5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

釣ったさかな

2020-09-15 21:07:45 | ことば

愛知県は15日、名古屋市が5人、蒲郡、豊川市が各3人など、保育園児から90代までの男女21人のコロナ感染確認を発表、また、名古屋市では入院中だった80代の男性が死亡している。

今日の昼食にでたキスの煮つけ。久しぶりだったせいか、ひときわ美味く感じた。気温が下がってきたこともあるのだろうか。身体が秋の味を求めているようだ。

爽やかな秋風がたては、釣り師たちがよろこぶ。食卓のキスも三河湾で獲れたものだろうが、明るく晴れた三河の海も釣りのシーズン真っ盛りだ。

「ことばの歳時記」の金田一春彦先生、9月16日の項は「大きい小さい」と題してアマチュア釣人たちの釣果の表現の仕方について書いている。

釣り落したさかなは大きいという諺の通り「こんなデカイやつが掛かったんですがねえ」とジェスチャーを交えて残念がる釣人たちの表現はオーバーに過ぎるようだ。しかし「土地によって、大きい小さいの表現が逆になるからオモシロイ」とは金田一先生のコメントである。

三重県の尾鷲市と熊野市の中間にある三木里というでは、大きい魚が釣れると「エライちいさい魚やノウ」といい、小さい魚が掛かったときには「大きんがとれたノウ」というから、知らない人は完全に騙されるという。こちらは三重の南端だが、北端のいなべ市北勢町田辺地区でもあるらしい。力士級の巨漢を前に「先生はほんとうに小さいモン」というのだそうだ。ウソをついている訳ではなさそうだ。一種の褒め表現なのだろうが、どういった心理で言われるものなのだろう。

三重県人には、ちょっとへそ曲がりな性格があるのか。探せば県内の他地域にもこうした大小の逆表現が見つかれば面白いが、今は標準語による平準化が進んで、方言独特の言い回しもしなくなっているのかもしれない。コロナ禍のこのごろ、下手に大小の使い方を変えると、社会問題になってSNSが炎上するなんて、二次災難に見舞われるリスクもありそうだ。

 


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