東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

サマータイム

2022-03-31 13:33:48 | ノルウェー山暮らし fjellgård
サマータイムが始まったと同時に
冬将軍がカムバックしています



今週初めから窓の外がこんな景色で
ふもとへ降りるのがまたひと苦労に…



雪がやむと景色の木々の一本一本が
粉砂糖をまぶしたように雪で縁どりされて
まるで冬の始まりの頃に逆戻りしたようです

気温もぐっと下がって氷点下の日々


(マイナス14℃まで下がった夜も)

それでも
晴れると日差しは強くて
0℃以下でもたいした防寒具なしでずっと外にいられます
やっぱり春は近い!


(でも外のテーブルでお茶はできない…)

そんな3月も終わりに近い昨日
ウクライナのゼレンスキー大統領が
ノルウェーの国会でスピーチをしました


(nrk.noより画像をお借りしました)

午後2時からの生中継は
後からでもインターネットで全部を見られます



ノルウェーに期待する具体的な支援の中に出てくる
ロシアとノルウェーの関係についてや
またウクライナとノルウェーの古くからのつながりについて
知らなかったことがたくさん…

でも
知らないことだらけのわたしでも
ノルウェー政府はけっこう痛いところをつかれたのではないか
という印象を受けました

昨夜はまた
ノルウェー全土でオーロラが観測できるらしいというニュースも


(アラスカ大学のオーロラ予報)

わたしの家からは
残念ながら曇り空で何も見えませんでしたけれど
夕方には少し珍しい谷が青く染まる景色をのぞめました



どういう光学反応なのか単に雲の影なのか
全くわかりませんが綺麗

どんなときでも気持ちを落ち着かせてくれる自然に
改めて感謝する今日この頃です



親しみやすい

2022-03-25 23:42:48 | ノルウェーの町で tettsted
この1ヶ月のあいだ
テレビやインターネットのニュースで
その顔を見ない日はないほどすっかりお馴染みになった
NATOの事務総長のストルテンベルグ氏



最初のうちこの方がノルウェー人だということを
全く知りませんでした
(というかNATOの事務総長が誰か考えたことがなかった…)

ニュースの話か何かをしていた折に相方が

「え、誰がそう言ってたの?イェンス?」

と、まるで友達かなにかのように
彼のファーストネームを呼ぶに至り
えっ?と気がついて
過去にはノルウェーの首相を務めていたことなども
遅まきながら合わせて知った次第です

それからもう1人
今まで名前も顔も認識していなかった(すみません)
この若くてきれいな法務大臣の方


(regjeringen.noより)

難民受け入れの入国に関する対応で
連日ニュースで見かけるエミリエさん
この若さでこの大役はさぞかし大変だと思いまが
がんばってください!

少し話がそれますが
政治家で親しみやすいといえば前首相も
なんとなくどこにでもいそうな元気なおばちゃん風でした
前の選挙の時の新聞広告もこのナチュラル感



服装といい背景といいポーズといい
日本の政治家の広告ではあまりお見かけしない感じかと…

政治家に加えてもうひとつ
ノルウェーで親しみやすいのがミリタリーです

ノルウェーはご存じのとおりNATO加盟国で
数年前の合同演習の折には地元でも軍用車両を見かけました

ロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まってすぐの頃に
相方からサラッと

「もし車が徴用されたら戻ってこないから」

と言われた時には
一瞬冗談かと思いましたが本気でした

自宅の車はトヨタのハイラックス
悪路に強いタフな四駆で荷物を運べるピックアップ
以前はこういうタイプの車を購入すると
徴用についての手紙が届いたそうです



まあ自宅の車の件は置いておくとしても
知人の子供さんが兵役に行っている話を聞いたり
ご近所さんが訓練のブラッシュアップに参加していたり
加えて射撃がスポーツとしても狩猟用としても身近だということも
ミリタリーの存在が生活の近くにあると感じる理由である気がします


いまウクライナでは兵士ではないごく普通の人々が
銃の使い方を習い戦闘に参加しているとのこと

迷彩服を着てライフルを手にした若い女性が
インタビューで怖くないかと聞かれて

「怖くはありません
いままでずっとロシアが戦争を仕掛けてくるのが怖かった
でも実際に起こってしまった
いまは自分のエネルギーを恐怖に使いたくありません」

と答えていました

同じ立場でそんなふうに強くなれるかと自問すると
全く自信がありません


(スーパーの広告用電光掲示板が今は一面の青と黄色)

