東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

食生活に気をつける日

2023-05-17 14:40:53 | ノルウェーの食べもの mat
今日5月17日はナショナルデーです

そのせいか
数日前に職場へ行くと休憩室のテーブルにドーンとケーキが


(各自が勝手に取って食べる)

お菓子作りの好きな同僚の女の子が
家で焼いてきてくれていました

メレンゲにクリームとフルーツを盛ったこのパヴロワケーキは
ナショナルデーの新定番のようで
この時期になるとどこのスーパーでもベリーが特価です



ノルウェー産はまだ出回っていないので
全てスペイン、ポーランド、ハンガリーあたりからの輸入で
どれも甘さは少なめですが
ケーキが甘いのでちょうどいい感じ

ブルーベリーとラズベリーは
国旗カラーに仕上げるのに好都合な配色なので
わざわざ輸入品を店頭に並べるのでは…と推察


(たくさんのレシピがあるtine.noより)

こういうケーキって
日本だとなんとなく女子向けのようなイメージですけれど
ここではマッチョな中年のおじさんもお爺さんも
みんなコーヒー片手にガッツリ食べます

この脂肪分の多い食文化の影響を思い知るのが
なんといっても日本への一時帰国から戻った時

いつも日本にいるほんの1カ月の間に
体重が2〜3キロ減るのが常で
それがノルウェーに戻るとサーっと元に戻るのです


(東京で友人といただいた美味な和風アフタヌーンティー)

日本では日本食が美味しくてつい食べ過ぎになるし
友人と会えば外食をするし
久々で嬉しくてついコンビニの肉まんや期間限定スイーツを買ってしまうし
実家には常に何かしら頂き物のお菓子があって
その魅力には抗えないし…


(配列が可愛い鳥取の打吹公園だんご)

ヒコの散歩以外に運動らしい運動もしないのに
それでも体重が減るという不思議な現象とは対照的に

ノルウェーでの暮らしは
週2日の職場での筋トレのような肉体労働に加えて
家での薪割りや庭仕事や山歩きと
断然体を動かしていながらも体重が増えます

となるともうこれは
食事以外考えられません



一見ふつうに見えるシンプルなディナープレートですが
添えられている大量のサワークリームのドレッシングに注目
たいていのノルウェー人はこれを全て使い切ります



肉料理に定番のたっぷりのブラウンソースは
つまりはたっぷりのバターと生クリームですし



とにかく食べる機会の多い
菓子パン、焼き菓子、バタークリーム、サワークリーム
それに各種チーズ類

ううーん
書いているだけで血管が詰まりそう

でも
日本にいる間に減った体重が元に戻ると
もうそれ以上は増えていかないところを見ると
ここでの生活にはこの体重が必要なのかなとも思います



ところで
ナショナルデーの定番は
なぜかホットドックとソフトクリームとケーキ

改めて
ここでの食生活には気をつけたい、と思う日でもあります

パンに乗せるもの

2023-01-24 14:51:08 | ノルウェーの食べもの mat
雪が少なく暖かい日が続いています

暖かいとは言っても太陽はまだ山の稜線より上には現れないし
気温は上がってもせいぜいプラス2〜3℃で雪が溶けるほどではないのですが
ここのところの強風続きで周囲の雪が吹き飛ばされて
地面が見えているところがたくさんあります


(朝9時半の北の空がなぜとき色に染まるのか謎…)

雪が積もっていた時に散歩をした場所は
雪がなくなった後も踏みしめられた足跡の部分だけ雪が残るので
雪の日の完全犯罪ミステリー作品にいかがでしょう



去年の秋
ナナカマドの木に実が全くならなくて
今シーズンの雪はすごく多いかすごく少ないかのどちらかと予想されていたんですが
このままいけばすごく少ない冬になるかも…


(雪が少ないと木を切る作業がはかどります)

でも
雪の量にかかわらず日光を浴びられないことには変わりはないので
今の時期に努めて食べるものがあります
それはサバ


(ビタミンDとオメガ脂肪酸が豊富)

生のサバはここでは手に入らないので
大好物のシメサバはもとより塩焼きも味噌煮も望めませんが
かわりに安価でお手軽なトマト味の缶詰のサバがあります

これ、確か日本の輸入食材店でも売っていて
いろいろなレシピに活用されていると思いますが
こちらではほぼパンに乗せる専用

この、パンにどっさりと何かを乗せて食べるというのが
引っ越してきたばかりの頃はちょっと不思議で
どうしてサンドイッチにしないんだろうと思っていました

サンドイッチの方が食べやすいし
家で作ってお弁当に持って行くにも便利なのに…


(バターを塗ったパンにハンバーグを乗せたオープンサンドも軽食の定番)

でも一度試しに
定番の具材をサンドイッチにしてみたら
食べた時の具のパンチが弱くてビックリ!

