5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

応援歌の効果

2019-08-14 21:48:18 | 音楽

甲子園で連日熱戦を繰り広げる高校球児たち。今日のニュースにはこんなものがあった。NHK京都局のニュース見出しは「甲子園 京アニ主題歌演奏で応援」。7月18日、放火テロで死亡した多くのアニメーターたち、悲劇の現場、京都アニメーション会社のスタジオがあったのは京都府宇治市。高校野球の京都府代表、立命館宇治高校の地元でもある。宇治高の代表選出は37年ぶりのことだ。

同郷の誼、甲子園の応援歌に追悼の気持を込めてアニメソングを入れてくれないかというアニメファンたちの要望を受けた宇治高校吹奏楽部の面々。「その思いやよし」と部員全員が演奏を希望し、京アニ製作の人気アニメ「響け!ユーフォニアム」の主題歌の練習を密かに続けてきたのだという。

昨日、13日の石川星稜との試合では、6回裏の宇治の反撃に、その〈ドリームソリスター〉が球場内に響きわたると、大きな歓声があがり、反撃のヒットにつながった。試合には結局負けたが、宇治高の選手たちも、「アニメソングのブラスバンド応援で、気持ちが鼓舞されて力になった」と語り、吹奏部員たちも「良い演奏ができた。京アニに少しでも思いが届いてほしい」と話したという。

スポーツの現場で聴く明るい音楽に文字通り応援された選手たちはこれまでも数限りなくいることだろう。音楽の効能はさまざまだが、緊張した気持ちを和らげかつ奮わせる不思議な動的パワーはほかにはなさそうに思える。

〈東京オリンピックマーチ〉の最初の数小節を聞いただけで、64年の高い秋の空がイメージできる。スポーツ選手ではない自分でも国立競技場の入場行進に参加しているような錯覚に今でも陥ることがある。

この名曲の作曲は古関裕而。夏の高校野球応援歌〈栄冠は君に輝く〉も彼の作曲だ。中日夕刊は「日本人の心、音楽で応援」というリードで、明治42年8月11日生まれのこの作曲家が、今年生誕110年を迎えたこと。来年のNHK朝ドラのモデルになっていること。1931年から終戦までの軍歌作曲についてなどをまとめて囲み記事にしている。因みに彼が死んだのは平成元年の8月18日だったのだから、彼はやはり昭和の作曲家だったということになる。

1931年の紺碧の空から、六甲おろし、露営の歌、暁に祈る、若鷲の歌、とんがり帽子、長崎の鐘、君の名は、高原列車は行くなどが、記事内に代表曲一覧となっている。半分以上が自分の生まれる前の曲だが、それでもなつかしいメロディアスな名曲ばかりだ。

来年になれば〈オリンピックマーチ〉を聞く機会がもっと増えて来るだろう。平成に生をうけた若い年齢の日本人たちははたして、古関サウンドをどんな感覚で聞くのだろう。京アニの〈ドリームソリスター〉を受け入れるのと同じ気持ちで、人生の応援歌を聴くのがよかろう。



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