5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

伝統工芸の特別授業

2021-07-03 21:52:21 | 社会

3日のコロナ情報は、全国で1881人(延805917人)の感染と9人(累14855人)の死亡が確認された。このうち、愛知県では45人(延51231人)の感染が報告されている。死亡者の報告はなかった。

日本全国に数ある伝統工芸だが、関わりのないものにとっては歴史的なその工芸技術の冴えを観察する機会はまずなかろう。最近の高校生たちはその点で我々の若い頃よりも恵まれていそうだ。

今日のNHK福井局は「越前打刃物の伝統工芸士が高校で特別授業」というリードで越前市の伝統工芸品「越前打刃物」の職人技を見せてもらえた若者たちのことをニュースにしている。

武生高校定時制に通う生徒100人が参加したこの特別授業は「越前打刃物」への理解を深めて高校生たちの進路選択の参考にもしてもらおうと開いたものだとある。後継者不足はいずれの業界も同じということだろうか。

WEBによると、「越前打刃物」は、十四世紀、南北朝時代に京都の刀匠国安が刀剣制作に適した地を求めて、府中(現越前市)に来住し、近郷の農民のために鎌を作ったことが始まりだと伝えられる。「刀は人を殺すための武器であってはならない、武士の象徴として存在してほしい」という国安の職人精神は、最高の道具をつくるというカタチで現在の打刃物職人達に引き継がれているとあった。

特別授業の講師はそうした刃物職人の一人加茂勝康さんが務め、職人の高齢化や後継者不足が課題になっていることや、刃物作りを体験できる施設「タケフナイフビレッジ」で観光客を呼び込んだり、海外での販路拡大を目指したりしている取り組みを紹介、「打刃物」の技術力の高さを知ってもらおうと、野菜切り実地体験も行われ、生徒たちは鋭い切れ味に驚いていたと書かれている。職人精神もずいぶん変わっているようだ。

隣県、輪島市の高校生たちも「輪島塗」の椀作り体験をする伝統工芸の特別授業を受けているというニュースもNHKウエブにあった。やはりこちらも漆塗職人や漆器業界に携わる担い手不足や高齢化が進んでいることから、高校生たちに関心を持ってもらおうと企画したものだとあった。

全国各地に残る伝統工芸の次世代への伝承の必要性は認識していても、業界側からの働きかけというのはこれまで意外に消極的だったのかもしれない。歴史文化としてとらえることはもちろん出来るが、進路指導の一環としてこれをみれば、教わる方も伝える方も意識の仕方が違ってくるのではないだろうか。

 


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