そうか…
日本のサンドイッチがバランス良くて美味しいのは
薄くスライスされた柔らかい食パンのおかげだったのね

ここの食事用のパンはおおむね全粒粉や雑穀が入っていて重めですから
1枚のスライスに何か乗せてそのまま食べるのがちょうど良いようです



シンプルにスライスしたチーズや保存肉を乗せるにしても
こぼれんばかりに色々なものを盛るにしても
だいたい日本のサンドイッチ用パンくらいの薄めのパン



定番中の定番の普通の黄色いチーズにはフルーツの甘味がよく合うので
わたしはたいていジャムやはちみつを乗せたり
ブドウなどの果物を一緒に食べたりするんですが


(日本でいただいた山梨のりんごのジャム、絶品!)

少し前に屋外のイベントでオープンサンドをむしゃむしゃと食べている人がいて
ふと見るとパンの上にはミカンが…

え、ミカン…
思いつかなかった…

味が気になって家で再現してみたところ



見た目はパッとしないもののジューシーで悪くない!

まだまだパンに乗せるものは
開拓の余地がありそうです

甘いケーキ

2022-11-12 22:18:02 | ノルウェーの食べもの mat
外国のチョコレートは甘ったるい、と
常々思っていました

今もここで手に入るスイーツは全体的に甘すぎると感じますが
慣れというのは恐ろしいもので
濃いコーヒーと一緒にならそう悪くないと思うようになりました


(職場で同僚の誕生日に休憩室に用意されていたケーキ)

お祝いの席やパーティーでは
こんな感じのマジパン・ケーキが一般的で
各自が自分の食べたいだけ取るのが普通


(丸いケーキも放射線状に切るとは限らない)

初めのうち全く食べる気がしなかったマジパン・ケーキも
今はわりと好きと言えなくもないかも
本当に慣れってすごいですね

マジパンの主原料はアーモンドプードルですけれど
そういえばここの人はこの材料をよくお菓子に使います

ナショナルデーやクリスマスの定番の
ツリー型に積み上げて作る焼き菓子のkransekakeもそうですし
suksesskake(サクセス・ケーキ)という名の
文字通り失敗のないおもてなしケーキも
小麦粉は使わずアーモンドプードルをたっぷり使います


(甘すぎるので少し酸味のあるベリーが合うsuksesskake)

ちなみにケーキを食べるカトラリーのデフォルトはティースプーンで
日本でフォークと一緒にケーキを出されると
あっ…と一瞬フォークを見つめたりすることも
本当に慣れというのは…(以下省略)



でも改めて考えてみると
スプーンで食べにくい思いをすることはほとんどないので
ここで食べるケーキはすごく甘いだけでなく
総じて柔らかめであることに思い当たりました

日本から戻ってしばらくは
ノルウェーのケーキのガツンとした甘さにクラっとして
一口ごとにコーヒーに手を伸ばしつつ
繊細でバリエーション豊かな日本のスイーツに思いをはせてしまいます


(意外と美味しかった笹団子が丸ごと入った笹団子パン)

6年目のルバーブ

2021-06-09 21:58:13 | ノルウェーの食べもの mat
ルバーブが採っても採ってもどんどん生えてきて
怖いくらいです



手入れなど何もしないのに
毎年猛々しいくらいに茂る強いルバーブ
花が咲く前につぼみをカットすれば
その株は引き続きやわらかい葉を茂らせます


(咲くとブワッとした穂のような花になる巨大なつぼみ)

ここに来た最初の夏に
知らずに花を咲かせてしまったときに写真を撮ったので
もし見てみたい!という方がいたらこちらをどうぞ
👉ミクロな花々

わたしはルバーブというものがどういうものか
実はノルウェーに来るまで全く知りませんでした
それがここへ来て初めて食べた時からすぐに気に入って
以来ずっと1年を通してジャムや焼き菓子を楽しんでいます

