東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

レフセ

2017-11-25 22:17:30 | ノルウェーの食べもの mat
ノルウェーの代表的なお菓子のひとつに
レフセというものがあります

うすーく焼いた生地にクリームを塗って折りたたんだ
柔らかいお菓子です

市販では lefsegodt という名前のものが有名で
シナモンクリームが人気

このレフセを家で作る場合は
takke という専用の鉄板が要り用になります

うちにはその鉄板がないんですけど
ご近所さんでカフェをやっている人のところに
その鉄板のうちでも最大サイズのものを装備した
専用の古い焼き小屋があって

「レフセ焼くけど一緒に作りにこない?」

とお誘いを受けたので
行ってきました

今回教わったのは
地元伝統のポテトレフセ
食事にもオヤツにもなる万能選手です

茹でて潰した大量のジャガイモに
小麦粉と塩と発酵乳(飲むヨーグルトのようなもの)を混ぜただけの
いたってシンプルな生地を
うすーくうすーく伸ばして焼きます



直径20cm強の普通サイズと
直径40cmくらいの大判のクレープみたいなサイズの
2種類作りました



油はひかないのですが
くっつかないんですよね、不思議と
そして焼きあがるとちょっとモチモチした食感で
つまみ出すと止まりません

自宅に小さめのtakkeを持っているひとは割といるようですが
これくらいの大きなtakkeを備えた昔ながらの焼き小屋(eldhus)は
今はもうあまり残っていないそうです



広い作業台や
生地を扱うのに使う木でできたいろんなツールなんかが揃った
こんな場所があれば
気軽にレフセ焼こうかなーという気になるかも
(何といっても生地が簡単)

「レフセ焼きたくなったらいつでもここ使っていいわよ」

と親切に言ってくれるご近所さん
ありがたい限り

でも冬は家から重装備でATV(All Terrain Vehicle)で30分かかるんで
春にきます、たぶん

眩しい冬

2017-11-21 23:57:50 | ノルウェー山暮らし fjellgård
北欧の冬は長くて暗い
太陽が昇らない日がわたしの住む場所では10週間
冬至の頃になるとおもてが明るいのは5時間程度

ですが

11月の今はまだ
直接日光が差さなくても
山の向こう側から雲に反射して届く光はかなり明るくて
おまけにあたり一面が雪で真っ白なので
一歩外に出ると眩しい限りです

気温はマイナス15°C前後まで下がることもあり
ちょっと表の空気を…とか
ちょっと納屋に薪を取りに…とかでも
防寒具をしっかり装着しないといけないのがやや手間ですけれど

それを補って余りある
うっとりする冬の景色

森の木々1本1本の
粉雪をまぶしたような雪化粧が
家の中からiPhoneで撮った写真には写らずお伝えできませんが



例えれば
極細の銀色の糸で編んだレース編みみたいな感じ

ほかにも
朝、寝室の窓から見える青空と朝焼けや



雪の上に点々と散らばる動物の足跡や



そこはかとない夕焼けや


(朝焼けと同じ北北東の方角の空です。不思議)

それと
これはどうしても写せないんですけど
青空から作り物のようにゆっくりと降ってくる
日光の反射を受けてかすかに光る淡雪の綺麗さは
もう格別です

ああ、フォトグラファーになりたい…

生イースト

2017-11-20 14:08:34 | ノルウェーの食べもの mat
日本にいたときはずっとホームベーカリーでパンを焼いていました
イーストはサフというメーカーのドライイースト

今もパンを焼くときはドライイーストを使っていますが
あるとき知人から教わったレシピで菓子パンを焼いたときに

「イースト 50g」

と書いてあったので
多いなーと思いつつ
1袋12g入りのドライイーストを4袋使って作りました
(ちなみに小麦粉は12デシリットル、つまり約1kg)

これが普通にふっくら美味しく焼けたので
イーストが多いなと思ったことはすっかり忘れていました

先日、今度はインターネットのレシピから
別の菓子パンを焼いてみようと思って
分量と作り方を読んでいたらまた

「イースト 50g」

の文字が

これってさー
小麦粉1kgに対して多くない?
いつも焼いてるパン
小麦粉2kgで12gしか使わないのに

普通のパンと菓子パンでそんなにちがう?



