3月2日のコロナ、全国では888人が感染(延435016人)65人(累8026人)が死亡した。愛知県では34人(延25956人)が感染、死者は4人(累526人)だった。
7日で期限を迎える緊急事態宣言下の東京の感染確認は232人でずいぶん減った感じもあるのだが、減少が鈍化してるのだという。ワクチン投与が始まったこのタイミングだから、行政側としては気がかりな変化かもしれない。
「イギリス、南アフリカ、ブラジル、ニューヨーク、カリフォルニア」これはCBSニュースが放送したアメリカで報告されたコロナの変異種で、テキサスのヒューストンでは5種すべてが見つかるのだという。ウイルスはワクチンの先回りをしているような気がするのだ。
低気圧の前線が列島を横切って午前中は酷い吹き降りになった。気温もドンと下がって体感はすっかり冬の感覚。いわゆる「余寒」の一日だった。
最近は年を喰ったせいか体温が低い。末端冷え性はこんな時に苦労するのだ。雨の上がった帰り道は冷たい風に痩せた身体を持っていかれそうになりながらフラフラと歩いた。
「すっぽんはスポンスポンと鳴き、亀は経を読む感じに鳴くといわれた」と18世紀、江戸歌人の随筆にある。
これは坪内稔典先生が「季語集」の「亀鳴く」という春の季語の項で書いていることだ。実際のところ、亀には発声器官がないらしく鳴かないのだそうだ。
そも「亀鳴く」が文芸で取り上げられたのは13世紀半ばに成った歌集「新撰六帖」に採用された藤原為家の「河越しのをちの田中の夕闇に何ぞと聞けば亀の鳴くなり」(川向こうの遠い田圃で鳴く声がするから、あれは何だと尋ねたら亀が鳴いているのだという答えだった)という歌がベースになっているのだそうだ。
「亀鳴く」は晩春の季語として人気があるのだそうだ。正体のわからぬ音を亀が鳴いているんだと看做す。そんな見立ての面白さを俳人たちは気に入っているのだと坪内先生はいう。
なんともとぼけた感じのする亀、春寒の今日はたぶん自分の巣穴でじっとしているのだろう。また暖かくなったら、ノソノソとあらわれて甲羅干し。そんな時、ほんとに鳴いたらさぞ面白かろう。
耳慣れないヘンな音なら街中にはいっぱいある。こんど「あの音なんだろうね?」と訊ねられたら「ありゃ亀の鳴き声さ」とさらりと返してニヤリと笑ってみたいものである。
「亀鳴きて亭主は酒にどもりけり」内田百間
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます