足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

PER(株価収益率)でみる株価

2007-08-20 18:22:01 | 株式

先週の米国の公定歩合の引き下げ(6.25%→5.75%)で、本日の世界の株式市場は大きく上昇した。

特にヨーロッパやアジアの株価は金融株を中止に反発した。オ-ストラリア最大の証券会社マッコリーは+8.1%も上昇したほか、ヨーロッパでは最大の銀行株であるUBSも人気を集めた。東京市場でも銀行株の上昇率が大きかった。

ウォール街ではリーマンブラザーズが金融株の格付けを「中立」から「買い」に変更した。今回のサブプライム・ローン問題で一番、大きな打撃をうけたセクターの銘柄であり、投資家の間では金融危機に発展するのではないかという懸念が強かった。株価はPER10倍割れの銘柄が続出してきている。

相場の下げを先導した金融株の底入れは、相場の落ちつきの重要な条件の一つに上げるアナリストも多い。

今回の相場の下げでS&P500の実績ベースのPER(株価収益率)は17倍になった。1ヵ月前には19倍台であったが、PERの急低下に注目する向きも出てきた。

過去の歴史的なデータの調査で定評のあるネッド・ディビス社によると「PERが18倍を割れると、その後、1年間は平均+11%の株価の上昇」という歴史的な事実がある。

東京市場でも先週はPERが実績ベースで19倍、予想ベースで16倍になった。今回の株価の下落はS&P500が4年半ぶりに-10%の下落を記録したが、東京市場は6月の高値から-16%も下がった。問題の発生の本家よりも株価の下落が大きかった。

先行き相場の波乱の種は根絶はしていないが、値ごろ感からは合理的な株価水準にはきた。