東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

あぶない山の散歩

2018-10-30 15:17:03 | ノルウェー山暮らし fjellgård
少し前の話になりますが
まだ雪がちょっと降ってはすぐ解けていたころ

ある晴れた日に
思い立って山のてっぺんを目指して散歩しようと思いました

日本にいる山ガールの友人が撮った写真を見て
なんとなく山に登りたくなったのかも



山といっても家のすぐ前の小さな山で標高は1200mちょっと

というよりも
うちはこの山の中腹の650mくらいのところにあるので
引き続きあと500mちょっとのぼればいいだけ
距離にして2km程度
若い人なら1時間半くらいで着けるはず

急な坂道もありますが装備の必要な登山ではなく
全行程を歩いて行けると聞いていました



はじめのうちはツーリストハイキングコースを辿るのでラクチン

ハイキングの定義については以前に書いたこともあるんですけれど
ここノルウェーでは例えそれが道なき道でもずっと上り勾配でも
丸一日かかったとしても
歩いて行ける限り「散歩・散策・ハイキング」の範疇で
「登山」とは呼びません

なのでついつい油断しがちですが
もしもノルウェー人に「散歩」に誘われたら
服装や靴はしっかりとした登山仕様が基本です

ゆっくり歩いても2時間もあれば着くだろうから
お昼過ぎに出れば十分明るいうちに戻って来られるはず
でも念のために上着と手袋とヘッドライトを持参することに


(息子が小学生の時にPS2を持ち歩いていたウエストバッグが活躍)

その日は晴れて暖かい日で
いたって機嫌よく歩き始めました
景色の写真を撮ったり…
と思ったらいきなりiPhoneがシャットダウン

え…

まさかのバッテリー不足
うそー

レスキューを要請するようなことにはならないだろうけど
省エネモードに切り替えていざという時には受発信できるようにして
もくもくと歩き続けること約30分
見なれた平原に着きます

うんうん
ここまでは何回か来たことあるのよね
問題はこの先
ハッキリ言って道がわからない

でもてっぺんは見えていて
ただ正面から行くと岩だらけの急勾配だから
ぐるっと迂回して北側から行けば比較的なだらかなルートがあるはずなのです
(と聞いていた)

なんとなく頂上と山の斜面を見比べながら歩き進むうちに
いつのまにかツーリストの小道がなくなっていました



道のない森というか林というか山を
ひたすら登って歩くのはエネルギーが要ります

足元から視線を外せないし
木の枝が顔や頭に当たらないよう避けないといけないし
鹿になった気分

いろんなことに気をつけながら進むうち
どんどん歩きにくさが倍増していって
気がつくとものすごく急な斜面を
両手でいろんなところをつかみながら一歩一歩前進
え?これって本物の登山では?

そしてもう下れない
下を見るのがこわいくらい高い
ときどき両膝もつかないと位置を保持できない場所まででてきて
これはまさかのヘリコプターに助けてもらうパターン?

常に両手が塞がっていて
当然のことながら写真も撮れず

なんとか一息つける場所を見つけてしばし休息
改めて景色を見るとすごくキレイです



これが登山の醍醐味?

でも頂上がですね
見えているようでそこは頂上ではなく
登っても登ってもてっぺんにたどり着かないのですよ

これは勾配が徐々に緩やかになっているから?
こんど山ガールに聞いてみよう

結局
だんだん地表を覆う雪が増えてきて
これ以上は両手両足を使っても危なくて登れないというところで
緩やかに進路を北に取って
出来るだけ雪と岩場と急斜面を避けながら下り始めました
(山へは南西の方向を向いて登っていた)

ああ、登山って奥が深いわ

いきなり現れて飛び去ったので写真には撮れませんでしたが
頂上近くにはライチョウがいました


(村のツーリストセンターの剥製)

