斉藤孝 著
8月31日の空
夕方6時の雲。(雲も秋めいて。)
落日の時刻が、かなり早くなった。
『声に出して
読みたい
日本語 5』
心の琴線にふれる言葉
朗読のために持参していた本。
『声に出して読みたい本』は5巻ある。そのうちの2冊(4と5)を、施設の方へ持参している。朗読を楽しむために。
生活に変化をつけるために、時に起立して朗読してきた。しかし、最近はその努力を怠っている。立って音読するのは今でも平気だが、入居した当初に比べれば、生活の姿勢がいい加減になり、長らく音読はしていない。
今は家へ帰れないので、読みたい本を持参できない。この際、施設に置いている読みかけの本を完読しようと、まず手に取ったのが上掲の本である。
著者の導きで、名著から選り抜かれた<心の琴線にふれる言葉>に接することができた。
著者の読書量の多さに感心したり、こころ豊かさに感動したり………。
テレビ番組で、折にお目にかかる斉藤孝さんは、いつも温顔である。そのお人柄が、この本の作品選びや文章にも反映されている。
扉に八木重吉の詩「素朴な琴」が引用され、副題の<琴線ふれる言葉>とも関連して、各章は、<弦>で表されている。すなわち、
第一弦 いのちを奏でる
第二弦 こころざしを奏でる
第三弦 かなしみを奏でる
第四弦 ぬくもりを奏でる
第五弦 せつなさを奏でる
第六弦 あこがれを奏でる
の構成となっている。
引用された俳句、短歌、詩や小説のなかには、私自身、すでに読んでいるものもかなりあったが、初めて知る作家や作品もあった。著者の解説が加わると、さらに感動が深まる思いであった。各章(弦)、しみじみと味わいながら読了。が、読み終えたからといって、この本は、書棚の奥にしまい込むのはもったいない気がする。
こころの平穏を欠くことも多い老いの日々、気の向くままに、折々ページをくって、表現の奥に潜むさまざまなことばを読み味わいたい。
(具体的な内容を紹介したいけれど、ただ今気力が乏しく、また何かの折にふれて書き記すことにしたい。)
8月31日の空
空にも、心なしか秋めく気配が感じられる。
6時の日の出(ほのぼのとした朝の景)。いたずら書きをしたような。
夕方6時の雲。(雲も秋めいて。)
落日の時刻が、かなり早くなった。
夕方6時半、海上の雲の層に沈み始める太陽。海上には、か弱い光の帯。