先日
このスーパーで買い物をしているウクライナの人を見かけました

笑顔で食材を手に取っているのを見てホッとすると同時に
戦場では多くの方がまいにち命を落としていて
さらに多くの方がその危機に瀕しているという現実が
胸に差し迫ります



もうすぐイースター
平和の青空がウクライナに戻りますように祈ります

希望

2022-03-17 00:46:17 | ノルウェー山暮らし fjellgård
ここのところ気温がプラスの日が続いて
家の周りの雪が溶けてきました


(窓辺の植物もうれしそう)

川を厚くおおっていた雪と氷も少なくなって
まるで春の兆しのようですが
まだ3月半ばなので油断はできません



それでもやっぱり
山道でリスをよく見かけるようになると
春が近い気がします


(シカやウサギは冬のあいだあちこちにいる)

先月まで吹雪が多く除雪にあけくれていて
週に2日下山して仕事や買い出しへ行くのが
本当に大変だったのですが
どうやら峠は越えたように思います



雪が深い上り坂では
数分おきにATVを止めてヘッドライトの雪をはらわないと
道が見えず前へ進めなかったり…



除雪に出たトラクターが脱輪して(運転は相方)
最寄の木にチェーンをつないでタイヤ周りの雪かきをしながら
なんとか道路に戻したり…



深い雪で身動きが取れなくなったATVを置いて
夜中に家まで3kmほど歩いて帰ったことも

世間からは不便な場所と言われもしますが
人よりも野生動物の足あとの方が多いところで暮らせるというのは
なかなか捨てたものではありません



ノルウェーはウクライナからの難民を
ひとまず3万人受け入れると発表がありました
約半数が子どもと想定されているので
学校や保育園の整備が急務です

わたしの住む自治体も今週から受け入れを開始
大型の施設に300人が住めますが
個人宅で難民受け入れが可能な場合は助成金が出ます

縁あってこの地へやってきたウクライナの人たちが
少しでも元気になってくれることを
そして一刻も早く戦争が終わることを願って止みません

クォーター

2022-03-12 01:15:50 | ノルウェーの町で tettsted
いつのまにかすっかり日が長くなりました


(午後6時半頃の夕暮れ空)

続く戦争で
普段はあまり見ないノルウェーのニュースをずっと追っています
時間さえあればアップデートをチェックしてしまい
夜中に目が覚めてもついiPhoneに手が伸びます


(新しいニュースが随時入ってくる国営放送のニュースサイト)

昨日、地元の新聞の表紙に見知った顔を見つけて
記事を読んだのですが
ずっとロシア人だと思っていた彼女が
実は4分の1はウクライナ人なのだと初めて知りました


(とても美しいウクライナの民族衣装)

ー ロシアとウクライナのどちらにも身内や友人がいて
  1日に何通も届くテキストメッセージを開くたびに
  悪い知らせではと心臓がドキドキする

ー 独裁者による20年以上にわたるプロパガンダがどれほど強力か
  あなどってはいけない

ー これはロシアとウクライナの戦争ではなく
  プーチンとウクライナの戦争

心がふたつに引き裂かれるつらい気持ちと
なんとか力になりたいという強い意志
読んでいて涙が出てきました

もうすぐこの町にも大勢の難民がやってきます
その時は彼女は通訳として
とても大事な役割を果たすことになるはず…

建築資材を扱っているわたしの職場にも
受け入れ施設の整備のための材料の注文が入ってきていて
工事業者さんがあわただしく出入りしていますし

スーパーのセルフ精算機には
会計時に気軽にポチッとするだけで
ささやかな寄付ができるようになっていたりと
みんな知恵を絞っています



同時に備えにも気を配っていて
万一の放射線被曝のためのヨウ素剤があちこちで売り切れ
スーパーの小麦粉の棚が空になっているのも初めて見ました


(翌週には補充がありましたが不安は拭えない…)

わたしは昭和生まれの生粋の日本人ですけれど
ノルウェーで暮らして6年以上が経ち
いろいろな国から来ている人たちと仲良くなるうちに
少し以前とは違うものの考え方や感じ方をするようになった気がします

少し?
いや、もしかしたら4分の1くらいかも…


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