クレディット・オポチュニティ・ファンドというヘッジファンドがある。
昨年1年間のパフォーマンスは6倍の上昇率であった。
ニューヨークに本拠を置くポールソン&カンパニーというヘッジファンドの運用会社の傘下のファンドだ。
ポールソンは、レオン・クーパーマンのオメガ・ファンドで資金運用を行ってきたが、独立した。
昨年は37億ドル(4000億円)の利益を上げ、1992年にポンド投機で2000億円の利益を記録したソロスの年間の利益を上回った。
昨年、世界の銀行が出した損失と手持ち証券の評価損の合計は4,670億ドル(50兆円)であったが、その裏でが、証券やデリバティブの下落で利益をあげるヘッジファンドが散見された。関連商品を空売りした。
NY株は今月初め、昨年10月の高値から20%下落し、ベアーマーケット入りした。「まさか」と思った住宅公社2社の危機が引き金になった。
ベアーマーケット入りした以上は、その引き金になった悪材料が消えなければならない。今月にはいってから、悪材料のうちエネルギーの高騰、ドル安には反転の兆しが出ている。
それがトレンドの転換であるのか、一時的な現象であるのかを、いま読むのは難しい。先週末も石油は下落、ドルは反転はした。
問題はジョン・ポールソンのような専門家が、現状をどう判断するかである。彼は今回の住宅不況で下落した金融商品に投資するヘッジファンドの新設に動き始めた。
ただ新しいファンドのスタートは今年末を目標にしているという。