ヘリテ-ジ・マネージャーと言う言葉はまだなじみがないと思います
私も昨年この言葉聞いたとき、「何のこと?」と思ったほどです
昨年、一年間15日間、計60回に及ぶ講義演習をうけ、そのたびにこのブログで(何度か)紹介していますので、ブログを見ている人はある程度理解して頂けてると思いますが、再度ザックリと紹介しますね
いつものように箇条書きで書きます、また参考にしたのは「ひょうごヘリテージ機構H2O」さんが作成したものです
「誕生の背景」
・阪神淡路大震災によって損傷を受けた名建築物が公費解体のもと姿を消してしまった
・名建築といわないまでも街の風景を形成していた多くの建物も姿を消した
・危機感を持った兵庫県は「文化財登録制度」を国にはたらきかけ実現させた
・それまでの「文化財指定制度」は国の誇りを体現するもの限定されていた、指定制度の限定主義が多くの文化財とすべきものまで失う原因となった
・それで登録制度を実現した、これは学術的な評価だけでなく、地域にとっての愛着や建物が持つ物語性など、価値評価の基準の幅を広げることになり、間口が広がる。その事によって「文化財」が「文化」そのものに変質していく可能性がある
・ただその為にはマンパワーが不足していた、登録文化財となるべき物件を発掘し、維持保全し、更に活用への筋道をつけていく人材が求められた
・これがヘリテージマネージャー誕生のきっかけである
・兵庫では「地域に眠る歴史文化遺産を発見し、保存し、活用してまちづくりに活かす能力を持った人材」と定義されている
・また社会もスクラップアンドビルドから循環型社会への移行が図られていた
・循環型社会に日本の伝統木造の工法、古材、壁土等の再利用は合致している
・風景の画一化への違和感が出てきた、つまり日本どこに行っても規格化された合理的な建物だらけで、同じような風景に覆い尽くされることに反発した動きがあった
・今、明確な地域としての個性のある風景を求めはじめた。画一化が近代合理主義によってもたらされたならば、個性のある風景は近代化以前の生産手段が土地に縛られた時代にもたらされたものであり、それは地域の材料と地場の技術でつくられた物といえる
・それらの風景は、共に生きてきたという時間の蓄積の延長線上にあるものでなければいけない
・その地域の材料や地場の技術を理解し評価活用し将来に継承する人材もヘリテイジ・マネージャである
ザックリと書きましたが、ご理解頂けたでしょうか、これらを踏まえ専門家(ヘリテージマネージャー)の役割と必要な能力を(公)日本建築士会連合会では、6つにまとめています
1.地域に眠る歴史的建造物を発掘し、再評価する能力が必要である。
2.歴史的建造物の保全・活用提案できる能力が必要である
3.地域固有の文化・風景について研鑽し熟知していなければならない
4.伝統工法の知恵に学ぶ謙虚さと確かな技術力が必要である
5.地域に入り、地域の人たちとともに汗を流し、歴史的建造物が地域の財産として地域ぐるみで大切にしていく環境づくりを行っていく能力がひつようである
6.建築士が本来求められている職能と歴史的建造物の保存活用といった文化財保護的な考え方との両立ができる能力が必要である
さて、宮崎県では昨年度1期生講習が終了し、現在2期生の講習が行われています
それで1期目講習修了者の中数人で、発足準備委員会を現在行っています
議題は・会の名称・活動の目的・構成メンバー・活動の内容・組織の姿・会費などを今年一年5回の会議を経て決めようとしています
市民に必要とされ、地域社会に意義のある組織を目指していきます
ということで、昨日準備委員会が行われ、その後意志疎通を図るため懇親会をしました
色々と有意義な話が聞けました
SMP
Toshiro、s 都市論 鎌倉