東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

偶然じゃない

2021-01-27 23:58:51 | ノルウェー山暮らし fjellgård
家のあちこちの電球が
申し合わせたように切れ始めました

町で買い物できるのは週に2回
なんだか出かけるたびに電球を買って帰っている気がする…

相方がいうにはこれは偶然ではなく
気温の低い日々が長く続いているせいだそう

え、そうなの?
だって夜もパネルヒーターついてて15℃くらいをキープしてるのに?
信じがたい…

でもたしかに
ここしばらくずっとマイナス10℃前後が続いていて寒い
散歩に出て撮る写真も日光がなくて薄暗いうえに寒々しい



いつも通る道の途中で一か所スケートリンクができているのですが
これは近くのせせらぎが表面だけでなく深いところまで凍って
流れをせき止めてしまったせい
行き場をなくした水がじわじわと路面に進出してゆっくり凍り
ほんとうにツルッツル

そろそろと端の方の雪が残っているところを歩こうとしたら
シカも同じことを考えたらしくきれいに一列に並んだ足あとがありました
そうだよね、ひづめ、滑るよね

大部分が凍っている川の氷も
動物が通れるほどの厚みがあるようです


(足あとも凍っている)

でもこう気温が低いと雪が降らないから
動物が雪を掘って草を食べるには都合がいいようです



なんだかモノクロ写真みたいですけれど
午後4時頃にiPhoneで撮ったカラー写真(調整なし)で
肉眼ではシカは茶色に見えています
ああ、またカメラ欲しくなってきたなあ

ところで
今朝は電球たちの相次ぐギブアップに加えて
リビングの掛け時計も止まっていました
こちらは買い置きの電池交換で済みましたが
例によって相方が「偶然じゃない」と言います



いや、電池はいくらなんでも偶然でしょう?
と思いましたが
そういえばいまどこのお店もいま電球のセールをやっているんですよね
(電池はたくさん買いだめしてあるので未チェック)


(全商品30%オフ)

ラッキー!と思っていましたが
これはもしやほんとうに偶然じゃないのかも…

薪の量の数えかた

2021-01-14 09:53:02 | ノルウェー山暮らし fjellgård
年末年始も関係なく薪作りを最優先して作業したかいあって
雪が降る前に全て割って運び終わりました



後半は一輪車だけでなく
ATVのトレーラーも出してきて運搬もスピードアップ



一輪車の扱いになれている相方は
薪を山盛りにした重い一輪車を雪の上でも上手に運びますが
わたしは少なめに積まないと倒してしまったりするばかりか
下手をすると肘を痛めかねないので
ATVの方が確実です

薪を積むときには皮を上にして
なるべく収まり良く並べていきます
雪や強風で崩れないようシッカリとした固まりにするのが大事



薪が呼吸できるように列と列の間は間隔を空け
ところどころ列の間に支えを入れます

ところで
相方はいつも積み上げられた薪の山の長さで量を表現しますが
これがわたしにはいつまでたってもピンときません

たとえば
ひと冬ぶんに必要な薪は20メートル、と言われても
すぐには量の想像がつかないわけです

彼のいうところの「1メートル」は約600リットル
20メートルは12,000リットル
つまり12立方メートル
一辺が1メートルのサイコロ12個分がひと冬の薪

この600リットルというのは
昔ながらの薪の量の数え方の単位 favn(ファヴン) を元にしていて
1 favnは60cmの長さの薪を幅、高さともに2mに積み上げた量
2400リットル=2.4立方メートル

ですので
うちの「1メートル」は4分の1 favnです

ただし薪は乾燥させると縮むので
(相方によると13%減)
今の段階で量を測るときは計算値より少し高めに薪を積んで数えます

おととし自宅の薪ストーブを買い替えるまでは
1 favnの元となるサイズ同様60cmの薪をスタンダードで作っていたのですが
新しいストーブがほんの少し奥行きが短く60cmだとぎりぎりなので
いまは余裕を見て50cmの薪を作っています

50cmに満たない半端な長さの薪も当然できるので
積んだ時の奥行きは45cmで計算
高さ1.5メートルに積み上げれば乾燥時には1.3メートルになり
幅1メートルごとに約600リットルが出来上がります

木を切っている時も
この木は1本で2メートルにはなるな、とか
今日のところまでで15メートル分くらいかな、とか
わたしにはまったく読めない予測をしている相方
不思議な単位です

ちなみに
辞書でこの favn という単語を引くと
「両手を広げた長さ、足6つ分の長さ、1.882メートル」
という記載があります

もしかしたら昔は薪を作る人は大男で
両手を広げると2メートルくらいあって
それで積み上げた薪のタテヨコをはかっていたのかな?

