年末にはいって休暇ムードどころか、日米とも重要な時間を迎える。
まず米国だがフィスカル・クラフ(財政の崖)まであと8日間になったが、先週はオバマ大統領が共和党のベイナー下院議長の妥協案を拒否した。しかし両党ともいままでの戦いは引き分けで、年末までに解決策を模索するというムードである。
目先の株価は両党の綱引きを巡って、緊張感のある動きをするだろう。
東京市場は26日の安倍新政権の誕生が大きなイベントで、選挙後、自民党の勝利で円相場が 83.68円→84円、日経平均9737円→9940円と市場のムードが変わった。
新政権の誕生で金融政策が米国のバーナンキ議長流に方向転換することは確実である。
安倍総裁のこれまでの経済政策のブレーンの一人である浜田宏一(イエール大名誉教授)の近著「アメリカは日本経済の復活を知っている」(講談社)の日銀の政策批判の考えが根底にある。
「白川総裁は世界孤高の「日銀流理論」を振りかざし、円高を招き、マネーの動きを阻害し、株安をつくり、失業や倒産を生み出している。年間3万人を超える自殺者も金融政策とまったく無関係ではない」(同著より)という見方を安倍総裁は同調している。
「日本はいますぐ復活する」という同著の政策提言はいままでの学者にみられなかった米国流の主張で新鮮である。
新政権の発足後、経済政策の運営の方向づけの大きな柱になるだけに投資家には必読の書である。
日本の潮目が変化したとみる外人投資家がさらに増えてくるだろう。
目先の株価の調整は出遅れた投資家には大きなチャンスを提供してくれる。