東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

春は水

2022-05-24 13:41:15 | ノルウェー山暮らし fjellgård
春はあけぼの…と
学校の古典の授業で習いましたが
ここでは春は雪解けがいちばんの関心事です

去年は
家の周りがあわや水浸しになりそうだったし

おととしは
土砂崩れがあって一時道が使えなくなったし…

家の前の雪がだんだん少なくなっていくのを見ると
春というよりもう夏がすぐそこまできている実感がわいて
嬉しいのと同時に心配も募ります



川の氷はほとんど溶けていて
場所によっては雪解け水で水かさが増して
ごうごうと流れているんですけれど…



道中で1か所渡る浅瀬はまだしっかり凍っています

それはそれで走りやすいけれど
浅瀬の両側の雪に早く解けてもらうためにも
除雪することにしました



相方がアイロンバーで分厚い氷と雪の層を砕き
わたしはシャベルでそれらをどんどん下流に送って流します

最後にタイヤが通る箇所の段差を少しなだらかに整えて
小1時間で作業完了



ここはハイキング客も通るため
ジャンプして越えられるように左側を少し残しておきました

山道も場所によってはまだかなりの雪が残っていて
特に今年は例年より多め…



吹雪が続いていた真冬にタイミングを逃して
積雪の多いゾーンの本格的な除雪をしなかったツケをいま
ATV2台を乗り継いで移動するという手間になって払うことに


(チェーンを巻いたタイヤの車両からベルトの車両へ乗り換え)

雪の積り具合が様々なのと同様に
その溶け方もほんとうにまちまちで
特に道路の左右で差が大きいとすごく走りにくい…



そのほか家の近くにも
水の通り道のメンテナンス箇所がたくさんあり
気が遠くなるような作業量ですが
今年は昨年の秋に購入したマシーンが大活躍



ジョイスティック2本で操作するこの機械
2輪しかないので移動する時はシャベル部分を地面につけて支えてにし
固定用の足を浮かせてアーム操作で移動します
わたしもちょっと練習したけれど難しい…


(傾斜のある場所ではATVのウィンチでサポート)

でもまだこのマシーンでの作業予定がたくさんあるので
もう少し練習して滑らかに操作できるようにならないと



春の治水工事はエンドレス
でもやったらやっただけ成果があるのでやりがいがあります
(というよりやらないわけにはいかない)



きみたち、見てないで
ちょっと手伝ってくれるといいんだけどね…

長い帰り道

2022-05-21 00:16:24 | 一時帰国 temp. return
成田-ヘルシンキの飛行時間が
予定されていたものより1時間以上も短かったおかげで
ヴァンター空港ではとてもゆっくり休めました

長距離便エリアから出る前に
閑散とした休憩エリアで思う存分身体を伸ばして横になって休み
それからヨガを少ししてリフレッシュ

心身ともにすっきりして
パスポートコントロールを抜けてにぎやかなシェンゲンエリアへ



時間が早いせいか(午前4時に到着)
往路の時ほど混雑していなくてホッとすると同時に
ほとんどの人がマスクをしていないことに気づいてマスクを外します

着陸前に機内で軽い朝食が出ましたが
たっぷりとした美味しいコーヒーが飲みたくなったので
目についたカフェでモーニングセットを注文

トマトとモツァレラチーズをサンドしたクロワッサンと
100%ジュースとコーヒーで12.90ユーロ
ユーロで値段を書かれると高いのか安いのかわからない…


(クロワッサンは食べかけ、マフィンは追加したもの)

オスロ行きの便は定刻通りの搭乗案内
ほとんど満席に近くて
いっときはプロペラ機だったことが嘘のようです


(搭乗のブリッジに人が詰まっているのも久しぶりの光景)

成田を出てから約17時間半後の
オスロ時間の朝8時にガーデモエン空港に到着しました


(快晴だけど寒い…)

いつもより長くかかったわりには疲れもあまりなく
迎えに来てくれた相方のリクエストのIKEAへの寄り道も快諾


(スウェーデン全開のIKEAの試食コーナー)

家への道のりでは
ノルウェーで1番大きい湖沿いをしばらく走るのですが
(湖の長さは確か100kmほど)
まだ豪快に凍っているところもあってビックリ



運転席側の窓越しに見える真っ白な湖を眺めながら
5月半ばでまだこんなふうなんだっけ?と考えますが
季節の進み方が全然違う日本から戻ったばかりだと
うまく思い出せません

景色には雪や氷がまだまだ残っていても
ノルウェーに戻った翌日はナショナルデー
みんなこぞってアイスクリームを食べる日です



Gratulerer med dagen!

