東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

春の森は長靴で

2020-04-30 23:57:21 | ノルウェー山暮らし fjellgård


朝もやというか
谷から立ち上って来る霧が
朝日をさえぎるほど濃いこともあるこの頃

暦の上では春のど真ん中
あちこちで雪がどんどん溶けています



運動がてら森を歩くのに
陽気に誘われてうっかり軽装で出てしまうと…



急に雪が残っている場所に出て
ショートブーツの中に雪がジャリジャリと入ってきたりするので
足元はしっかり固めて出るにこしたことはありません

少し斜度のある場所を歩いているうちに
知らず結構な高さまで来てしまって
気付いたら雪の深さが膝まで沈むほどだったりも



先日もたまたま知人のロッジが見えるところを通ったものの
長靴でもスノーシュー仕様でもなくて
その先一歩たりとも進めずしぶしぶ迂回しました



日当たりの良い場所ではエリカが小さな花をつけていて
夏の足音が聞こえそうなんですけれどね

かと思えば
まだ雪が降ったりもするので気が抜けません



それでも
気温が一桁でも冬の凍てつく寒さはもうなくて
いつまででも外にいたい気持ちのいい季節です


まだ白い

2020-04-29 18:54:03 | ノルウェーの動物 dyr
夜のあいだ気温が氷点下にならない日々が続いて
家の周りの雪も目に見えて減ってきています



残った雪の上はウサギの足跡がいっぱい
彼らはまだ雪の上が保護色に最適と知っているらしい



相方が先日ふもとで見かけたウサギには
すでに少しマダラな部分があったと言っていましたが
きのうわたしが家のそばでウサギを見たときはまだ全身真っ白
テリトリーの雪の残り具合で毛の生え変わる時期も違うのかな?



バスルームの窓の下あたりにリンゴの皮を置いておくと
外が暗い間に食べにきて
かわりに可愛らしい置き土産を残していってくれます



よほどリンゴが好きと見えて
窓の内側から見ていても気付かずに(あるいは気付いていても構わずに)
一心不乱に食べています

(バスルームの窓からどんなふうにウサギが見えるか
よかったら去年の記事をご参照ください)



薪を乾燥させるためのこの小屋が
一昨年の初夏に初めて子ウサギ兄弟が出没し始めた場所で
以来ずっと続いているピーターラビットな日々
オーロラに勝るとも劣らないここでの暮らしの特権です

野菜スープ生活

2020-04-26 22:38:02 | ノルウェー山暮らし fjellgård
一時帰国ではいつものとおり
日本の美味しいものをたくさん食べました


(家で食べるただのお刺身サイコー!)

滞在中に外出規制がどんどん強くなって
友人と会ったり食べ歩いたりはほとんどできず
外食の機会は数えるほどでしたが



山里カフェのヘルシーなランチは至福のひとときで
ここで食べられただけでもう大満足


(窓の外はほんとうにのどかな山里)

そして
こんな素敵なカフェを予約してくれた健康志向の高い友人たちと
健やかさを保つのに良さそう!と情報を共有したものがあります

それは野菜スープ

野菜をなるべく丸ごと(皮やヘタをとらずに)水だけで煮込むだけという
レシピもあってないような簡単の極みのようなスープですが
これが目からウロコの美味しさですごく気に入りました

今まで野菜を使ったスープを作るときはブイヨンを使っていて
さらにベーコンなど少し肉けというか油けのあるものを一緒に煮ていました
もちろん塩コショウなどの調味料も

でも野菜を水だけで煮込んだスープは
味付けをなにもしなくても贅沢なスープストックのようで
すーっと身体に入っていきます

使う野菜の種類によって味が変わるしアレンジも自由自在
いま特に高く維持したい免疫力に効くファイトケミカルもたっぷり
ノルウェーに戻ってきてからも毎日続けています



なんといってもぶつ切りにするだけでいいというのが
続いている1番の理由かも

この野菜スープのおかげかどうかわかりませんが
いつもは日本からノルウェーに戻るとしばらく時差ボケで疲れやすかったり
食べるものがガラッと変わるせいか便秘がちになったりするのが
今回はちっとも影響ナシで体調もずっといいのです