翌週にリベンジして無事頂上にたどり着いたんですけど
その時にもライチョウがいました

猟の時期には撃ってもいいライチョウ
美味しいらしいのでいつか食べてみたいです


得する気分の日曜日

2018-10-29 13:25:42 | ノルウェー山暮らし fjellgård
10月最後の日曜日
朝起きると時計が1時間遅くなっていて得した気分になりました

サマータイムが終わって
日本との時差も7時間から8時間へ

気温も今シーズン初のマイナス10℃超えで
もうすっかり冬のよう



前日までプラスだったので解けかかっていた雪の表面が
かき氷のように凍りついていてキレイです



気温が低い時はたいていお天気が良くて
貴重な日照時間には日光浴ができます



風で屋根の雪(というか氷?)が吹き飛ばされると
ダイヤモンドダストのよう

散歩したいような
暖かい部屋にこもっていたいような…

とちょっとのんびりしていると
午後1時半頃にはもう日が沈んでしまうという



太陽が光を浴びられなくなるまであと2週間
ビタミンDを忘れず飲まないとね

2回目のビザ更新

2018-10-28 16:04:30 | 移住手続 immigration
すっかり冬の景色の今日この頃
お店はクリスマス商品がずらりと並んでいて
気分的にはもう11月後半というところですが
日本ではまだ紅葉がきれいだったりするんでしょうか



10月半ば早々にビザ更新の案内メールが届きました
有効期限は来年の1月13日なので3ヶ月も前です
でも前回も確か3ヶ月前に連絡が来ていたので
これが移民の多い国の普通なのかも

こういう大事なことは早めに済ませておきたいので
早速ネットで警察署の予約を取ろうと
手続き場所の選択をプルダウンして地元の警察署を選択、とおもいきや
一瞬、目を疑いました

なんとなれば
地元の警察署がない…

移住時の最初の手続きも1度目の更新も
自宅から最寄りの警察署(片道1時間)でできていたのに
いつのまにかそれができなくなっていたようです

気を取り直してリストをじっくり見てみます

うーん
手続き可能な一番近い警察署で自宅から2時間半
遠いなあ…
(しかも行ったことのない町)

でも仕方がありません

そもそもノルウェーへ来た年の情報では
3年目の更新時には条件を満たしていれば永住権を申請できるはずでした

が、それもルールの変更が相次いで
新たに収入要件が加わったおかげで
当分のあいだ手が届かないことが判明
(わたしの今の収入ではぜんぜん足りません)

2年毎に手続き費用を払って一時滞在許可証を更新するしかありません

今回は遠方の警察署へ出向く手間はかかりましたが
カードが届くのはびっくりするくらい早かったです

月曜日の手続きで木曜日にはもう届きました
さすが(ちょっとだけ)都会なだけあるわ


(Visit NorwayのHPより)

今回は時間がなくて町をうろうろできませんでしたが
次回の更新時には地元ではできない買い物したり
何か美味しいものを食べたりしよう!

ラム肉とシカの遠吠えの季節

2018-10-26 12:57:52 | ノルウェーの食べもの mat
今年は雪が早くて先月からちょいちょい積雪があったのですが
数日経てば解けていました



スーパーに新鮮な生のラム肉が並び
夜になると鹿の遠吠えが聞こえる季節
(夜な夜な雌を呼ぶ)

猟の時期でもあります


(猟をするご近所さんの冷蔵室の鹿肉)

