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東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

なごり惜しい

2020-09-29 19:29:14 | ノルウェー山暮らし fjellgård
気がつくと日の出がうんと遅くて
今朝は9時半にようやく太陽が山の上に姿を現しました



そして午後3時半にはいったん南西の山の向こうへと隠れてしまい
早い時間にすうっとあたりが暗くなるとちょっと焦ります

しばらくのちにふたたび陽が差すものの
その低さに三たび「えっ」と二度見したりして
冬が近いことを思い知らされる日々

ヒツジの姿もめったに見なくなり
たまに家の近くで居残り組をみつけたら柵の中へ誘導して預かる程度



芝刈りロボットが入れない場所の草を
モリモリ食べてくれるのは嬉しいのですが
柵の内側でも地面のフンに注意しながら歩かないといけなくなるのが難点

それでも
かわいいヒツジたちの姿も今年はもう見納めかと思うと
やっぱり淋しい…

今年の秋はいつも摘む定番のベリー類のほかに
ローズヒップのジャムやkrekling(日本名がわからない)のサフトにも挑戦!
と思っていたのに気がつくと時間切れだし
今年こそはと思っていたキノコ教室にも日程が合わず参加できなかったので
キノコ狩りも来年へ持ち越し

せめて美味しい国産のリンゴが終わってしまう前にと
ペーパークラフトブロガーのマリコさんのブログMB in SDで見つけた
簡単レシピでアメリンカンなシナモンアップルケーキを焼きました


(コケモモもついでに投入)

バターを白っぽくなるまで泡立て器で混ぜるとか
卵を泡立てるとかしなくていいので
クランブルケーキ並みに手軽に作れます

美味しくてつい食べすぎたあとは森へ腹ごなしの散歩へ
黄色く紅葉した樺の葉がハラハラと散りまくっていて
とても綺麗だけど過ぎゆく秋がなごり惜しい…




雪の気配

2020-09-27 11:42:14 | ノルウェー山暮らし fjellgård
3日前のこと
朝起きて窓の外を見ると山すそのほうまで雪が…



そういえば前夜は雨だったから
標高の高い場所では雪になったようです

家の周りには積もっていませんでしたが
ふもとへ下りる道路のうち自宅より少し高い場所を通ると
道の両脇に雪が残っていて一瞬ギョッとしました



ちょっと待って
まだ9月があと1週間残ってるんですけど

そういえば去年も雪が早かった
今年はさらに早いのか…?

幸い翌日は気温が上がり
山の上の雪もいったん溶けて秋らしい景色が戻ってきたので
うちより標高が100mちょっと上のサマーファームへ
様子を見がてら散歩へ出かけました



このあたりは樺の林なので黄色い紅葉が主ですが
ナナカマドなどは日本の紅葉のように
緑から黄色、朱色、赤のグラデーションが一本の木に現れて
思わず立ち止まって見惚れる美しさです。



サマーファームの牛たちは退屈しているようで
見慣れない人が来ると興味シンシン
背を向けるとだるまさんが転んだみたいに一斉に寄ってきて
振り返ると一斉に止まります
ちょっとおもしろい

でもきみたち、何度か会ってるよね?
覚えてない?
ホラ、放牧中によくクルマを足止めしてくれたでしょう?

うちの周りに放牧にくるヒツジたちと同じく
ここにいる牛たちは夏のあいだは自然放牧
森の中で新鮮な草をたくさん食べて過ごします
そして冬の間はふもとの農家さんの自宅そばの納屋で越冬

この柵の中にいるのは
農家さんが彼らを集めてトレーラーに乗せて連れて帰るためのほんの過渡期のみ
とても広い場所なのでストレスは少なそうですけれど
やっぱり退屈だよね…

つい長居してしまい
ふと気がつくと夕焼け空



マズイ
ヘッドライト持ってこなかったから暗くなる前に降りなくては

そろそろ出かけるときには忘れずに
ヘッドライトを持ち歩く季節です


だしの滋味

2020-09-26 11:06:21 | ノルウェーの町で tettsted
少し前に
町のカフェで日本食を出すお手伝いをしました

お寿司セットとつくねセットの2種類



ここで手に入る食材で作れて
なるべく洋風にアレンジしない方向でということで
具はサーモン、エビ、アボカド、スモークサーモン、キュウリという
至ってシンプルなメニュー

すし飯が大丈夫な人なら
難なく挑戦できる内容(のはず)

つくねの方はもう少しハードルを上げて
だし巻き玉子、ほうれん草の白和え(ふう)、ジャパニーズポテトサラダ
つくねは大きめに作って醤油とみりんで照り焼き



ごはんと一緒にお弁当箱に詰めれば
ごくごく普通の日本のお弁当になる味付けです

だし巻き玉子も白あえもだしが効いているので
この風味ってノルウェー人にとってどうなんだろう…と
ちょっと心配だったんですけれど
意外にも若い人も年配の人もきれいに完食
みんな美味しかったよーと言ってくれました

この国は海との関わりが深くて魚もよく食べるので
日本のだしの味をわりとすんなり受け入れられるのかな

ヨシ
この次はもうちょっと大胆にメニューを考えてみよう!