そもそも菓子パン用のイーストは食事パン用より値段が高いのに
1回のベーキングで4袋も使うなんてやっぱり変じゃない?

ふと思いついて
イーストの箱の裏面に何か利用方法について書かれていないか
探してみることに

例えば小麦粉何キロに対して1袋、とか
きっと書いてあるはず



「ドライイースト1袋は生イースト50gに相当します」

そういうことか…

レシピに「イースト50g」とあったら
それは生イーストのことなのね

生イーストは安いけど
冷蔵庫保存で使用期限が短いため
今まで使うことを考えたことがありませんでした

でもせっかくなので試してみよう!



温度にデリケートみたいだし
上手く扱えるかなー?

レシピをちゃんと読んでシナモンロールに挑戦



ちゃんと焼けたわ
生イーストいいかも…

車が通れなくなる日

2017-11-18 23:21:24 | ノルウェー山暮らし fjellgård
去年は確か年末まで車が通れていた
ふもとから自宅へと続く約5kmの私道
今年はもうATVの出番となりました



先月から何度となく雪が降ってはいたものの
積もってはすぐに溶けていたので
先週末ご近所さん(5km先)の娘さんの誕生パーティーに出かけたときは
なんとか車(スパイクタイヤにチェーン装着)で下山できました

ちなみに娘さんは13歳
趣味は射撃
地元のクラブでも群を抜いて成績が良く
よく遠くの大会にも出場しています

そんなわけでテーブルには空の薬きょうのデコレーション



近い将来
バイアスロン(スキーと射撃を組み合わせた競技)選手になって
オリンピックに出るかも
今のうちにサインもらっておこうかな

話がそれましたが
そんなわけで先週は
ちょっと小ぎれいな格好で出かけることも可能だったわけです

が、もうムリ

囲いのない乗り物でときには吹雪の中を走るので
ひたすら防寒と防雨に徹したアウトフィット
顔面は鼻しか露出していないような怪しい外観です
運べる荷物にも限りがあるし本当に不便…

でもATVを買う前は
相方も義理の両親も
雪山を徒歩かスキーで往き来していたことを思えば
ATVさまさまです
(しかもじゃがいもとか牛乳とか食料をリュックに背負って…)

それに今年は
車よりもATVのほうがありがたいことが1点

道路との段差が大きすぎて車では渡れなかった未完成の橋を
ATVのキャタピラでなら登り下りできるため
橋と家の間の約400mの坂道を歩かなくて良くなりました
嬉しい!

たった400mで?と思われるかもしれませんが
行きは朝だし下りだしでへいちゃらな道が
1日仕事して1週間分の買い出しして
銀行や郵便などの用事を済ませて
日がとっぷり暮れたあとで大量の荷物と共に歩く上り坂となると
もう修行に近いんですよ、これが

リュックしょってヘッドライトつけて
足元を見ながら滑らないように一歩一歩
永遠のように感じる数十分間

でもそんな愚痴も

360度自然しか見えない周囲の景色の美しさや
混じりっ気なしの静寂や
さまざまな野生動物との遭遇や
眩しいくらいの満天の星やオーロラや

日本にいたときには想像もできなかった
働き方や日々の暮らし方の前では
小さいことに違いなく

わたし自身の修行が足りないんだろうなあ…



バスルームの窓から
鹿の訪問の痕跡を見たりすると
ここで暮らせる幸運をしみじみ感じるんですけどね

合格

2017-11-17 22:56:47 | ノルウェー語 norsk
先月の最終週初めに受けた
社会学習の試験

同じ週の木曜日に受験したオスロ在住の知人が
1週間経たないうちに結果を受け取っていたのですが
遅れること約10日
うちにも通知が届きました

郵便物は全て
自宅から約10km離れた村で一軒の小さなストア併設の私書箱に届くので
週に1回くらいしかチェックに行けません

お店の人に挨拶をして
私書箱から郵便物を取り出して
その場で開封



5列並んでいるうちうえの4つは昨年受けたノルウェー語の試験結果で
それに追加される形で最下段に

社会学習試験
(言語 : ノルウェー語 ボークモール)

