A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

FUSIONといっても色々あるが、たまにはアコースティックな響きも・・・

2007-06-15 | CONCORD
THE L・A・4

最近、コンビニの「おむすび」棚に行くと不思議なむすびがたくさんある。
昔は、結びといえば、梅か鮭に大体決まっていたが。
“FUSION”という言葉がある。溶け合うとか融合といった意味だ。
最初は違和感があっても、知らず知らずの内に、一緒になった感覚がなんともいえず好物になっていくから不思議なものだ。
コンビニのおむすびのように。

音楽の世界では、Fusionというえば2つのスタイルが癒合したもの。
多くはジャズとロックの融合でありエレクトリックサウンドとエイトビートが基本だ。
CROSSOVERとも言われるが、自分は決して嫌いではない。というよりも、好きな方かもしれない。
もっとも、“fusion“をここではまだあまり紹介していない、ということは最近あまり聴いていないということになる。

2つのスタイルの融合なると、JAZZとロックばかりではなく相手は何でもいいということだ。MJQはクラシックとの融合であり、ラテン、それもボサノバとの融合は数多く見られる。
Qincy Jonesは、RockやBOSSANOVAはもちろん。一体いくつの音楽が融合していたのか。彼のいうBLACK CONTEMPORARYの世界は、フュージョンの権化のような存在だ。


Concordレーベルで登場したTheL.A.4は、まさにこのJAZZとボサノバの融合だ。バンドカラーは当然メンバーの一人、ブラジル出身のLaurindo Almeidaの影響が大きい。
前作「SCORES!」に続く2作目。

MJQにミルトジャクソンが入るとジョンルイスが描くMJQの一員になってしまうように、このLA4にバドシャンク以下のメンバーが加わると、不思議とアルメイダの世界に皆が入っていく。
もちろん演奏は4人のコラボレーションが素晴らしいが。アルメイダの魔力だろう。そいいえば、MJQとAlmeidaの共演でもそうであった。あのMJQがAlmeidaの世界に取り込まれている。

曲目は、ガレスピーのマンテカや、ロリンズのセントトーマスがあるかと思えば、ボサノバあり。そして、このアルバムのメインはやはり「アランフェス協奏曲」。
この曲は、この手のグループの「規定課題曲」のようなものだが、このLA4のアランフェスも一級品だ。

1. Dindi                 DeOliveria, Jobim, Gilbert 5:55
2. Rainbows                          Shank 6:46
3. Rondo Expressivo                 Philipp, Bach 4:44
4. Manteca                 Fuller, Gillespie, Pozo 7:46
5. St. Thomas                        Rollins 7:30
6. Concierto de Aranjuez: Adagio Movement     Rodrigo 13:14

Laurindo Almeida (g)
Bud Shank (as)
Ray Brown (b)
Shelly Manne (ds)

Recorded in 1976  (CJ-18)

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研究熱心なFischerが、今度はBIGBANDで実験かと思ったが・・・

2007-06-14 | MY FAVORITE ALBUM
THESAURUS / The Clare Fischer Big Band

少し変わった即興演奏のアルバムを作ったClare Fischerだがなかなかの勉強家のようだ。
演奏に作編曲にと次々に新しい試みをしている。風貌も若い頃はインテリ染みた細めの優男であったが、年と共に髭を蓄え貫禄がついて学者風になる。ジャケットの写真の雰囲気も研究家そのもの。

研究家が自分で色々試すにはやはり自分でBIG BANDを編成するのが手っ取り早い。
このアルバムは、そんな一枚。
タイトルの「THESAURUS」は最近良く使われるシソーラスという意味よりも、宝庫という意味であろう。フィッシャーの色々な試みが集約されているということだと思うが・・・。

ガレスピーのバックでは少し変わった楽器編成であったが、ここでは普通のフルバンド編成。サックスセクションに通常のバリトンの他にバスサックスを加えているのが珍しい。
この一本が隠し味なのか、他の木管も使用せず全体として中低音が際立つサウンドだ。

この録音は1968年。サドメルが活躍していたときだ。
何らかの影響を受けたのかもしれないが、アレンジの基本はアンサンブルとソロをうまく組み合わせ、ちょっと聞いた限りにおいてはシンプルなメロディラインだが、実に多彩なサウンドか絡み合っている。
心地よいサウンドだ。あまり「研究発表」という雰囲気はしない。
何も難しい取り組みをしていなさそうであるが、実はそうでもない。
バスサックスを使っただけでなく「アレンジの細かい技」も隠し味に潜めたといったところだろう。

曲調も出だしのTHE DUKEでは、何となくエリントンサウンドを意識した感じである。B面の一曲目ではWORKSONGを思わせる少しfunkyな感じも。
全体的に正統派のBIG BAND JAZZだ。
曲もオリジナル加え、レニートリスターノやストレイホーンの曲も。
メンバーを見ると、一緒に即興演奏の実験をしたGary FosterとWarne Marshの顔も。いつもの仲間なのだろう。Bill Perkinsのバリトンが光る。他のメンバーも西海岸の一流どころが、揃っている。
この時代のBIG BANDを知るにはお勧めの一枚だ。

1. Duke               Fischer 5:02
2. Miles Behind          Fischer 5:13
3. Calamus            Fischer 4:54
4. Lennie's Pennies       Tristano 5:29
5. 'Twas Only Yesterday     Fischer 6:37
6. Bitter Leaf            Fischer 7:11
7. Upper Manhattan Medical Group Strayhorn 4:18
8. In Memoriam (John F. & Robert F. Kennedy) Fischer 1:55

Stewart Fischer, Steve Huffsteter (tp) Larry McGuire (tp -1,3/8) Buddy Childers (tp -1,4/6,8) Conte Candoli (tp -2) John Audino (tp -2,3,7)
Gil Falco, Charlie Loper, Dave Sanchez (tb)
Morris Repass (btb)
Gary Foster, Kim Richmond (as)
Louis Ciotti, Warne Marsh (ts)
Bill Perkins (bars)
John Lowe (bass sax)
Chuck Domanico (b)
Larry Bunker (d)
Clare Fischer (p, el-p comp, arr)

Sunset-Highland Studios, Los Angeles, CA, October 9, 1968
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ギターとピアノのDUOをいうとBILL EVANSとJIM HALLを思い浮かべるが・・

