A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

文化使節となったガレスピーのBIG BAND

2007-03-18 | MY FAVORITE ALBUM
DIZZY GILLESPIE / WORLD STATESMAN

ガレスピーのビッグバンドはいつの時代にも話題を提供するが、50年代にJAZZの文化使節としてBIGBANDが編成されたことがある。タイトルどおり、ガレスピーの世界を股にかけた「政治家」としての活躍だ。

マイルスやコルトレーンのように、神がかったような評価をされる巨人に較べると、ガレスピーはよく過小評価されているという。彼のもつエンターテイメント性が、マイナスになっているのかもしれない。誰にでも受け入れられる音楽作りというのは大事なことだと思うが。玄人好みの日本では余計にそうなのかもしれない。

しかし、パーカーなどと共にビバップを興し、長年に亘り自らプレーをするだけでなく、JAZZの発展で、多方面に影響を与えた功績は大きいと思う。
ジャズの本流を進みながらも、ラテンなどの要素を積極的に取り入れ、また新しいものを取り入れ、常に新人を発掘する進取の精神を失わなかったのは、人間としても見習うべきところが多い。大統領候補にも選ばれかかったことがあると聞いたが、もっともなことだと思う。

このようなガレスピーが、JAZZの文化使節に選ばれるのも必然だし、それが大好きなBIG BAND編成でとなると、力の入れ方も違ったのだろう。素晴らしいバンドが編成された1956年のことだった。中東を中心としたツアーに出かけた。その直後の録音である。
参加したメンバーも素晴らしいが、クインシージョーンズ、メルバリストン、アーニーウィルキンスといった若手の編曲が色を添えている。NIGHT IN TUNISIAなどガレスピーの曲のおなじみの演奏もあれば、I CAN’T GET STARTED WITH YOUなどのスタンダード曲の料理の仕方も聞き応えがある。

文化使節となると、いつものようなJAZZファンの前での演奏ではない。文化も音楽への感性も異なる国々で聴衆を虜にできる万国共通の何かがガレスピーの世界にはあるのだろう。

このツアーの成功に気をよくしたのかもしれない。この録音の後、WYNTON KELLYやLEE MORGANなどが参加したNEW BIG BANDが誕生し、国内のツアーを続け、翌年のNEW PORT JAZZ FESTIVALにも参加することになる。

この録音が行われた1956年のガレスピーのちょっと面白い映像がある。

BUSINESS
JESSICA’S DAY
TOUR DE FORCE
I CAN’T GET STARTED
DOODLIN’
NIGHT IN TUNISIA
STELLA BY STARLIGHT
THE CHANP
MY REVERIE
DIZZY’S BLUES

Dizzy Gillespie (tp, vo)
Joe Gordon, Quincy Jones, Ermit V. Perry, Carl Warwick (tp)
Rod Levitt, Melba Liston, Frank Rehak (tb)
Jimmy Powell, Phil Woods (as)
Billy Mitchell, Ernie Wilkins (ts)
Marty Flax (bars)
Walter Davis Jr. (p)
Nelson Boyd (b)
Charlie Persip (d)

NYC, May 18 & 19, 1956

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