Jmmy Witherspoon at the MONTEREY
Woody Hermanオーケストラが熱演した第2回の1959年のモンタレージャズフェスティバル。
そのハーマンが出演した前日、西海岸のモンタレーでおなじみの霧が帯び状に漂いだし、初日の最後のステージが終ろうとしていた。
一瞬の静寂。
聴衆もステージがもう終わったのかなと思った瞬間、ステージにずんぐりとした威厳のある雰囲気の漂う男が現れると、ピアノを平手で2回叩いて、ピアノの椅子についていたアールハインズに“DOWN HOME! ’A’ FLAT”と叫んだ。
マイクロフォンをわし掴みにすると、6000人の聴衆を相手にブルースのレッスンを開始した。
ハインズのピアノトリオに、トランペットのロイエルドリッジ、テナーのコールマンホーキンズにベンウェブスター、トローンボーンのアービーグリーン、そして、クラリネットを手にしたウディーハーマンも舞台にあがって準備万端整っていた。
歌いだしたのは、「こてこて」のブルース歌手、Jimmy Witherspoon。
周りのざわめき、掛け声が妙にリアルに聞こえる。
舞台は完全に「ブルース」の世界に包まれ、同じJAZZとはいっても一味違う雰囲気が漂う。
その時まで何のリハーサルもなし。そしてプログラムも決まっていなかった。
始まる前に、ウィザースプーンは、「どうする?」と聞かれた。
彼は答えた、「気にするなよ。ベンとはいつもこんな調子でやっているし。アールはスイングするピアノだよ・・」と。
結局、このバンドが演奏を始めるのには、“DOWN HOME! ’A’ FLAT”だけが必要だったということだ。
JAZZの究極の楽しみ、オールスターでのジャムセッション。
それも、飾りっ気のない“ブルース”で。
ドラムには、ハーマンオーケストラに客演していたMel Lewisが座っていた。
スタンケントンオーケストラで長くプレーし、このときはロスに居を構えてスタジオミュージシャン生活。このブルースセッションには、少し場違いな感じがしないでもないが。
色々なセッションは経験していると思うが、こんなセッションは珍しかっただろう。
翌年Mel Lewisはロスを離れてニューヨークに向かう。Quincyがヨーロッパに旅立ったのに合わせるように。
ハーマンのオーケストラにウィザースプーンのステージ。このモンタレーでの演奏と経験が何か彼を思い立たせる原因になったのかもしれない。
もし、メルがニューヨークに行かなければ、サド・メルのオーケストラは生まれなかったのだ。
59年のマイナーレーベルの録音だが、妙に生々しいライブの音が印象的だ。
ライナーノーツには、録音機材を含めて詳細は録音データが記載されている。
レーベル名は「Hifi Jazz」。こんなレーベルもあったのだ。
LPからステレオの時代に、よい音へのこだわりが進化した頃だ。
おかげで、今でもこの時代の演奏を素晴らしい音で聞くことができる。
技術の進化とそれを使いこなして、その時代のJAZZを残してくれた先達に感謝しなければならない。
No Rollin’ Blues
Good Rockin’ Tonight
Big Fine Girl
Ain’t Nobody’s Business
When I Been Drinkin’
Jimmy Witherspoon (vol)
Roy Eldridge (tp)
Coleman Hawkins (ts)
Ben Webster (ts)
Urbie Green (tb)
Woody Herman(cl)
Earl Hines (p)
Vernon Alley (b)
Mel Lewis (ds)
Recorded Live at the Monterey Jazz Festival, October 2,1959
Woody Hermanオーケストラが熱演した第2回の1959年のモンタレージャズフェスティバル。
そのハーマンが出演した前日、西海岸のモンタレーでおなじみの霧が帯び状に漂いだし、初日の最後のステージが終ろうとしていた。
一瞬の静寂。
聴衆もステージがもう終わったのかなと思った瞬間、ステージにずんぐりとした威厳のある雰囲気の漂う男が現れると、ピアノを平手で2回叩いて、ピアノの椅子についていたアールハインズに“DOWN HOME! ’A’ FLAT”と叫んだ。
マイクロフォンをわし掴みにすると、6000人の聴衆を相手にブルースのレッスンを開始した。
ハインズのピアノトリオに、トランペットのロイエルドリッジ、テナーのコールマンホーキンズにベンウェブスター、トローンボーンのアービーグリーン、そして、クラリネットを手にしたウディーハーマンも舞台にあがって準備万端整っていた。
歌いだしたのは、「こてこて」のブルース歌手、Jimmy Witherspoon。
周りのざわめき、掛け声が妙にリアルに聞こえる。
舞台は完全に「ブルース」の世界に包まれ、同じJAZZとはいっても一味違う雰囲気が漂う。
その時まで何のリハーサルもなし。そしてプログラムも決まっていなかった。
始まる前に、ウィザースプーンは、「どうする?」と聞かれた。
彼は答えた、「気にするなよ。ベンとはいつもこんな調子でやっているし。アールはスイングするピアノだよ・・」と。
結局、このバンドが演奏を始めるのには、“DOWN HOME! ’A’ FLAT”だけが必要だったということだ。
JAZZの究極の楽しみ、オールスターでのジャムセッション。
それも、飾りっ気のない“ブルース”で。
ドラムには、ハーマンオーケストラに客演していたMel Lewisが座っていた。
スタンケントンオーケストラで長くプレーし、このときはロスに居を構えてスタジオミュージシャン生活。このブルースセッションには、少し場違いな感じがしないでもないが。
色々なセッションは経験していると思うが、こんなセッションは珍しかっただろう。
翌年Mel Lewisはロスを離れてニューヨークに向かう。Quincyがヨーロッパに旅立ったのに合わせるように。
ハーマンのオーケストラにウィザースプーンのステージ。このモンタレーでの演奏と経験が何か彼を思い立たせる原因になったのかもしれない。
もし、メルがニューヨークに行かなければ、サド・メルのオーケストラは生まれなかったのだ。
59年のマイナーレーベルの録音だが、妙に生々しいライブの音が印象的だ。
ライナーノーツには、録音機材を含めて詳細は録音データが記載されている。
レーベル名は「Hifi Jazz」。こんなレーベルもあったのだ。
LPからステレオの時代に、よい音へのこだわりが進化した頃だ。
おかげで、今でもこの時代の演奏を素晴らしい音で聞くことができる。
技術の進化とそれを使いこなして、その時代のJAZZを残してくれた先達に感謝しなければならない。
No Rollin’ Blues
Good Rockin’ Tonight
Big Fine Girl
Ain’t Nobody’s Business
When I Been Drinkin’
Jimmy Witherspoon (vol)
Roy Eldridge (tp)
Coleman Hawkins (ts)
Ben Webster (ts)
Urbie Green (tb)
Woody Herman(cl)
Earl Hines (p)
Vernon Alley (b)
Mel Lewis (ds)
Recorded Live at the Monterey Jazz Festival, October 2,1959