2007-06-13 | CONCORD
A PAIR TO DRAW TO / HERB ELLIS & ROSS TOMPKINS

Concordのアルバムは、「2人のコンビ」を売りにするアルバムが多いような気がする。
ELLIS-PASS、BROWNとELLIS、HANNAとFONTANAとか。
でも15作目までは2人だけのDuoのアルバムはない。
今回初めて登場したのが、常連HERB ELLISとピアノのROSS TOMPKINSのDuo。
2人は、ELLISとFreddie Greenのアルバムですでに共演している。

JAZZの歴史上、息の合った名コンビがいたグループはたくさんある。
しかし、完全に2人だけのDuoとなるとレギュラーグループではなかなか思い浮かばない。
アルバムでは、サミーデイビスとマンデルロウとか、ロンカーターとジムホールのDuoを紹介した。いずれもじっくり聞かせるのがDuoの特徴であり、楽しみだ。
ピアノとギターというと、BILL EVANSとJIM HALLのUNDERCURRENTが有名だが、このアルバムもこの組み合わせ。

このアルバムは2人からの申し出があって作られたそうだ。
別に普段一緒にプレーしている訳ではないが、何かお互いしっくりきたところがあったのであろう。
リズムがいないDuoでは、お互い相手がソロをとるときは、リズムを刻みベースラインを奏でる。ピアノもギターもJAZZの世界では元々はリズム楽器。
モダンジャズの世界に入りソロが中心になって来たが、今回はソロにリズムにどちらも大活躍。Duoだとバックのリズムの大切さと美しさが改めて浮き彫りになってくる。
リズム隊がいなくとも基本的によくスイングする2人の「基本技」が随所に披露される。
アップテンポの絡みも楽しいが、スローなバラッドでのインタプレーが素晴らしい。
スタンダード曲が並ぶが、その中にTHAD JONESの名曲「A CHILD IS BORN」が演奏されている。
サドメルのアルバムで最初に発表されてまだ6年、すでに立派なスタンダード曲になっている。
大のお気に入りの曲だ。

HERB ELLIS (g)
ROSS TOMPKINS (p)

1. They Didn't Believe Me              Kern, Reynolds
2. Here's That Rainy Day             Burke, VanHeusen
3. Someday My Prince Will Come         Churchill, Morey
4. You and the Night and the Music       Dietz, Schwartz
5. Nightingale Sang in Berkeley Square       Maschwitz, Sherwin
6. You Stepped Out of a Dream            Brown, Kahn
7. A Child Is Born                  Jones
8. Spring Can Really Hang You up the Most  Wolf, Landesman
9. More I See You                  Gordon, Warren

RECORDED 1976
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リラックスした環境で究極の即興演奏を・・

2007-06-12 | MY FAVORITE ALBUM
Report of the 1st Annual Symposium on Relaxed Improvisation with Warne Marsh,Clare Fischer,&Gary Foster

ジャズの醍醐味は即興演奏。
「アドリブ」とも「インプロビゼーション」とも言われるが、ジャズプレーヤーにとっては、この即興演奏でいかに自己表現ができるかを日々悩んでいることであろう。
一人「ソロ」でその境地にチャレンジしたり、相手とのコラボレーションでお互い刺激を与えながらそのインタープレーにその真髄を極めたり、オーケストラをバックに一人悦に入ったり・・・・・・。
アプローチの仕方は色々ある。

“JATP”に代表されるライブの演奏、「ジャムセッション」における即興演奏の楽しみというのもある。簡単な約束事だけで、聴衆の熱気を相手に自分の特徴を出し合いながら最後は皆で一気に盛り上がる。常套手段だが、即興演奏を楽しむには、聴く側も演奏する側もそれなりの楽しみがある。普段あまり顔合わせをしないメンバー同士の交わりには一番適した手段かもしれない。
ジャズクラブでのジャムセッションは、BIGプレーヤーを相手にした共演は新人の登竜門でもある。同じライブでもまた違った役割がある。
同じグループで毎日演奏をしていると、アドリブはあっても、曲全体の構成は自然と形にはまってきてしまう。

こんな感じで、即興演奏は色々な形式、状態で繰り広げられるが、はたしてミュージシャンにとっての究極の即興演奏は何であろうか?
聴衆は関係なく、プレーヤー同士が非常にリラックスした状態で、お互いに刺激しあって即興演奏を極めるというのもひとつの形であると思う。
こんな、プレーを収めた一枚がある。

企画したのは、ピアニストでああり、アレンジャーのClare Fischer。
ガレスピーのエリントン曲集のアレンジを担当した、あのクレアフィッシャーだ。

場所は、フィシャーの自宅。そこに、ポータルブルの録音機材が持ち込まれた。
三々五々、そこに仲間達が集まって、まずはパーティーが開かれた。
食事や酒も適度に進んだところで誰からとも無くプレーが始まる。
何の取り決めも無く、誰かが演奏を始める。それに合わせて、だんだんと他のメンバーが加わり色々な解釈があり一曲が終わる。そして、また次の曲へ。

アルバムのタイトルどおり、「即興演奏のシンポジウム」は終わった。
何も観客に媚びることもない。無理にステージを盛り上げるような必要も無い。
プロのミュージシャンが、自分達の思うJAZZの世界を自分達だけで楽しんだ記録がこの一枚。
JAZZのアルバムには、計算し尽されてプロデュースされたヒット間違いないアルバムもあれば、このようなほとんど人目に触れることも無いようなアルバムもある。
何の仕掛けも無い単なる素材のようなJAZZ。
何か、化粧を落としたスッピンの美女の寝顔の美しさを見たような気分になる。
これもJAZZの楽しみのひとつかもしれない。

It Could happen to You
Bluesy Rouge
In a Mellowtone
Yesterday

Warne Marsh (ts)
Gary Foster (as)
Clare Ficcher (p)
Paul Ruhland (b)
John Terry Tirabasso (ds)

Recorded 9 May , 1972 , at the home of Clare Fischer, Van Nuys, California
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いつもはバックに隠れた“BLUESY”なテナーを思う存分・・・

