東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

あたたかい秋

2022-11-15 10:13:34 | ノルウェー山暮らし fjellgård
日本からこちらに戻った10月の半ばすぎ
気温は氷点下のあたりをウロウロしていて
すっかり初冬の様相を呈していました



水辺は氷の祭典みたいになっているし



山を少し登れば小径がぜんぶ凍っているし



澄んだ空気の晴れた夜には満天の星とオーロラで
もう秋は終わってしまったと思っていました


(iPhoneでブレブレですが…)

ところが11月に入ると風向きが変わって
南から暖かくて湿った風が吹き込み
あれよあれよという間に気温は10℃近くまで上がり
フィヨルドに近い職場のある町ではなんと18℃の日まで



去年の今頃はちょうど3度目の雪が降ってあたりは雪景色だったし
一昨年も11月半ばといえばまとまった積雪の予報に
雪への備えでバタバタしていた頃です

ううーん
異常気象なのか単に雪が遅いだけなのか…

野生の動物や鳥や植物たちはどんな冬になるかをあらかじめ知っていて
たとえばリスが木の高い場所に木の実を隠していれば大雪ですし
ナナカマドに普通の量の実がつけば雪の量も普通です



ナナカマドといえば
家の近くにあるナナカマドの大木はいつも秋になると赤い実が鈴なりで
小鳥たちがよく食べにくるのですが
今年は実が一粒たりともつきませんでした

そんなことは引っ越してきて以来初めてのことで
今年は例年とは少し違う雪の降り方になるのかもしれないと
ちょっと心配をしています…


(馬に聞いてみるものの返事なし)

甘いケーキ

2022-11-12 22:18:02 | ノルウェーの食べもの mat
外国のチョコレートは甘ったるい、と
常々思っていました

今もここで手に入るスイーツは全体的に甘すぎると感じますが
慣れというのは恐ろしいもので
濃いコーヒーと一緒にならそう悪くないと思うようになりました


(職場で同僚の誕生日に休憩室に用意されていたケーキ)

お祝いの席やパーティーでは
こんな感じのマジパン・ケーキが一般的で
各自が自分の食べたいだけ取るのが普通


(丸いケーキも放射線状に切るとは限らない)

初めのうち全く食べる気がしなかったマジパン・ケーキも
今はわりと好きと言えなくもないかも
本当に慣れってすごいですね

マジパンの主原料はアーモンドプードルですけれど
そういえばここの人はこの材料をよくお菓子に使います

ナショナルデーやクリスマスの定番の
ツリー型に積み上げて作る焼き菓子のkransekakeもそうですし
suksesskake(サクセス・ケーキ)という名の
文字通り失敗のないおもてなしケーキも
小麦粉は使わずアーモンドプードルをたっぷり使います


(甘すぎるので少し酸味のあるベリーが合うsuksesskake)

ちなみにケーキを食べるカトラリーのデフォルトはティースプーンで
日本でフォークと一緒にケーキを出されると
あっ…と一瞬フォークを見つめたりすることも
本当に慣れというのは…(以下省略)



でも改めて考えてみると
スプーンで食べにくい思いをすることはほとんどないので
ここで食べるケーキはすごく甘いだけでなく
総じて柔らかめであることに思い当たりました

日本から戻ってしばらくは
ノルウェーのケーキのガツンとした甘さにクラっとして
一口ごとにコーヒーに手を伸ばしつつ
繊細でバリエーション豊かな日本のスイーツに思いをはせてしまいます


(意外と美味しかった笹団子が丸ごと入った笹団子パン)

秋の渡航の備忘録 その2

2022-11-04 23:52:36 | 一時帰国 temp. return
今年の春の一時帰国では
ヘルシンキから日本へは南回りの空路でした
黒海の上を飛んでウクライナのことを考えていたことを思い出します
あの時にはまさか戦争がこんなに長く続くとは思ってもいなかったのに…

今回のフライトは往復ともに北極ルートでした
事前にワクチン3回接種の登録を済ませてあったので
成田では検査もなくとてもスムーズに入国
ああ、ようやくこの日が来た!と感慨もひとしお

着いた日は9月も半ばを過ぎているのに気温30℃でちょっとビックリしましたが
おかげでアイスコーヒーのなんて美味しいこと!


(ノルウェーでは1年じゅうどこへ行ってもホットコーヒー)

日本で食べた美味しいものは数えきれないほどありますが
富山空港にあるとやま鮨 空港店 たねやでいただいたお寿司は忘れられないもののひとつ


(カニ、おススメです)

地元にもコスパの良い小さなお寿司屋さんがあちこちにあるし
どうしたってノルウェーで西洋風にアレンジされたお寿司を
大枚をはたいて食べる気にはなれないなあ…と再認識


(その日の大将の気分でおまかせの海鮮丼)

去年は食べそこなった生牡蠣も堪能したし
何人かの友人と久しぶりに会ってたくさん話ができたし
実家の手伝いもいろいろと進めることができました



成田からヘルシンキまでの帰りのフライトは11時間15分
予定の13時間から大幅に短縮
フィンエア、やるね〜

夜出発便でしたので食事をしながら映画を1本観たらおやすみモード
うつらうつら寝たり起きたりしつつ
ふとフライトの進捗をスクリーンで見たら
北極に限りなく近くを通っている瞬間だったので思わず写真を撮りました


(ピンボケしていますが北緯89度28分48秒)

窓の外を見ても何もナイ…
これが北極海か…



早朝のヘルシンキに着くと
機内から一歩ボーディングブリッジに踏み出した瞬間から
冷気を感じて眠気が覚めました


(2℃です…)

パスポートコントロールの向こう側にある
混み合っているであろうシェンゲンエリアへ行く前に
ガラガラの長距離便エリアの休憩場所でゆっくりと身体を休めて
さて、そろそろ手続きに…と向かうと
なんとパスポートコントロールが閉まっているというサプライズ!

そんなことがあるなんて知らなかった…

わたしの他にも何人か待っていてみんなやや心配な様子です
そうよね、みんな乗り継ぎあるもんね

係員を見つけたので尋ねると「6時に開くよ」とのこと
わたしのフライトは7時半頃でしたのでもちろん十分間に合いましたが
せめて何時に開くかくらい案内板を出しておいてくれてもよかったのでは…

無事に入国審査が済むと案の定反対側はすごい人ごみで
軽食をとりに寄ったフィンエアのラウンジも
空いている席を見つけるのが難しいほどでした


(普通のカフェのようなフィンエアのラウンジ)

ノルウェーに引っ越して7年近くになるので
一時帰国は14回目かな?
予期しないことがいろいろと起こったこの3年間で
改めてヨーロッパと日本をつなぐ空路に感謝するようになりました

航空運賃が上がってもサービスに変化があっても
それには妥当な理由があるのだと思うので
これからも定期的に帰国できるように
毎月の貯金の額を増やして備えようと思います

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