週明けの欧米の株価は反発した。
懸案のギシア問題であるがIMFとEU首脳の間での安定策の協議が進展する見通しが好感された。EFSF(ヨーロッパ金融安定ファンド)の強化の方向で動き始めた。これは週末にガイトナー米財務長官がポーランドでの会合に参加し主張したもので、リーマンショックの解決策の一つとして米国がTARFというファンドを設立したケースと同じである。
いまひとつの好材料はバークシア・ハザウェイのバフェットの自社株買いのニュースである。
バフェットはかねて「株価の実質価値は1株当り純資産(BPS)」という信念で成功してきたが、持論を自社株にも適用した。これまで折に触れバフェットの自社株買いが話題になったが、実現しなかった。今回は豊かな手元流動性を利用して現在のBPSに10%のプレミアムを付与して永久に自社株買いを実行する。早速、バークシア・ハザウェイ株が反応し自社株買いの株価水準にさや寄せした。これまで積み上げてきた持ち株をさらに増やすよりも、差当たりは自社のポートフォリオの価値を市場に評価してもらいたいというバフェットの市場へのメッセージである。
歴史上、最高の投資家であるバフェットの投資哲学を市場に伝えるいちばん近道であると判断した。この日はバフェットのポートフォリオのうち最大のウェイト(40%弱)を占める金融株がウォール街では大きく値上がりした。まさに有言実行の行動でバフェットが相場を動かした。