北極回り

2022-05-18 10:58:36 | 一時帰国 temp. return
日本を発つ前日
スーツケース2個を突貫でパッキングしたら
渡航の準備は完了です

前回は陰性証明書が要らなかったし
(日本入国には今回も必要だったけれど)
今回はワクチンパスポートすら不要
(ノルウェーは全ての規制を撤廃済み)

まだ外国でのロックダウンのニュースを目にしたりはするものの
危機は乗り越えた気がしてうれしい

それでも
地元から空港行きの高速バスはまだ運休中でしたので
来た時と同じように電車で成田へ向かいます

7人掛けのシートに座っている乗客7人が全員
スマートフォンと向き合っている光景には
いつまでたっても慣れなくて
ついジーッと観察してしまいそうになるのをなんとか目をそらしつつ
こういうのってウイルスより怖かったりして…と思う昭和生まれは
わたしだけでしょうか

昔読んだ京極夏彦さんの小説にそんな未来があったなー
人間がみんな生まれながらにデバイスなしで
デジタルにアクセスする能力を備えているというような…
(うろ覚え)



そうそう、昔はよく電車の中で
本を読んでいる人を見かけたよね…

成田空港に着くと
出発ロビーも以前よりも確実に人が増えていて
チェックインカウンターには少しですが列ができています
(それが普通であることを思い出す)

ふと前方に
服や荷物にオレンジ色が目立つグループがいて
あら、オランダ人アスリートぽいわ、と思っていたら
カウンターを離れる時に大きな預け入れ荷物が目に留まりました



おお、やっぱりチーム・ネザーランド
オランダも直行便がないのかな?
ちょっと親近感

ヘルシンキから日本行きの飛行機は
南寄りのロシア迂回ルートで13時間かかりましたが
帰りの予定飛行時間は13時間20分

行きより帰りの方が長いせいなのか
いつも具合が悪くなるのは帰りの便…
いつだったか頭痛がひどくなりすぎて
酸素吸入をさせてもらったことまであります

ところが
離陸して機内アナウンスが航路を説明するのを聞くと
なんと北極回りで12時間の飛行時間とのこと

えー!
早い!
うれしい!

日本のすぐそばの太平洋上空を北へ飛んで
アラスカをかすめてそのまま北極海へ
ノルウェー北部を通ってフィンランドに入ります



夜便だったのでほとんど寝ていたし
時折のぞいた窓の外は雲海で何も見えませんでしたが
自分の身体が北極を通過したと思うと
いつもと違った新鮮な気分



飛行時間も終盤になったころ
乗務員さんが1人1人にディプロマを配ってくれました



飛行距離が長くなったことに加えて
今後は燃油費もかなり上昇しますから
今までのようにリーズナブルな航空券は買えなくなるでしょうけれど

なんとか日本路線を確保して
少ない乗客を乗せて運行を続けてくれているフィンエアーには
とても感謝するとともにこれからもずっとお世話になりたいと思います


(今回はフィンランドのお菓子ではなくブラックサンダー)

出歩かないのも悪くない

2022-05-15 19:15:00 | 一時帰国 temp. return
2020年の春以来
日本にいる間に都心へ出歩く回数および人と会う回数が
ぐっと減ったわけですが
なんだかすっかりそれに慣れてしまったような実感があった
今回の日本滞在でした

外食をしたのも片手で足りるほどかな?