Språkkafé再開

2020-09-22 14:50:10 | ノルウェーの町で tettsted
かれこれ半年以上開催が見合わせになっていた
町の図書館でのspråkkafé(英:language cafe)が再開しました
うれしい!

久々に足を踏み入れた図書館は少し様変わりしていて
そう言えば館長さんが新しい人に変わったと
いつか新聞に出ていたことを思い出しました



棚の配置も若干変化
床には「距離を取りましょう」のサイン



古い写真がズラリと並ぶ壁や
ツーリストインフォメーションコーナーなど
なかなか新鮮



språkkaféは図書館の主催ではなく
mållagが場所を借りているだけのようなんですけれど
(mållagはノルウェー古来の言葉の継承を目的とした組織)
コーヒーやお茶菓子を用意してくれるのは図書館の人で
ときどき話に混じってきたりします

そう
誰でも気軽に参加できるのがここのspråkkaféのいいところ
時間きっちりに馳せ参じなくても構わないし途中で帰ってもOK
子連れ、食べ物持参、学校の宿題持参、なんでも可
もちろん無料です

参加者のおおかたはノルウェー語で話をしたい外国人で
ボランティアで来てくれる地元のノルウェー人と一緒に
お茶を飲みながら世間話をします

初めてこの集まりに参加したのは4年前
語学学校の貼り紙を見て、だったかな?
ここでいろいろな人と知り合いになりました

今はあの頃と比べるとよりこぢんまりとして
グループ分けや話題のテーマもなく
ただ図書館のあちこちにある椅子やソファに適当に座って
とりとめのないおしゃべりをしているだけですが
これが気楽でいいんですよね



思い起こせば4年前の今ごろ
ノルウェー語学校に通って試験を目指していたんだよなあ…

試験をパスして学校を修了しても
それは単に必要最低限の学習を終えただけで
じゅうぶん上達するには5年はかかる、と
当時先生が言っていたことをふと思い出します

もうそろそろ5年よね…
「じゅうぶん上達」にはほど遠いよね…

5年っていうのはアレですよね
町に住んで毎日学校なり仕事なりに通って
多くのネイティブとのノルウェー語漬けの日々を積み重ねての5年ですよね

ということは
週に1〜2日しか人のいる場所へ行かないわたしの場合
5倍くらいかかるかな
25年か…

とりあえず
今週も図書館でのささやかなイベントを楽しみに
ぼちぼちがんばろう〜


秋の景色

2020-09-20 02:59:32 | ノルウェー山暮らし fjellgård
朝起きると5℃以下の日々です
霜が降りていたり濃い霧が出ていたり

家の周りのヒツジたちも
農家さんに連れられて去ってゆきちょっとさみしい…



そのかわり
町へ行く幹線道路を走っていると
柵の中に放牧から帰ってきたヒツジの姿を見るようになりました



うちの周辺に来ていたのとはまた別の農家さんの羊なので
黒い子がたくさん混じっています

霧の日も多いこの時期
濃い霧に包まれた森をずっと走ってきてようやく家が見えると
「注文の多い料理店」を思い起こさせるおどろどどろしさ



でも晴れた日は
アートな雲が目を楽しませてくれる季節でもあります



tyttebær(コケモモ)も熟れて真紅に
摘みごろです


(コケが生えているような場所に生えるからコケモモ?)

きのうの夕方ふらっと散歩に出たら
あまりに空気が冷たくて手袋をはめてこなかったことを後悔するほどでした
(ニットキャップはすでにしばらく前から外出時の必須アイテム)



ああ、さむっ
そろそろモモヒキも履かなくちゃ…

美味しい秋

2020-09-13 19:15:39 | ノルウェーの食べもの mat
スーパーで国産の可愛いリンゴを見かけるようになりました



酸味が強くてアップルケーキにするととても美味しいこのリンゴ
今だけなのでぜひシーズン中にケーキを焼きたい

ラム肉も登場です



秋の味覚は森でも次々と



見た目は固そうでさして美味しくなさそうですが
ジャムにすると美味しいらしいnype(ローズヒップ)
もちろん日本と同じくお茶にするのも人気です

ここに引っ越してきた当初は
ブルーベリーやラズベリーくらいしか馴染みがありませんでしたが
森にはあまりに多種多様なベリーが実っているので
去年から少しずつ他のベリーにもチャレンジしています