これからまた高脂肪の乳製品が多めの食生活になりますが
体調を整えてくれる野菜スープは心強い味方になってくれそうです

無事帰宅

2020-04-25 09:08:39 | ノルウェー山暮らし fjellgård
ガーデモエン空港から自宅のある地元の村の入り口までは
車で6時間くらいかかります

ドーハからの飛行機がオスロについたのは午後遅い時間だったので
その日は空港近くのホテルに一泊



駐車場といいロビー脇のカフェといい申し訳ないくらいガラガラ
それなのに営業してくれていてありがたい

この様子では朝食は出ないかも、と思っていましたが
ビュッフェこそなかったものの
レセプションに小ぶりな紙袋が用意されていました

中身はパン、バター、チーズ、ハム
それからオレンジが1個とシリアル付きヨーグルトとオレンジジュース
カフェのコーヒーや紅茶用熱湯のサーバーは準備されていたので
おいしい朝食をゆっくりいただけました

出発してしばらくはうららかな春の景色で
車内はTシャツでいられるくらい



途中で寄ったスタンドでは
入り口にアルコール消毒液が置かれてあったり
働いている人がマスクと手袋を着けていたりして
ノルウェーも予防のためのマスクが定着してきたのかと思いましたが…



だんだん周囲が雪景色に変わり
地元まであと30分というところで買い出しのためにスーパーへ立ち寄ると
(わたしは隔離中の身なのでトイレ使用のみ)
マスクをしている人なんて1人もいない…

まるでいつも通りの様子で
表のベンチでアイスクリームを食べている家族とかいて
緊張感ゼロ
オスロとの違いにちょっとビックリ

ようやく村へ着くと雪がたっぷりで気温も13℃
でも太陽はまだ高くて陽射しが気持ち良かったので
スーツケース類と一緒にトラクターのフロントシャベルに乗っかって
久しぶりの大自然を満喫しながら家までの5kmを進みます



相方が要所要所で除雪のために
トラクター後部に取り付けたプローを操作しながらゆっくり運転するので
わたしはちょいちょい散歩がてら歩いたり

家に着いて少し荷ほどきをしたりしていて
ふと時計を見るともう9時

えっ?ウソ
だってまだ外がこんなに明るい…



日本へ発つ前は春分もまだだったのに
7週間の間に白夜の気配がこんなに近づいていたなんて

どうか
秋分の頃には
日本への一時帰国が普通にできるくらい
世界が落ち着いていますように

ガーデモエン空港で入国審査

2020-04-23 12:28:43 | 一時帰国 temp. return
成田からまるまる一昼夜かかって
ようやくオスロのガーデモエン空港に着いたときのこと


(緑の多い見慣れた景色にホッ)

いつもならヘルシンキで入国審査を済ませるので
オスロでは国内線で到着したような気軽さなのですけれど
今回はキッチリ手続きがあります

入国審査の管理官との間には分厚い透明なパネルがあって
ちょっと声が聞こえにくい…

パスポートの写真と照合するためにマスクをあごまで下げて顔を出し
空港には夫が自家用車で迎えにきていること
まっすぐ家に帰り自宅隔離に入ることなどを伝えてスムーズに終了

そして次はちょっとドキドキのヘルスチェック

と思っていたのに
あれれれ?これでいいの?というあっけなさ

カウンターや窓口があるわけではなく
ただ男の人が1人通路脇に立っていて
症状がないかと2週間の自宅隔離について承知しているかを聞かれただけで
ものの15秒くらいで終わりました

検温もなければ
(どこかにサーモカメラがあったのか?)
渡航歴も聞かれず書類への記入や署名もナシ


(渡された紙も「詳細はウェブへ」だし…)

気分的には拍子抜けですが
同時にちょっと不安な気持ちにも

具合が悪い人でも黙っていれば検査を受けずに空港の外へ出られちゃうのでは?
なんならそのまま電車に乗ったりできちゃうのでは?

