足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

分水嶺が出た・・・大型株にみる

2005-09-29 17:49:53 | 株式
第1部市場の売買代金が3兆2000億円と最高水準だ。先にも書いたように住金、新日鉄、神戸製鋼が6~7%も上昇する。
新興市場の銘柄並だ。外人投資家と個人の資金の流入がいわれる。売買代金は別にしても、大型株の値動きの軽さはいままで経験したこともなかった現象である。長年、株式相場と取り組んでいる一人として「こんなことは初めて」である。
大型株の大商いは1980年代にはしばしばみられた現象ではある。
しかし過去と大きく異なる点あがる。バイカイ(売り買いのヒト値の株数)を調べてみると、住金、新日鉄でさえヒト値での売り物は多くて100万株台。普通は数10万株だ。過去の大型相場ではヒト値で1000万株の売り物というのが普通にみられた。それだけに、大型株が1日で5%以上も動くことはなかった。
今回は外人買い、個人のトレーディングが需要の原動力としても、意外なのは売り物(供給)が少ないことが異常である。
これが大型株の値動きを大きくしている。かって当たり前にみられた「売り物」はどこへ行ったのか?売り手がすくなくなり玉がドライアップしている。グリーンスパン議長が米国債券相場の強さに首をかしげる謎(conundrum)と同じである。
この問題は別の大きなテーマで、これからの相場の観測には最重要な課題であもる。
ひとつ確実にいえることは8月上旬を分水嶺にして、東京市場の株価形成のパラダイムが一転したことである。
それまでの経験則が通用しなくなってきた。
投資戦略を立てる上でも大いに考慮しなければならない点である。