A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

自分のバンドを離れて、「フランス一」のオーケストラを指揮すると・・・

2007-06-09 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
JAZZ GALA 1979 with Thad Jones / Claude Bolling / Cat Anderson

自分の曲を、自分のバンドで、自分の選んだメンバーで、そして自分もプレーする。
ミュージシャンであれば、それが究極の楽しみだろう。
特にビッグバンドのアレンジまで自分で手がけると、自分の頭の中にイメージしたものがそのとおり再現されるのか。
これを見極め、体験できるが究極の楽しみに違いない。
しかし、それができるのは限られた人、そして限られた機会でしかない。
ビッグバンドを長く続けられる幸運な人物は数える程だ。

サドジョーンズも長年ミュージシャンや作編曲家としての生活を経て、サド・メルオーケストラを自ら編成していた10年以上の間、そのような想いを遂げることができた。
しかし、1978年に突然何か想うところがあったのであろう。
メルルイスを残してバンドを去る。そして、ヨーロッパに渡った。

その後しばらくヨーロッパで活躍を続けたが、その活動の手始めとしての舞台がこの演奏である。フランスのクロード・ボーリンのオーケストラが、カンヌで行われた国際レコード見本市(MIDEM)に出演した時、エリントンオーケストラで活躍したトランペットのキャットアンダーソンを引き連れてゲスト参加している。
そこでは自分の曲を2曲ボーリンのオーケストラに提供しているが、自ら指揮をしてボーランのオーケストラの素晴らしいサウンドを引き出している。
この演奏は、以前紹介したジョーウイリアムスとカーメンマクレーのライブと同じステージでの録音。歌伴では今ひとつかなとも思ったボーランのオーケストラだが、この演奏は本家サドメルよりも分厚い感じのサウンドが響き渡る。

ジョーンズが自分の作品を、いつもの自分の子飼いのメンバー以外にやらせてみて如何にオーケストラで再現させるか。この時は、「指揮者」冥利に尽きた一日であったろう。


“Back bone”は、サド・メルの74年の東京公演のライブにも収められているし、”61st and Richard”は同様に、ジョンファディスと伴にスウェーデンを訪れた時の地元のオーケストラとのアルバムでも聴ける。
聞き比べてみるのも面白い。

サドジョーンズの曲のスコアーはアマチュアバンドでもよく演奏されるが、映画「スウィングガールズ」のモデルとなった高砂高校のJAZZBANDの演奏をYouTubeで聴ける

YouTube - Backbone / BFJO Takasago (Thad Jones)

Mourice Thomas ,Fernand Verstraete, Lous Vezan, Patrick Aetero (tp)
Michel Camicas, Benny Vasseur, Bill Tamper ,Emile Vilain (tb)
Andre Villeger, Claude Tissendier (ts)
Marcel Conilar, Jean Aldegon (as,fl)
Pierre Gossez (bs,bcl)
Barthelemy Raffo (g)
Guy Pedersen (b)
Maurice Bouchon (ds)
Claude Bolling (p)

Cat Anderson (tp)

Conducted & Arranged By Thad Jones
Master of Ceremony Joe Willams

Recorded live January 22, 1979

コメント
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