なんだか急に
ああ、ノルウェーに戻ってきたなーという変な実感が湧きました


ドーハからオスロへ

2020-04-22 11:43:23 | 一時帰国 temp. return
成田空港のチェックインカウンターで

「ドーハは初めて経由するのですが何か気をつけることはありますか」

と尋ねたら

「アナウンスがないので搭乗時間に気をつけてください」

と言われたのですが…

本当に静かなドーハのモハド国際空港


(アート?意味がよくわからないけどクマ?)

1時間に1回くらい
手荷物から目を離さないように、とか
喫煙は所定の場所で、といった
ごく短い放送があるだけで
出発便についてのアナウンスはありません

待っている人の多くは外国人
みんなここを経由してやっと目的地に着けるのかな…



しばらく休んで気分がすっかり良くなったところで
ずっと座りっぱなしでこれからもしばらく座りっぱなしなのだから
ちょっと身体を動かしておこうと反対側のウィングまで歩くことに



営業していたら入ってみたいお店がいくつもありました

歩き回ったら喉が渇いたので
なにか冷たい飲み物を求めて再びスターバックスへ
通貨がわからないので値段が一切わかりませんが気にしません



小さなアラビア語併記がかわいらしいレモネード
レシートには QR 10.00
あとで調べたらカタール・リヤルというのですね
ひとつ勉強になりました



機内は成田からの便と同様申し訳ないほどガラガラ
それなのに機内のサービスはとても充実していて
朝食や軽食でも数種類の中から選べます

食事の時に飲み物を聞かれて白ワインを頼んだら
なんとボトルを見せて説明したあとそれでいいか確認してから注いでくれてビックリ
(もちろんエコノミークラスです)

それから何というか
客室乗務員さんの感じや何かがやたら優雅なのに
セーフティービデオはコミカルな仕立てでちょっと面白かったりして
なかなか興味をかき立てられる航空会社

窓からの景色は初めて見るペルシャ湾
きれいなエメラルドグリーンの海や白い砂浜の人工島
それから高層ビルの群れ



中東にはこれまで興味を持ったことがなかったんですけれど
カタールはいつかバカンスに来ることができたら楽しそうな場所です

カタール航空でドーハへ

2020-04-20 13:29:01 | 一時帰国 temp. return
旅行保険会社の手配で初めての南回りでノルウェーへ
成田から乗り継ぎ地ドーハまでの飛行時間は12時間ちょっと

わたしは長距離の飛行機があまり得意ではなくて
10時間を超えると頭痛や吐気がする確率が高いので
やや緊張気味に搭乗

離陸が夜遅くだったせいか機内はムーディーで
かすかにお香か香水のような香りがします


(壁や天井がピンクなのは照明のせいで地色は白です)

22時半の出発で着くのは翌朝4時頃とくれば
いつものように映画をたくさん観たりせずに
できるだけ寝るつもりでしたが
離陸してすぐに食事が出ると聞いて少しだけ機内エンターテイメントをチェック

わー
充実してる
観たい映画がいろいろある

映画や音楽やゲームの他にコーランがあるというのが
いかにもイスラム圏らしい



幸いというか当然ながらというか機内はとても空いていたので
乗客はそれぞれ十分に離して配置されていて安心できました

3人がけのシートに1人で普段よりゆったりと休めたおかげで
予期していた頭痛もそれほどひどくならずに済んで
無事ドーハのハマド国際空港に到着

頭痛に加えて軽い吐気もありましたが
セキュリティチェックも待合室もトイレもどこもかしこも人が少なくて
列に並んだり待ったりすることがなくマイペースで休み休みゲートへ



ショップやレストランが軒並み閉まっているのはちょっとさみしい光景でしたが
わたしには空いていることのありがたさの方が大きい


(お祈りの部屋、けっこうあります)

乗り継ぎの待ち時間がたっぷりあるので
次の7時間のフライトに備えてゆっくり体を休めなくては



唯一オープンしているスターバックス
営業してくれてありがとう

南回り

2020-04-19 20:47:34 | 一時帰国 temp. return
いつもは1ヶ月の予定の一時帰国
covid-19のため滞在延長が決まったのは3月の終盤でした

