アナーキー小池の反体制日記

世界中のひとが 仲良く助け合い ほほえみながら 平和に暮らしていくために (イマジン)

#102 学生時代(17)

2008年03月14日 | 学生時代
定山渓は永いこと札幌の奥座敷と呼ばれていました。
ボクが行った時はその全盛期の賑わいはありませんでしたが、名残はありました。
芸者の置屋が2軒あり(実は芸者さんは年寄りが2~3人いるだけで、あとはお酌をするだけのお酌さんばかりでした。)、高級車を乗りつけて豪遊する大尽も見かけることが出来ました。

そんな華やかさの裏に、貧しい従業員がしたたかに生きていました。

バーテンをしている時、午後6時から8時頃まで一般の客はほとんど来ません。
仕事中の女中さんが10分か20分、息抜きに来るんです。
コーラを飲んで、タバコを1本吸って、たわいのないお話をして、そして仕事に戻っていきます。

そんな人が10人ぐらいいました。
その話からいろいろなことを知りました。

女中さんはけっこう年寄りが多いんだけど、ほとんどの人はホテル内の女中部屋に寝泊りしていました。
昔は結婚していた人も多くいたんだろうけど、何かの理由で身一つでここに来た人が多いんです。
ここでは寝泊り食事は保障されるので、生きてはいけます。

女中さんの世界はなかなか厳しいものがあります。
女中頭がいて、その人は絶対の権力をもっていました。
女中頭より年上な人は沢山いるんだけど、誰も逆らいません。

女中頭に選ばれるのはそれだけの見識と統率力を備えた人なんです。
そして、彼女に従うようにしないと規律が乱れ風紀が乱れ、また、職を失うことになることを皆は知っています。

過去に悪い男にだまされた女性、ギャンブルや薬の中毒で身を持ち崩した女性、けっこういました。
だけど、ボクがいる間には女中さんの中で耐えられなくなって出て行った人はいませんでした。
大部屋で規律正しく生活することが良かったんでしょうか。

それに引き替え、料理さんは適当です。
料理長は仕事中、すごい権限をもっています。
しかし、仕事を離れると一緒にはいないので若い人は自由気ままに生きています。

そのせいでしょうか、人の出入りが激しいんです。
ボクのいた短期間にも3~4人変わりました。
それも、渡り歩きが全国区なんです。

昔の歌謡曲にあった「♪包丁一本、さらしに巻いてー」の世界そのものでした。
そして、ヤクザも堅気も不思議なことに上手に一緒にすごしてるんです。
このことについては、後に詳しく述べます。
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