昨日のウォール街は久しぶりに3日間連続安になった。
これといった決定的な悪材料が出たわけではなく3月9日を基点として一気に駆け上がってきただけに調整局面を迎えるのは当然と市場のムードは暗くない。
あえて悪材料を探せば前日の連銀の議事録(4月のFOMC)の公開。注目点は景気の見通しを引き下げたことだ。それにドル安が気にされ金、銀相場が大幅に上昇した。インフレ懸念の台頭である。
しかしここへきて第一線で活躍する投資家の強気姿勢が目立つことに注目。L.ビリニィ(ビリニィ・アソシェツ)は「向こう3年以内にS&P500は1,700に上昇する」と予想した。昨日の引け値から+91%だ。市場への資金の流入と相場の関連をモデル化したので有名な運用者だ。2007年10月には弱気に転向し今回の下落相場を的確に予想した。今回の相場の底入れは3月6日に「底入れ」宣言し、2日違いでズバリ当てた。ソロモンブラザーズのトレーディング部門で活躍した豊かな経験の持ち主だ。
いまひとり、かねて私が注目しているスティーブ・ルートホールドだが「グリジリィ・ショート・ファンド」を運用してきた。昨年は+74%の実績を上げた。やはり3月の相場の底入れの5日前に強気に転向した。「S&P500は1,100まで上がる」とみて、ロングの比率を70%に引き上げた。
相場が目先、調整するとこの種の実践家の動きを思い出したい。彼らは潮の流れを科学的に読んで成功してきた。