2007-06-11 | CONCORD
The Blues / Plas Johnson

「スタジオミュージシャンというのは、しばしばJAZZの芸術的な技巧という面では不安定な位置づけになってしまうのではないかとの不安に駆られる」という下りで、このアルバムのライナーノーツが始まっている。
アメリカでは、ジャズプレーヤーの仕事はダンスバンドで始まった。JAZZの創世記の巨人の大部分が、ダンスバンドでのオーケストラワークから育っていった。
その後、ラジオ・映画・テレビといったメディアが急激に広まった中で、多くのJAZZプレーヤーがスタジオの仕事をするようになる。「新しい仕事場」自体が彼らの演奏を必要とし、彼らも定期的な収入が得られて生活も安定する。長い演奏ツアーにでかける必要もないし。毎日、譜面と睨めっこの日が続くし、色々なダイプの音楽を演奏しなければならない。

冒頭の一文は、そんな環境がJAZZスピリッツを忘れ去らせてしまうのではないかという心配からの問題提起であろう。

しかし、そのようなミュージシャン達も出るところにでれば、そのような心配は無用。立派にJAZZSPIRITに満ちた演奏をやっている。

このアルバムのリーダー ”PLAS JHONSON” もその代表格。今回は、このJOHNSONにスポットライトを当てたということだ。
そもそも、このConcordレーベルが、このようなスタジオミュージシンを表舞台に引っ張り出して証明してきたのだ。

ジョンソンは、R&BのバンドやBE-BOPのバンドメンバーを経て、50年代の早い時期に早々とロスでスタジオミュージシャンとしての地位を確立してしまった。
スタジオミュージシャンとしての有名な演奏は、ヘンリーマンシーニのオーケストラで、映画「PINK PANTHER」のテーマでのテーナーソロが有名だ。

Concordのアルバムでは、ELLIS-BROWNのコンビや、HANNA-FONTANA BANDに加わっていたが、今回はJOHNSONのワンホーンのアルバム。ELLIS&BROWNもバックを努めるが、JOHNSONのブルージーな演奏が十分に堪能できる。

アルバムタイトルは、その彼の得意技そのまま、"THE BLUES”。
アップテンポのブルースから、Time After Timeのバラードプレー、そして、バップ色の強いシャッフルリズムに乗ったBuket O’ Bluesなど、縦横無尽にジャズスピリット溢れてブローする。ブルースにはMelvoinのエレキピアノが時には似合う。

Once More for Johnyは、ジョニーホッジスに捧げたジョンソンのオリジナル。
アルトのようにテーナーの高音域を使ったホッジスライクな演奏は、スタジオミュージシャンとしての技の多様さも披露している。
またまた一人、隠れた名手が桧舞台に立った。

1. Our Day Will Come         Hilliard, Garson 6:26
2. Georgia on My Mind      Gorrell, Carmichael 4:26
3. Bucket O' Blues              Johnson 2:26
4. Please Send Me Someone to Love   Mayfield 5:10
5. Parking Lot Blues               Brown 7:52
6. Don't You Know Little Girl         Nelson 4:34
7. Time After Time            Styne, Cahn 3:42
8. Once More for Johnny          Johnson 4:45

Plas Johnson (ts)
Herb Ellis (g)
Mike Melvoin (p,Keyboards)
Ray Brown (b)
Jake Hanna (ds)
Bobby Hall (conga)

Recorded in 1976
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やはり一度は自分のBIG BANDでやってみなくては・・・・

2007-06-10 | MY FAVORITE ALBUM
Clark Terry’s Big B-a-d Band Live at The Wichita Jazz Festival


70年代の中頃。ConcordやPabloのような、昔ながらのJAZZが復活してきたのに合わせて、BIG BANDの世界も元気を取り戻してきた。
75年のニューポートジャズフェスティバルにはなんと13ものオーケストラが出演した。
Toshiko-Tabakinのオーケストラが本格的に活動を開始したのもこの頃だ。
この年の、ダウンビートの評論家の人気投票で、NEW BIG BANDの一位に選ばれたのが、このクラークテリーのオーケストラ。“BIG B-A-D BAND”というネーミングもテリーらしい茶目っ気があって親しみが持てる。

ブルックマイヤーとの双頭コンビを続けていた後は、NBCのTONIGHT SHOWのレギュラーバンドのメンバーになったりしたが、コンスタントにレコーディングなどの活動も続けていた。
もともと、ベイシーやエリントン、そしてクインシーのオーケストラで活躍してきた経歴が示すように、BIG BANDでのプレーが好きなのは間違いない。そのテリーも70年代になって世間でビッグバンドが人気が出てきたのに乗じて、満を持して自己のオーケストラを編成したというわけだ。

このアルバムは、10日間の中西部へのコンサートツアーのために臨時編成されたオーケストラ。という事情なのでオールスターメンバーが集まっている。
トランペットセクションは、ジミーノッチンガムやリチャードウィリアムス。サドメルにも加わっていた中堅。クインシーのオーケストラで苦楽を伴にしたフィルウッズや、自らビッグバンドを持っていたジミーヒースも加わっている。トロンボーンには、若手の女性プレーヤーのジャニスロビンソンなど。ピアノは、デュークジョーダンと多士済々だ。

曲も、オリジナルもあれば、ウェインショーターのネフェルティッティ。さらに、おなじみのエリントンのA列車まで、バラエティーに富んでいる。
JAZZフェスティバルならではの広いライブ会場の雰囲気。曲間のテリーの語り口。テリーのプレーや歌。どれをとっても、会場で楽しい演奏が繰り広げられている様子が目に浮かぶ。「難しくやるより楽しくやろうぜ」といった、テリーの声が聞こえてきそうだ。

ライブのBIG BAND物には“外れ”が少ない。

1. Mas               Dorham 7:46
2. Nefertiti            Shorter 4:23
3. Take the "A" Train    Strayhorn 4:33
4. Randi             Woods 6:07
5. Mumbles           Terry 5:23
6. Sheba             Terry 5:42
7. Cold 'Tater Stomp       Foust 9:10

Clark Terry , Jimmy Nottingham , Oscar Ganby , Richard Williams , Greg Bobulinski (tp)
Jimmy Heath , Ernie Wilkins (ts)
,Pill Woods , Arnie Lawrence (as)
Charles Davis (bs)
Sonny Costanza , Jack Jeffers , Janice Robinson , Jimmy Wilkins , Ghuck Connors (tb)
Duke Jordan (p)
Wilbur Little (b)
Ed Soph (ds)

Recorded live at The Wichita Jazz Festival , April 21 , 1974

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自分のバンドを離れて、「フランス一」のオーケストラを指揮すると・・・