秋も終わりに近づいています

と思ったら今週まとまった雪が降り



あれよあれよと言う間に冬景色

防水のウィンタージャケットにスノーブーツ
タイヤチェーンと車の雪を降ろすブラシも必須アイテムです

お店では早くもクリスマス商品が並んでいて
ハロウィンなどは何処へやら

もう冬なのね…



来年用の薪を作る仕事が始まります


トナカイへのこだわり

2018-10-09 18:16:16 | ノルウェーで手芸 håndarbeid
折り紙で作ったくす玉を
クリスマスの飾り用に何件か頼まれて絶賛製作中です



結構うで(特に肘のあたり)が疲れるしすっかり飽きてしまっているのですが
まだあと16個残っている…

冬が来る前に余裕で完成すると思っていたカーディガンが
ちっとも進まない…



おまけに
くす玉の依頼主の1人から
パーティーの招待状の表紙を作れるかと聞かれました
ちょっと立体感のあるペーパークラフトです

折り紙とペーパークラフト
似て非なるような…

でも見せられたサンプルが簡単そうだったし納期があったし
なんだか楽しそうだったので引き受けました

材料を仕入れるにあたって
どうせペーパークラフトをやるなら
ついでに今年のクリスマスマーケット用に
クリスマスカードやギフトタグも作ってみたらどうかと思いつき
クリスマス柄のスタンプなども注文しました
(※田舎にはそういうものを扱っているお店がないのでインターネット頼み)

ところが
このスタンプ選びが実は楽しくもなかなか難しかったのです

はじまりは
あっ、このトナカイ可愛い!と何気なく相方に見せたところ

「これトナカイじゃない」

と一蹴されたことでした


(ペーパークラフトのカリスマ、マーサ・スチュアートのスタンプセット)

え?
トナカイじゃないの?
サンタとセットだしクリスマスモチーフだし
トナカイじゃなかったら何よ?

「ううーん、シカに似てるけど正確にはシカでもない」

首の角度がどうの足の太さがどうのツノの形がどうのと
いろいろ説明されましたが
要するにトナカイではないとのこと

確かにそう言われればシカっぽいかも?

じゃあこれは?シカには見えないよ?
これこそトナカイじゃない?


(ヒーロー・アーツのクリアスタンプ)

「これもトナカイじゃない。これはカリブーじゃないかな」

ええー!
トナカイとカリブーってほぼ一緒だと思ってたのに
こんなシルエットクイズみたいなので違いがあるの?

でも確かにヒーロー・アーツはアメリカのメーカーなので
北欧に生息するトナカイよりもアラスカのカリブーのほうが身近なのかも

結局
相方がトナカイとして(まあまあ)認めてくれた
カヴァリーニのミニスタンプセットをアマゾンにてオーダーしました




(右上にあるのがトナカイ、のはず)

まあ今回はお試しで小物を作ってみようと思っているのだし
トナカイ以外のスタンプもどれもこれも可愛くて使えそうなので
結果オーライなんですけど

それにしても
この相方の地元動物に対するこだわりは
自然を愛するノルウェー人特有の国民性なのか
はたまた山に住む相方固有の自然リスペクトなのか?

余談ですが
英語ではトナカイを raindeer と書くので
一目でシカ(deer)と似ている感じがしますが
ノルウェー語のトナカイ(reinsdyr)とシカ(hjørt)は全く別の単語です

だから余計区別が大事なのかな?

冬の足音

2018-10-08 08:39:41 | ノルウェー山暮らし fjellgård
9月に気の早い雪が降って以来
晴れれば溶けてはまた降っての繰り返しです



気持ちの良い秋晴れの日もあれば
朝起きると氷点下で
森を散歩すると落ち葉がうっすら雪に覆われていたり



モミの木が氷のしずくでキラキラしていたり


(しずくが全部凍っている)

羊たちもみんな農家さんに連れられて帰ったので
家の周囲が静かです



まろ眉の牧羊犬
左右の瞳の色が違います


(写真がイマイチですが右が青で左が茶色)

今年は森のベリーが不作で
ほんのちょっとしか摘めなかったことも
秋がやたらと短いという印象を受けている一因かも?

朝7時頃起きるとまだ薄暗いとか
午前10時をすぎないと太陽の光が届かないとか
いつのまにかこんなに太陽の通り道が低くなったのか?

太陽が昇らなくなるまであと5週間
冬の足音は確実に近づいています


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