今年もさっそくこの夏最初のフレッシュなルバーブで
いちばん簡単なクランブルケーキを焼きました



酸味があるのでバニラソースと合いますが
そういえばここの人たちは
市販のバニラソースをよく使います

おととし相方の親類がハイキングの途中でうちに寄ったときも
リュックから冷凍のベリーとバニラソースが出てきてビックリ

でもたしかに
ここのフルーツは野生だったり酸味のあるものが多かったりするので
甘いソースが定番なのもうなづけます


(乳製品メーカーのTINEの製品案内のページより)

これ全て
ひとつのメーカーから出ているバニラソースまたはバニラクリームで
左上から順に

ラクトースフリー・バニラソース
パヴァロア・クリーム
焼き菓子用バニラクリーム
シュガーレス・バニラクリーム
オリジナル・バニラクリーム
バニラソース
ケーキ用クリーム・ラム酒風味

と、よりどりみどり

パヴァロアというのは
メレンゲ生地にクリームとフルーツを乗せたモダンなスイーツで
技術が要らないし見栄えがするので特に若い世代に人気のケーキ


(TINEより)

ただ
うちの場合は相方が食べるケーキの種類が限られているし
(パヴァロアは食べない)
近くにおすそ分けできるご近所さんもいないので
(いちばん近くて5km先)
量が多くわたしには少し甘さが強すぎる市販のソースを買うことはまずなくて
食べたい時はその都度小さいソースパンで作ります



ルバーブのクランブルケーキ は
ソースを作るのが面倒なら
あっさりとプレーンヨーグルトと一緒に食べても美味しいと
個人的には思っています

レーズンを入れたりナッツを混ぜたり
ほかの果物をミックスしたりと
その時々で家にあるものを適当に加えたりしていると
しょっちゅう作っていてもさほど飽きません


(ブルーベリーをミックスするときれい)

そんなカンタンで美味しくて
おまけにビタミンやミネラルも豊富なルバーブ
(そして庭で採れるのでタダ!)
冬の間もずっと食べたいので
収穫の時期を逃さずたくさん冷凍しておくことが肝心

でも調子に乗ってあまりたくさん採ってしまうと
皮をむいて切る作業で腕が疲れてしまうので
1度に少しづつ、を心がけている6年目の夏のルバーブ仕事です



何をしてもいい

2021-06-03 13:39:25 | ノルウェーの食べもの mat
ここのところやることが多くて
相方の疲労回復が追いついていきません

知人にスペルト小麦を勧められたというので
主食のパンを焼く小麦粉の半量をスペルト小麦にしてみました

ちなみにいつも買う小麦粉は
2kg入りでだいたい20krのごく普通の白い小麦粉と
1kg入りで10〜13krくらいの全粒粉の粗挽きです
それに比べてスペルト小麦は白いものでも全粒でも1kg入り40kr


(充実のスーパーのベーキングコーナー)

ついでに
以前から気になっていたライ麦粉も買って
自分用にライ麦パンも焼いてみることに

小麦粉の袋にはもれなくレシピが載っているので
本やインターネットで検索する手間も省けます



型に入れて焼くとレシピにはありますが
横着をして型を使わず棒状に丸めて発酵後オーブンへ



1時間後取り出すとずいぶんと平べったい形になっていて
なるほど、だから型がいるのか…と思うも後の祭り


(クリームチーズや果物とよく合う)

まあ自分で食べる用なので気にしません
ここで暮らしていると「気にしない」ことの範囲がどんどん広がっていきます

このあたりの人たちの大雑把さというか適当さも
良く言えばおおらかで合理的
こちらが合わせてしまえばむしろラクで便利

たとえば先日
前月の売り上げが良かったからということで
休憩室にドーンとケーキが登場

誰も切り分けたりせず
食べたい人は自分で好きな大きさを取って食べます
合理的


(近所のベーカリーでオーダーしたラム酒のケーキ)

もちろんみんな全体の量と人数を考えて取るので
必要以上にたくさん食べる人はいませんが
かといって誰かが配ってくれたりすることは決してないので
食べたければ無くならないうちに休憩を取るのが鉄則

この日はランチにバーベキューも振る舞われ
店長がみんなを労うべく自らエプロンをつけて
店の外でお肉を焼いていました



ちなみにもちろんお店は営業時間内
屋外にも販売用の資材などが大量に置いてあるので
お客さんからも丸見えです

ついでに言うと
売り物のガーデンテーブルとガーデンチェアーを使って
従業員がアウトドアでの食事を楽しんでいるわけですが
これらの商品はシーズンの終わりに展示品として破格で販売されるので
これまた誰も気にしません

