A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

リラックスした環境で究極の即興演奏を・・

2007-06-12 | MY FAVORITE ALBUM
Report of the 1st Annual Symposium on Relaxed Improvisation with Warne Marsh,Clare Fischer,&Gary Foster

ジャズの醍醐味は即興演奏。
「アドリブ」とも「インプロビゼーション」とも言われるが、ジャズプレーヤーにとっては、この即興演奏でいかに自己表現ができるかを日々悩んでいることであろう。
一人「ソロ」でその境地にチャレンジしたり、相手とのコラボレーションでお互い刺激を与えながらそのインタープレーにその真髄を極めたり、オーケストラをバックに一人悦に入ったり・・・・・・。
アプローチの仕方は色々ある。

“JATP”に代表されるライブの演奏、「ジャムセッション」における即興演奏の楽しみというのもある。簡単な約束事だけで、聴衆の熱気を相手に自分の特徴を出し合いながら最後は皆で一気に盛り上がる。常套手段だが、即興演奏を楽しむには、聴く側も演奏する側もそれなりの楽しみがある。普段あまり顔合わせをしないメンバー同士の交わりには一番適した手段かもしれない。
ジャズクラブでのジャムセッションは、BIGプレーヤーを相手にした共演は新人の登竜門でもある。同じライブでもまた違った役割がある。
同じグループで毎日演奏をしていると、アドリブはあっても、曲全体の構成は自然と形にはまってきてしまう。

こんな感じで、即興演奏は色々な形式、状態で繰り広げられるが、はたしてミュージシャンにとっての究極の即興演奏は何であろうか?
聴衆は関係なく、プレーヤー同士が非常にリラックスした状態で、お互いに刺激しあって即興演奏を極めるというのもひとつの形であると思う。
こんな、プレーを収めた一枚がある。

企画したのは、ピアニストでああり、アレンジャーのClare Fischer。
ガレスピーのエリントン曲集のアレンジを担当した、あのクレアフィッシャーだ。

場所は、フィシャーの自宅。そこに、ポータルブルの録音機材が持ち込まれた。
三々五々、そこに仲間達が集まって、まずはパーティーが開かれた。
食事や酒も適度に進んだところで誰からとも無くプレーが始まる。
何の取り決めも無く、誰かが演奏を始める。それに合わせて、だんだんと他のメンバーが加わり色々な解釈があり一曲が終わる。そして、また次の曲へ。

アルバムのタイトルどおり、「即興演奏のシンポジウム」は終わった。
何も観客に媚びることもない。無理にステージを盛り上げるような必要も無い。
プロのミュージシャンが、自分達の思うJAZZの世界を自分達だけで楽しんだ記録がこの一枚。
JAZZのアルバムには、計算し尽されてプロデュースされたヒット間違いないアルバムもあれば、このようなほとんど人目に触れることも無いようなアルバムもある。
何の仕掛けも無い単なる素材のようなJAZZ。
何か、化粧を落としたスッピンの美女の寝顔の美しさを見たような気分になる。
これもJAZZの楽しみのひとつかもしれない。

It Could happen to You
Bluesy Rouge
In a Mellowtone
Yesterday

Warne Marsh (ts)
Gary Foster (as)
Clare Ficcher (p)
Paul Ruhland (b)
John Terry Tirabasso (ds)

Recorded 9 May , 1972 , at the home of Clare Fischer, Van Nuys, California

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