東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

羊だらけの日々

2022-06-21 14:38:30 | ノルウェーの動物 dyr
羊農家さんが第2陣のヒツジたちを連れてきて
家の周りはますますヒツジだらけ
おおよそ200頭くらいでしょうか


(仕事から車で帰ってくるとゲートの前はヒツジの海)

彼らはうちから400メートル先の橋から向こうへは行けないものの
反対側には森でも山でも谷でも
どこまででも好きなところへ行けるのですが
定期的に家の周りに集まってきます



特に柵が大好きで
もたれかかったりお尻で押してみたり
背中や脇腹をこすりつけてかいたり
柵の隙間から首を突っ込んで中の草を食べたり…

そして車両も大好き


(柵の外に置いてあるショベル機)

夏の緑の景色の中に
たくさんの白いヒツジたちの姿を見るのは
楽しいし心がなごみますけれども
ときには胸の痛む出来事もあります

先日も
横たわってずっと動かないでいる子ヒツジが家から見えたので
近づいていって見たところ自力で立てないでいました
手をかして立たせてもびっこをひきながら歩いてはまた倒れてしまい…



家に連れて帰って水を飲ませて休ませている間に
羊農家さんに連絡をして母ヒツジの識別番号を聞き探しに出ます


(冷たい雨の日だったので相方が傘をセット)

お母さんヒツジたちはふだんから隙をみては子ヒツジたちから離れて
1人の時間を得ようとする傾向がある(ように見える)うえ
ついて来られない弱いこどもは見捨てることも珍しくありません
家畜とはいえ自然の世界は厳しい…

怪我をしたり弱ったりしたヒツジを柵内に入れて保護すると
後でフンの片付けが大変ですが
一方で草を食べてくれるのは助かります


(草刈りロボットの届かないところを食べてくれるとより助かる)

羊農家さんが迎えにくるまでのほんの1日か2日ほどでも
柵の中にヒツジがいると
いなくなったあとしばらく喪失感が続くのは
なんとも不思議な気分

生き物の存在感は大きいなあ…



秋までの短い間だけれど
仲良くしようね

2年ぶりのサファリ

2022-06-14 19:01:07 | ノルウェー山暮らし fjellgård
地元で夏のあいだ開催される
トラクターサファリ・ツアー
(公式サイトはこちら👉Visit Waterfall)

ここ2年は感染予防対策でほとんどできませんでしたが
今年は全開です



お客さんはこのトラクターに連結されたワゴンに乗って
山道ドライブとガイドの話を楽しみつつ
標高800mのところにあるサマーファームへ

そこでのイベントのあと下山してカフェで軽食
トータル4時間程度の簡単なツアーです


(この日のオープンサンドイッチは鹿肉のローストビーフとスモークトサーモンの2種)

カフェは古民家の納屋を改築したもので
テーブルひとつとっても古い巨大な一枚板でできていたり…



何気なく飾られているものが
アンティーク級の年代ものだったりして
まるで民族博物館のよう





窓からの景色もこの上ないし
おまけに夜になってもずっと明るいし
居心地が良くてみなさん長居しがち



トラクターサファリ以外にも
お客さんはあちこちからやってきます

ある時はとあるファミリーの「いとこの会」
またある時はフランス人の団体さん
つい昨日は男性コーラスグループのこぢんまりとした集まりでした


(食事の前にしばし歌の練習タイム)

最寄りの町から車で40分ほどかかるへんぴな場所にあって
特に宣伝をしていないにも関わらず
人がたくさんやってくる理由のひとつは
地元産の食材を使った素朴で美味しい料理

特にオーナーカップルが自分たちで狩りをしてさばいて作る
野生のシカやトナカイの肉料理は絶品で
たしかにそういったものは町のレストランでは食べられません


(野生のブルーベリーを使ったデザートも美味)

ここのカフェで働くのはわたしにとってもとても楽しいので
町での仕事がある日でも頼まれればダブルヘッダーで入ります

来週になれば学校も長い夏休み(約2ヶ月)に入り
職場でもサマーホリデー(4週間が一般的)をとる人が増えて
トラクターサファリとカフェの繁忙期はこれからが本番!
忙しいながらも楽しみの多い夏です