通りががかるお客さんもちっとも気にしていない様子
夏だもんね
バーベキューするよね
という笑顔

閉店後に少し残業したあとで帰宅すべくゲートを通ったら
フェンスの外にいくつかの材木とスクリューの箱が置いてあるのが目に留まりました



メモも何も貼られていないけど
きっと誰かが取りに来るのか
それとも返品に来たのかどちらかかな

まあこういうことも
雪に埋もれる冬だとできないから
夏だけの利便性と言えなくもないかも

なんとなく
何をしてもいいという空気が
ここの夏にはあるようです

クリスマス料理

2021-01-05 14:21:57 | ノルウェーの食べもの mat
年末にribbe(皮付きの豚リブのオーブン焼き)を数年ぶりに作りました
年末年始を含むクリスマスホリデーの定番メニューのひとつです

前回作った時の手順ははっきり覚えていなかったのですが
塩コショウをすり込んでオーブンで焼くだけで
とにかく簡単だった記憶があります

お店の売り場で
3〜5キロの大きな塊が主に売られているなか
なるべく小さいものを探して2キロくらいのものを購入

手近にあったレシピには
焼く3日前に塩と粗挽き胡椒をすりこむとあったので
その通りに


(粗挽き胡椒を買うのを忘れてガーリックプレスで砕いた超粗挽胡椒)

買ったお肉はすでに皮が賽の目にカット済み
手間いらず〜

最初は蒸し焼きにするので
皮を下にして水を注いでアルミホイルでおおいます



普段は少しうっとおしいと思ったりする
こちらのアルミホイルのビッグサイズがこういう時は便利


(レギュラーサイズのサランラップが小さく見える)

200℃に予熱したオーブンの下段で1時間弱焼いたら
今度は皮を上にして網に乗せるんですけれど
ここで皮の切れ目が開くように丸めたアルミホイルを下に置きます



網の下に水を張った焼き皿をセットして180℃で1時間半
それから230℃に温度を上げて30分
最後は250℃で5〜10分
皮がぷくぷくと膨らんでカリカリになったら出来上がり



食べる前に
布巾をかぶせて最低30分休ませると良いそうです

簡単でした

普通なら付け合わせるキャベツの酢漬けなどを
相方が全く欲しがらないので
よそのお宅に比べてもことさら簡単



でも…

お肉を焼くのが簡単ということだけ覚えていて
重要なことをひとつふたつ忘れていた…

ひとつはブラウンソース
最初に蒸し焼きにしたときの脂と煮汁を使って作りますが
バターと小麦粉を茶色くなるまで、とか
仕上げにとろみがつくまで煮詰める、とか
火のそばから離れられない工程が割と長い

もうひとつは後片付け
脂でギトギトのオーブン庫内の掃除
脂でギトギトの大きな焼き網と焼き皿
切り分けるのに使ったまな板や包丁もギトギト
量が多いので数日中に食べ切れない分はカットして冷凍庫へ

この2点
次回まで覚えておこうと心に誓いました


(プレゼントにもらった巨大マッチとオーナメント)

ルシアの日

2020-12-13 13:30:11 | ノルウェーの食べもの mat
12月13日は聖ルシアの日です
殉職した聖人ルシアを讃える日と学校で習った記憶が…

町では暗くなってから
子どもたちが白装束でしずしずと行進
ロウソクを手に持ったり頭につけたり(頭には電飾です)
歌うのは「サンタルチア」

クリスマスの定番の飲み物のグロッグ(スパイス入りホットワイン)や
ルッセカットという菓子パンがふるまわれたりします

ルッセカット
そのうち作ってみようと思いつつはや5年
今年はなぜか作る気満々で早くからサフランを買っておきました

サフランは値段の高いスパイスとして有名ですが
ノルウェーでも高いです
0.5g入りで50krくらい


(他のアニスやクミンシードなんかだとたくさん入って10kr前後)

