＃901 茶のしずく石鹸の不幸

”茶のしずく”という名の石鹸を使った人がアレルギー反応を起こし、重傷者を含め数百人が被害を受けていることが報じられています。
茶のしずく石鹸はTVのCMで日本一売れていると豪語していました。

石鹸でアレルギー反応が起きるのは驚きです。
食べ物や薬のような、体内に入るものはわかります。
また、化粧品のように皮膚に付けるものによる事も理解できます。
しかし、石鹸はすぐに洗い流すものなので、アレルギーにはなりがたく思うのです。
そしてそのアレルギー反応はすぐに起きず、しばらくしてから表れるというのですから不可思議千万です。

石鹸に含まれていた小麦由来のたんぱく質”加水分解コムギ”がアレルゲンと言われています。
その成分が顔の皮膚、特に眼の付近から体内に吸収され、一定量に達した時にアレルギー反応が表れるようです。
皆に起きるのではなく、ごく少数の特異体質？の人です。
茶のしずくのCMによるとこの石鹸の愛用者が何十万人にも上りますので、被害者数数百人は千人に一人とかのごくまれです。

このアレルギーの悲惨なところは、加水分解コムギによるアレルギーは同時に小麦アレルギーになることです。
小麦はパンや麺やお菓子など、ほとんどの食品に含まれています。
小麦を含まない食品を探すのは困難です。
そして、このアレルギーは一生続くのでないかと言われています。
顔を洗う石鹸で生じたアレルギーのおかげで、一生味気ない、また、気を許すことのできない生涯を送らなければなくなります。

アレルギー症状が出始めて何年もこの石鹸を使い続けていた人がいるそうです。
まさか顔を洗う石鹸が、アレルゲンだなんて気が付かないのが普通です。
医師がわからなかったのは、致し方ありません。

よくアレルゲンが、茶のしずく石鹸だと気付いたものです。
茶のしずく石鹸がそんなに売れず、例えば数十万個のレベルなら、発覚しなかったことでしょう。
茶のしずく石鹸は売れすぎたがゆえに暴かれた、不幸な事例なのでしょう。

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原因不明の病気って、たくさんあります。
その中にはきっと、症例が少ないため原因の特定に至らないものも含まれるのでしょう。
食品のみならず身の回りのものが悪さをして、発症している可能性があります。
原因不明なアレルギー的な病気を患っているボクはそう思うのです。