足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

円安が進む、94円説も。

2012-12-25 07:30:35 | 株式

ウォール街はクリスマス・イブで市場は半日取引。

大半の投資家はクリスマス休暇に入った。

オバマ大統領も休暇を過ごすためにワシントンを離れハワイに飛んだ。

前日までフィスカル・クラフ(財政の崖)問題で共和党との妥協案を模索してきたが、これまでの案は白紙に戻った。

このまま放置すれば減税が打ち切りになり6000億ドル(50兆円)の増税になり米国はリセッションになる。年末までわずかの時間しか残っていないが、オバマ大統領には何か解決策があるのか?

NY株は先週末の下落が尾を引き、この日も軟調であった。

一方、日本の景気に影響を与える円相場は84.86円と2011411日以来、20ヵ月ぶりの円安になった。

安倍自民党総裁が口火を切った日銀攻略が効果を現し、ウォール街では94円説が出ている。フィナボッチの法則を利用したテクニカル分析だが、円相場の次のフシ目である。このような見方が出てくるのは久しぶりで日本の政治のプレゼンスが注目され始めた。実現すれば円相場は22%の下落で、輸出企業には大きな武器になる。今度は日本企業の本来の実力を発揮できる。

ユーロも堅調で111円になった。10月末の第2四半期の決算発表では100円の予算を立てるところが多かった。

引き続き証券、不動産、自動車の押し目狙いの戦略で行こう。


今週の戦略・・・日本は変わる

2012-12-24 09:42:34 | 株式

年末にはいって休暇ムードどころか、日米とも重要な時間を迎える。

まず米国だがフィスカル・クラフ(財政の崖)まであと8日間になったが、先週はオバマ大統領が共和党のベイナー下院議長の妥協案を拒否した。しかし両党ともいままでの戦いは引き分けで、年末までに解決策を模索するというムードである。

目先の株価は両党の綱引きを巡って、緊張感のある動きをするだろう。

東京市場は26日の安倍新政権の誕生が大きなイベントで、選挙後、自民党の勝利で円相場が 83.68円→84円、日経平均9737円→9940円と市場のムードが変わった。

新政権の誕生で金融政策が米国のバーナンキ議長流に方向転換することは確実である。

安倍総裁のこれまでの経済政策のブレーンの一人である浜田宏一(イエール大名誉教授)の近著「アメリカは日本経済の復活を知っている」(講談社)の日銀の政策批判の考えが根底にある。

「白川総裁は世界孤高の「日銀流理論」を振りかざし、円高を招き、マネーの動きを阻害し、株安をつくり、失業や倒産を生み出している。年間3万人を超える自殺者も金融政策とまったく無関係ではない」(同著より)という見方を安倍総裁は同調している。

「日本はいますぐ復活する」という同著の政策提言はいままでの学者にみられなかった米国流の主張で新鮮である。

新政権の発足後、経済政策の運営の方向づけの大きな柱になるだけに投資家には必読の書である。

日本の潮目が変化したとみる外人投資家がさらに増えてくるだろう。

目先の株価の調整は出遅れた投資家には大きなチャンスを提供してくれる。


証券株は何を先読みし始めた?

2012-12-22 07:29:43 | 株式

ウォール街ではフィスカル・クラフ(財政の崖)問題の行き詰まりを懸念して株価は大幅安で終わった。

野党の共和党が提示した解決策をオバマ大統領が拒絶した。富裕層の減税の廃止と予算削減を盛り込んだ案であったが、根本的な財政危機の解決にはつながらないとした。ただ両党からは期限まであと10日間のうちに解決したいという意欲は感じ取れる。

株価は大幅安したが足元の景気は回復基調で、発表された個人消費関連の指標は好調であった。ヘッジファンドは景気の回復を見越して消費関連の銘柄を物色する。

東京市場は円安相場の一服で輸出関連株を中心に下落した。11月の底からほぼ一本調子で上昇してきただけに、テクニカル指標の過熱は短期的には気になる。これまでNY株離れした動きが出ていたが、再びウォール街との関連性を取り戻した。

円安トレンドは不変で、日銀のハト派的な政策を背景に円相場は90円台を目指す。

新年の最大のテーマは政治から為替相場に移ってきた。

90円台への円安について見方はまちまちだが、外人投資家の間では確信をもった日本株への投資復活が始まった。

差し当たりは個々の銘柄の分析ではなく、トップダウン式の戦略で銘柄を選択する。

その一つが証券株である。

日経平均は1113日の安値8619円から昨日の高値10175円まで+18%になった。この間、証券株は30%以上の値上がりとなり、市場平均を大きく上回った。

何を証券株は先読みし始めたのか?