生地の作り方はいたって簡単
バターを溶かして牛乳と混ぜてサフラン投入
あとは粉類とイーストと一緒に機械で10分くらいこねて
寝かすだけ



ストーブの上に置いてある大鍋の上がほどよく暖かくて
発酵にピッタリ

生地が倍くらいに膨らんだら
クネクネと形を作ってさらに少し休ませます
これもストーブの上で



オーブンが温まるころには生地もスタンバイ
溶き卵を塗ってレーズンを飾って10分足らずで焼き上がり



サフランはきれいな黄色になるだけでなく
えも言われぬ良い香りがふわっとします


(ふくらみすぎて形がイマイチですが味で勝負)

職場のオヤツに持っていったらとても好評で
みんなとっても喜んでくれました

スーパーで売っているルッセカットはもちろん家で焼く場合ですら
ウコン(着色)とカルダモン(香り)で代用することが珍しくないので
サフランの風味が良かったようです



気がつけばあっという間にアドベント3週目
クリスマスまであと少し

美味しい秋

2020-09-13 19:15:39 | ノルウェーの食べもの mat
スーパーで国産の可愛いリンゴを見かけるようになりました



酸味が強くてアップルケーキにするととても美味しいこのリンゴ
今だけなのでぜひシーズン中にケーキを焼きたい

ラム肉も登場です



秋の味覚は森でも次々と



見た目は固そうでさして美味しくなさそうですが
ジャムにすると美味しいらしいnype(ローズヒップ)
もちろん日本と同じくお茶にするのも人気です

ここに引っ越してきた当初は
ブルーベリーやラズベリーくらいしか馴染みがありませんでしたが
森にはあまりに多種多様なベリーが実っているので
去年から少しずつ他のベリーにもチャレンジしています

図書館で借りた本で昔からの利用方法を知るにつけて
いかにここのひとびとが森の恵みを大切に上手に扱っていたかがわかって
その奥深さにちょっと感動


(水につけておくだけで冬を越せる貴重なベリーたち)

美味しいベリーを摘みに森へ行くことは
わたしにとっては運動にもなって一石二鳥の楽しみですが
昔はそれは家族総出の最優先タスク

みんなでできるだけ摘んで選別して洗って
瓶を煮沸して湯冷ましを作って
丁寧に保存食を仕込み長い冬の間のビタミンを確保

そんな時代の手仕事に思いを馳せながら
紅葉して甘ーく完熟したブルーベリーを摘みに
今日も森へ行きます


人気のアジアンテイスト

2020-08-23 12:44:12 | ノルウェーの食べもの mat
週に2回ほど
山を下りて最寄りの町へ行きます

便宜上「町」といつも書いていますが
ノルウェー語でいうところの町(by)ではなく
かといって村(bygd)でもなく
多分1番近いのはただの tettsted(人口がある程度多い場所?)

人口は4000人ほどで
診療所はあるけれど病院はない
役場はあるけれど税務署はない
高校はひとつだけで大学はない

でも
大規模な水力発電所とアルミニウム精製所があって
サケの養殖に関連する研究所もあって
難民受け入れの居住地も充実

本当になんと呼べばいいかよくわからない地区ですが
ひとまず「町」で続けます

さて
町には数や種類は少ないもののカフェやレストランがあります
外食はとても高いのであまりしないんですけれど
ときどきふらふらと吸い込まれそうになるお店が2件

ひとつは中国人のご夫婦がやっている中華料理店



生姜の効いたとろみのあるあんが美味しいFuglerede(鳥の巣)は
他の普通のノルウェーのカフェやレストランでは見つけられない
ホッとする味わいです
お箸で食事ができるのもウレシイ

ここはいつ来ても割と人が入っていて
テイクアウトを受け取りに来る人もいます
中華メニューだけでなく洋風メニューも充実しているので
ノルウェー人にも移民にも人気があるのかも

もうひとつはフィリピン人女性経営のカフェ
こちらもアジアンテイストと現地の人向けの食事の二本立て



野菜と鶏肉とエビがたっぷりの焼きそばは
意外とノルウェー人にも人気があるのだとか

こんなの頼んじゃうとビールが飲みたくなりますが
車を運転しないと帰れない場所に住んでいるので
ノンアルコールでガマン



ところでここのカフェのオーナーは
以前日本に3年住んでいたことがあり日本食好き
そのうち日本食フェアやろうよ、と誘われていて
実現したら楽しそうだなーと思う反面
一体どんな日本食なら作れるか考えるとこれがそう簡単ではない…

