先週、NYダウ平均が高値から20%下落し、「ベアマーケット入り」になった。
これを契機にして、これまで比較的に楽観的であった投資家や運用者も慎重論に傾いてきた。
そんななかで、本来の投資哲学を貫き、実践しているのが世界一の富豪であるウォーレン・バフェットである。
彼は早くから「米国経済は不況いりした」と判断してきた。
彼の経営するバークシア・ハザウェイの株価もNYダウ平均と同じように高値から22%下落した。
世界の多くの資産家のほか機関投資家や、このところヘッジファンドにもかなり組み入れられている。この種のヘッジファンドの成績は総じて好調で、バフェットにならって長期の投資収益を上げることに徹している。
バフェットは昨日もウォール街で話題になった。
ダウケミカル(DOW)が同業者のローム&ハーズにTOBを仕掛けた。時価に78%ものプレミアムを出しての買収である。総額は153億ドル(1兆6300億円)だ。
この資金調達はバフェットとクェート政府のファンドが出した。ウォール街は久しぶりの大型買収に、「相場には明るい材料」と歓迎した。
バフェットは景気の先行きには慎重だが、年初来、手持ちの金融株の下落局面で買い増し、食品、小売企業の株を買った。
石油高、ドル安、金融市場の不安、企業業績の不振という難問はなにも解決されていない。そんな中で、バフェットは株式投資は「かくあるべき」という成功術を、実践に生かしている。
今回のような環境には何度も直面したが、過去42年間で4,100倍にした。