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東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

ウサギの季節

2023-05-21 13:20:21 | ノルウェーの動物 dyr
日が長くなるにつれて
家の周りでウサギを目にする機会が増えます



夜行性のウサギたちは
冬の間も夜な夜なりんごの皮を食べに来ては
足跡とファイバーボールを残して行くのですが
暗い時間が長いとなかなかその姿を見ることはありません

でも5月も半ばを過ぎるとほぼ一晩中明るくなって
衣替え中の彼らの活動の様子をよく見ることができます


(手前の子はほぼ夏毛の茶色、後ろの子はまだ白から灰色へ生え替わり中)

眺めていると
それぞれがちゃんと自分の毛の色と似た場所で食事をしていて
その能力に感心するばかり


(ウサギも空の色も楽しめる22時半頃)

まだ体の小さい子が多いし
同じエリアを共有できているので
おそらく去年生まれた兄弟たちだと思われます


(サイズも態度も大きいのはお母さんかな…)

それにしても
毎年この衣替えのタイミングの個体差に首を傾げてしまいます

ファミリーの存続のために兄弟で違うプログラムを持って生まれるのか
それとも冬を過ごす場所の積雪量などによるのか…

そういえば上の方の雪はどんな感じかなーと思って
ハイキングルートの小径を少し山の上の方へ向かって登ってみたら



雪解け水で小川と化している場所が多くてまともに道は歩けないし
自宅から30分足らずで行く手が雪だらけに


(スノーブーツを履いてこなかったのでここでUターン)

なるほど
これより上に住んでいるウサギなら
まだ夏毛より白とグレーのマダラが便利かも

いま家の周りには
たいてい5羽の大人のウサギがうろちょろしているので
もうすぐ子ウサギたちがわらわらと現れるかと思うと楽しみです



食生活に気をつける日

2023-05-17 14:40:53 | ノルウェーの食べもの mat
今日5月17日はナショナルデーです

そのせいか
数日前に職場へ行くと休憩室のテーブルにドーンとケーキが


(各自が勝手に取って食べる)

お菓子作りの好きな同僚の女の子が
家で焼いてきてくれていました

メレンゲにクリームとフルーツを盛ったこのパヴロワケーキは
ナショナルデーの新定番のようで
この時期になるとどこのスーパーでもベリーが特価です



ノルウェー産はまだ出回っていないので
全てスペイン、ポーランド、ハンガリーあたりからの輸入で
どれも甘さは少なめですが
ケーキが甘いのでちょうどいい感じ

ブルーベリーとラズベリーは
国旗カラーに仕上げるのに好都合な配色なので
わざわざ輸入品を店頭に並べるのでは…と推察


(たくさんのレシピがあるtine.noより)

こういうケーキって
日本だとなんとなく女子向けのようなイメージですけれど
ここではマッチョな中年のおじさんもお爺さんも
みんなコーヒー片手にガッツリ食べます

この脂肪分の多い食文化の影響を思い知るのが
なんといっても日本への一時帰国から戻った時

いつも日本にいるほんの1カ月の間に
体重が2〜3キロ減るのが常で
それがノルウェーに戻るとサーっと元に戻るのです


(東京で友人といただいた美味な和風アフタヌーンティー)

日本では日本食が美味しくてつい食べ過ぎになるし
友人と会えば外食をするし
久々で嬉しくてついコンビニの肉まんや期間限定スイーツを買ってしまうし
実家には常に何かしら頂き物のお菓子があって
その魅力には抗えないし…


(配列が可愛い鳥取の打吹公園だんご)

ヒコの散歩以外に運動らしい運動もしないのに
それでも体重が減るという不思議な現象とは対照的に

ノルウェーでの暮らしは
週2日の職場での筋トレのような肉体労働に加えて
家での薪割りや庭仕事や山歩きと
断然体を動かしていながらも体重が増えます

となるともうこれは
食事以外考えられません



一見ふつうに見えるシンプルなディナープレートですが
添えられている大量のサワークリームのドレッシングに注目
たいていのノルウェー人はこれを全て使い切ります



肉料理に定番のたっぷりのブラウンソースは
つまりはたっぷりのバターと生クリームですし



とにかく食べる機会の多い
菓子パン、焼き菓子、バタークリーム、サワークリーム
それに各種チーズ類

ううーん
書いているだけで血管が詰まりそう

でも
日本にいる間に減った体重が元に戻ると
もうそれ以上は増えていかないところを見ると
ここでの生活にはこの体重が必要なのかなとも思います



ところで
ナショナルデーの定番は
なぜかホットドックとソフトクリームとケーキ

改めて
ここでの食生活には気をつけたい、と思う日でもあります

森の事件現場

2023-05-12 20:36:57 | ノルウェー山暮らし fjellgård
職場のある町では
いまちょうど桜が咲いています



遠目には桜によく似たリンゴの花も
あちこちの個人宅の庭で満開です

標高650mの自宅周辺の雪もずいぶん溶けてきて
ルバーブが葉を広げ始めました



でも
ふもとと家を結ぶ山道を走っていると
まだまだ場所によっては雪がたっぷり



それでも増水しはじめた川を見るにつけ
上流でも雪解けがどんどん進んでいて
じきに山へ登れる日が来ると思うと
待ちきれない気持ちになります

そんな夏へと移り変わる山道の景色の中で
先日ひときわ目立つ着色スポットを発見


(夜の10時頃でもかなり明るい)

これは…
この春に生まれたばかりのシカの赤ちゃんが
肉食獣に捕まったのかなと思い
近づいて足あとを確かめてみることに

足あとがネコタイプで4本指なら襲ったのはガウペ
5本の鋭い爪跡があればヤルヴです


(左がガウペ、右がヤルヴ)

果たして犯人の残した足跡は…

なんと!
大きな鳥の足あと!