2007-06-09 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
JAZZ GALA 1979 with Thad Jones / Claude Bolling / Cat Anderson

自分の曲を、自分のバンドで、自分の選んだメンバーで、そして自分もプレーする。
ミュージシャンであれば、それが究極の楽しみだろう。
特にビッグバンドのアレンジまで自分で手がけると、自分の頭の中にイメージしたものがそのとおり再現されるのか。
これを見極め、体験できるが究極の楽しみに違いない。
しかし、それができるのは限られた人、そして限られた機会でしかない。
ビッグバンドを長く続けられる幸運な人物は数える程だ。

サドジョーンズも長年ミュージシャンや作編曲家としての生活を経て、サド・メルオーケストラを自ら編成していた10年以上の間、そのような想いを遂げることができた。
しかし、1978年に突然何か想うところがあったのであろう。
メルルイスを残してバンドを去る。そして、ヨーロッパに渡った。

その後しばらくヨーロッパで活躍を続けたが、その活動の手始めとしての舞台がこの演奏である。フランスのクロード・ボーリンのオーケストラが、カンヌで行われた国際レコード見本市(MIDEM)に出演した時、エリントンオーケストラで活躍したトランペットのキャットアンダーソンを引き連れてゲスト参加している。
そこでは自分の曲を2曲ボーリンのオーケストラに提供しているが、自ら指揮をしてボーランのオーケストラの素晴らしいサウンドを引き出している。
この演奏は、以前紹介したジョーウイリアムスとカーメンマクレーのライブと同じステージでの録音。歌伴では今ひとつかなとも思ったボーランのオーケストラだが、この演奏は本家サドメルよりも分厚い感じのサウンドが響き渡る。

ジョーンズが自分の作品を、いつもの自分の子飼いのメンバー以外にやらせてみて如何にオーケストラで再現させるか。この時は、「指揮者」冥利に尽きた一日であったろう。


“Back bone”は、サド・メルの74年の東京公演のライブにも収められているし、”61st and Richard”は同様に、ジョンファディスと伴にスウェーデンを訪れた時の地元のオーケストラとのアルバムでも聴ける。
聞き比べてみるのも面白い。

サドジョーンズの曲のスコアーはアマチュアバンドでもよく演奏されるが、映画「スウィングガールズ」のモデルとなった高砂高校のJAZZBANDの演奏をYouTubeで聴ける

YouTube - Backbone / BFJO Takasago (Thad Jones)

Mourice Thomas ,Fernand Verstraete, Lous Vezan, Patrick Aetero (tp)
Michel Camicas, Benny Vasseur, Bill Tamper ,Emile Vilain (tb)
Andre Villeger, Claude Tissendier (ts)
Marcel Conilar, Jean Aldegon (as,fl)
Pierre Gossez (bs,bcl)
Barthelemy Raffo (g)
Guy Pedersen (b)
Maurice Bouchon (ds)
Claude Bolling (p)

Cat Anderson (tp)

Conducted & Arranged By Thad Jones
Master of Ceremony Joe Willams

Recorded live January 22, 1979

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おなじみの曲を、少し違った「味付け」で

2007-06-08 | MY FAVORITE ALBUM
A Portrait Of Duke Ellington / Dizzy Gillespie

旨い料理には、いい食材と腕の立つ料理人が必要だ。
一見たいしたことが無い素材でも、料理人の腕次第であっと驚く料理に仕上がることがある。反対に、名産といわれる吟味された素材も集めても、下手なコックにかかると素材の良さを生かすことなく、たいした料理にはならないということも。
美味しくする秘訣は、やはり味付け。
素材の良さを生かした味付け。そして、料理人の特徴を活かした。
さらに、より美味しくするためには食器や食べる雰囲気への配慮も大事である。

ジャズの世界も同じ。
素材となる「いい曲」が、腕の立つ演奏家によって見事に料理されていく。
料理人であるプレーヤーの個性で、色々な料理が楽しめる。
時に味付けを左右するのが、アレンジャー。
素材の曲の良さを生かすこともあれば、料理人であるプレーヤーの個性を引き出すために、様々な味付けをする。
特に、大きな編成であるBIG BANDになると、ひとつのアレンジが、味付けだけではなくコース料理全体のバランスや、食器はもちろん周りの雰囲気までの全体コーディネートまで影響を与えることがある。

作曲家がバンドリーダーを兼ねると、その曲は非常に個性豊かな音作りになることが多い。
代表的なのがデュークエリントン。
エリントンの曲には有名な曲が多いが、これをビッグバンドで演奏するとなると、どうしてもエリントンオーケストラの影を引きずってしまう。
ここで、アレンジャーの腕の見せ所になる。

ビッグバンドを率いていたディジーガレスピーが、このデュークエリントンの曲にチャレンジしたアルバムがある。
この「味付け役」が、クレアフィッシャー。
白人のピアニスト兼アレンジャーだ。
いつもの、ガレスピーのオーケストラのイメージとは少し趣が違う。
確かにバックはオーケストラだが、ソロはガレスピーだけ。
オーケストラは、完全にガレスピーの引き立て役に徹している。

そして、このフィッシャーのアレンジが実に旨い味付けだ。
エリントンのオーケストラはクラリネットの使い方に特徴があるが、フィッシャーも木管とホルンを中心としたブラスのアンサンブルで、次々を味付け加えていく。
似たサウンドであっても、エリントンの印象に引っ張られることなく、微妙に独自の隠し味を配している。
有名なキャラバンなども、何故か普通の4ビート。いつものラテン調とは趣が違う。
ガレスピーのオーケストラというと、派手なブローとラテンリズムを取り入れた明るいサウンドを思い浮かべるが、たまには、少し違った味付けでガレスピーのプレーを聴いてみるのも悪くない。

In A Mellow Tone
Things Ain't What They Used To Be
Serenade To Sweden
Chelsea Bridge
Upper Manhattan Medical Group
Don Nothin' Till You Hear From Me
Caravan
Sophisticated Lady
Johnny Come Lately
Perdido
Come Sunday

Dizzy Gillespie (tp)
Bennie Green (tb)
Ray Alonge, Richard Berg, Joe Singer (frh)
Jay McAllister (tu)
Robert DiDomenica (fl)
Ernest Bright, John Murtaugh, Paul Richie, Stan Webb (woodwinds)
George Devens (vib)
Hank Jones (p,cel)
George Duvivier (b)
Charlie Persip (d)
Clare Fisher (arr, dir)

