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2020.1シチリアの旅24 オルティジア島泊→涙の聖母教会

2021年06月26日 | 旅行

世界の旅・イタリアを行く>  2020.1 シチリアの旅 24 オルティジア島泊→涙の聖母教会

 シチリアの旅6日目、17:00ごろ、シラクーサ・オルティジア島手前の駐車場に着いた。明かりを灯したサンタ・ルチア橋を渡る。連泊のせいか、グランド・ホテル・オルティジアが懐かしく感じる。
 夕食は19:30、4階レストラン集合なので、そのまま街中散策に出た。まだ地理に不案内なのでホテルの前のVia 11 Settembreを北に歩き、サンタ・ルチア橋につながる通りを右に折れ、明るく広いCorso Matteottiを南に歩く。
 バロック様式、新古典様式の面影を残した建物に混じって近代的な建物も並んでいる(写真)。人通りは少ないが、1階の店の照明で明るく、安心して歩ける。スーパーマーケットを見つけたのでミネラルウオーターを購入し、同じ通りを戻った。

 19:30、4階レストランに集合する。今朝は停電だったが、改めて見回すとトラス構造を現しにした勾配天井で、広々としている(写真)。海も見える。居心地のいいレストランである。
 席に着いたら、ホテルから停電のお詫びとしてプロセッコがサービスされた。
 プロセッコproseccoは北イタリア・ヴェネト州でつくられるスパークリングワインで、以前のイタリア旅行で何度か飲んだ。日本でも飲んだことがあるが、フランス・シャンパン、スペイン・カバ、北イタリアのアスティ・スプマンテasti spumanteを飲むことが多い。アスティは甘みがあるが、プロセッコはシャンパン、カバに似て辛口ブリュットである。
 ビールも頼んだら、苦みのきいたbirra Moretti(7ユーロ)が運ばれてきた。
 前菜はシーフードサラダ(左写真)と白身魚のマカロニである。シーフードはプロセッコと相性がいい。どちらもおいしくいただく。 チーズをからませたマカロニはビールとあわせていただく。
 主菜はエビのグリル焼きである(右写真)。エビは好物である。プロセッコを干し、ビールとあわせ、完食する。
 十分満ち足りたので、デザートのレモンケーキは甘すぎることもあり半分ほど残した。
 サービスのプロセッコで気分が昂揚したのか歓談がはずみ、2時間をこえたところで散会になった。

 部屋に戻り、荷物を整理する。今日の歩数計は13100歩、入浴で足マッサージをする。海の夜景を眺めながら、パレルモで買ったワインColomba Platinoを味わう。毎日90mlぐらいずつ飲んでいるので、最終日で空きそうだ。今日のメモを眺め、明日の予定を確認しベッドに入る。

 シチリアの旅7日目、5:30ごろ起きる。街路は濡れているから夜半に雨が降ったらしいが、空には満月が顔を残している。今日も雨は心配なさそうだ。
 7:00に4階レストランでビュッフェ朝食を取る。海を眺めながら、生野菜、ハム、チーズ、できたてのオムレツ、ヨーグルト、ホットコーヒーなどをいただく。電気が使えると料理が盛りだくさんになるだけではなく、暖かい~熱い料理が食べられ、生き生きしてくる気がする。

 出発は9:00なので、スーツケースをドアの内側に置いて、海沿いの散策に出る。南隣はバロック様式の建物である(写真)。グランド・ホテル・オルティジア(写真左の建物)は現代的な外観だが色合いは黄色みで高さもそろい、バロック様式と調和がとれている。景観規制がされているのかも知れない。
 散策する人や早出の人以外の人通りは少ない。
 シラクーサに着いた昨晩、夕食に出かけたとき通り抜けた石積み門+石積み壁(写真)にはPorta Marina antiche fortificazioni spagnoleと記されている。かつてのスペイン要塞の一部が残されたようだ。
 港には漁船が係留され、少し先にはヨットも見える。イオニア海は静かな波が揺らいでいる(写真)。青い海を眺めていると、海に弱い私でもこぎ出したくなる。古代から大勢が海を渡り、新しい歴史が始まったのである。ちょっぴり感傷的になり、ホテルに戻る。

 スーツケースはHさんの確認を終え駐車場のバスに運ばれていた。私たちは歩いてサンタ・ルチア橋を渡り、バスに向かう。
 9:05、バスはシラクーサ北西の丘に残るギリシャ劇場に向かう。
10分もかからない車内で、Hさんがギリシャ神話の女神アルテミスArtemisがオルティジア島で生まれた話を紹介した。
 全知全能の神ゼウスZeusには姉で正妻のヘラHeraがいたが、ゼウスは浮気者でレートーLetoに言い寄る。ゼウスには正妻がいるから、レートーはゼウスの誘いをはねつける。ゼウスは鶉ウズラに変身して水浴び中のレートーに近寄り、力尽くで襲う。レートーの妊娠を知ったヘラは嫉妬し、レートーを追放する。レートーはヘラから身を隠し、オルティジア島で双子の姉アルテミスを生み、ロードス島で弟アポロンapollonを生んだそうだ。
 ‥2014年のギリシャツアーで訪ねたデロス島にはアポロン神殿跡、アルテミス神殿跡があり、ヘラから身を隠したレートーはデロス島で双子のアルテミス、アポロンを生んだとの解説を聞いた。神話だから諸説が伝承されているのだろうが、オルティジア島でアルテミスを生んでから、直線で1200kmも離れたロードス島に渡りアポロンを生むというのは神話でも無理を感じる‥

 車窓の街並みを見ていて、ユニークなデザインの教会堂を見つけた(写真)。地図を照合すると、Sntuario della Madonna delle Lacrime涙の聖母の聖域らしい。
 直径80mの円形の聖域の上に高さ74mほどの円錐形が伸び上がり、遠くからでも斬新なデザインを目にすることができる。
 あとで由来を調べた。信心深い若い夫婦がここに住んでいた。妻は妊娠したが、日に日に目が悪くなっていった。毎日、石膏のマリア像に祈りを捧げていたところ、1953年8月29日、聖母マリア像の目から涙が流れ落ち、祈っていた妻の目を濡らして、目が治る奇跡が起きた。その奇跡を聞いて集まった人々も聖母マリア像の目から落ちる涙を見た。その話が教皇庁にも届き、調査の結果、聖母マリア像の奇跡が公認された。その後、奇跡の場所に聖所の建設が進められ、1990年に完成したそうだ。
 ‥2004年のポルトガルツアーで聖母マリア出現のファティマ、2013年のフランスツアーで奇跡の聖水のルルドを訪ねた。無心な祈りが奇跡を呼ぶようだ‥。   (2021.6)

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