と書かれていいます

右の bestått が passed の意味なので無事合格!
この紙は永住権申請時に活躍する(はず)なので
大事に取っておかなければ

店内にいた仲良しのご近所さんに
見て見てー!受かってました〜!
とみせびらかしては
おめでとう!とハグをしてもらうこと数回
(田舎なのでみんなわたしが受験したことを知っている)

お祝いに何か美味しいもの、と思い
普段買わない市販のチョコレートプリンを買いました



なんかクジ付きだし
ラッキーついでにクジにも当たらないかなあ…

7人の小人

2017-11-15 23:14:06 | ノルウェー山暮らし fjellgård
引っ越してきてすぐに
こちらの衣類の収納方式に軽くショックを受けました

あちこちの壁にフックが山ほどあって
なんでもかんでも引っ掛けてあります

玄関入るとジャケットやコートが壁一面にズラリ
滅多に使わないものも季節はずれのものも
一年中だしっぱなし
冬の必須アイテムニット帽や手袋も一緒に引っかかっている

バスルームは着替えをする場所なので
昼間は寝巻きがぶら下がり
寝巻きに着替えるとその日着ていた服がかわりにぶら下がる

ここまでは百歩譲ってよしとします

問題は
ここで着替えた服が全て
洗濯室へ運ばれることもクローゼットに戻されることもなく
ただひたすら洗濯を決行する日まで
あるいは次の出番までフックに引っかかりっぱなしということ

作業着、仕事に着ていく服、友人を訪ねる用のちょっといい服
それぞれインナー、アウター、ボトムスすべてが
フックに山盛り

加えて
防寒着にレインジャケットに膝当て付きのチェーンソー用ズボン
ついでに言うと長靴やブーツなどの履き物も
ところ狭しと置かれている


(ほんの一部です)

これではまるで
大人のグリム童話よろしく
7人のドワーフと暮らしているみたい
(実際にはわたしと相方の2人世帯)

原因は明白で

相方のお着替えルールがやや複雑なことと
相方の衣類洗濯頻度が極端に低いことと
乾かすためにつっている雪に濡れたアウターや靴や小物を
乾いてからも所定の位置に戻さないこと

ちなみに下着のたぐいも

1. 寝る時用
2. 普通用
3. 作業用

の3セットを用途によって着替えているので
着用していない2セット(しばしば洗濯待ちも含めたそれ以上のセット数)が
ぶら下がりまくっています

ここはバスルーム
いわばプライベート空間
基本的には家族しか入らないわけで
彼らの風習に文句のつけようもないんですけど

散らかりすぎて掃除がしにくいうえ
物が多すぎて落ち着かない

物にはそれぞれ所定の位置を決めて
使ったらそこに戻す、というのが
片付けの基本だと思うんですけど

この国には5Sはない(特に清潔と躾)

ため息を飲み込んで
空を見上げては気を紛らわせる冬の日
太陽の光が雲に映ってきれいだわ…



クリスマスシーズン

2017-11-14 18:56:51 | ノルウェーで手芸 håndarbeid
11月に入るともうクリスマスシーズン
テレビのコマーシャルもクリスマスプレゼント商戦
小麦粉のパッケージもクリスマス仕様


(左がすこし前までの普通バージョン、右がいま店頭に並んでいるパッケージ)

そしてあちこちで
julemesse と呼ばれるクリスマスマーケットが開催されるようになります

この julemesse
去年は地元の1ヶ所に参加してみたのですが
今年はちょっと足をのばして複数の場所に出店する予定です

夏のイベントで販売した時に
ネックレスとピアスをセットにして
OPP袋に入れたものがよく売れたので
今回もクリスマスギフト用に簡単なラッピングをしたものを
多めに並べてみようかと計画中



おりがみ教室用にオスロで買ったニセ折り紙
ペーパークラフトに大活躍

ちまちまと紙を切ったり折ったり貼ったりしていると
子どものころ見ていたテレビ番組のテーマ曲が脳内リピート
(もちろん「できるかな」ですが昭和世代限定ですよね、これ…)