NYC, April 27,28, 1960
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楽しいJAZZをタイトルどおりに。

2007-06-07 | CONCORD
“Joyfull Jazz”/ Father Tom Vaughn 

今から30年以上前。JAZZ喫茶全盛期に、京都にはたくさんのJAZZ喫茶があった。
東京の場末の薄暗い場所にあるのと違って京都のJAZZ喫茶は市内のあちこちに様々な風情を感じさせる佇まいで点在していた。
若い頃、同じ趣味の友人とわざわざ京都に2泊3日でJAZZ喫茶巡りの旅をしたこともある。もちろん、おいしい料理の食べ歩きはしたが、普通の観光は一切せずに。

その中に、河原町の市内にあった一軒の店。「ブルーノート」。今でもあるようだが。
記憶が間違っていかければ、この店のカウンターが実に洒落ていた。
カウンターに座るとちょうど手前に、ピアノの鍵盤の絵柄が書かれていたのがすごく印象に残っている。
ピアノを弾けなくとも、思わずカウンターを叩きたくなるような雰囲気になる。
特に、スイングする「楽しいジャズ」が聞こえて来た時。

このアルバムが出たのは、ちょうどそんな京都詣をしていた頃。
ジャケットのデザインは、シンプルにピアノの鍵盤が斜めにデザインされている。
シンプルだが印象的な絵柄だ。
そして、タイトルは「Joyful Jazz」。コンコルドの16枚目のアルバム
それだけで、楽しい音が聞こえてきそうだ。

Tom Vaughnというピアニストもまったく知らなかったし、その後の活動も知らない。
Concordで、何故か突然紹介され、その後アルバムが続いて出たわけでもない。
その名のとおり本職は神父だそうだ。
このアルバムは最初に聴いたときから何故か印象に残っている。

A面は、クラブでのライブ。ライブ独特の雰囲気の中で、スタンダード曲を3曲。
確かに楽しいJAZZだ。
2曲目のフライミーツーザムーンでは、意表をついてクラシックのバロック曲のイントロが続く。オイゲンキケロとかジャックルーシェなど、一時クラッシクをJAZZ風に演奏するプレーヤーがいたが、まさにそのノリである。

B面は、スタジオ録音。
オリジナルもあり、新しいスタンダードもあり。曲調もバラードあり、ゴスペル風あり。
中でも、最後の「リパブリック賛歌」は、アメリカのある有名なラジオのJAZZ番組で長年テーマソングにも使われたとか。
たった一枚のマイナーなアルバムだが、キラリと光る何か人を惹きつける魅力がある。

Misty
Fly Me To The Moon
On Green Dolphin Street 
Holy Smoke
Prayer For My People
The Shadow Of Your Smile
You Are The Sunshine Of My Life
My Foolish Heart
The Buttle Hymn Of The Republic

Father Tom Vaughn(p)
Monty Budwig(b),
Jake Hanna(ds).

Reccorded
(Side A) live at Boundary Oak, Walnut Creek, CA,1976.
(Side B) prob, 1976.

(Concord Jazz, CJ-16)

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Duetの良さは、まるで2人が語りあっているような感じになったとき。

2007-06-06 | MY FAVORITE ALBUM
THE POWER OF POSITIVE SWINGING / CLARK TERRY & BOB BROOKMEYER

Duetの良さは、2人のコラボレーションにより、1+1が2ではなく、3にも4にもなっていくこと。
それには2人の相性と、息の合ったプレーが必要だ。
Duetの名盤には、そのような作品が多い。

普通のコンボ編成でも、その中の2人の相性がぴったりあうことがある。
George Barnsもそのようなプレーを好んだが、Bob Brookmeyerもその一人かもしれない。
必ずといっていいほど相棒がいる。
BILL EVANSとピアノで共演したりしたが、これは余興のようなもの。BROOKMEYERの本職はやはりトロンボーン。

真夏の夜のJAZZで有名なJimmy Giuffre とのコンビや、GERRY MULLIGANとの共演も有名だが、楽しくスイングする演奏は、CLARK TERRYとのコンビに軍配が上がる。
この2人は、マリガンのコンサートジャズバンドでのメンバー同士。
ブルックマイヤーはマリガンと行動を伴にしていたし、テリーはクインシーのオーケストラから転じてきた。

TERRYとフリューゲルホーンとBROOKMEYERのバルブトロンボーンのアンサンブルとソロは、まさに低音の魅力。
何かもごもごした感じで切れ味は悪そうだが、実際は歯切れよくスイングする。
彼らのコンビは、よく出演していたHALF NOTEでは、mumble(もぐもぐ) & grumble(ぶつぶつ)と呼ばれていたそうだが、そのあだ名どおりの演奏だ。
低音域は人の声とも近いので、ピッタリした表現かもしれない。
この2人は、61年から65年まで長い間コンビを組んでいた割には一緒に録音したアルバムは少ない。
ブルックマイヤーは、この後サド・メルに加わっていく。
そして、テリーは自分のバンドへ。

また、このアルバムのタイトルが実にいい。”Positive Swinging”、これも2人の演奏にぴったりのタイトルだ。
ちなみに、NEGATIVE SWINGINGとはどんなSWINGなのだろうか。少し興味がある。
バンド全体がスイングしているのは、ピアノのROGER KELLAWAYの影響も大きい。
60年代の初頭、だんだん難しくなっていったJAZZの世界に、こんな楽しい演奏もあったのにほっとする。

お気に入りは、軽快なGAL IN CALCO。
有名なリパブリック賛歌は、レギュラー出演していたハーフノートの料理長のお気に入りでテーマソングだったそうだ。

DANCING ON THE GRAVE
BATTLE HYMN OF THE REPUBLIC
THE KING
ODE TO A FLUGELHORN
GAK IN CALCO
GREEN STAMPS
HAWG JAWZ
SIMPLE WALTZ
JUST A OLD MANUSCRIPT

 CLARK TERRY (tp,flh)
 BOB BROOKMEYER (vtb)
 ROGER KELLAWAY (p)
 BILL CROW (b)
 DAVE BAILY (ds)

Recorded in 1964 

東京オリンピックの年の録音だ。
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おなじみのジャケットだが、いつもの赤と違って「黄色」の色違い。