フィンエアーが1ヶ月先の便に振り替えてくれたので
そのつもりにしていましたが
数日前それもキャンセルになったという連絡が…

全く見通しが立たなくなったので
ノルウェーで入っている旅行保険会社に連絡をしたところ
補償内で用意できる便を探してくれて
2日後のチケットを手配してくれました

すごい!
保険会社ってそんなことができるのね
知らなかった

そんなわけで初めて乗ることになったのがカタール航空
ドーハ経由です


(カタール航空のホームページより)

ぺットといえばまずはハヤブサというのがすごい

いつもの慣れたフィンエアーに比べると
乗っている時間も乗り継ぎの待ち時間もうんと長いですが
もちろん文句は言えません

洗濯をして荷造りをして
手元の日本円を銀行口座に入金して
図書館で借りていた本を返却ポストへ返して
成田空港までの高速バスを予約…できない

え?
運休?

まさかの全便運休でした

どうしよう…
スーツケース大2個と機内持ち込みサイズ1個とバックパックを持って
都心を抜ける電車を乗り継いで成田へ行けるとは思えない

タクシーだと3万円以上
レンタカーを乗り捨てプランで借りても2万円弱
スーツケースを送るのももう間に合わない

結局
息子が成田エクスプレスの乗り場までついてきて
荷物を運ぶのを二つ返事で引き受けてくれました



成田エクスプレス
こんな状態で運行してくれて感謝です

当然のことながら成田空港も開店休業状態



今夜予定通り飛ぶのはカタール航空便のみのようです

つくづく
こんな状況下で仕事をしてくれている多くの人に
感謝の気持ちが募ります

ヒコと散歩の日々

2020-04-14 21:11:01 | 一時帰国 temp. return
お天気の良い日が続いています
行楽にも人に会いにもショッピングにも出かけられない日々ですが
この恩恵を受けているヒト、いやイヌが…



「え? アタシ?」

そう
ヒコちゃん、あなた

朝夕の散歩は
わたしが急がない(出かける予定がない)ので好きなだけお付き合い
ウロウロウロウロと同じ道を行ったり来たり道端で座り込んだり
お気に入りの草の生えている斜面へ
ささっとフェンスの下をくぐってショートカットしたり



あっ、待って…
と思った時にはもう遅い

仕方なくわたしはいっときリードを手から離して
急いでフェンスの端までぐるっと回って追いつきます

フェンスの向こう側は立ち入り禁止ではなくやや急な広い下り斜面
降りきると下の道路に出られます



野の小花やツクシののどかさとは裏腹に
草に隠れて唐揚げだの食パンの切れ端だの
ポイ捨てされた食べ物が落ちていたりするので
電光石火の早技でヒコが拾い食いしないようにと気が抜けません

仕事へ行けない息子と家で一緒にゴロゴロするチャンスも
普段の何倍もあるヒコ



ときどきおばあちゃんの昼寝用の枕も使っていたり



寝息を立てていても
近づいて写真を撮ろうとすると目をパチリと開けるあたり
やっぱり感覚の鋭い動物



それにしても
いつの間にか日が長くなっていてビックリ



夕日がきれいだね

2020-04-09 11:09:45 | 一時帰国 temp. return
今年は桜が長くもっているように見えます



実家の近くにはちょっとした桜並木があちこちにあるので
運動不足解消のための散歩もなかなか楽しい



桜の名所のようなため息の出る景色ではないですが
小学校や地域の小さな公園や駅前のロータリーなどなど
身近なところに桜の木がたくさんあるのはうれしい限り



友人と集まってお花見らしいお花見はできなくても
人気のない近所の公園でひとり見上げる夜桜もなかなか



たいした風も吹いていないのに
はらはらと舞い散る桜の花びらを見上げていると
いまが世界中で大変な時だということを
一瞬忘れさせてくれます



ちなみに
ときどき相方から届くノルウェーの自宅周辺の様子は
桜吹雪ならぬ本当の吹雪



God påske!
ハッピーイースター!

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