(キッチンでの食べすぎに注意)

道路開通とヒツジ到来

2022-06-07 15:40:32 | ノルウェー山暮らし fjellgård
今年も遅かった…
でも5月末にやっと家まで車で走れる日がやって来ました



仕事からの帰りに
いつもなら車を停めてATVに乗り換えるふもとの集落から
自宅のある方向を眺めると綺麗な茜空

家の近くの川から流れ落ちる滝と
その右上のあたりに納屋が見えるのですが
とても夜の11時過ぎとは思えない明るさです

写真を1枚撮ると
着替えたり荷物を積み替えたりすることなく
そのまま車で山道へ乗り入れます
あー!ラクチン〜

道中の橋から見える川も
雪の姿はあとかたもなく水音が大きいばかり



山道の前半は他の場所へ行く人も使うため
地主さんが定期的にメンテナンスしているので快適走行
砂利が敷いてあって車幅も広めです



途中の分かれ道で自宅へ続く細い道に入ると
急にデコボコが増して路肩の雪も少し目立つものの
もう問題なく車で走れます



山道がオープンすると翌日には
羊農家さんが最初のヒツジを連れて来ました


(一度に100頭くらい運べる2階建のワゴン)

毎年のことですが思わず笑みがこぼれる光景です
まだ小さい小羊たちが可愛らしいのはもちろん
マンガの吹き出しのような「メェー」という鳴き声が
そこいら中で響き渡ってどうしても笑ってしまいます



これからしばらくお母さんヒツジたちは
子育てに忙しくなります

がんばってね!

ローカルツーリズム

2022-06-01 23:23:53 | ノルウェー山暮らし fjellgård
10日ほど前になりますが
家から5km先の集落で自然観光のミーティングがありました

この集落はうちから1番近いご近所さん
飛び地の一軒家に住むわたしたち2人を含めても
エリアの住人の数は13人

そのうちミーティングに集まったのは7人で
役場からは8人が足を運んでくれました

広域エリアの自然監査担当者
複合エリアの山岳国立公園担当(4名)
地元の市長
地元の環境担当者
地元の事業支援担当者

肩書きを並べると小むづかしそうですが
上記の最上段の人などは
「呼ばれていないけど来たくて来たよ」と
自己紹介で笑っていました

そう
ノルウェー人の多くは山歩き・森歩きが大好き

特にこういった仕事に携わっている人たちは
日頃からプライベートでもあちこちへ出掛けて
トレイルウォークを楽しんでいます

以前にもうちの周囲の取材に来た記者が
2人の子供と犬同伴だったことも…

それはさておき
地元の主宰者から簡単な趣旨説明があったあと
まずは全員で現地視察です



仕事できているみなさんも
しっかり山歩きの格好
遠目にはただのハイキンググループにしか見えなさそう

お天気にも恵まれて
ゆったりと世間話をしながらの和やかムードで
急な下り坂を降りていきます



要所要所で止まっては
地元の人が困っていることを説明したり
観光客のために整備が必要な箇所をチェックしたり



スタート地点から200メートルほどの高低差がある谷まで降りて
滝のすぐそばのビューポイントに到着すると
みなさん飛沫を浴びるのもかまわず写真やビデオを撮っていて
ますます観光客にしか見えない…



さらに
観光客向けハイキングコースに新たに追加したい
候補地のひとつを歩きます

けもの道もないような全くのワイルドフォレストですが
さすがみなさんこれが仕事だけあって
地元住人と変わらないスピードで先頭についていきます



なんだかんだで2時間半ちょっと歩き回り
いい運動をしてちょうど小腹もすいたお昼過ぎに
カフェで軽食をとりながら話し合いをしました



スクリーンの前に立って説明しているのは
行政ではなく地元の人で
いわば合意と支援を求めるためのプレゼンテーション

話し合いではポジティブな意見が多く出て
プロジェクトは順調に進みそうな風向きです



今年の夏も忙しくなりそう!

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