「違うとおもう」

と相方には即座に否定されましたが…

もう雪が降っても大丈夫!と思ったその数日後に
まとまった量の雪が降りました



春までによく乾燥していい薪になってね



寒い日々

2021-01-08 23:24:02 | ノルウェー山暮らし fjellgård
少々寒い日が続いています



川のほとんどが氷と雪に覆われていて
どこがもともとの川か岸かわからないくらい

景色がきれいなのでゆっくり写真を撮りたいと思うのですが
シャッターを押すために手袋を外すとすぐにかじかんでしまうし
iPhoneも低温に弱いので瞬撮です

川の近くで雪面が魚の鱗のような形状になっているのを見て
湿度のせいかな?と思いましたがよくわかりません



写真では焦点の合っていない遠くのほうまでずっと
辺り一面の雪面がこんな風になっていてなかなか幻想的
「千と千尋の神隠し」のハクみたい…

気温がマイナス10℃を下回っているときは
たいてい天気が良く雪や嵐の心配がなくて
雪かきや停電のことを考えなくていいので心穏やかに過ごせます

加えて夜はうっとりするような満天の星
オーロラが見えるのもなぜか気温が低い時が多いとくれば
いいことづくしのようですが
外での作業やATV運転時には寒さが身にしみることも

身体を動かしている時はそうでもないんですけれど
じっとしているとどうしても冷えるのがつま先や手の指先

ATVのハンドルにはもともとヒーターが搭載されていますが
右側は純正のレバー式アクセルをスロットル式に付け替えた都合で
ヒーターが使えなくなっています


(黄色いボタンがハンドルのヒーター)

ヒーターの使えない右側は
アクセルを開けるためにハンドルを握り続けるので
手袋の中で手をグーにして指先を温めるという技も使えず
どうしても冷えてきたらいったん止まって右手をしばし温めたり



ふもとに着いて乗用車に乗り換えて
フロントガラスが溶けるのを待ちながら指先がしっかり暖かくなったら
運転に備えてまた手袋をします

というのも
寒い日はステアリングが氷のよう
しばらくは素手でさわれないくらい冷たいのです

ちなみにこの日の外気温はマイナス13℃
これ以上下がらないでくれるといいなあ…

足あと

2021-01-06 18:45:10 | ノルウェーの動物 dyr
辺りが一面雪でおおわれている間
家の周囲にたくさんの野生動物の足あとを見るのは
冬の間の楽しみのひとつです

シカやウサギやキツネの可愛らしい足あとはめずらしくありませんが
最近久しぶりに家の近くで滅多に見ない大きな足あとを見つけました



外を歩いている時はたいてい手ぶらなので
大きさを比べられるものが手袋くらいしかないんですけれど
このミトンはうんと寒い時に手袋をした手を入れて二重にできるくらい
とっても大きめに編んでいます


(キッコーマンの卓上しょうゆと比較)

この足あとは
4年前に初めて同じものを見たことがあり
当時は見分け方がよくわからなくて
ネコかイタチかというタイトルで記事を書きました

ネコ科のgaupe(ガウペ)もイタチの仲間のjerv(ヤルヴ)も
中型の肉食獣で家畜の大敵です
どちらも単独行動が多く人前には滅多に姿を見せません



この3つずつきれいに並んだ足あとはヤルヴしかない!
とは相方の言

ちなみにキツネだと犬と同じようにスタスタと歩くので
足あとは一列に見えます



ヤルヴ(英語だとウルヴァリン?)
見たことがないので写真をWWFからお借りしてきました


(WWF.noのウェブサイトより)

この爪の鋭いこと!
イタチというより小型のクマのよう

そういえば年末に
谷の反対側のご近所さんのアンティークショップへ行ったときに
そこの奥さんが窓から凍った川の上を歩くヤルヴを見たと興奮して話していたし
ふもとのご近所さんもヤルヴの足跡の写真をSNSに投稿していました

ヤルヴはとても広いテリトリーを持つので
どうやら同じ個体がこの辺一帯をパトロール(?)しているらしい

図書館で野生動物の本を物色していたら
「Dyrespor(動物の跡)」という本にヤルヴの足あとの説明が



ヤルヴの5つの指の肉球はガウペとは全然違うのでこれで見分ければ簡単!
足あとが新しければ鋭い爪の残した跡も特徴的、ふむふむ


(右上がガウペ、その下がヤルヴ)

この本、単に足あとの形状や並び方だけでなく
どの順番でどの足が前へ出ているのかの図解があったり
その他にも動物が食べた跡やフン、巣穴、生え変わった角などなど
色々な痕跡からどんな動物がそこにいたかを知るヒントが満載で
森や山を歩く時のハンドブックにしたいくらい面白いです

ただし
コンパクトサイズでたくさんの動物と鳥を網羅しているので
ヤルヴ独特の3つ並んだ足跡の詳細解説はなく
1番最後の足あとは前足だと思うものの確証はありません



3つのうち真ん中は前足のあとの上に後ろ足のあとが重なっていて
そして1番前は後ろ足、じゃないかな?
ああ、この足あとをつけているところを見てみたい!

