NY株は小幅高で終わった。
ウォール街のテクニカル・アナリストが注目しているのがS&P500の880問い水準である。水曜日は879と割れたが、昨日は882と880を上回った。相場の先行きに不透明感が出てきているときだけに、880という下値の支持線が気にされている。
相場のセンチメント指数であるVIX(恐怖)指数も今週にはいって30台に逆戻りしていたが、昨日は29.78と20台に突っ込んだ。
いまひとつは原油相場の動向である。6月の72ドルから下落を続け60ドルすれすれまできているが、昨日は60台で頑張った。商品相場の指標的存在であるが、世界経済の先行きを反映する。
ウォーレン・バフェットがABCテレビに出演し「景気は回復軌道に乗ったとはいえない。第2次の景気対策が必要」と論じた。オバマ政権に近いだけに政府も耳を傾けなければならないだろう。中国と並んで世界経済の2大エンジン役のひとつが、もたつくことは許されない。
ウォール街では今週のアルコアに引き続いて来週は注目企業の決算発表が続く。金融株の決算が注目されるが、ゴールドマン・サックスの自己売買部門が史上最高の利益を上げた。株価は上昇したが、大量投資したバフェットの慧眼には改めて敬服させられる。「株式投資は今日、明日のことを見るのではなく数年先を見据えて」というのが哲学だが、数年先が「今日、明日」につながることを教えている。
栗田工業(6370)に注目。バフェットが米国のナルコ・ホールディング(NLC)に大量投資したのにヒントを得た。米国の水処理関連だ。