2日のコロナは、全国で1777人(延804036人)の感染と23人(累14844人)の死亡が確認された。愛知県では44人(延51186人)の感染と5人(累969人)の死亡の発表があった。
昨日は富士山の山開きのニュースを拾ったが、今日も「富士」の語源について金田一春彦先生の「ことばの歳時記」の解説を読んでみた。
日本一の富士の山、その語源説もいろいろとあるといい、先生はまず「竹取物語」の「不死の霊薬を収めてあるから」という説が有名だと書き出している。しかし一番人気があるのは「アイヌ語で〈フジ〉とは火の意味だ」というイギリスの宣教師の説だが、これははなはだ信じがたいと言い、言語学者tらしい説明に入る。曰く、
アイヌ語で〈フチ〉とは元来が老婆の意味で、アイヌ人は火を神聖視して直接その名を口にすることをはばかるところから、火の神を老婆と考えて間接にフチということがあるが、火というアイヌ語は別にある。
もし、富士がほんとうに太古にアイヌ人がフチといった発音を伝えているならば、後世の日本では〈クジ〉となっているはずだ。それをいまのフジとアイヌ語のフチとを発音が似ているからといって結びつけたのは、この説の提唱者が日本語の発音の歴史を知らなかったためだ。とばっさり。
WEBでアイヌ文化振興・研究推進機構の〈アイヌ語単語リスト〉を覗いてみても、たしかに
フチ huci 老媼、老婆、祖母 【名】
アペ ape 火【名】
と出ている。フチには火の意味はないようだ。日本語の転訛のルールはまったく知らないから、なぜ、フチがクジになるのかはよくわからない。たしかに外国語のヒアリングで日本語に似たものがあるとついそっちに引かれて間違った認識をすることがままある。自分には外国語の耳が出来ていないということだ。ことばというものは難しいものである。
金田一先生は、竹取物語にもああいう語源説がのっているところをみると、〈富士〉の語源はすでに平安時代から分からなくなっていたわけであるとまとめている。
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