2007-06-05 | MY FAVORITE ALBUM
THE BIRTH OF A BAND vol.2 / QUINCY JONES

Quincyの名盤といわれる「The birth of a band」の続編、Vol.2だ。
いわゆる、別テイクやシングル用の録音を集めたオムニバス物だが、ちょうどクインシーの自己のバンドを立ち上げるときの、一番気合の入っているときのセッションの録音から集めたもの。
「バンドの誕生Vol.2」に相応しい演奏が集められており、立派に独立したアルバムとして通用する。

ヨーロッパ公演中のトラブル直後の、パリでの録音が収められているのが貴重だ。
特に、59年の録音のメンバーは新しいバンドの誕生に相応しいオールスターメンバーが揃っている。
それに加えて曲もよし、演奏もよし、それに加えてクインシーのアレンジもよしで4拍子揃った愛聴版だ。

Quincyのオリジナル曲はもちろん、古いブギーの曲、それにモダンジャズの世界でその時ヒットしていた「モーニン」、ポピュラーなシンコペイテッドクロックなど、多方面からの曲が集められ、早くもQUINCYの多彩な一面がうかがわれる。

クインシーのアレンジの特徴のひとつが、フルートとブラスのミュートのアンサンブル。これはサドジョーンズの得意技でもあるが、このクインシーのアレンジから発展していったのであろう。
ベイシーに提供したブリージングリー・ブランプは、まさにベイシー調のアレンジで、本家よりも一足早く録音をしている。かと思うと、マーチング・ザ・ブルースはその名のとおりマーチングバンドの乗り。サムウッドヤードのドラムが生える。そして、チュー・チュー・チュブギーは後乗りの2ビート。

玉手箱のように次から次へと、楽しい、面白い仕掛けが出てくるオーケストラだ。
SwingからModern Big Band へ。
その頂点でのアルバムではあるが早くもModern Big Bandから、よりポピュラーな世界、Brass Rock,そしてFusion, CossoverへのQuincyの展開を予感させる一枚だ。

Syncopated Clock

Harry "Sweets" Edison, Ernie Royal, Clark Terry, Joe Wilder (tp) Billy Byers, Jimmy Cleveland, Urbie Green, Tom Mitchell (tb) Jerome Richardson (fl, as, ts) Phil Woods (as) Budd Johnson, Sam "The Man" Taylor (ts) Danny Bank (bars) Moe Wechsler (p) Kenny Burrell (g) Milt Hinton (b) Osie Johnson (d) Quincy Jones (arr, cond)
Fine Recording, NYC, February 9 & 10, 1959

Choo Choo Ch' Boogie
The Midnight Sun Will Never Set
The Preacher
Marchin' The Blues

Harry "Sweets" Edison, Joe Newman, Ernie Royal, Clark Terry (tp) Billy Byers, Jimmy Cleveland, Urbie Green, Tom Mitchell (tb) Julius Watkins (frh) Jerome Richardson (fl, as, ts) Phil Woods (as) Budd Johnson, Sam "The Man" Taylor (ts) Sahib Shihab (bars) Patti Bown (p) Kenny Burrell (g) Milt Hinton (b) Sam Woodyard (d) Jimmy Crawford (per) Quincy Jones (arr, cond)
Fine Recording, NYC, March 9 & 10, 1959

Moanin' (alt. take)
Happy Faces

Harry "Sweets" Edison, Ernie Royal, Clark Terry, Joe Wilder (tp) Jimmy Cleveland, Urbie Green, Quentin Jackson, Melba Liston (tb) Julius Watkins (frh) Frank Wess, Phil Woods (as) Benny Golson, Jerome Richardson (ts) Danny Bank (bars) Patti Bown (p) Kenny Burrell (g) Milt Hinton (b) Charlie Persip (d) Quincy Jones (arr, cond)
Fine Recording, NYC, May 26, 1959

Daylie Double

Joe Newman (tp) Zoot Sims (ts) Sahib Shihab (bars) Sam Woodyard (d) replaces Edison, Richardson, Bank, Persip
Fine Recording, NYC, May 27 & 28, 1959

Pleasingly Plump
A Parisian Thoroughfare

Benny Bailey, Lonnie Johnson, Floyd Stadifer, Clark Terry (tp) Jimmy Cleveland, Quentin Jackson, Melba Liston, Ake Persson (tb) Julius Watkins (frh) Porter Kilbert, Phil Woods (as) Budd Johnson, Jerome Richardson (ts) Sahib Shihab (bars) Patti Bown (p) Les Spann (g, fl) Buddy Catlett (b) Joe Harris (d) Quincy Jones (arr, cond)
Barclay Studios, Paris, France, April 21, 1960

G'wan Train (long ver.)

Benny Bailey, Freddie Hubbard, Jerry Kail, Clyde Raesinger (tp) Wayne Andre, Curtis Fuller, Quentin Jackson, Melba Liston (tb) Joe Lopez, Phil Woods (as) Oliver Nelson, Jerome Richardson (ts) Sahib Shihab (bars) Patti Bown (p) Les Spann (g, fl) Buddy Catlett (b) Stu Martin (d) Quincy Jones (arr, cond)
Bell Sound Studios, NYC, October 19, 1960
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午後のうたた寝に最適なBGM・・・?

2007-06-04 | CONCORD
GEMS / Joe Venuti & Georg Barnes

久々にゆっくりした休日。
朝の2度寝も何ヶ月ぶりだろう。
散らかったままの部屋の整理でも始めようと思い立ったもののなかなか捗らず。
そこそこにして引き上げて、まとめてJAZZでも聴こうと何枚か聴いている内にこの一枚に。

この前からConcordの棚卸しを始めたが、まだ先日のRay Brown & Herb Ellisでまだまだ12枚目。
13枚目のレコードナンバーをみたらCJ-14.
そうそう、13番は欠番だった。
エレベーターでも13階が無かったりするところもある。
例の13日の金曜日からきているのだろうが。同じキリスト教を信者が多い国で必ずしも13日の金曜日が不吉な日とするものではないらしい。
海の向こうでもお国柄によって縁起の担ぎ方も色々なのだろう。

さて、このアルバムだが、ヴァイオリンのVenutiが加わっている。
が、全体の雰囲気はBarns & Braffのグループと基本的には同じ。
Braffのコルネットがvenutiのヴァイオリンに代わったものだ。ドラムにJake Hannaが加わっているので、いくらかリズム感が増したのは間違いないが、ピアノレスの軽い乗りが心地よい。