今までも何度かこぢんまりと食べ物を売る機会がありましたが
1番大変なのは何を作るかを考えることでした

お寿司、お好み焼き、焼き鳥、天ぷら…
手軽に材料が手に入ってノルウェー人向けにアレンジできるものって
なかなかありそうでありません

わたしにとっては日本食といえば
何はさておききときと(注※富山弁で活きの良いの意)のお刺身とお寿司


(日本で普通に家で食べるお刺身のありがたみが身に染みる海外生活)

季節の素材の多さ、食材の選択肢の広さが
日本食の最大の魅力だとつくづく思います



ひるがえって
今ここ(田舎)で手に入る生で食べられるお魚といえばサーモンのみ
あとはスモークサーモンのたぐいと魚卵がすこし

これではお寿司でメニューを組もうとすると
どうしても洋風アレンジになってしまう…


(都会の寿司レストランSushi Barのサイトより)

具材にマンゴーとかイチゴとかハラペーニョソースとかね
使うくらいならいっそお寿司は諦めたい



この春巻きもフィリピン人女性のカフェの人気メニュー
ノルウェー人は春巻きが好き
でもすでにタイやベトナムあたりの料理として定着しているので
いまさら日本風で作るのもどうかな

いっそ松花堂弁当みたいにベントー・プレートにしてみようかな


(日本のお弁当はまあまあ認知度が高い)

ノルウェーのソーセージでタコさんウィンナーが作れるかどうか
試してみるのも面白そうです

TOFU

2020-07-30 23:10:33 | ノルウェーの食べもの mat
最近
在住5年目にして手に入るようになった嬉しい食材があります



おとうふです
大好きなおとうふ
毎日でも食べたいおとうふ

でも
引っ越してきてから色々と探したけれどどこにも売っていなくて
自分で作るにも大豆も手に入らなくて
豆乳で作ってみたものの手間の割に味が労力に見合わなくて
だんだん作らなくなったとうふ

最後の手段はスウェーデン在住のヨハンセンさんから教えてもらった
ハウス食品の「ほんとうふ」ですが
これは日本に帰った時に買ってくるしかないので
食べられる量に限りがあります


(画像はハウス食品のネットショップより)

ヨハンセンさんの面白くてお役立ち情報満載のブログはコチラ
NEW👉スウェーデンの島に暮らす
前世代👉スウェーデンの田舎に住んでみたらどうなるの日記

ノルウェー(の田舎)に住んで
おとうふを日々の食卓に望むのがそもそも無理だよね…
とすっかり諦めていた昨今でした

ところが
いつも買い出しをするスーパーのクリームチーズの棚に
ひっそりとTOFUが現れたのは5月の終わりごろ

見た目はいかにも硬そうだけど
いちおう水に入ったパックだし冷蔵コーナーに置いてあるし賞味期限も短め
材料は有機大豆と水のみ
(にがりは…?)



ただし大豆が67%と記載のある通り水分はたったの3割強ですから
日本のお豆腐のようなふるふるした柔らかさはありません
でも大豆の味がしっかりしてい大満足
以来わたしの買い物リストの常連になりました

もともとヴィーガン向けやグルテンフリー食材は豊富ですので
これもそういった人向けの商品なのかなと思いますけれど
そうそうリピートして買う人はいないと見えて
レジで定員さんに

「これ、どうやって食べてるの?」

と聞かれたり

「これ、日本の食材だよね」

と話しかけられたりします

ちなみにお値段は現在35kr(400円くらい)
一見お高い感じがしますが
大豆含有量で換算したら日本の木綿豆腐3丁ぶん
それなら悪くないかも

だいたいにおいて
ふだん比較的安いと感じているものも
改めて日本での値段と比べてしまえば高いので
そういう理屈で言えばこのTOFUは
ここでは安いと言っても過言ではない気もします



地元ファームの新鮮なたまご
1パレット25個で約1000円
スーパーで買うよりかなり安い



薪ストーブ生活者の必需品マッチ
(わたしがお灸にも使うので減りが早い)
8個パックで約150円
気兼ねなく買える安さ

ともあれ
1パック400円のおとうふは贅沢品とも言えますが
「3丁ぶんだから」とか
「アラフィフにはイソフラボンが必要だから」とか
「品切れになると次いつ入荷するかわからないから」とか
心の中で言い訳をしつつスーパーに行くたびに買っています

店員さんの間で TOFU-dame (とうふ女)とか呼ばれてたりして…

注意書

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