5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

ガンジー綽名現象

2021-06-23 21:55:49 | ことば

23日のコロナ情報は、全国で1779人(延790025人)の感染と58人(累14576人)の死亡が確認された。このうち、愛知県では75人(延50718人)の感染と2人(累945人)の死亡が報告されている。

緊急事態宣言解除後初めて開かれた厚労省専門家会合が、全国では感染者数の減少が続いている一方、人出の増加に伴って首都圏では増加に転じる動きが見られるとして、の再拡大を警戒し感染対策を継続するよう呼びかけている。狼少年の譬えもある。五輪へ先のめりの政府の言い分を真剣に聞く国民ははたしてどれほどいるのだろうか。

中学時代、同級生に寺の息子がいた。当時、男子生徒は丸刈りがあたりまえだったから、彼も我も坊主頭で通学した。丸刈りは強制であり人格を否定するものなどという大仰な民主主義的反対論を唱える輩はだれもおらず、これが当たり前だと思っていた。

寺の息子は剥きたてのらっきょうのようなさいずち頭の持ち主だったから、同級生のひとりが「ガンジー」と綽名をつけた。ちょうど社会科で習っていたインドの独立運動家、マハトマ・ガンジーの頭に似ているというわけだ。ナルホド。この綽名はきわめて自然に我々のクラスに行き渡った。

そんなことを思い出したのは「ことばの歳時記」で金田一春彦先生が、イギリス政府のインド植民地政策に抵抗する聖者ガンジー翁の特異な風貌が新聞紙上に連日掲載されていた先生の学生時代(もちろん戦前)、彼に似たガリガリした風貌の人がいれば、先生でも友人でもすぐにガンジーという綽名をつけて興じた、と書いているのを見つけたからだ。

これは。日本では地方によって7種類のまるで違う種類の魚がおなじ名前で呼ばれていることがある。何でも、よさそうだと思うとすぐに真似たがる日本人のものまね気質を笑ったものだが、ガンジーという綽名が増えたのも同じだというわけである。

土佐ではイットウダイ、東京ではヨロイダイ、堺ではキントキダイ、紀伊御坊ではアカマツカサ、紀伊湯浅ではホウセキキシメなどなど、違ったこれらの魚が呼ばれる共通の名前とは「カゲキヨ」。魚博士の渋沢敬三氏の「日本魚名の研究」にそう載っているのだそうだ。

渋沢氏の解釈によると、村芝居かなにかで平景清に人気が出ると、人々は何故か、赤色でエラや背びれが武張った魚がいると、浮世絵にありそうな、悪七兵衛と呼ばれた勇猛な武士の姿を頭に描いて「カゲキヨ」という名をつけたくなった。そしてその名が次々と伝播して他の似た魚にもどんどんつけられていったのだという。

これがガンジー綽名現象だというわけである。。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