Jazzとヴァイオリンというとステファングラッペリやレイナンスが有名だが、Venutiはイタリア出身の移民。ブルージーな演奏といよりは、ヨーロッパの明るい音楽が良く似合う。
この録音の時、すでに80歳を超えており実はJAZZの歴史をそのまま生きてきたプレーヤー。20年代から様々なジャンルの音楽に接し、ジャズのプレーでも独自の世界を作っているのは、ハインズのピアノと同じ。

この時期のバーンズのグループは、リズムを加えているが「デュエット」を基本にしている。2人のコンビネーションをうまく引き出すように、きちんとアレンジをした中での音作りをしている。ヴェヌーティのバイオリンの音色が全体のサウンド作りに旨く生かされている。
このサウンド作りに、練習も丹念に行っていたそうだ。

心地よいサウンドが続くが、B面にはヴァイオリンにはお似合いの「ユーモレスク」も入っている。その頃にはすっかり気持ちよい気分でうたた寝状態。
子守唄という訳でも無いが午後のひと眠りには最適な一枚であった。

I Want to Be Happy
I'm Coming Virginia
Almost Like Being in Love
I'll Never Be the Same
Oh Baby
Hindustan
Lover
Humoresque
Poor Butterfly
Oh, Lady Be Good

Joe Venuti (Violin)
George Barnes (g)
Bob Gibbson (g)
Herb MIckman (b)
Jake Hanna (ds)

1975

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ブロードウェイ音楽をジャズでやるが、ジャズでショーはできるか?

2007-06-03 | MY FAVORITE ALBUM
The Real Ambassadors / Louis Armstrong ,Dave Brubeck ,Carmen McRae& L.H.R

JAZZの世界には意外な組み合わせというのが良くある。
これも、その一例だと思うが、メンバーだけを見るとおよそお互いのコラボレーションのイメージができない。
でも、この一枚はよく聴くと実によくプランされ、それに応えてメンバーが“好演”したアルバムだと思う。

アメリカ政府お墨付きの文化使節として、JAZZ大使を任命されたのが、ガレスピーサッチモなどのJAZZの巨人たちであったのは以前紹介した。
そのサッチモ達の各国での熱狂的な歓待ぶりを見て、その集大成とでもいうべき「組曲」が企画された。
企画したのはデーブブルーベック。そして、その妻のイオラ・ブルーベックの2人の願いからこのアルバムが誕生した。

企画を暖めていたのは、ガレスピーがJAZZ大使の大役を果たした1956年から。ブロードウェイのミュージカルをJAZZで演奏するのは誰もがやるが。ジャズのショーをブロードウェイ風にというのが、ブルーベック夫妻の基本的な考えだったそうだ。

主役はやはり「サッチモ」しかいない。そして、サッチモに時間ができた1961年になって、このアルバムが録音された。サッチモのバンドにブルーベックのグループも加わる。それに、カーメン・マクレーとランバート,ヘンドリックス&ロスのグループも加わる。

曲はすべてブルーベックの書き下ろし。ショー仕立てされた曲は、ソロありデュエットあり、そしてコーラスあり。JAZZ大使を称えた、組曲に構成されている。
このアルバムでは、結局ブルーベック夫妻が用意した曲の半分しか収録されなかったようである。

実際に、このショーを、このメンバーで、実際にライブでやったかどうかは知らない。
今でもこの組曲が、ショー仕立てで舞台で演奏そして歌われるようなことがあればぜひとも見てみたいものだ。

普通では一緒に演奏することなどありえないミュージシャン達が、単にジャムセッションや顔合わせではなく、このようなJAZZを共同で作り上げるのも素晴らしいことだ。
最後に、「吹けよサッチモ!」と全員でフィナーレを迎えるのは圧巻。
普通のアルバム作りではこうはいかない。

そういえば、QUINCYのオーケストラがヨーロッパ遠征の時、途中で取りやめになったミュージカル「FREE&EASY」は、ミュージシャンが衣装を着て舞台に上がって演奏したそうだ。
まさに、JAZZをショーで見せる舞台だったのかもしれない。
その、QUINCYも晩年にはこんなアルバム作りをしているのも、何かの因果か。

Everybody’s Comin’
Cultural Exchange
Good Reviews
Remenber Who You Are
My One Bad Habit
Summer Song
King For A Day
Blow Satchmo
The Real Ambassador
In the Lurch
One Moment Worth Years
They Say I Look Like God
Since Love Had Its Way
I Didn't Know Until You Told Me
Swing Bells :Blow Satchmo :Finale

Louis Armstrong(vcl,tp)
Carmen McRae(vcl)
Dave Brubeck(p)
Trummy Young(tb)
Paul Desmond(as),
Gene Wright(b)
Joe Morrello(d)

New York, September13,18,22, December 16,1961


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最大公約数か最小公倍数か?

2007-06-02 | MY FAVORITE ALBUM
HERE COMES Earl “Fatha” Hines / The Earl Hines Trio

違いを見つけて共通項を探し出すのか、大雑把に同じものとみなして違いを探していくのか。物の見方には大きく2つのアプローチがある。
日本人はどうも分類学が好きなようなので、似たようなものを並べられてこれは同じだといわれると、目先の違いを探し出すことが好きな人種の様な気がする。
そのきめ細かさが、日本製品の品質を維持してきた歴史があるのではあるが。色々混沌として複雑怪奇になってきた時こそ、原点に戻って俯瞰的に物をみると全体が見渡せるものなのだが。
両方の視点が必要だということだろう。

今世間の話題となっている、「放送と通信の融合」。これも今までの常識の延長で考えれば色々矛盾がでてきて、技術的にも法律的、あるいは政治的にもそれを解決するために混沌とした世界での議論が飛び交っている。実は答えはすごく簡単かもしれない。
複雑すぎるものは、社会の基盤としては根付かないものだ。
利用者はあくまでも我々人間。
簡単で、便利なもの、そして日常生活に受け入れられるものだけが行き残るのが世の常。

ジャズの世界も分類をしだしたらキリがない。
スイングだ、モダンだ、フュージョンだけならまだしも、やれ中間派とか、新主流とか。とかく色々理由を付けては区分が増えてくる。
確かに、何か区分を付けないと整理も理解もできないので仕方がないが。

