朝から、強風の吹く一日だった。
花瓶に挿している野草の精巧な美しさを覗き込んで気分を紛らしたり、宗左近の『小林一茶』(筆者の一茶論はなかなか面白い)を読んだりして、一日を過ごした。
ムラサキツメクサ。暖房のせいで玉が弾けて。
強風の吹き荒れる朝の景。
自室から見える、白波の立つ海。
廊下から見た海と風に傾ぐ松。
風はなお治らず。落日と夕焼けは美しかった。
窓も開けられない。
わずかの隙間を作っても、凄まじい轟音が廊下を走り抜ける。
新聞を読むため、南廊下のテーブルへゆくと、これまた凄まじい音を立てる扉があった。平素は、そんなところにドアがあるとも気づかなかった位置で、風がうなりを上げていた。
このところ年長の人、年下の人など、知己の体調不良のニュースが届くことが多く、人ごとと思えず気分が冴えない。その上の嵐が、心にマイナスに作用して、いっそう心を塞ぐ。
花瓶に挿している野草の精巧な美しさを覗き込んで気分を紛らしたり、宗左近の『小林一茶』(筆者の一茶論はなかなか面白い)を読んだりして、一日を過ごした。
せっかくの日曜日なのに、心楽しまぬままに。
(施設で、最も開放的な気分になれるのは、日曜日である。)
花瓶に挿しているホトケノザ。
ムラサキツメクサ。暖房のせいで玉が弾けて。
強風の吹き荒れる朝の景。
自室から見える、白波の立つ海。
廊下から見た海と風に傾ぐ松。
風はなお治らず。落日と夕焼けは美しかった。