あとは
人寄せ(子ども向け)の安いビーズのリングも
スタンドを作って乗せてみると
こころなしかクリスマスっぽさがアップ



あまりディスプレイにこだわらない地元の人を
見た目で呼び込むことができるのか⁉︎
今年のマーケットの試験テーマです


小さい鹿

2017-11-10 16:48:56 | ノルウェーの動物 dyr
うちの周りにいる鹿は大きく2種類に分かれます

秋にうるさい普通の鹿は hjort (ヨット)
バンビみたいに可愛らしい小型の鹿は rådyr (ローディール)

どちらもおしりが白く
日本の鹿とは全く異なる種類だと思います

ヘラジカとトナカイが
森や山から出てくることがまずないのに対して
hjort と rådyr は家の周囲を囲っている柵の内側まで果敢に攻めてきます



夏の間、羊よけに閉めている2箇所あるゲートは
冬になると雪対策のため取り外しておくので
朝起きるて窓の外を見ると
雪の上にウサギやキツネなどの足あとがよく残っているんですけれど
ここのところ rådyr が毎日のように来ています


(2階の窓から白いおしりが3つ)

彼らの目的はもちろん草
周囲が一面枯れた黄土色の草なのに対して
家の近くは暖房のため雪の下でも緑色の草が生えていることを
よく知っています

相方が言うには
今ここで栄養価の高い草を食べておくことが
あとで食べるものがなくなったときに生死を分けることもあるのだとか

ちょっと薪を取りに行こうと表に出て
玄関ドアをバタンと閉めたら
あわてて駆け出していく白いおしりを見たりして
ああ…ごめんね、と反省


(バスルームの真裏に多い足あと)

心おきなく草を食べてもらうべく
外が暗い間はなるべく大きな物音をたてないよう
静かに暮らそうと思います


(ネズミの足あとにはチッと舌打ち)

トム・クルーズ in Norway

2017-11-10 00:46:30 | ノルウェー Norge
何気なくテレビを見ていたら
「ミッション・インポッシブル 6」の撮影で
トム・クルーズがノルウェーの断崖絶壁を登ったとのニュースが!


(画像はNRKのウェブサイトより)

スタントマンを使わないことで有名なトム・クルーズ
このたびも危険なシーンに自身で挑戦したのだそうです



観光地としても有名なこの場所はフィヨルドで
水面から約600mの辺りにトム様がいる様子

ノルウェーは北欧の中でも
いろいろな意味でマイナー度ナンバーワンだと思いますが
ときどきハリウッド映画のロケ地になったりしているんですよね

昔の「スターウォーズ 帝国の逆襲」の
氷と雪の惑星のシーンとか
「ライラの冒険」のスヴァールバルとか

トム・クルーズのミッション・インポッシブルシリーズは
確か3作目くらいまでしか観た記憶がなくて
次回作が6作目ってちょっとビックリ

ノルウェーロケのシーンが見てみたいので
こんど一時帰国したらTSUTAYAで4作目と5作目を観て
本作が公開されたら忘れず観に行かなければ!



太陽とのお別れ

2017-11-08 11:57:08 | ノルウェー山暮らし fjellgård
早いもので11月も1週間が過ぎました

朝ゆっくりめに起きてもまだ日は山の向こう側




遠くの谷間の一部に陽が当たってる
いいなあ、あそこ…

納屋に薪を取りに行くついでに家の周りを少し歩いて
空模様を見てみます



曇りがちでも青空が見えているので
陽の光がうちまで届く可能性はあるんだけどなー

薪ストーブをつけて
お湯を沸かしてお茶を入れて
ネットで日本のニュースをチェックしていると

唐突に周囲がパアーッと明るくなって
窓から太陽の光が差し込みました

あわてて
うちで唯一の観葉植物を南の窓辺へ持って行って
陽に当てます



ちなみに
10時45分からほんの5分ほどという
本当に束の間の日光浴でした

気がつけば
太陽との別れの時期がもうすぐそこまで来ています

あと1週間もすれば
太陽のルートは南の谷より低い位置に下がり
約10週間戻ってきません

そろそろビタミンDのサプリメントを摂らないと…

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