#3337 暗号③ 量子コンピュータ 実用化? 2020年3月23日投稿
暗号シリーズの3回目ですが、1回目は強固な防御性能を持つブロックチェーンについて、2回目はその性能を維持する素因数分解について記しました。
今回は、万全の安全性に疑問を呈することになった、量子コンピュータの実用化?の情報についてです。
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科学雑誌(ニュートン)の先月号に載っていました。
アメリカのグーグルが開発した量子コンピュータの計算速度が、現在世界最高のスーパーコンピュータを上回った、と。
量子とは物体の最小単位で量子力学によって解明され始めていますが、量子力学を利用することによりコンピュータの演算能力は桁違いに増大することがわかっています。
何年も前から未来のコンピュータとして期待されていますが、開発には難題が山積しており、なかなか実用化に耐えるようなものは出ていませんでした。
今回のグーグルの研究発表は、実用化間近か?と一部で騒がれたけど、本来期待する機能のほんの一部が出来ただけなんです。
ただ、開発の道付けになることは確かで、10年とか20年とかの単位で本格的な運用が始まる、との観測もあるんです。
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この量子コンピュータを用いれば、巨大な数字の素因数分解が解ける、とされているんです。
今あるスーパーコンピュータの桁違いの演算能力を持つ量子コンピュータが完成したなら、可能なのでしょう。
そうなると難攻不落を誇っているRSA暗号は解読され、ブロックチェーンも信頼性を失います。
なもんだから、量子コンピュータ 実用化?とのニュースが出た時、慌(あわ)て者はビットコインの売りに走り、ビットコインの値が下がったんです。
ただその後、量子コンピュータが素因数分解ができるようになるにはまだ10年も20年もかかる、って情報が信頼できる筋から発せられたため、混乱は収まっているようです。
電子マネーやインターネットにも応用されている素因数分解に基づく暗号ですが、まだ当分は大丈夫なようです。
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この暗号解析や量子コンピュータ、先月号の科学雑誌に載っていただけでなく、ボクが楽しく読んでいたスウェーデンの作家の小説“ミレニアム”に詳しく記されていました。
“ミレニアム”は昔風にいうと冒険小説のジャンルに入るのだろうけど、とにかく面白く、世界的な大ヒットとなった作品です。
ハリウッドで映画化もされ評判となったのですから、ご存知の方も多かろうと思います。
次回はその小説“ミレニアム”についてです。