マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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楢町かぼちゃ薬師の冬至カボチャ御供

2015年09月16日 07時30分18秒 | 民俗あれこれ(初成編)
天理市楢町にかぼちゃ薬師がある。

夏場になれば初成りの南瓜カボチャをかぼちゃ薬師こと薬師堂に供える人が居るらしいが、いつ、誰が供えているのか、番をしているわけでもないので判らないと話していた。

癪(しゃく)や耳の病に効いて治してくれると伝わる初成りカボチャ供えは民間信仰。

そのようなことから親しみを込めてかぼちゃ薬師と呼ばれている。

この日は冬至。

南瓜カボチャを食べて柚子湯に入る習慣がある。

緑黄色野菜の少ない冬。

カロチンやビタミンを多く含む南瓜カボチャを食べたら風邪をひかず元気に冬を過ごせるという言い伝えだ。

もしかとすればかぼちゃ薬師に南瓜カボチャを供えているかもしれないと思って訪れた。

薬師堂にはどなたも居られないが、黄色い南瓜カボチャが供えてあった。



思わずシャッターを押した。

かぼちゃ薬師を初めて訪れたのは平成24年の2月

付近に住む婦人は「初成りよりも冬の寒い時期に近隣農家の人が供えていた。お堂の回廊に数々の南瓜カボチャが置いてあった」と話していた。

供えた南瓜カボチャはたばって持ち帰ることが許されていると話していた。

供える人によって時間帯はまちまち。

供えた南瓜カボチャの数量は絶えず変動するようだ。

大量にあったのは随分前の様相。

この日に拝見した南瓜カボチャは1個。

供えたのが1個だけなのか、それとも残っていたのが1個であるのか・・・判らない。

ともかく1個があったのだ。

薬師堂の向かいにあるお寺は融通念仏宗派の興願寺。

5月8日に行われた薬師法会にご住職が法要をされた。

ご住職は不在であったが奥さんが居られた。

薬師法会を取材させていただいたお礼を述べる。

実は前日に冬至の薬師法会が営まれたと云うのである。

営みは薬師講だ。

仕事をもつ講中もおられることから平日では集まり難い。

できることなら日曜、それとも祝日で行いたいと申し立てられて前日に行われたのだった。

かぼちゃ薬師に南瓜カボチャが供えてあったことを伝えたら「参拝やからありがたく貰って帰り」と云われた。

いただいた南瓜カボチャはイトカボチャ(糸南瓜)。

明治時代に日本に導入された夏カボチャである。

水から茹でて20分ほど。

冷水に入れれば果肉がほぐれてソーメン状になる。

その状態からイトカボチャはソーメンカボチャとも呼ばれている。

ちなみに奥さんが話してくれた六斎鉦。

楢町にはかつて六斎講があった。

戦時中に鉦を供出するこもあって戦後に解散したという六斎講。

当時に打っていた鉦が残っていると云う。

蔵にあるはずだと探してきそうだったが、この日は遠慮して後日に伺うことにした。

(H26.12.22 EOS40D撮影)


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