図書館で借りた本で昔からの利用方法を知るにつけて
いかにここのひとびとが森の恵みを大切に上手に扱っていたかがわかって
その奥深さにちょっと感動


(水につけておくだけで冬を越せる貴重なベリーたち)

美味しいベリーを摘みに森へ行くことは
わたしにとっては運動にもなって一石二鳥の楽しみですが
昔はそれは家族総出の最優先タスク

みんなでできるだけ摘んで選別して洗って
瓶を煮沸して湯冷ましを作って
丁寧に保存食を仕込み長い冬の間のビタミンを確保

そんな時代の手仕事に思いを馳せながら
紅葉して甘ーく完熟したブルーベリーを摘みに
今日も森へ行きます


横切りたい

2020-09-11 16:43:59 | ノルウェーの動物 dyr
ここへ来て知った野生動物の習性のひとつは
そのほとんどが夜行性だということ
特にシカは遅い時間になると幹線道路付近にもよく現れます



冬は辺りが暗い時間帯に特に気をつければいいのでわかりやすいですが
夏はなにしろ一晩じゅう明るいので
町からの仕事帰りが遅くなった日などは
時計を見て夜9時を回ったあたりから意識して慎重に運転します
(明るくても夜間の時間帯に遭遇率が高い)

そして今の時期
夏から秋へ素早く季節が変わると
久しぶりに暗い夜道を運転することになって
ああ、夏は明るくて運転がラクだったなーとしみじみ



これでも路面に雪がないだけマシですが
暗闇での車の運転が苦手なことに変わりはありません

そこらへんでムシャムシャと草を食むシカたちよ
道路に飛び出してくれるな〜

そうなんです
ここでもうひとつ学んだ彼らの不思議な習性は
何故か車両の前を横切りたがるということ

たとえばシカが道路脇にじっと立っているのを見つけたら
スクールゾーン並みに徐行します
ふつうに考えて車が近づいていけば
道路から離れる方向に逃げ出すかと思いますが
どういうわけか道路を横切って反対側へと逃げようとする不思議

これがしばしば路上に跳ねられた小動物を見かける理由なのかも…

これは山道を走っていても同じで
シカのほかウサギなんかもよく飛び出してきます

おまけに小鳥もまるで気流で遊んでいるかのように
車の前をうろうろしたがって危ないことこのうえない



きみたちもね
野生動物じゃないけどやっぱり車の前を歩きたいわけね

なんだろう
挑戦?
敵に背後を見せない的な?

義父が若かったころ山道をスキーで滑り下りていたら
ヘラジカが横に並んでしばらく並走したかと思うと義父を追い越し
彼の前を横切って去って行ったという話も聞いたので
この「横切りたい」本能はどうやら避け難く彼らの中にあるようです

小さい秋

2020-09-06 10:07:40 | ノルウェー山暮らし fjellgård
9月に入り名実ともに秋です



森にはキノコがいたるところに



赤いコケモモの実も見かけるようになりました



秋の森は色とりどりできれいです



あっ
また会ったね、おかあさん
会ってはいけない場所で

きみたちのいる場所は川の向こう側でしょう?
どうしてこんなところまで来ちゃってるのよ



うんうん、きみはね
おかあさんについてきただけなんだよね
わかってる

橋のゲート開けてあげるから一緒に帰ろうよ、と
かれこれ小1時間ほど説得しながら一緒に森を散歩しましたが
おかあさんの返事は

「まだ帰らない
明日の朝には帰ってもいいけど」
(想像)

そうなのです
このおかあさんは脱走の常習犯

仕事へ行くために朝クルマを走らせて橋まで行くと
ゲートの向こう側で待っているということがこれまでも何度かあり
まるでわたしが仕事へ行く曜日を覚えているかのよう

森で食事をするのは
開墾地の草を繰り返し食べるよりはるかにヘルシー
ヒツジにとってはとても良いことなので
賢いおかあさんヒツジと言えますが
この橋を渡って向こう側へ行く趣味はいただけない…

でも
もういつ羊農家さんがヒツジたちを集めに来てもおかしくない季節になり
こうやって困ったおかあさんと散歩できるのもあと少しと思うと
ああ、やっぱり秋だわ〜とちょっとしみじみ

