足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

金相場など非鉄株

2005-09-16 22:17:42 | 株式
金相場が静かに上昇している。目先の上値の抵抗線とみられていた$455を突き抜けてきた。
今回の金相場の上昇は単にインフレ期待というよりも、石油と同じように需給関係が相場を支えているだけに基調は強い。
昨年は世界の産金量が10%減ったといわれる。最大の産金国である南ア通貨のランド高で生産量を落としている。産金コストが上がっているからだ。
それにこれまでいつも相場の圧迫要因であった中央銀行の売りが、今年はすでに9月までに終わってしまった。
一方、中国、インド、中近東の買いが着実に増えている。
普通はドル安が金相場の上昇の最大の要因だが、今回の構図は異なっている。これは大いなる注目点。
私が師事した相場師の木村磊三氏は「古今東西、金10匁(37.5g)あれば1ヵ月の生活ができる」というのが持論であった。
現在の1g=1630円で評価したら6万1000円。国民年金の月額に近い。金相場が$900にでもなれば12万円で生活にゆとりが出てくる。
中近東やインドの人たちは子供のときから、生活の知恵としての金による蓄財を教えられている。
是川銀蔵氏にも数回、親しくお話を伺ったことがある。1980年初めに同和鉱業、住友金属鉱山に挑戦された時。
初めてお目にかかったときは同和鉱業に挑戦しておられるときであった。10mもある過去の銅と金の相場表をテーブルの上に広げて、非鉄の上がることを説かれた。若造の私にである。相場師というイメージとは違うファンダメンタルからのアピローチであった。それには心が動かされた。
両氏が生きておられたらいまの金、銅の相場の先行きについてそのような話が聞けたか?おそらく非鉄株を買い捲っておられるのではないかと思う。
ウォール街では「金鉱株は金相場に対して3~4倍の変動率がある」という経験則がある。
住友金属鉱山は来年から海外での鉱山の開発が業績に寄与して2倍の生産量になる。
和製非鉄メジャーの一番手である。引き続き注目したい。