5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

図々しい交通弱者たち

2012-06-14 22:02:48 | 社会
今日のNHKローカルニュース。気になったのは「愛知県の交通死者 100人に」というもの。

今早朝の西尾で起こったトラックと自転車の事故で、県内の交通事故死者が100人を数えたというのだ。自転車の被害者は83歳の老女。片側1車線の県道と市道が交わる信号機交差点が現場だ。現行犯の63歳の自動車運転手は「わき見をしていた」と認めているらしい。

交通死亡事故は、去年よりも5日以上早いペースで増加中だという。県警は交通違反取締りをより強化したいと云っているというのだが。

もうひとつ「自転車の女子高生はねられ重体」というニュースもある。

これも今朝の通勤通学時間帯に起こった豊橋の住宅地での事故。横断歩道を渡っていた15歳の女子高校生が、22歳の女性ドライバーの軽乗用車に刎ねられて意識不明の重態だという。加害者は自動車運転過失傷害の疑いで現行犯逮捕されている。

事故当時、周辺の道路は渋滞していたということで、警察は事故の原因などを詳しく調べているとニュースは結んでいる。

毎日のようにニュースで報道される交通事故。ほとんどのものは、小さな記事ひとつで、事故の顛末については追跡報道がされることはまずない。だから、「死亡事故100件」といっても、どういったたくさんのファクターが結果の悲劇に結びついたのかは、TV視聴者も新聞読者も何も知らされない。ただ無機的な「100」という数字が読めるだけだ。

名古屋のターミナル近く、店舗が並ぶ大きな交差点。歩行者信号は赤だ。若い男が片手に持った携帯電話の画面に見入りながら、自動車が行き来する交差点の中を、平然とひとり向こう側まで歩ききって、人ごみの中に消えていった。信号待ちの皆も唖然といった様子で彼の動きを眺めるのみ。自分のそのひとりだった。

別の交差点。これも比較的大きな四辻交差点。歩行者信号が赤になって自動車の列が動き出したと思った途端、自分の後ろ側から車の前に飛び出した自転車一機。斜めに逃げながらも広い交差点を渡り過ごした。驚いたのはアクセルを踏み出した自動車の方だったのだろう。

この二つの未然事故。若し実際に事故が起こっていて歩行者なり自転車乗りが怪我をしたり死んだりしたとなれば、どういった報道のされかたをするのだろうかと気になった。交通法規上悪いのは車で前方不注意の過失を責められることになるのだろうが、実際に悪いのは、信号無視の歩行者であり、自転車乗りではないか。

西尾のトラック運転手のように「わき見をしていた」という自動車側の不注意に起因することが多いのはもちろんだが、それに増して被害者側の交通ルール違反が目に余る。えてして、そちらは報道はされない。

警察は車路上の取り締まりばかりに躍起になっているが、歩行者や自転車乗りの集中的指導を行っている現場には遭遇したことがないのだ。ここらで視点をかえて「図々しい交通弱者たち」への取り締まりをやってみたらよかろうと思うがどうだろう。歩行者に罰金刑はなくても、警察からの要請はできる。これで、交通死亡事故が減少するなんてことになったら嬉しいではないか。

警察は民主的より先に、ひとつの権威でなくては市民はついてこない。
















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