足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

バフェットが石油関連に食指

2015-09-01 07:02:25 | 投資戦略
NY株は先週末の下落のあとを受けて続落した。
今回の暴落の主因であった中国株は上海-0.18%、香港+0.24%と落着いたが、米国の金融政策の方向性についての疑問が残り、NY株は下落した。
週末のサクソンホールでの米連銀主催の経済シンポジウムでは、当面の金融政策について明確な結論が出ず、市場の不透明感は残った。
依然として9月の金融政策の転換説が残る。

8月相場は月間でS&P500が-6.26%、日経平均が-8.2%、上海株は-12.5%となった。
「魔の8月相場」は終わったが、先行きはいよいよ年間で最悪の9月相場に入る。
相場の歴史を振り返ると経験則では8月相場は月間で80%が下落した。
中国株の暴落が火を点けたウォール街の弱気の雰囲気は消えない。

ただ懸念された石油相場だがこの日は続伸した。特に新しい材料が出たわけでないが、バフェットが石油関連株に買い出動したことは大きな注目材料。
米国最大の石油精製のフィリップ66(PSX)への投資を再開した。2012年にコノコ・フィリップス(COP)の石油精製、販売部門が分離され独立会社になり株式を公開した。
公開後、株式はエネルギー関連の人気株になり、ウォーレン・バフェットが大株主になった。株価は$30から短期間に$90に上昇した。その後、バフェットは全株を売却し大きな利益を手中にした。

石油相場が大幅に下落し、フィリップ66も下落し、バフェットの先読みの正しいことが実証された。
それをここへきてバフェットが買い戻したことに注目したい。最近、原油相場は$30台に突入した。彼のグループ企業にはエネルギー関連株が多い。米国経済を支える基幹産業という信念をもち、これまで関連銘柄の投資で大きな利益を上げてきた。
バフェットが石油関連に再出動しはじめたことは大きな注目点である。原油価格の暴落で、エネルギー関連の人気は「陰の極」にきたと読む。その見方を株式相場全体にも当てはめることができるかも知れない。
今後の株式相場の行方を読む上で注目したいバフェットの動きである。