でも、ジャズは所詮個性の固まりのようなもの。最後は個性あるプレーヤー一人ひとりの組み合わせでタイプやパターンは決まってくる。影響力があるものがいればそれを真似るものも出てくる。
しかし、同じ人でも、時と場と相手を選んで微妙に演奏を変えることもある。
器用なプレーヤーは、大胆に変身する者もいれば、誰とやっても頑なに変わらない人もいるし。
まあこの、自由度と偶発性が楽しいのだ。

普段まったく別世界でプレーしているもの同士が、時に顔を合わせることがある。
フェスティバルやライブのステージもあれば、レコーディングという形をとることもある。
ジャムセッションという共通言語と共有の場があるのがJAZZの場合は便利だ。
レコーディングとなるとそれなりの企画や思惑が入るが、いずれもしても「この異色の組み合わせがどんな音を出すのか?」。聞いてみるまでの一時の楽しみだ。

大分前置きが長くなったが、このアルバムもそんな一枚だ。
JAZZピアノの父、アールハインズ。
先日聞いたアルバムでは、ジミーウイザースプーンのブルースのバックをしていたが、ここでは主役。
リリカルなタッチから、ブルージーなもの、ストライド風まで、まさに「THE JAZZ PIANO」だ。
バックを努めるのが、ELVIN JONESとRICHARD DAVIS。
この当時ELVINはコルトレーンの元を離れたばかり、そしてDAVISはサドメルに参加。当時の最前線で活躍していた2人だ。
親子程に年も違うし、プレーをしてきたフィールドも違う。
でも、一見水と油に感じる3人のプレーは実に気持ちがよく聴ける。
3人の最大公約数を気にしていたが、いきなり最小公倍数からスタート。さらなる拡がりを感じだ。
このアルバムをジャンル分けすると一体何になるのだろう。
JAZZでいいのでは?

このアルバムのプロデューサーでもある“STANLEY DANCE”がJAZZ界からは忘れ去られようとしていたハインズに、64年に3回のコンサートを企画したのが彼のその後の復活につながったそうだ。
それがなかったら、このアルバムも存在しなかったし、ハインズは過去の人で終わってしまったということだ。

団塊の世代が引退しつつある日本で、彼のようなプロデューサーが社会的にも必要だということなのだろう。

1 Save It, Pretty Mama    Denniker, Davis, Redman
2 Bye Bye Baby        Styne, Robin
3 Smoke Rings        Gifford, Washington
4 Shoe Shine Boy       Chaplin, Cahn
5 Stanley Steamer      Hines
6 Bernie's Tune       Stoller, Miller, Leiber
7 Dream of You        Morales, Lunceford

Earl Hines (p)
Richard Davis (b)
Elvin Jones (ds)

Recorded in New York , January 17,1966
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昔とった杵柄も、お披露目するにはたまには練習をしておかないと。

2007-06-01 | CONCORD
HOT TRACKS / Herb Ellis – Ray Brown Sextet

Concordレーベルが誕生した70年代、西海岸のハリウッドは映画に代わってテレビ番組制作の全盛期。ドラマのサントラ、コマーシャル、そしてバラエティーショーのオーケストラと、ミュージシャンが活躍する場所は山ほどあった。
かって、JAZZの世界で活躍していたミュージシャンの多くが、この時代はスタジオ入りしてテレビの世界で仕事をしていた。

このConcordレーベルが活躍を始めると、一人また一人とそんな境遇のミュージシャンが集まってくた。久しぶりに集まった人もいるだろうし、同じ世界にいながら初めてあった者同士も。
ところが、ひとたび「JAZZの言語」で語り出だすと、お互いコミュニケーションをとるのに面倒な解説や説明はいらない。
集まったメンバーには、ジャムセッションの伝統と若き日に鍛えた技が脈々と引き継がれている。

「あれをこうしよう」「それでいこう」・・・・、簡単な言葉のやりとりだけで、演奏は続く。結果は特に何の編集もいらない、オーバーダビングもいらない。その当時のロックのアルバムの録音はスタジオを長期間占有して、その後も加工・編集のプロセスが延々続くようになってきたのとは好対照だ

彼らにとって、別に楽器を止めたわけではない。JAZZをやっていなかっただけ。
いつもは譜面とにらめっこしながらのプレーが多い中、久々に顔を見合わせながらのプレーを楽しんでいる様子が目に浮かぶ。

EllisとBrownのコンビも3作目で絶好調。
今回は、いつもの仲間に新たにMike Melvoinのピアノが加わった。ほとんど無名に近いスタジオワーク中心のMelvoinだが、メンバー間のコンビネーションはますますこなれてきている。
とても、ジャムセッションもどきの演奏とは思えない。

最近、学生時代の仲間が、昔やっていたバンドを再編して練習を始めたらしい。
先日、そのリーダー格のピアノを弾く女性と久々に一緒にライブを聞きにいったら近況を話してくれた。
「みんな大変なのよ。指は動かなくなるってるし」、「譜面は眼鏡をかけなければよく見えないって言うし」、「ボーカルは高い声が出なくなってキーを下げると、みんなついてこれなくて・・・」と。
彼らの再デビューにはもう少し時間が掛かりそうだ。
当の彼女は、しばらく前にプレーに復帰して、最近ではもっぱらJAZZにはまっている。それも、セミプロ並みの活動をしているとか。

「昔とった杵柄」、餅つきの杵を使いこなす「技」も技術のうちとよく言うが。
一度身に付けた技術は一生ものとはいうものの、たまには腕を磨いておかないといざというときにはやはり役立たずだ。
「昔の杵柄を生かしている」のは結局彼女だけ。
年をとっても何か自慢できるものをきちんと身に付けておきたいものだ。

1  Onion Roll            Ellis 4:21
2  Spherikhal           Brown 4:50
3  But Beautiful   Burke,VanHeusen 5:19
4  Blues for Minnie        Brown 4:36
5  Bones             Johnson 5:49
6  So's Your Mother       Melvoin 5:15
7  Squatty Roo          Hodges 3:04
8  Sweetback           Edison 4:24

Harry Sweets’ Edison (tp)
Plas Johnson (ts)
Mike Melvoin (p)
Herb Ellis (g)
Ray Brown (b)
Jake Hanna (ds)

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