そこかしこで感じる小さい秋は
冬がかけあしで間合いを詰めてきている印



薪を運ぶ仕事もラストスパート
そのあとは来年の冬のための薪作りがはじまります

病院へ行くの巻

2020-09-04 11:53:14 | ノルウェーの町で tettsted
相方が足首をひどく捻ってすごい青痣
(原因は自業自得なので同情薄め)


(一緒に怪我をしたトラクターには同情を禁じ得ない)

数日のあいだおとなしく様子をみていたものの
骨にヒビが入っていたりしないかと心配になり
週末に入る前にと金曜日にかかりつけ医のアポを取った相方
痛いのは右足なので運転は危ないだろうとわたしが送ることに

自宅からかかりつけ医まで約1時間かかります
午前中の予約だったので
明るいうちに家に帰れるつもりで出かけたのですがこれが大誤算
先生からレントゲンを撮ったほうが良いといわれて
その足で病院へ行くことになってしまいました

病院は車でさらに1時間半かかる県庁所在地Moldeにあります
COVID-19感染対策で付き添いは中に入れないので
駐車場のベンチで待機


(コーヒー片手にミツバチの花粉団子を観察)

1時間ほどもするとすっかり退屈になり
しかも病院内へはトイレを借りに入ることもできないため
数キロ離れたところにあるショッピングセンターへ行くことにしました

それでも2時間も経つと飽きて
いくらなんでもそろそろ終わるだろうと
病院へとって返したのが午後の5時

ときおり相方から携帯に届くメッセージでは
複数の医者をもってしても怪我の状態の確認に手間取っていて
レントゲンを取り直したり大都市の病院に電話で問い合わせたり
おまけにたびたび運び込まれる急患が優先なこともあって
本人はひたすら待っている様子

そういえばさっきからヘリコプターの音が聞こえたり
救急車が出たり入ったりしています
打つ手なし…

気を取り直して
小腹が空いたので病院の売店で何か食べるものをと
玄関手前にある小窓へ
(売店も病院内施設なので入れない)

呼び鈴を押すと中の人がガラス戸を開けて
カウンター越しに欲しいものを聞いてくれます


(店内が見渡せるわけではない)

「ええと、何か温かい食べるものありますか」
「温かいのはピザかパニーニがあるけど」
「パニーニはスパイシー?辛いのちょっとダメなんですけど」

さっと奥から商品を取ってきて見せてくれると
グリーンのソースがたっぷり
これは…辛そう…

「えーと、じゃあ(無難な)ピザにします」
「ピザね、ペペロンチーノだけど平気?」
「……」

なんだかもう疲れていて頭もよく回らなかったので
窓口の近くに見えていたバナナを指して

「じゃあバナナにします」

と言うと
嫌な顔もせずに

「青いのがいい?それともよく熟れているのにする?」

とあくまで親切なお店の人
その親切さに背中を押されて
再びなにかまともに食べられるものを買う気になって
最終的には常温販売のハムとチーズのバゲットをトースターで焼いて
ホットサンドにしてもらえて一件落着

結局
相方の診察が終わったのは夜の8時
夕飯を食べ損ねた相方の希望により途中バーガーキングに寄り
家に着いたのは真夜中
長い1日でした

ちなみに
診療所では先生の診察を受けたことに対して212krの支払いがありましたが
病院でのレントゲン、診察、足に巻くサポーターなど全て無料でした
(それなのに駐車場は有料という謎)

ノルウェーは医療費タダでしょう?とよく聞かれますが
今回のような怪我や事故、あるいは癌治療などの場合は無料ですけれど
2年前にわたしが貧血がもとで大腸検査を受けたときのように
ドクターの予約に対しては支払いが生じます
(年間累計の上限あり)

さて
今回の病院行きの長い1日には後日談があります
それは翌日インターネットのニュースで知った事実


(画像はSummørsportenという新聞社のサイトから)

トム・クルーズが!
わたしたちが病院にいた時にÅrøに!?
ÅrøはMoldeの空港がある場所の地名で
くだんの病院からほんの6kmほどのところにあります
わたし、トム・クルーズの6km圏内にいたってこと?

なんでもノルウェー政府の特例措置で入国できたのだとか
(アメリカからの入国は未だ許可されていないかと)

前作の「ミッション・インポッシブル 6」の撮影でも
ノルウェーに来ていたトム・クルーズ
すっかりノルウェーが好きになってしまって老後移住してくるとか!
自然に囲まれた田舎暮らしがしたいとか!
ご近所さんになって森を散歩中に会うようになったりしたらどうしよう〜

妄想が楽しくて
前日の疲れが一気に消え失せた楽しいニュースでした

注意書

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