土曜日の1日、横浜市を走る自動運転の新交通システム「シーサイドライン」の始発駅で車両が逆走して車止めに衝突し、乗客十数人が重軽傷を負った。
今日の民放昼番組では例によって詳細に「ああだろう、こうだろう」と説明をしてくれた。動きはじめて5秒だとすでにかなりの速度(10kmhほど)が出ており、これがコンクリート構造物に衝突すればそのショックは大きい。モーターは各車両に独立して付いており、全車両数分の〈押す力〉が先頭車両に加わっただろう。運転手がいたのなら当然違った対応をしたはずだ。などなど。
名古屋にもおなじ形態の「リニモ」があるが大丈夫だろうかと思ったら、案の定、早速に緊急点検を行ったというニュースが読めた。県のお役人さんもショックだったようだ。
それによると、「シーサイドライン」は駅と車両の双方に設けられたATOと呼ばれる自動運転装置が、信号を送受信しながら運行されており、今回の事故は、送受信システムに何らかの不具合が生じたとみられているらしい。名古屋の「リニモ」も、同じ装置を使って運行されることから、信号点検など、ことさら入念に確認をしたとある。
愛知県知事は記者会見で「リニモも無人運転だが、開業して14年間、こうした事故は1件も起きていない」と強がってみせたが、横浜の事故は開業30年目にして突然降って湧いたのだ。
パソコンの機嫌が突然悪くなって慌てるということは自分の机上でも幾度も経験したもの。昔とは違い、WWWを介するネットワーク型になった今、PCの不機嫌な理由がどこにあるのかは、素人にはほぼ理解不能だ。ソフトのアップデートひとつでも動きが止まる。
ロボットテクノロジーの発達というのか、近頃はやたらと無人自動運転に行きたがるのが世界の工業界の風らしいが、これが曲者。
ボーイング737新型機の墜落事故がインドネシアとエチオピアで連続したのも自動運転によるもの。水平飛行中はオートパイロットというのを聞いたが、最新鋭機はテイクオフもランディングもコンピュータ依存らしい。コンピュータがパイロットの介入を許さないブログラミング。これもある種の無人運転だろう。事故機のパイロットは飛行機のコマンドが理解出来ぬまま命を絶たれたわけだ。数百人の乗客を道連れに。
日米防衛外交の流れで買わされることになったF35ステルス戦闘機も訓練中に墜落して上がってこない。米海軍は必死にブラックボックスを探索中だというが、プログラムの不具合が墜落の原因だとしたら、やはり犯人はコンピュータということになるのかもしれない。
周辺を走り回る自動車も無人化自動運転化の方向にまっしぐらのごとくに見える。メーカーは懸命にその安全性をPRしてはいるが、いまひとつ信用はおけない。
新車を購入してサービス期間の内はえてして事故など起きないようになっている。ことはその後だ。経年劣化していく鉄の箱とブラックボックス化した自動運転プログラム。運転者の知らない内にアップデートがなされ、快適な自動運転が楽しめるという宣伝の通りなら問題はないのだが、アップデートのバグの所為で、車が突然後退を始めてコンクリートにクラッシュしたなんてこと。笑い話にもならない。
T社のエアバッグのように次から次へと不具合を起し死亡事故も続くなんてことになったらどうする。エアバッグはリコール出来ても、自動運転のブラックボックスをリコールしたら車は動かないのだ。
自動運転の電車の逆走事故は、世界の交通システム全体に共通する疑問符なのではないのだろうか。
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