかかるか?とか
下水のパイプ凍結しないか?とか
ホールに置いてある野菜が凍らないか?とか
いろいろ心配事もありましたが
寒波が通り過ぎたようで一安心

どんなに気温が下がっても週に1度は町へ出かけるのですが
このたびは車のフロントガラスが外側と内側の両方から激しく凍って
雪道の山道を走るのが若干怖かった…


(運転席側はややマシな視界)

それにしても
寒さが厳しくなればなるほど
雪や風がひどくなればなるほど
毛皮ひとつで生き抜く野生の動物たちの凄さに感心します


(うちのラズベリー畑をまるで自分の庭のように飛び回っているらしいウサギ)

今日もそっと
人参の皮を外に置いておくことにしよう…

注意書

※このブログの文章・写真・画像を無断で使用することを禁じます。