ちなみに相方は30年ほど前に
山で一度だけヤルヴを見たことがあるそうです
すごくヘンテコな歩き方だったらしい…

山のトナカイが主食のヤルヴに会いたければ
ちょいちょい山へ行くのがいいのかも



ハンティングシーズンも終わったことだし
薪割りが済んだらスノーシューはいて登ってみようかな

クリスマス料理

2021-01-05 14:21:57 | ノルウェーの食べもの mat
年末にribbe(皮付きの豚リブのオーブン焼き)を数年ぶりに作りました
年末年始を含むクリスマスホリデーの定番メニューのひとつです

前回作った時の手順ははっきり覚えていなかったのですが
塩コショウをすり込んでオーブンで焼くだけで
とにかく簡単だった記憶があります

お店の売り場で
3〜5キロの大きな塊が主に売られているなか
なるべく小さいものを探して2キロくらいのものを購入

手近にあったレシピには
焼く3日前に塩と粗挽き胡椒をすりこむとあったので
その通りに


(粗挽き胡椒を買うのを忘れてガーリックプレスで砕いた超粗挽胡椒)

買ったお肉はすでに皮が賽の目にカット済み
手間いらず〜

最初は蒸し焼きにするので
皮を下にして水を注いでアルミホイルでおおいます



普段は少しうっとおしいと思ったりする
こちらのアルミホイルのビッグサイズがこういう時は便利


(レギュラーサイズのサランラップが小さく見える)

200℃に予熱したオーブンの下段で1時間弱焼いたら
今度は皮を上にして網に乗せるんですけれど
ここで皮の切れ目が開くように丸めたアルミホイルを下に置きます



網の下に水を張った焼き皿をセットして180℃で1時間半
それから230℃に温度を上げて30分
最後は250℃で5〜10分
皮がぷくぷくと膨らんでカリカリになったら出来上がり



食べる前に
布巾をかぶせて最低30分休ませると良いそうです

簡単でした

普通なら付け合わせるキャベツの酢漬けなどを
相方が全く欲しがらないので
よそのお宅に比べてもことさら簡単



でも…

お肉を焼くのが簡単ということだけ覚えていて
重要なことをひとつふたつ忘れていた…

ひとつはブラウンソース
最初に蒸し焼きにしたときの脂と煮汁を使って作りますが
バターと小麦粉を茶色くなるまで、とか
仕上げにとろみがつくまで煮詰める、とか
火のそばから離れられない工程が割と長い

もうひとつは後片付け
脂でギトギトのオーブン庫内の掃除
脂でギトギトの大きな焼き網と焼き皿
切り分けるのに使ったまな板や包丁もギトギト
量が多いので数日中に食べ切れない分はカットして冷凍庫へ

この2点
次回まで覚えておこうと心に誓いました


(プレゼントにもらった巨大マッチとオーナメント)

朝の景色

2021-01-03 14:33:13 | ノルウェー山暮らし fjellgård
冬至を過ぎたので
少しずつ明るくなるのが早くなっているはずですけれど
8時頃だとまだ真っ暗で
星明かりや月明かりがあたりの雪景色を照らしています

9時になると明るくなり始めて
ウサギの足跡もくっきり見えるようになりますが
木々の向こうの低い位置にある月はまだ輝いています



10時が近づくとやっと外に出る気になる明るさに
晴れた日は朝焼けがきれい



この時期の朝焼けは
太陽がいる場所とは反対側の北西の谷が色づくのですが
仕組みがよくわかりません
ラジオのこども電話相談か何かで聞いてみたい…

正午を過ぎて太陽が真南あたりを通過しているであろう頃
(山の向こう側にいるので見えない)
家から北側に見える山々の頂上付近に日光が当たっているのが見えて
知らず笑みが浮かびます



ああ、あそこへ行きたい…

今月の終わりには
眩しい陽の光を直接浴びられると思うと本当にうれしい
もしかしたらその日はお正月よりもうれしいかも…

注意書

※このブログの文章・写真・画像を無断で使用することを禁じます。