(比較するものを置き忘れましたがわたしの手形ほどもあります)

予想していた四つ足のプレデターではなく
この辺りで一番大きな鳥のイヌワシでした



そして捕まったのはウサギ…

たいていの肉食獣よりも早く走れるウサギですが
空からの攻撃にはかなわなかった様子

かわいそうにと思わずにはいられませんが
もちろんワシも子育ての季節にはたくさんの食糧が要ります

「ウサギはたくさんいるからだいじょうぶだよ」と
森全体の生態系を把握しているかのような発言をする相方

それにしても
朝、仕事へ向かうときに通った際にはこのような事件現場はなかったので
その日の日中に起きた出来事だと思うのですが
ほんの少量のウサギの毛のほかにはもう何も残っていませんでした

おそらくワシが持ち去ったのだろうというのが
相方ムツゴロウ氏の見立てです


(翼のあともあちこちに)

イヌワシは毎年2月頃からこの辺りにやってきて子育てをするので
悠々と風に乗っている姿はわりと頻繁に見かけるのですけれど
雪上の翼のあとは初めて見ました

新雪でもなく溶けかけているジャリジャリした雪の表面に
その翼で痕を残せる鳥なんて
ワシ以外にいないのでは…

少し前に散歩中に見たライチョウの歩いたあととは
また趣が異なるなあ



食べ物を探しながら歩き回る
ぷっくりしたライチョウの姿が目に浮かびます

5月の雪景色

2023-05-06 18:58:15 | ノルウェー山暮らし fjellgård
日本から戻ったばかりの4月20日前後には
イースターからずっと続いているという良いお天気で
周囲の雪が順調に溶けていました



毎年春になると
治水のメンテナンスが必要になる浅瀬の近くの道路も
雪解け水でジャブジャブ


(このあと慌てて溝を掘って水を逃しました)

この季節はふもとへ降りる山道の路面の積雪と凍結の状態が
場所によってものすごく違ってくるので
2台のATVを乗り継いでしのぐ必要に迫られることも



とにかく雪がいっぱい!の冬とはまた違って
変化する状況に適応しないといけない手間のかかるシーズンですが
日に日に長くなる日照時間は
夏への期待感を否が応でも高めてくれます


(4月後半ですでに夜10時頃まで明るい屋外)

ところが…

なんということでしょう
数日も経たないうちに寒波がやってきて
北からの吹きすさぶ雪の日々



玄関から一歩出ると
家の周りの山の姿も見えないどんよりとした冬景色
これが1週間ほど続きました

せっかく新芽の出始めていた窓辺の植物も
陽光を浴びられず気の毒



4月も終わりになってようやく天気が好転
青空カムバック!



家の周りの雪もカムバック
(※冒頭の写真と比べてみてください)

この景色は5月に入ってもずっと続いています

だからといって
屋外での予定を変更しないノルウェー人の相方や



景色に関わらず例年通りやってきて
可愛らしい声で挨拶をしてくれるセキレイを目にすると
まあ気長に雪解けを待てばいいか、という気持ちになります


(小さいですが屋根のてっぺんにいます)

いましばらく
雪上のいろんな足跡を楽しめると思えばいいかな…


桜のトンネルを抜けると

2023-05-01 14:34:22 | 一時帰国 temp. return
春の一時帰国で
今年は桜を大満喫



ソメイヨシノの開花から八重桜の花吹雪
そして葉桜まで
滞在中ずーっと桜と一緒に過ごした気がします

特に名所に出かけなくても
ヒコの散歩で近所を歩くだけで本当にあちこちに桜の木があって
見上げてばかりで首が痛くなりそうでした


(桜のじゅうたんも似合うね、ヒコちゃん)

やっとマスクをしないで普通に出歩けるようになって
久しぶりに会う友人たちとの楽しい時間も過ごせたし
忙しい仕事の合間を縫って実家に顔を出してくれた息子には
少し早いバースデープレゼントも手渡せたし


(※このカードを受け取る息子は7歳ではなく27歳)

おまけに運良く大好きなトヨエツの映画も
劇場で観ることができました〜


(情報ありがとう、映画通のFさん!)

それに忘れてはいけない最重要課題の
ヒコの爪切りもなんとかクリア


(毎回狼爪で大暴れするヒコ)

それにしてもヒコちゃん
貫禄でてきたね
14歳だもんね

寝顔は小さい頃と同じなんだけどなー



ちなみにこのたびもフィンエアーは往復ともに北極ルートでした
ヘルシンキ-東京間の約13時間はやっぱりちょっと長いですが
まだ戦争が続いているなか路線を確保してくれているだけでありがたいです


(スヴァールバルあたりでノルウェーに帰ってきた気持ちに)

ヘルシンキで乗り換えてオスロへ向かう窓から
湖がことごとく凍っているのが見えて
ああ、ナルニアに戻ってきたのね…とシミジミ



4月のノルウェーはまぎれもない春ですが
一方で
「春は、冬と夏の両方がある季節」
ともいいます

桜のトンネルを抜けた後だと冬にしか見えないんですけれどね…


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