実家から歩いて行ける近くのお寿司屋さんと…


(とろけるトロは至福の一貫j

ご近所さんが連れて行ってくれた
絶品の貝出汁ラーメン屋さんと…


(こちらも徒歩圏内、リピート決定)

実家の修繕に必要なものを買いに行った
ホームセンターのある建物内のインドカレー屋さんと…


(ラッシーも付けて1000円とお手頃)

息子の勤め先のエスニック料理屋さんと…


(息子が作るので外食感は薄め)

あとは高校時代の女友達が集まってたっぷりと充電をした
富山は立山町のヘルジアン・ウッド



自然の恵みがぎゅっと詰まったランチとデザート
それから眺めているだけで心が洗われるような立山連峰


(新幹線からの写真)

駅のお土産屋さんで買ったパックの巻き寿司でさえ
すごく新鮮で美味しくて
やっぱりいいなあ、富山



一度だけ
水戸在住の友人が東京方面へ出てくる用事があるというので
東京駅で会って食事をしたのですが
まあ、目の回りそうな数と種類の店舗と人いきれ…

友人との時間だからとても楽しかったけれど
1人だったらただただ疲れそう、と思いました
やっぱり年かな…


(実家近くの景色もなかなか)

高齢だけどまだ2人でなんとか元気に暮らしてくれている両親と
こちらもかなり高齢になってきたヒコ(13歳)と過ごせることが
いちばんだし


(和室に入ってはいけないことを知っているけど気になる…)

ちょうど滞在中に26歳のバースデーを迎えた息子とも
かろうじて会えたのでヨカッタ



近いうちに
多忙な妹ファミリーとも都合がつくといいなあ

次に帰ってくるまで
みんなどうか元気でいてね


日本でウクライナ

2022-05-15 13:05:06 | 一時帰国 temp. return
日本での滞在は
飛ぶように日々が過ぎていきます

ノルウェーへ引っ越してすぐの頃のように
多くの友人に会ったり買い物に出かけたりもしていないのに
この「あっという間」感ときたら…

おかしいなあ…
年のせいかしら…

そして滞在のたびに長くなっていく
ヒコと日向ぼっこの時間



通りがかる近所の人になでてもらったり
よく知っている人からはオヤツをもらったり



ちょっと通りへ出ると
登下校中の小学生に囲まれてこれまた楽しい〜



でも8割くらいは駐車場でマッタリ
庭の方が芝生で気持ちいいのにナゼ…



わたしは本やiPadやレターセット
それから座布団を持って出て
車止めのブロックに腰をおろして番人です

この1ヶ月のあいだヒコと表にいる以外は
家でメルカリをしたり実家の片付けや修繕をしたりで
恒例の富山行き以外はほとんど出かけませんでしたが
ゴールデンウィーク中にたまたま
近所の区民ホールでイベントがあったので行ってみました



ウクライナ人の伝統工芸品を作っているというソロツカさんは
なんとビックリなことに同じ区内に住んでいらっしゃるとのこと
在日16年でとても流暢かつ丁寧な日本語



個人でたくさんの展示用写真を用意されて
またウクライナの伝統文化の紹介のために
それはそれは美しいろう結染めの卵をたくさん展示して
作り方や伝統についての話も聞かせてくださいました



イースターエッグに似ていますがそれよりもずっと古く
単なるデコレーションではなく「お守り」のピサンキ



仕事帰りに駆けつけたという2人の娘さんとご主人の4人
家族総出で一生懸命に理解と支援をお願いする姿に
胸が熱くなったのはわたしだけではないはず



会場からのどんな質問にも全員で全力で答えてくださり
ときどき笑いも

1日2回の講演には合計130人ほどが足を運んで
32万円超の寄付金が集まったと後で新聞のローカル記事で知りました

日本ではノルウェーほどあちこちで「ウクライナ」を目にしないな…と
成田空港に着いた時から少し淋しく感じていたのですが
自己主張をしないからといって関心が薄いわけではない、という
日本の奥ゆかしさを改めて思い出しました

息子の顔を見に職場のカフェへごはんを食べに行ったときにも
特別メニューの案内や募金箱がそっと…
店員さんからは一言もなくても伝わる支援の気持ち



グローバルダイニング・グループの飲食店でお食事される方
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