業界のリーダーの野村(8604)は最近の安値から+62%も急騰した。日本の失われた20年間の象徴的な動きは証券株に現れている。株価は引き続き市場のリード役を務める。物色の範囲を広げたい。

この間、大阪証券取引所(8697)も+53%になった。


白川日銀総裁のハト派の意外性・・・海外の円相場の反応

2012-12-21 07:51:08 | 株式

ウォール街の関心は依然としてフィスカル・クラフ(財政の崖)問題に集中する。

共和党のベイナー下院議長が独自の解決案を提案し議会で賛否を問う。①富裕層の減税廃止は100万ドル以上の所得層を対象②医療制度の改革などで財政赤字を減らす―などが骨子だが、市場の予想ではオバマ大統領は拒否するとみる。交渉は今後も共和党の改革案を中心に進められ年末までには何らかの妥協案がまとまるとみる向きが多い。少なくとも株式市場の動きがそれを暗示している。

この日のトピックスの一つはウォール街でも円相場だ。昨日の日銀の政策会合の結果をみると、白川総裁は「予想よりもハト派」と映るらしい。

自民党の安倍総裁の求めるインフターゲットを受け入れる姿勢を示すととともに、大幅な量的緩和を決定した。日銀にしては異例の緩和姿勢とみる。

円相場が反応して前日は20ヵ月ぶりの円安になり、円相場の先行きのセンチメントが大きく転換してきた。これまでの円買いのポジションをショートに転換する向きが日増しに増加してきている。

東京市場は短期的にはNY株離れとなり、大商いが続く。問題はテクニカル指標がいずれも過熱ゾーンになり輸出、金融、不動産などの動きは業種内でもまちまちになってきた。短期的な調整を暗示している。しかし強気トレンドに転換した以上は、押し目買いになり調整幅や期間は大きくはないだろう。第1部市場だけでなく2部、新興市場も出来高が2倍近くに増加してきた。

昨日公開のユーグレナ(2931)は3910円買い気配で終わりIPO価格1700円を大きく上回った。

最近の新規公開では珍しいケースでファンダメンタルでは説明のつかない水準になった。


相場は政治に信頼を始めた・・・IPO市場での戦略

2012-12-20 07:52:18 | 株式

年初来の11月までは日米株価は米国+12.6%、日本+11.2%であった。

しかし12月に入ってからの東京市場の上昇がめざましく昨日までは米国+14%、日本+20%とウォール街を大きく上回った。今月の米国+1.4%、日本+7.5%の上昇率の差がパフォーマンスに現れた。

いままで「失われた20年の低迷が日本を沈没させた?」といった極端な見方が一部に横行していたが、11月中旬からは日本株が追い上げ、久しぶりに外人投資家の目を引きつけ始めた。インデックス運用をする大半の投信、年金、ヘッジファンドは日和見をしていれば運用責任を問われる。

東京市場の活況の良し悪しはさておいて政治情勢の大転換で保守派が台頭した。第2次大戦後の日本経済と国力を驚異的に復活させた保守派が帰ってきた。メディアがどのような評価をしても、最近の日本株のリズム感のある株価の復活という現実は直視しなければならない。

米国では政治も学者も中央銀行も株式相場の持つ国民のセンチメントを変化させる力の大きさを語るのにためらいを持たない。

いま市場に復帰する投資家が声を上げて主張しているのは「相場のもつ変化への先見力」である。米国のように23%の高額所得者が消費の3040%を握るという構造には日本は程遠いが、戦後45年間には米国のような株高→経済成長という構図が働いていた。それを壊したのは中央銀行と長年、野党であった政治である。

ここへきてその反省の芽が出はじめた。英語では“bamboo shoot”(筍の芽)というが、バーナンキ議長が2010年来、注目して成功した筍の芽を崩さない政策が株価を左右する。

市場ではIPO(新規公開)が続く。昨日のモバイルクリエイト(3669)に続いて、本日はユーグレナ(2931)の公開である。

投資家にとっては投資のタイミングが大切であるが難題である。初日に寄るなら、初値後に投資するのは一つの戦略である。われわれの理論株価が有効である。